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ここから遠くへ 連れ出して やってくれッ!!
あいつからッ! この場所からずっと遠くにッ!
この娘を助け出してやってくれッ!


#56 正義と邪悪B





●トビラから『D4C』の能力解説が再び。多次元を移動できるのは大統領と『D4C』だけではなく、「重力」という力も同時に移動しているとの事。まあ、考えてみれば当然の事。もし「重力」さえ次元を超えられないのだとしたら、大統領は自身の存在を保てなくなってしまうでしょう。「重力」に引っ張られているからこそ、我々はヒトの形でいられるのだし、心を持つ事も出来るワケです。正直、そんな部分に疑問を抱いた事もありませんでしたが、これこそが真に重要な点!
仮に、異次元に存在する大統領と『D4C』を倒す事の出来る力があるとするなら……、それは「重力」しかないのです。「重力」を自由に生み出せて、『D4C』にぶつける事が可能ならば、どんな次元へも突き抜けて行けるはず!そして、それはこの世の誰も見た事のない現象ッ!……そうです。それこそが「騎兵の回転」に違いありません。まさか「重力」をも生み出す回転だったとは。「重力」の塊を単純にぶつけるのか、ブラックホール的に吸い込んじゃうのか、それとも大統領の存在を繋ぎ止めている「重力」を打ち消しちゃうのか……?いずれにせよ、6部でもさんざん語られた「重力」は、「SBR」においてもキーワードとなってくるようですね。
しかし、「遺体」を完成させた後は「隣りの世界」への移動など不要となっているにも関わらず、この前フリ的な解説。そして、「空間のスキ間」にいる大統領の髪を抜いたという事実。どうやら「空間のスキ間」も、「隣りの世界」とは別物ではあるものの、大統領と『D4C』だけがその能力ゆえに行き来可能な「異次元空間」と化しているのでしょうね。もはやモノの間に挟まる必要もなくなったとは言え、「スキ間」を出たり入ったりするたびに、「重力」も一緒に「次元移動」をしているという事のようです。


●馬を駆るジャイロの目に飛び込んできたのは、切断されたジョニィの手首ッ!ジョニィは『D4C』に首を掴まれ、馬から落とされてしまいます。とどめの一撃が繰り出される直前、ジャイロの投げた鉄球が大統領を襲う!しかし、やはり「スキ間」にいる大統領には命中する事なく、遠い地(インドかどっか?)の誰かが「害悪」を引き受けてしまう結果に。改めて、『D4C』の手刀がジョニィに繰り出されるッ!ここまでほとんどセリフもない状態だったので、ジャイロの叫びがより一層引き立ちます。
ところが、そこに白いネズミの走る姿が。気付いた大統領、攻撃の手を止めちゃいます。白いネズミと言えば、もちろんダニー。ダニー本人(ネズミだけど)ではないにしても、いよいよジョニィの呪われた心が解き放たれる時が近そうな空気ですね。気を取り直して、再度ジョニィのとどめ!……と思いきや、今度は何故かジョニィから勝手に遠ざかってしまう大統領。お約束ではあるけど、いちいちとどめを邪魔されて、大統領も大変だよね……。
どういうワケか、大統領はどんどん列車の方へ引っ張られ、戻ってしまってます。これが意味する事は1つ。……「遺体」化したルーシーが移動している!?「空間のスキ間」はルーシーを中心に広がっているので、ルーシーが動けば「スキ間」の射程範囲も移動する。だが、呼吸すら出来なくなったルーシーが動けるはずがない。ジャイロが列車の方に振り向くと、そこにはスティールの姿がッ!外してしまった爪弾が「重力」でも発生させたのかとも思いましたが、それ以上に嬉しい展開。マジェントに撃たれた傷から血を流しながら、それでもルーシーを抱いて、スティールが列車の外に出て来たのです!やっと、やっと目覚めたか〜ッ!でも、H・Pはどうした?


