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こっちからヤツをたたいて「左眼球部」を奪い取るッ!
…「緑信号(GOシグナル)」はまだ点滅しているぜッ!


#36 決戦の地へ





●トビラ絵は、穏やかな表情でこちらに微笑み掛けるジャイロのアップ。最近は厳しい戦いが続いていたので、こういう爽やかスマイルを見るのも久方振りな気がしますね。シュガー編以来なかったニョホホ笑いもそろそろ見たいもんです。
それと、今月はオマケとして未公開イラスト使用の特製マウスパッドが!ワルそうにニヤリと笑うジャイロと、流し目ジョニィ。シンプルでありながら、ディティールに凝ったデザインでステキ。「∞(無限大)」をモチーフにしてるんでしょうか?ジャイロとジョニィ、2人合わせりゃ無限大!「回転」の力を記号化したかのような、美しいイラストです。
あ、「∞」じゃなくて、単純に2008年の「08」をデザインしただけか……?)


●何事もなかったかのようにレースに戻ったジャイロとジョニィ。とうとう7th.STAGEもゴールです。1890年9月25日にスタートした「スティール・ボール・ラン・レース」も、すでに3ヶ月が経過。現在は12月28日との事。1890年のうちにレースは終了し、新しい年が明けると共に皆、それぞれの新しい道へと歩み出すって形になるのかも。
フィラデルフィアへはジャイロが6着ジョニィが7着というレース結果に!2人ともレースに加えて、大統領の刺客との激戦・連戦で疲れ切っている様子。「遺体」を全て奪われ、「頭部」への手掛かりすら何もない今、ジョニィはすっかり途方に暮れてしまっています。そんな最中、観客に紛れて大統領の手先が3人、銃でジャイロ達を暗殺しようと企むものの、そんな連中など事も無げに撃退。この長い旅での彼らの生長が窺える名シーンですね。研ぎ澄まされててカッコイイ!それと坊ちゃん刈りの暗殺者、表情豊かでなんか好感が持てました。
「遺体」を失った以上、大統領も自分達を始末するためだけに全力を注いでくる。これはヤバイし、ピンチ!ジョニィの言う事は事実です。しかし、ジャイロの受け取り方はまるで逆でした。生きてゴールする事が出来た。これは幸運であり、チャンス!さらに、7th.STAGEの優勝者が復活したディエゴって事にも喜んでいるくらいです。1位になれる程に絶好調というなら、きっとディエゴはまだ「左眼」を所持しているはず!ディエゴから「左眼」を奪い取れば、「遺体」総取りの可能性も出て来ます。これぞ突破口!GOシグナルはまだ消えてはいないッ!どこまでもへこたれないポジティブな姿勢はスゴく憧れるし、なんかワクワクさせられますね〜。気高く飢えてますよ、ジャイロ!前回は「遺体を壊すくらいなら敵にくれてやれ」なんて言ってたジャイロですが、あれは心を折られていたから出た弱音発言って事で(笑)。
そして、8th.STAGE「ボース・サイド・ナウ」がスタート!!そのまま一気に9th.STAGEに突入!!物語の終焉は近い!!


●でも、こういう展開になってきたら、むしろディエゴが心配になってしまいます。まさかここで1着ゴールとは予想外すぎ。ポイントはともかくとしても、1人だけタイム・ボーナスを2時間も獲得した事になるので、最終的にレース上で絡ませにくくなっちゃいそう。増して、ジャイロ達は彼から「左眼」をブン取ろうと画策中なワケで。ニューヨークにゴールする前に、バトルで敗れてリタイアなんて結末もあり得そうな予感!
4th.STAGE以降、マトモにジャイロ達と関われていなかっただけに、ようやく出番が回ってきそうで嬉しいんですけども、ディエゴには最後までレースでも強敵であり続けてほしいです。特にジョニィとは浅からぬ因縁がありますからね。捨て去った過去が襲い来る「追憶の館」にて「迷い」を捨てて生まれ変わったジョニィですが、もっと具体的な形でディエゴとの決着を、忌まわしき過去からの脱却を描いてくれればいいなあ。そのためにも、ディエゴにはレースで頑張ってもらいたいんです。個人的な希望として。


●場面は一変し、ルーシーを想うスティール氏へ!世間的には死んだ事にして、埋葬したルーシーの亡骸。しかし、あれはルーシーの死体ではない。愛する妻に何か大きな危機が迫っている事を確信するスティール。彼もスタンドの存在は知っており、失踪以前のルーシーの言動も含めて、意外と鋭く推理しています。そんな時、写真の中のルーシーと新聞に写る大統領夫人(正体はルーシー)の体型があまりに似すぎている事実に辿り着いてしまいました。あんた、名探偵になれるよ!まあ、H・Pが教えてくれていたら話も早かったんですけどね。
そこに唐突に現れたのは、マジェント・マジェント!左眼は失われ、顔には大きな傷跡が残っています。スティールに定規を持たせ、鼻水とヨダレたらしまくりの再登場。ワケわかんねえ〜!この得体の知れない怪しさ、マジェントらしくて好きです。北国に2週間以上も放置されてたらしく、またも「飛行機がありゃあなあ」などと言ってます。つーか、マジでよく生きてたね。あらゆる物理的ダメージからガードしてくれる『20th センチュリー・ボーイ』は、やっぱし凍て付く寒さをも防いでくれると考えるべきなのか?ちょこちょこ休みつつ、自力で極寒の地を脱出して病院を目指したのかも?
「何か用か?」「用なんかないよ。あんたはもう用済みだ」この会話の流れが面白いですね。スティールに持たせた定規で距離を計り、銃をブチ込む!律儀に定規なんて持ってやったばっかりに、スティール大ピンチ!


