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やはり わたしの最大の『目的』はこれらしい…
『こういう予期せぬ事が起こらぬようにすること』


#49 デラウェア河(リバー)へB





●今回のトビラ絵はとっても楽しい間違い探しです。
『よく雑誌のクイズで同じ2枚のイラストが並んでて Aの絵にはBの顔とちがう所が7か所あります ――探してハガキに書いて送ってください』… あんまり見つからないと目玉を動かすのが疲れて……気持ち悪くなるけど く… 区別がまるでつかないぞ……
まさにそんな状態。どうやら2つの世界のジャイロ&ジョニィの姿みたい。ほとんど同じだけど、7つの違いがあるとの事です。なかなか上手い事を考えましたね(笑)。……というワケで、私もやってみました。3Dアートを見る時のような要領で見つめると、違いが分かりやすいですよ。立体的に見れて面白いし。

(答え)※反転して見てください
1.ジョニィの頬(右には縫った痕) 2.ジョニィの指(右だけ中指も立ててる) 3.ジョニィの帽子の模様(右は鉄球、左は馬)
4.ジャイロの持っている物(右はバラの花、左は鉄球) 5.ジャイロの服の模様(右は丸、左はハート)
6.ジャイロの唇(右だけスクリーントーンが貼られてる) 7.ジャイロの左モミヒゲの数(右は4つ、左は3つ)


恐らくコミックス19巻で答えが発表されるんでしょうね。それまで頑張って見付けましょう!


●いよいよ「遺体」は最後の段階へ。列車に乗るルーシー、気分が悪いようで変な汗をかきまくってます。赤ちゃんがもうすぐ産まれる!?
水を飲もうとコップに注ぐと、そこで異変発生。水が真っ二つに割れているじゃありませんか。さながら、紅海を歩いて渡ったというモーゼのような不可解な現象。と同時に、自分のお腹がしぼんでいく感覚があったルーシーは、触って確かめようとします。すると次の瞬間、床には彼女の指が転がっていました。そのまま顔が、全身が、次々と吹っ飛んでいく!しかし、彼女が死んだとか傷付いたという事はない様子。
まるで脱皮したセミ、オーバーボディを脱ぎ捨てたビッグ・ザ・武道。吹っ飛んだはずのルーシーの肉体の奥からは、ひからびた謎の体が覗いています。なんと、ルーシー自身の肉体が「遺体」と入れ替わっているのでした!なんておぞましく恐ろしい展開……。「頭部」が産まれるとか、赤ちゃんが産まれるとか、そんな次元じゃありませんね。まさかルーシー自身が「遺体」そのものと化すとは……。今までは素直に彼女を応援してましたが、もうここまで来ると、彼女の悲惨で壮絶な運命に泣けてきます。どうかラストは幸せに笑っててほしい。


●前回ラストから、時間はちょっぴり前後。列車に乗る大統領が、ディエゴとH・Pの追跡に気付くシーンから。さほど驚きもしてませんが、これは想定外の出来事だった模様。そして、「こういう予期せぬ事が起こらぬようにする事」こそが最大の目的と語ります。「不運」さえも含め、「全て」を味方にする事。
かつてディオは「人間は策を弄すれば弄するほど、予期せぬ事態で策が崩れ去る」と学び、人間をやめました。大統領もまた、人間も運命をも超越し、新たな存在として世界に君臨しようとしています。国家の真の安定と繁栄にとって、不確定要素などは邪魔なだけ。威信の乱れに繋がるからと、裏切り者をトコトン始末しようとしてましたし、思い通りにならない事は我慢ならない性格なんでしょう。
――列車に飛び乗るディエゴとH・P。そこに待ち受けるは大統領。……って、あれ?大統領は自ら語ります。ここは「隣りの世界」だ、と。やっぱり「わたしがナプキンをとる」の次のページからは、「隣りの世界」に視点が移り変わっていたようですね。突然、開かれる列車のドア!そこに挟まれて、2人は「基本の世界」へと連れて行かれちゃいました。すでに「基本」の大統領が「隣り」に来ていたのです!
ここら辺の2人の大統領の会話シーンが面白い。威厳もあるし、おかしな雰囲気もあるし、大統領もかなりいいキャラになったな。つーか、このシーンで「隣り」の大統領も「遺体」の存在を知り、自分が「隣り」だという自覚も持った上で、「基本」の自分がナプキンを取れるよう協力している事が明らかになりましたね。ただ、微妙に「隣り」の大統領も、自分がナプキンを取りたいなって思ってる風にも感じてしまう。そんな自分の野心によって、自分を裏切り殺し合って、自滅なんてオチも考えられる……かも??


