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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




スタープラチナ (星の白金) / 本体: 空条 承太郎
< 「時間」を止める能力 >




17番目のタロット「星 (THE STAR)」のカードの暗示を持つ。
カードには、両手に水瓶を持つ人物と、その水瓶から大地へと注がれる水が描かれている。流れ続ける水は、決して尽きることのない「生命の力」「清らかなエネルギー」を意味する。
そして、天空には複数の星々が輝いている。星は「可能性」を表し、大きな星は大きな可能性、小さな星は小さな可能性を示す。大きな可能性は小さな可能性に護られるかのように取り囲まれ、小さな可能性は集まってまた大きな可能性となる。
このように、「希望」「純粋」「可能性」「理想」「閃き」「明るい未来」などを象徴するカードなのである。




<特徴>
@本体:空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)が17歳の時に、ジョースターの血の繋がりゆえ目醒めたスタンド能力。
ジョナサン・ジョースターの肉体を持つDIOにスタンドが発現した影響を受ける事で、ジョナサンの子孫である彼が発現させたスタンドである。


A人型ヴィジョンを持つ、射程2m程の近距離パワー型スタンド
古代ローマの拳闘士のような、あるいは金剛力士のような、筋骨隆々とした体格。その威風堂々たる佇まいは、守護神の如き神々しささえ漂わせる。


B頭部や両肩にプロテクターを纏い、両手にグローブを、腰にはふんどしのような布を装着している。
両肩のプロテクターに描かれた渦巻き模様は、「無限」「波紋」を表しているようだ。


C髪の毛がある数少ないスタンドの1つである。


D得意技は、両拳から放たれる、流星群の如きパンチのラッシュ。その掛け声は「オラオラ」


Eその動作の精密さは特筆に値する。
望遠鏡並みの視力と合わせ、写真以上にリアルな絵を短時間で描き上げた事もあった。また、ショーケースを透過しながらブレスレットを僅かな隙間から取り出したり、本体の肉体を透過しながら心臓だけを掴んでマッサージしたり……など、スタンドの物質への「透過」と「干渉」を器用にコントロールしていた。


Fその性質や能力など、あらゆる意味において、DIOの『ザ・ワールド』と同じタイプのスタンドである。




<能力>
「時間」を止める能力



@このスタンドは、厳密には「能力」というものを持たない、極限にシンプルなスタンドである。そして同時に、途方もない可能性を秘めたスタンドでもある。
「スタンド」とは基本的に、本体の「生命」や「精神(魂)」のエネルギーから生まれる「スタンドパワー」によって形作られ、強い「意志」や「感情」のエネルギーによってコントロールするものである。そのスタンドパワーは、本体の持つ才能・個性・欲望に最も適したバランスで、スタンドの「ヴィジョン」、「基本スペック」、「能力」にそれぞれ振り分けられる事になり、そうして1つのスタンドとして顕現する。したがって、「能力」の方にエネルギーを多く使うタイプのスタンドは、スタンドそれ自体の「基本スペック」が低い場合が多い。(無論、その本体が生み出せるスタンドパワーの総量にもよるが。)逆に、「能力」が無いスタンドは「基本スペック」だけにエネルギーを注げるため、純粋なパワーやスピードが優れている。
そして『スタープラチナ』は、本体:空条 承太郎の生まれながらに傑出したポテンシャルやキャパシティゆえか、パワー・スピード・精密性・視力・成長性などがケタ外れとなっているのだ。その破壊力は「隕石」の直撃の如し。そのスピードは「流星」の如し。その正確さは「惑星」の動きの如し。その爆発力は「超新星」や「ビッグバン」の如し。


A才能溢れる承太郎は、自身のスタンドパワーのコントロールにも長けている。スタンドパワーを指先に一点集中し、瞬間的に解放・爆発させる事によって、指を勢い良く伸ばす技「流星指刺(スターフィンガー)」も容易く編み出してみせた。
そして、承太郎がスタンド使いとして成長・熟練し、この「スタンドパワーの爆発」を極めた技こそが「時間停止」なのだ。
爆発的に高められたスタンドパワーは、承太郎の「精神」と「肉体」にも満ちていき、同時に『スタープラチナ』の「基本スペック」をも更に飛躍させる。その「爆発」は、時間にして一瞬にすら満たない刹那の出来事。だが、その「爆発」により『スタープラチナ』は、絶えず流れ続ける「時の歯車」にさえ追い付くスピード、ピッタリと噛み合わせる精密性、「歯車」の動きを止める程のパワーを持ち得る。
つまり、「基本スペック」の究極性ゆえ、時間と時間の「隙間」(限りなく「ゼロ」に等しい時間の中)に潜り込めてしまうのだ。結果として、相対的に時間を止めてしまうワケである。承太郎はその停止時間内にて、数秒分もの思考と行動を起こす事が可能となる。


