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よぉ 全部いっちゃっていいかな? 3000万円… 「黒」に!!
いや   「赤」にする   「全部」……「赤」だ


#22 湖畔のルールA





●トビラ絵はシュガーちゃんと、樹に取り込まれたかのようにも描かれたジャイロ&ジョニィ。いきなり不吉な未来を暗示しています。


●まず、ジャイロ達はあの後、シュガーから「両耳」だけでなく「右腕」もGETしていた模様。特に何のカラクリも意図もなく、ただフツーに「遺体」が2つ隠されていたようです。ヨセフの手抜き説が濃厚になってきました。あるいは、あの大樹に守護精霊としての能力を与えるためには、「遺体」2つ分ものエネルギーが必要だったって事かもしれませんが。なお、シュガーは約50年も樹に囚われていたらしく、なんと推定66歳。これにはリサリサ先生もビックリです。
「右腕」はジャイロの中へ!これでジャイロにも改めてスタンドが発現しそうです。恐らく「眼球スキャン」とは別の、腕にちなんだ能力が目醒めるはず。ジョニィの例を見ると、「遺体」を複数GETしても、使えるスタンドは最初に発現した能力1つだけっぽいですね。能力が強化される事はあっても、複数のスタンドを持つ事はなさそう。しかし、ジャイロのように「遺体」を手放した後、別の部位の「遺体」を入手した場合は、その別の部位の新たなスタンドが発現すると思います。ジョニィも仮に一旦「遺体」を全部取り出して、「脊椎」だけ入れ直したとすれば、きっと『タスク』ではない「脊椎」のスタンドが使えるようになるでしょう。ホット・パンツはうまい事、『タスク』を失わせないように「脊椎」の一部を残して、「遺体」を奪い取ったのです。


●シュガーと別れ、森を脱出したジャイロ達。「カネを使い切るなんて楽勝さ!」と余裕綽々なジャイロではありましたが、これが大苦戦。大樹の呪いはやたら判定が厳しく、ちょっとでも不平等でNGな行動をすれば速攻で「木の実化」させてきやがります。捨ててもダメ、あげてもダメ、盗まれてもダメ。つまり、マッチのような消耗品や飲食物など以外の物は、等価交換としての取引で消費しないとダメという事。ジョニィ曰く、あの大樹は「悪魔の手のひら」で、これは「遺体」にふさわしい者を選別するための試練なのです。
農場のオヤジさんに初っ端から手痛い仕打ちを受けたものの、どうにか松茸を山ひとつと交換ッ!そして、ようやっと文明の栄えたミルウォーキーの街へ。街の描写がまた美しい。昔のアメリカっぽい雰囲気がスゴい出てて、思わず見とれてしまいますよ。豪勢な料理をたらふく食っても、馬にオシャレしてあげても、カネは一向に減らず。でも、自分達の蹄鉄を逆に利用して、なおかつカネも使って、敵を欺くあたりジャイロもしたたかです。カワイイ女のコ達をナンパしては樹にされて、無茶な取り引きしようとしては樹にされて。思いっきり翻弄されまくって、慌てて樹を説得するジャイロの図も笑いを誘いました。
やっぱ旅をしてる以上、辿り着いた街での出来事人々との交流みたいのも描いてほしかったので、今回はそれだけでも大満足。今まで街が描かれていたのはカンザス程度のもんだったし、ほとんどバトルの舞台としてだったしなあ。いろんな場所でいろんな人といろんな会話をしてるジャイロ達が新鮮で、この旅してる感がたまらなく楽しいです。


●ビルを購入しても、お釣りや権利収入等でどんどんカネが増えてゆく。取引によって得た権利から生じる「利益」もまた、使い切る対象に含まれてしまうようです。11人の敵も迫って来る上、木の実化もますます進行中。あまりの最悪の状況に、「結婚→すぐ離婚→慰謝料」なんて非道な手段まで頭によぎるジョニィ。しかし、その時!ジャイロに、ある閃き……!!圧倒的閃き……!! ざわ… ざわ…
そう、ギャンブルです。カジノに入り、ルーレットで手早くカネをスればいい。確率的に平等ならば、樹も反応はしません。ギャンブルと言えば荒木マンガの原点。しかも、ありそうで無かったルーレット。これは燃えます。ジャイロにカジノ経験がある事は1st.STAGEでも言ってたし、これはイケるか?「赤」に全額3000万を賭け、いざ勝負ッ!負けるためのギャンブルってのも皮肉ですけど。ところがディーラーの野郎は、イカサマで平等だったはずの確率を崩壊させてしまいました。回転使いのジャイロは負ける結果が分かってしまいました。そのせいで木の実化が大進行。
こんなヤバイ時に11人の敵も現れた!でも、ジョニィは『タスク』の「穴」を利用して、賭けに勝利!カネは倍に増えたけれど、「カネを捨てる行為」だけは回避できました。そして、すかさず敵との決闘へ。次々に襲い来る危機に、読んでる方は大興奮ですよ。2人とも「漆黒の意志」で生長を続けており、今やためらいなく敵の息の根を止めにかかっていますね。単純な銃の撃ち合いだけど、一瞬の命のやり取りに緊迫しました。