●時間はやっと前回のラストに繋がります。「隣り」から連れて来られた2人の目の前には、「基本」のディエゴとH・P!全てを知っているからこそ恐怖するディエゴ、何も知らないからこそ狼狽するH・P。戦いはすでに始まっている!
何を思ったか、ディエゴはH・Pに「カネを出せ」と言い出しました。戦いだけでなく、カツアゲも始まっていた!そしてH・Pに警告すると、巻き上げたカネを捨てて、列車へと猛ダッシュ!ところが、理解不能なH・Pはディエゴの警告も聞かず、「隣り」の2人に話し掛けてしまいます。認識し合ったら破壊・消滅がスタートしちゃうとヒヤヒヤしてたら、特にそんな事もないようで。少なくとも、「基本の世界」では触れ合った時点でスポンジ化するみたい。めっちゃ近距離にいると、磁石のように引き合ってしまう性質もある様子。
落っこちてたカネを拾おうとした(?)「隣り」のディエゴが滑って、そのカネと彼の持ってたカネが接触し、消滅していきました。そして、カネを入れていたポケット周辺の脚の肉ごと巻き込んで破壊ッ!同じくH・Pも!「基本」のディエゴはそれを見越して、草を踏みしめ、コケやすくしていたようです。自分同士ですから、もう1人の自分がどういう思考・行動をするのか、何となく分かったのかな。カネさえ武器に利用するとは、さすがはディエゴ。


●「隣り」のディエゴは、「基本」のディエゴを追い掛けて行きます。その場に残るは2人のH・P。でも、こんなに睨み合ってるのに、どっちも鈍すぎる……(笑)。気付けよ!「鏡見た事ねーのか」ってくらいのオマヌケなやりとりに笑っちゃいます。2人とも同一人物なので、これまた考える事も行動のタイミングも同じ。お互いに肉スプレーで目潰しし合ってます。しかも、肉スプレーを拾おうとして、結局触れ合っちゃうし!ヤバイと思えばすぐ逃げる性格なら助かったのに、H・Pの場合はドツボに嵌ってしまってますね。
でも、ここで終わるヤワな女じゃない!すぐに愛馬・ブラウン号(ゲッツ・アップから乗り換え?)を呼び、その肉をスプレーにして、自分の目を覆う肉をはねのけます。消滅した腕も肉スプレーで作って、列車に猛ダッシュ!ようやく大統領の恐ろしさを、身をもって思い知りました。
列車に追い付き、飛び乗ろうとする彼女。しかし、列車内には「隣り」のディエゴ、後方からは「隣り」のH・Pの姿がッ!馬を捨てて自力で走ったため、あっけなく追い付かれてしまいました。迫る「隣り」の2人。ところが、それはディエゴの策!追い付いてもらうために、あえて馬を置いて行ったのです。事もなげにドアを開き、2人を挟んじゃいました。『D4C』発動中は、何かに挟めば「隣りの世界」へ帰せる(来た場所からしか帰せない?)ッ!全てを知っているからこその余裕!
見事な作戦でしたが、でも大統領、今度はもっとスゴイ事を仕掛けてきそうですよね。「隣りの世界」は複数あるワケですから、複数のディエゴやH・Pを出現させてきたり。大統領も複数人現れ、狭い列車内はとんでもないカオスになりそうな予感!


●ディエゴがH・Pに「覚悟はあるか!」と発破をかけ、大統領暗殺に向かう頃。列車のすぐ近くまで、ジャイロとジョニィが迫って来ていました。ジョニィめ、またおいしい所を持って行く気だな!H・Pが大ピンチに陥った時、颯爽と現れて救い出し、まんまとホレさせようって魂胆に違いない。ヘルメットを失ってカワイくなってるH・Pを見て、そんな事を企んだんでしょう。なんとけしからん漆黒の意志
ジャイロの推測では大西洋が目的地あと数分で着く場所?一体どこ?ポコロコ、ノリスケさん、バーバ・ヤーガの姿も確認でき、レースの方も進み出した模様。7th.STAGEゴールから1時間程しか経っていないのに、早くも強豪達は走り出していたか。やっぱりもう2日でニューヨークにゴールできる距離まで来ているので、誰もが気が急いているんでしょう。大西洋が見えたら、バトルもレースもマジヤバイ!!
……ただ、ディエゴはここで列車に乗っちゃったせいで、レース失格なんて事になっちゃわないかな?タイム・ボーナス2時間も持ってるし、レース的には扱いにくくなってるでしょうからね。たとえそれを理由に失格、あるいは棄権するにしても、ジャイロやジョニィとはレースの決着もしっかり付けてほしいです。


★今月は53ページ!60ページには及ばぬものの、なかなかのページ数でした。絵もカッコ良すぎでっせ。内容も2ヶ月ぶりだけあって、盛り上がってきました!ルーシーの異変、迫るディエゴ&H・P、待ち受ける大統領、後を追うジャイロ&ジョニィ。走る列車内での死闘のスピード感と、全ての終末が近付く焦燥感期待感がたっぷり味わえそうです。しかし、こんな大事な時にスティールはいつまで寝てんだか……。ダンナらしいカッコイイ所を見せてほしいもんです。
作者コメントは「友人が渡辺篤史さんの「建もの探訪」に出演だって。きっと夫婦でギター弾かせられたな。」との事。どんな御友人なんでしょか?要チェックや!




(2009年7月17日)




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