B「爆発」させたスタンドパワーの大半を「時を止める」事に費やすため、停止時間内で発揮できるスタンドの「基本スペック」は通常時と同程度である。
また、この「スタンドパワーの爆発」は細かい調節が出来ないらしく、そこそこの「爆発」で時間の流れをゆっくりにする……などといった応用は不可能


C『スタープラチナ』が停止できる時間(=「停止時間内」で行動可能な時間)の長さは、第3部最終決戦時は最大5秒、第4部では0.5秒〜1秒程度、第6部初期は2秒程……というように変化している。第6部後期では、愛娘を傷付けられた怒りからか、記憶喪失時の瞑想の効果なのか、最盛期と同様に5秒の停止が可能となっていた。
ただし、連続で時間停止は出来ず、数呼吸の間(「爆発」させるスタンドパワーのチャージ時間)が必要となる。そのため、時を止めるタイミングを誤ると危険である。


D光も空気も何もかも停止した世界。それでも、飛躍的に向上した「感覚」「止まった時を認識する力」として機能し、世界を通常通りに捉える事が出来る。しかし、時が止まった世界は、通常の世界とはルールも異なるようだ。
時が止まっている以上、必然的に「因果」「運命」さえも停止している。投げたナイフが相手に突き刺さらず、直前でストップしてしまう……といった奇妙な現象は、この影響によるものである。「因果」が止まっているため、「原因」が発生しても「結果」にまで到達できない。時が動き出すと同時に「因果」も動き出し、そこでようやくナイフが相手に刺さるという「結果」が起こるのだ。そんな世界の中で、『スタープラチナ』だけが、他の物質や「因果」を直接動かす事が出来る。『スタープラチナ』に満ちる「止まった時の中で行動する力」に、他の物質や「因果」が強引に動かされるのである。
ただし、「力場」(「重力場」「電場」「磁場」など)を発生させる物質の場合、それとは少々違う動きをするらしい。「力場」とはまさに、この世界の基盤を形作るもの。それゆえ、『スタープラチナ』が持つ「止まった時の中で行動する力」にも敏感に反応して引っ張られ、『スタープラチナ』にとっての「通常の世界」で在ろうとして働く。この働きにより、『スタープラチナ』の周囲(ごくごく短い距離)に限っては、「力場」は通常通りに発生する。磁石などの互いに引き合う性質を持つ物質同士なら、停止時間内であっても、普通に引き合ってくっ付く事になるのだ。
ともあれ……、この力は、ほんの僅かな間だけ「運命」から解き放たれる力、とも言い換える事が出来るであろう。


E「止まった時を認識する力」「時を止める(止まった時の中で行動する)力」は、その性質が若干異なる。
スタンドパワーは「精神」の方から湧き出て来るエネルギーであるため、「スタンドパワーの爆発」はまず、承太郎の「感覚」を極限まで研ぎ澄ませ、鋭敏にする。ジョルノ・ジョバァーナのスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』による「感覚暴走」をどこまでも突き詰めたような、そんな状態になるのだ。つまり、世界のありとあらゆる動きが、超スローどころかストップしているかのように感じられるのである。「感覚」のみならば、ただ力任せにスタンドパワーを「爆発」させるだけで停止時間内に入り込める。仮に「爆発」が不十分であったとしても、止まった時をなんとなく認識する程度は可能なのだ。
しかし、「爆発」させたスタンドパワーを「肉体」にまで満たすとなると一筋縄ではいかない。スタンド使いとして目醒めつつある者にとって、「スタンドを見る事」は難なく出来ても、「スタンドを発現し操作する事」は困難であるように……、膨大なスタンドパワーを制御し切れるだけのセンス慣れが必要なのだ。どんどん「感覚」に流れ込んでいくスタンドパワーの流れを変え、「肉体」の隅々にまで巡らせ、留める。研ぎ澄まされた「感覚」に、「肉体」を追い付かせ、寸分の狂いもなく同調させる。力任せではない、そんな卓越した技術をこそ要求されるのだ。
だから、止まった時の中を自由に動く事の方が遥かに難しいのである。(そのため、「止まった時の中で行動する力」が「肉体」から尽きても、「止まった時を認識する力」が数秒分は「感覚」に残っているという事もあり得る。)