●1人は始末したが、残りの10人の姿が無い……!?なんと殺した男の肉体から、別の男達の姿が現れています。敵を見失ったジャイロに銃弾が炸裂ッ!これこそが敵のスタンド能力。11人共通の能力か?それとも誰か1人のスタンドで、他の10人は能力の支配下に置かれているだけなのか?後頭部の顔らしきモノがスタンド・ヴィジョンで、もしあの男が本体だったなら、男が死んだ時点で消えるはずなので恐らく後者かな。
あの「顔」が憑いている者同士は、融合するかのように互いの体内に潜める能力と推測。柱の男っつーか、肉体版『ダイバー・ダウン』っつーか、そんな感じの能力ですね。融合・分裂とか飛び散った肉片とかも駆使し、トリッキーに襲って来そう。ジャイロ達もさぞかし苦戦を強いられる事でしょう。しかし、木の実化を逆利用して危機を乗り超えるのではないかと思います。あえて樹になる事で、敵の攻撃を避けたり、敵を縛り付けて固定したりとかして。
見てみると、11人は格好は同じですが、それぞれ顔付きは違う様子。脇役っぽい顔ではあるものの、なかなかカッコイイです。もし11人のリーダー格・本当の本体がいるとすれば、そいつは意外とリンゴォ並みのシブさかも。


★最高に面白かったです。ある種、閉鎖的なシチュエーションの中でバトルとレースの繰り返しだった今までとは違い、なんか開放的な印象でした。とにかくジャイロが生き生きしてますね。この「両耳」「右腕」のエピソード、かなりお気に入りになりそうな予感がします。
ジョニィの「まだ遺体を手に入れてはいない」という発言から、使い切らなくてはならない物に「遺体」は含まれないと見て良いでしょう。となると、最大の問題は大量の現金ですね。これは激闘の末、カジノが大破・炎上。ケガ人も多数。そんで、「お騒がせしたな。こいつを修理費治療費にでも当ててくれや。」と支払って解決、と予想してみます。しかも逆に足りず、自分達のカネまで支払うハメになり、何とかマケてもらったりすると笑えますね。
ブレゲの時計の方は、敵を倒した後でそいつの付けてる高級腕時計と交換。「いい時計だな。でも、これもイケてるだろ?取り替えてやるよ。」と。こうしてやっと解放され、「やれやれだぜ。やっぱ欲かくとロクな事ねーな…。」なんてオチで。
さて、来月号は久々のカラー表紙!劇場版公開に向けての企画も目白押し!「ジョジョ」20周年の今年は、まだまだ始まったばかりです。ワクワクするぜ。



(追記)
●この「遺体」の試練は「金銭欲や物質的欲望に囚われない者」に「遺体」を託すためのものなのでしょうか?カネやモノへの欲・執着を断ち切れるだけの心と智恵を持たなくてはダメなのです。前のエピソードで散っていったサンドマンなんかは(言い方は悪いけど)カネのために自己を捨てたくらいですし、他の多くのレース参加者達も似たようなもんでしょう。今回のジャイロ達にしてもカネを使うどころか、逆にカネに使われていました。即物的な行動や精神からは、本当の価値は得られないという事なのかもしれません。
11人の敵との戦いは、きっと命懸けの決闘の連続。リンゴォの言う「男の価値」を上げるには絶好の機会です。結果的に、この死闘を勝ち抜いたからこそ「遺体」の試練もクリアできたって展開になってくれると燃えそう。ジャイロ達が真に欲しているものはカネなんかじゃなく、自分が自分として生きられるための「誇り」なのだから、このエピソードを通じて「気高き飢え」を改めて認識してほしいところです。




(2007年1月18日)
(2007年1月27日:追記)




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