●マジェントに続いて、ウェカピポも再登場!ピンピンしてますね。口ヒゲも剃って、心機一転です。5日前、ジャイロ達と合流し、ルーシーがH・Pの能力で誰かになりすましているであろう事を聞いた様子。そもそも『シビル・ウォー』から救い出されたH・Pは今、どこで何をしてるんでしょうか?ヴァチカンに「遺体」を奪われたと報告してる所なのか?それとも、ルーシーを助けに向かっているのか?彼女が口を閉ざしているせいで、事態が変にややこしくなってますな。
ウェカピポはルーシーを護りはするが、「遺体」には関わらないし、大統領や合衆国と争うつもりもないとの事。一度は大統領に恩義を感じ、彼の手下となった身。妹の件での借りを返すためにルーシーを護衛しても、大統領を積極的に裏切る気はないのです。それが彼が通す筋であり、貫くべき心の掟。ウェカピポ、シブい男ですね!
そんな彼が馬車に近付くと、そこには胸を撃たれて重傷のスティールが。馬車の屋根からウェカピポを狙うマジェント。それに気付くウェカピポ。撃ち合いのシーン、最高にシビれます。やっぱ「SBR」は決闘シーンが似合いますね。マジェントの生還に動揺を隠せないウェカピポですが、マジェントの憎悪はグツグツ煮えたぎっております。年上の先輩ちゃんだからと、ウェカピポに地獄の最底辺を味わわせてから殺す気満々!間違った敬意の払い方を覚えちゃいました。
「レッキング・ボール」衛星弾、発動!マジェントはスタンドを身に纏い、全ての攻撃をガードするものの、ひたすらウェカピポにされるがままなのがシュール。ちょっと笑える図です。トコトン受け身のスタンドだよなあ。走り出した馬車の上での攻防はスピード感たっぷり。高速移動しながらのバトルは大迫力で燃えます。馬車は大統領のいる「フィラデルフィア独立宣言広場」市庁舎へ!政府の護衛官達までもが追って来たけど、「左側失調」でうまいこと追跡を交わしました。残るはルーシーの正体に気付いたマジェントのみ!
これはジャイロ達のゴールから1時間ほど前の出来事だそうです。ジャイロ達が到着した時点で、事態はどのように進展していたのでしょうか?ジャイロ&ジョニィ、ルーシー&ウェカピポ、この2つの線がフィラデルフィアで交わるのでしょうか?


●場面はまたも切り変わり、大統領夫妻へ。2人でお茶を飲み、バイオリンを奏で、まったりと優雅なひと時を楽しんでらっしゃいます。大統領はルーシーが化けたスカーレットに対し、違和感を抱きながらも、警戒より好意を感じているようでした。「呼吸がピッタリ」だの「すごくカワイイ」だの、ノロケまくりの大統領。本物のスカーレットも浮かばれませんね……。まあ、我が強そうなスカーレットよりは、相手を立ててくれそうなルーシーの方が大統領好みなんだろーな。
傍から見れば仲睦まじい光景ですが、ルーシーの心の中では壮絶な決意が固まってました。大統領がこれ以上、自分の体をベタベタ触ってきたり、キスなんてしてこようものなら、直ちに舌を噛み切って自殺するつもりです。スティールへの愛の深さが伝わる心理描写でした。ジャイロにも言われた通り、誓いを立てて結婚したのだから夫のために守り続けるって覚悟の強さを感じます。
ところが、ルーシーのポケットから「右眼」が勝手に落ちて転がってしまいました。そう、これは「遺体」同士の引力!隣の部屋には「遺体」が安置されていたのです!「右眼」に気付きそうな大統領の気をそらすべく、ルーシーは彼の顔面を鷲掴み!近付く2人の顔、近付く唇……。ルーシーの貞操、危うし……ッ!
私としては、このままキスしちゃってほしいですね。死ぬほどイヤな大統領とのキスを、夫を護るために自らの意志でする。泣き喚きたい心を押し殺して、妖艶な仕草で大統領の気を引く。グッと来るでしょ?今までの「ジョジョ」で描かれてきたものとはまた異なる「女の強さ」が見られるのではないかと期待しています。妻がこんなに頑張ってるんだから、スティールも死にかけてる場合じゃないよ!


★今月は53ページ!なかなか60ページ連載のペースに戻ってくれず、じれったい気持ちもありますが、内容は超充実していましたね。面白かった!点在していた多くの要素が徐々に集まって来ている感覚。フィラデルフィアで「遺体」争奪戦の決着は付くのかなあ?でも、もう一捻り「何か」がありそうな気もする。
マジェントもこのまま防御に徹してても意味ないんだし、どう攻撃を仕掛けて来るんでしょうか?ウェカピポは思いっきり見下してますけど、油断は禁物!やはり誰かとコンビを組んでいる可能性は高いと思います。馬車と並走して、ディエゴが生み出した新種恐竜が現れたりしてもいいかも。あるいは、市庁舎に突っ込んで、大統領の側近と組んで戦う事になったりして。ウェカピポも、護衛すべきルーシーとここで合流するのか?護り抜く事が出来るのか?
そして、ルーシーとスティールは出会えるのか!?先に述べた、ルーシーが大統領にキスするって部分も、スティールの目の前でやっちゃったりすると一層盛り上がりそうです。夫が見ている前で、夫を救うために、夫以外の男と。AVかなんかみたいなシチュエーションではありますが、きっとハートは激しく震えさせられる事でしょう。う〜ん、色々と想像がかき立てられますね!




(2008年4月18日)




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