●スティールはジャイロに懇願します。「ルーシーをずっと遠くへ連れ出してくれ」と。どうやら大統領から離れるほどに、ルーシーの「遺体」化も弱まっていく様子。さっきまで呼吸も完全に止まっていたはずなのに、大統領から距離を取ると、呼吸がかすかに戻ったのです。お互いに近い距離にいなくては発現できない能力とは……。まあ、ほぼ無敵の能力だから、そのくらい厳しい条件がなきゃバランスも取れないか。
ジャイロは一瞬、ジョニィに視線を向けると、すぐさまルーシーに向かってダッシュ!ジョニィへのとどめを防げたのはスティールのおかげ、と感謝してます。大統領もルーシーを追う!しかし、このレースはタッチの差でジャイロの勝利ッ!ルーシーを受け止めたジャイロは、そのまま疾走し、大統領から離れます。
まんまと出し抜かれた大統領はプンプンに怒り、スティールを襲うッ!「おまえなんかの薄っぺらな志などどうでもいい」「おまえは世界の平和と幸福を邪魔している」と、スティールの深い愛も知らずに吐き捨てちゃってます。しかも、弾痕に指を入れてグリグリしてます。これは痛そう。スティールはここで始末されてしまうのか?……と不安になりましたが、なんと大統領、スティールを許す!?ブルー・ハワイ号にてルーシーに誓った「スティールは決して殺さない」という言葉は、本当にマジだったみたいです。傷の治療までしてやるつもりらしい。そのクセ、やっぱりムカついたからと、思いっきり踏み付けて痛みだけは味わわせてるし。
大統領、不思議な男だな。なんつーか……、彼だけの「世界の掟」があって、それに従ってるだけなんだろうけど、それはきっと誰にも理解できない。外道な悪党だけど、どこか神聖さも感じさせ、人間臭さもあって。うん、大統領はなんか嫌いになれないな。


●走り去るジャイロを見詰めながら、大統領は思案します。逃げているようだが、大西洋までもがどんどんルーシーの元に引っ張られ、取り囲まれようとしている。ジャイロに逃げ場はない!?……でもジャイロだって、ただ逃げるだけで終わるようなヤツじゃありませんよ。逃げながらも、大統領の追跡と攻撃を攻略する手立てを考えているに違いない。
一方のジョニィ、切断された手首の傷が移動してきて大慌て。ジャイロのようなカスリ傷じゃないし、これはヤバイ!こんなドデカい傷が心臓に達したら、確実に即死です。しかし、ジョニィはとっさに爪弾を、「移動する傷」に放ちます!爪弾の弾痕は操作できる。あえて爪弾でブチ抜く事によって、「移動する傷」ごと弾痕にしちゃったんです。そうして、弾痕操作で傷口を樹へと移動させ、辛うじて危機を回避!この機転はお見事でした。ただ、ふと思ったけど、スティールの傷が移動しないのは理由があるのかな?唯一、ルーシー(「遺体」)の能力が及ばない存在だったりしたら、超重要人物になりますね。
ジャイロと、それを追う大統領の姿。ジャイロの手元には今、1発しか鉄球がない。さっきジャイロが投げた鉄球は、地面に転がっている。……するとジョニィ、鉄球の下に何かを発見。ゆっくり持ち上げてみると、それはなんと耳ッ!人間の耳がへばり付いてるじゃないですか!そう、それはもちろん大統領の耳。大統領は自分の左耳がなくなっている事に気付いてさえいません。ジャイロの「騎兵の回転」は半分成功している!間違いなく「何か」が起こっている!
大統領の傷口を見てみると、ねじ切ったというよりはボロッと取れたっぽく見えます。ジャイロの鉄球が、大統領の耳の部分の「重力」をブッ飛ばしたんでしょうか?そのせいで頭部と耳の皮膚の繋がりが断たれ、取れちゃったとか?この分だと大統領、最終的にはあらゆる次元から消滅しちゃいそうだな〜。


★今月は49ページ!なかなかのページ数。読み応えもありました。「騎兵の回転」の全貌が徐々に明かされてきましたね。投げ方の原理、そして効果。無敵の防御をどうやって突き破るのか?それが荒木理論でちゃんと説明され、今後もより詳細に描かれそうです。それぞれのキャラがそれぞれの動きを見せ始め、クライマックスへの期待も膨らみますね!
作者コメントは「買い物行ったら「Perfume」のあ〜ちゃんに会った。どんな確率?運命の人?(違うか?)」との事。スゴイな。スタンド『チョコレート・ディスコ』が登場した時から気になってたけど、荒木先生は「Perfume」をどう思ってるんだろう?そもそも、どこで知って、なんでスタンド名にしようと思ったんだろう?ぜひ聞いてみたいなあ。でも、どうせ会うならジョジョファンのかしゆかに会えれば良かったのに。
さて、次号は祭りです。「SBR」20巻、「ジョジョ」シリーズ通算100巻の発売を祝し、「SBR」が表紙を飾ります!それだけじゃあないッ!なんと、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が掲載だ!フランス版すら出てないのに、日本版がもう読めるなんて!3号連続掲載の第1回らしいです。あ〜、早く読みてえ。ちなみに、フランス版ももちろん予約しときました。




(2010年2月18日)




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