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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




スーパーフライ / 本体: 鋼田一 豊大 (偽名)
< エネルギーを「循環」させる能力 >





<特徴>
@1996年頃〜1999年の間に、本体:鋼田一 豊大(かねだいち とよひろ)に発現したスタンド。
彼の才能がたまたま開花したのか、虹村形兆に『矢』で射抜かれたのか……、スタンドが発現した理由は不明である。


A鋼田一は1996年頃、M県S市杜王町にて、電線を外され捨てられた「送電鉄塔」を電力会社から(10万円で)購入。理想的な自給自足の「家」に創り上げ、そこに住み始めた。
彼のスタンド『スーパーフライ』は、この全長40m近くもある巨大な「鉄塔」そのものと一体化している。当然、一般人にも見えて触れる実体化したスタンドである。


B『スーパーフライ』はただ「鉄塔」としてそびえ立っているだけで、スタンド自体が行動する事は出来ない。




<能力>
エネルギーを「循環」させる能力



@本体:鋼田一 豊大は、もともと他人が嫌で「鉄塔」に1人で住むようになった男である。人とのコミュニケーションが苦手らしく……、非常に恥ずかしがり屋で、「鋼田一 豊大」という偽名を名乗り、素顔も常にマスクで隠している。
恐らく彼は、かつて社会で理不尽・不条理な目に遭い、それが原因で極度の人間不信になったのだろう。例えば、信頼していた上司に失敗の責任を押し付けられ、切り捨てられた……等、何らかの人間関係のトラブルがあったものと思われる。
そんな彼の心理・願望を反映した『スーパーフライ』は、自身と一体化した「鉄塔」を、独立した「1つの社会」「1つの世界」に創り変えたのだった。それ単独で完結する、閉じられた世界である。


A独立した「1つの世界」である『スーパーフライ』は、自身を生み出した本体:鋼田一からも独立して存在している。鋼田一が意識的に発現・解除する事も出来ず、たとえ彼が死んでしまったとしても存在し続けるであろう、一人歩きしたスタンドなのだ。
しかし、『スーパーフライ』がスタンドとして存在を維持するためには、生物の「生命」や「精神(魂)」のエネルギーが不可欠である。つまり、仮初めの「本体」が必要となるのだ。『スーパーフライ』は、「鉄塔」内に入り込んだ人間を新たな「本体」とし、そのエネルギーを享受し続ける。無理に「鉄塔」から外に出ると、「本体」の肉体は、外に出た部分が「鉄塊」と化してしまう。「鉄塔」内に戻れば、「鉄塊」化した部分も元の肉体に戻る。だが、もし完全に外に出てしまったなら、全身が「鉄塊」化し、「鉄塔」の一部となってしまうだろう。
「鉄塔」化した者は、もはや身動きすら取れず、呼吸も食事も不要な「生ける鉄クズ」としてその場に転がる事になる。全身を覆う「鉄塊」は、「鉄塔」化した者の生命を強固に保護し、かつ、「鉄塔」そのものとの繋がりをも強固なものにする。そのため、たとえどんな遠くへ運ばれたとしても、「本体」を失った『スーパーフライ』にまた次の誰かが入って来るまで、ゆっくりとその生命エネルギーを吸われ続けるのだ。


B『スーパーフライ』が必要なエネルギーは、人間1人いれば充分賄えるようである。したがって、「鉄塔」内には何人でも入る事が出来るが、最後に残った1人が新たな「本体」として囚われる事になるのだ。
本当の「本体」である鋼田一自身も、『スーパーフライ』に囚われてしまっていた。そして、別の誰かを騙して「鉄塔」内に入り込ませ、自分だけ脱出しようと画策していたのだった。これを彼はトランプゲームの「ババ抜き」に例えていたが……、かつて「鉄塔」外の人間社会で「ババ」を掴まされたトラウマが強烈に作用しているのかもしれない。
だが、結果的にこの『スーパーフライ』は、彼にとって唯一の「安住の地」となった。実のところ、他人と関わらず、1人で生きていきたいと願う気持ちこそが大きく反映されているのだろう。鋼田一を傷付けるあらゆるものから隔離・保護してくれる、究極の引きこもり能力とも言える。


C鋼田一は、かつて身をもって体験したであろう人間社会の理不尽さ・不条理さを激しく嫌悪している。また一方で、彼は、無駄のない合理的な行動効率的なリサイクルを好む。そのため、彼の心理・願望を反映した『スーパーフライ』は、彼にとっての「理想の世界」の縮図にもなっている。
「罪」を犯した者に「罰」が巡り巡ってくるように、誠実に努力を重ねた者が報われるように、「鉄塔」は受けたエネルギーを「循環」させる能力を宿したのだ。これにより、「鉄塔」が攻撃を受けると、その攻撃エネルギーは「鉄塔」内を駆け巡り、回り回って、ほんの数秒後には「攻撃を受けた場所」から解放される事になる。即ち、「鉄塔」を殴れば殴り返され、切れば切り返され、打てば打ち返されるのである。この時、攻撃エネルギーはほんの少しであろうと飛散したり変質したりする事なく維持され、まったく同量・同質のまま、反撃エネルギーとして解放される。

(なお、鋼田一は「鉄塔」や近辺の土地を利用し、非常に効率的なシステムをも構築した。
太陽光で発電し、雨水を濾過して飲料水にしている。「鉄塔」内には空中野菜畑があり、キュウリやナス、トマトなどを育てている。地上では、食べられる野草やキノコなどを育て、それを食べに来たウサギをも捕えて食料とする。近くの川で魚を釣り、食料にしたり醤油を作ったりもしている。捕まえた虫を罠にし、鳥も捕獲して食べる。そして、鋼田一自身の排泄物は、肥料として野草に撒く。
……まさに、「鉄塔」自体が1個の「食物連鎖のピラミッド」「生態系のサイクル」となっているのだ。)


D『スーパーフライ』が「循環」した反撃エネルギーは、応用次第でより有効に利用する事が可能である。鋼田一は長期間の「鉄塔」生活で訓練を重ね、その技術を完璧にマスターした。
ボルトを「鉄塔」に打ち付け、ボルトの形状となった反撃エネルギー自体に乗って、「鉄塔」内を移動する事も出来る。
また、「鉄塔」への攻撃時、角度や軌道なども計算に入れれば、反撃エネルギーを自分以外の他人にぶつける事も出来る。さらに、反撃エネルギーは何かに命中するまで「鉄塔」を反射し続ける性質があるため、その反射を駆使した、立体的な多方向同時攻撃も可能となる。


Eいくら攻撃エネルギーを「循環」するとは言え、「鉄塔」自体は攻撃を受けると傷付いてしまう。物質として経年劣化も起こるはずだ。だが、それら「鉄塔」のダメージも、「本体」から得た生命エネルギーによって随時自己修復していくものと思われる。
逆に、もし「本体」が「鉄塔」内で死んでしまう事があったなら、「鉄塔」は活動を停止して休眠状態に入るのだろう。いつか次の「本体」が現れる時まで、仮死状態のまま、自身の存在を保持し続けるのである。
いずれにせよ、『スーパーフライ』は延々と生き続け、「鉄塔」は半永久的に存在し続ける。




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