F承太郎の場合……、DIOにプッツンし、あまりにも激しい怒りを「大爆発」させる事によって、初めて自ら時を止めるまでに至った。
正確には、「止まった時の中で行動する力」が高まり、行動可能な時間が2秒分から5秒分にまで一気に伸びた、という事。事実上、「止まった時の中で行動する力」「時を止める力」は同質のものである。「DIOが止めた時の中」で承太郎が動く事と、承太郎が自ら時を止める事は、単にスタンドパワーを「爆発」させるタイミングが「DIOが時を止めている最中」か否かの差でしかない。(もちろん、「自分も時を止められる」という発想・認識こそが重要なのだが。)
つまり、DIOとの最終決戦における最後の「時間停止」を説明すると、次のようになる。停止時間1〜7秒 : DIOが姿をくらまし、承太郎は動かずDIOを待つ。停止時間8〜9秒 : DIOがロードローラーを持って現れ、承太郎はプッツン。ロードローラー越しにオラ無駄合戦。本来ならば、この2秒間しか承太郎は行動できない。しかし、プッツンした事で「止まった時の中で行動する力」がトータル5秒分に増加し、プラス3秒分は行動可能に。これにより、ロードローラーに潰される事なく脱出できた。停止時間10秒 : DIO、得意顔で勝利宣言。しかし、実際はすでに、DIOの「肉体」からは「止まった時の中で行動する力」は尽き、「止まった時を認識する力」だけが「感覚」に残留している状態。停止時間11秒 : DIO、自分が動けない事に気付く。停止時間12秒 : 背後に現れた承太郎に、DIOビックリ。承太郎、DIOに色々語ってから蹴っ飛ばす。そして、時は動き出す


Gこの「時間停止」は本来、唯一無二の強大なスタンドパワーを有し、かつ正確無比なコントロールを完璧に極めた者のみが到達できる境地と言える。
そのため、他のいかなるスタンドであろうとも、この技を再現する事は不可能である。そのスタンドにしか出来ない技ならば、それはもはや「能力」と呼んでも差し支えないだろう。「能力」を持たないスタンドであるがゆえに可能な技、であるがゆえに「能力」にほぼ等しい。(ただし、例外的・運命的に、『スタープラチナ』と同じタイプのスタンドである『ザ・ワールド』だけは、この「時間停止」を再現できる。)
あるいはもしかすると、「スタンドパワーの爆発」の「技術」(時間が止まったかのように動ける技)を極めた事により、本当に時間を止める「能力」として開花したのかもしれない。「料理」を極めたトニオ・トラサルディーが『パール・ジャム』を発現させたように、「暗殺風水」が『ドラゴンズ・ドリーム』として発現したように、「鉄球の回転」が『ボール・ブレイカー』として発現したように……、「技術」は究極にまで達すると、「能力」の域へと至る事さえあり得る。「能力」を持たぬスタンドを極める事で、(奇妙な話だが)それが「能力」として新たな力を齎した可能性も否定は出来ないだろう。


H承太郎はDIO討伐後、DIOのスタンドの名を受け継ぎ、自身の「時を止める能力」に『スタープラチナ・ザ・ワールド』と名付けた。
そのネーミングといい、DIOを倒してからまったく使用していなかった事といい……、承太郎はこの能力を忌まわしい力として捉えているようにも見受けられる。DIOが書き遺した『天国』へ行く方法を読み、その方法に必要とされる『ザ・ワールド』と同じ自分の能力を危険視していたのかもしれない。それゆえ、よっぽどのピンチの時か、DIOに類する邪悪と戦う時にだけ使う事としたのだろう。
(なお、『天国』へ行く方法の詳細については、コラム「『天国』へ行く方法の研究」にて述べる事とする。)


Iちなみに、発現初期は暴走状態にあったらしく、遠距離から承太郎の欲しい物を勝手に持って来るなどといった行動をしていた。しかし、承太郎がハッキリと「スタンド」の存在を認識し、意識的にコントロールしようとし始めた事によって、ようやく制御下に置かれるようになる。これを機に『スタープラチナ』は、遠隔自動操縦に近い状態から近距離パワー型に完全に固定された。
また、「時間」を止める能力にしても、承太郎自身でさえずっと気付けずにいた。そもそも、時を止めるなど思い付きもしなかった。だが、DIOの『ザ・ワールド』の能力を花京院典明が見破り、それを祖父:ジョセフ・ジョースターが承太郎へと伝える事によって、初めて承太郎は「時を止める」という事を意識する。スタンドは「時間」にすら干渉し得る、という可能性を認識できたのだ。それをキッカケとして、承太郎は猛スピードで「静止した時の世界」に入門したのだった。
スタンドをコントロールし、その力を最大限に引き出すためには、「強い心」「正しい認識」が不可欠なのである。




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