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● 鉄球コラム ●

ここでは何となく気付いた事や思った事を、適当にちょこちょこ書いていきます。
ネタが出来次第、人知れずこっそり更新していく予定です。





サウンドマンは大統領が連れて来た「隣りの世界」のサンドマン、という説もあるようだ。確かに、彼がディエゴの前に姿を現した時、物と物の隙間から登場していた。そう解釈する事も出来なくはないだろう。
しかし、当サイトでは、サウンドマンとサンドマンは紛れもない同一人物として受け取る。同一人物だからこそ、彼の運命の悲哀と、目的に対するプロフェッショナルな姿勢が際立つワケで。また、「男の世界」の厳しさ、「SBR」というレースと物語の苛酷さが浮き彫りになるワケで。それを……、(いくら異次元の彼自身とは言え)「別人」としてしまっては、作品のテーマそのものを台無しにしてしまう気がする。


●最終回のラストシーンにて。ジャイロの遺体を船に乗せるため、係員にワイロを渡そうとするジョニィ。思えば、行列の先頭に割り込んだ挙句、撃たれて下半身不随になった時にも似たような事をやっていた。ローワー湾を汽船で渡っている時も。苦難をカネで解決しようとするえげつない男である。
しかし、えげつないなりにジョニィは成長もしている。彼女への虚栄心を満たすためだけにカネを使っていた昔とは違い、最後は、掛け替えのない友を何としても故郷に連れて帰るためにカネを使おうとしていた。自分以外の誰かのために行動する。それは、実に尊い行いである。ただ、最終的には『ACT4』で力づく……という、さらに始末の悪い手段を用いるあたり、さすがはジョニィと言うべきか。


●8th.STAGEゴール間近というタイミングで、ようやく全体像が描かれたバーバ・ヤーガ。レースは惜しくもリタイヤとなったが、無言で愛馬を労る姿に胸を熱くした読者は多い事だろう。
そんな彼の服に注目してみると、肩の部分に家のようなデザインがあるのが分かる。恐らくこれは、彼の名前の元ネタであるエマーソン、レイク&パーマーの曲「バーバ・ヤーガの小屋」の小屋と思われる(原曲はムソルグスキーのピアノ組曲だが)。ちなみに、アルバム「展覧会の絵」には、この曲と彼の愛馬の名でもある「ナットロッカー」という曲も収録されている。
「バーバ・ヤーガ」とはロシアに伝わる妖怪で、森深くの小屋に住む魔女らしいが、「SBR」の彼はすこぶるダンディーなおっさんであった。


●22巻「ブレイク・マイ・ハート ブレイク・ユア・ハート その@」にて。フキダシ内で怒涛のアイコン祭りが開催された。その中の1つ、大統領の父親のアイコンについて。
他のアイコンはハッキリ明確に描かれているのに対し、これだけは何故かテキトーに描かれているように見える。どんな顔をした人物なのか、作中でも描かれていない(=使い回せる絵もない)ためなのだろうけど……。大統領自身、父親の記憶が曖昧なのだろう。どんな顔なのかさえ覚えていないから、アイコンも子どもの描いた絵のように抽象的なものになっているのだ。


●ジャイロの本名:ユリウス・カエサル、父上の名:グレゴリオ。これは恐らく、ユリウス暦グレゴリオ暦から来ているネーミングと思われる。ユリウス暦はかつて使われていた暦で、グレゴリオ暦はユリウス暦に生じる誤差を修正するために新たに作られた暦。現在、世界各国で使用されているのもグレゴリオ暦である。
これらは太陽暦で、地球が太陽の周りを一周する時間を1年とした暦。なるほど、こんなところにも「回転」が結び付いてきている。
また、ユリウス暦とグレゴリオ暦の関係を見てみるに、ジャイロ1人の考えだけでは「正しい道」には辿り着けないのかも。故郷で見続けてきた父上の生き様(ひいては先祖の生き様)が、ジャイロの思想に大きく影響を与え、今後の人生を決定付ける気がする。要所要所で父上との思い出が回想されているのも、その現れと言えそう。自分の意志と先祖の足跡、この2つが交差する先にこそジャイロの求める「納得」があるのだろう。


●ルーシーが大統領に乗せられた船の名はブルー・ハワイ号。「ブルー・ハワイ」とは、1961年に製作されたエルヴィス・プレスリーの主演映画の名であり、映画のテーマ曲の名でもある。ビング・クロスビーの曲を、エルヴィスがカバーして歌ったらしい。
その名の通りハワイアンなラブソングだが、「SBR」本編を読むと、歌詞が微妙に大統領のルーシーへの想いっぽくも感じられてしまう。まあ、大した意味はないんだろうけど。


2人の側近がいともたやすく始末されてしまった。スタンド使いですらなかったっぽい。
しかし、ブラックモアやアクセル・ROの例もあるように、スタンド使いの部下だと「遺体」を独占しようと企む危険がある。その点、「遺体」に選ばれる素質もない者なら安心。刺客として送り込む部下ならともかく、常に行動を共にする側近は、逆にスタンド使いじゃない方が大統領的には都合が良いのかもしれない。
彼らは戦闘面ではなく、政治や交渉、作戦等における参謀としての腕を買われていたのだろう。


●17巻「D4C そのB」にて。自分を尾行しているウェカピポを利用しようと、馬で町を駆けるディエゴ。馬の手綱を結ぶディ・ス・コが描かれているコマをよーく見てみると、建物の影にウェカピポらしき人物のシルエットが確認できる。シルバー・バレットのしっぽと「パカラン」という擬音の間。ディエゴの様子をこっそりと窺うウェカピポの姿なのだろう。次のページの「後方はウェカピポ」のコマでも、ウルジャン掲載時には無かったウェカピポのシルエットが追加されている。
なお、馬の手綱を結ぶディ・ス・コが描かれているコマの次のコマ。これは「D4C そのA」の「敗北する方にはつかない」とウェカピポが話しているコマと同じシーンである。走り去るディエゴ、それに気付かぬディ・ス・コ、そして2人の通行人。視点は違えど、同一の時間
こういったディテールもしっかり描写されているあたり、荒木先生の並々ならぬ気合いとこだわりが感じ取れる。


●『チョコレート・ディスコ』の本体:ディ・ス・コ。名前の元ネタであるPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」を聴くと分かるが、「ディ・ス・コ」と繰り返す部分がある。以前、SOUL'd OUTの「Starlight Destiny」についても、「エコー!エコー!」と繰り返す部分が耳にこびり付いたと発言されていた荒木先生。邦楽に関しては、繰り返しのフレーズに弱いのだろうか?
ディ・ス・コという名も安直に付けたのではなく、先生なりの敬意を表したネーミングなのかもしれない。


●ジャイロは回転使いで、ウェカピポは鉄球使いというイメージを、私は勝手に持っている。ジャイロは鉄球に限らず、コルクや弾丸を「回転」させても同様の効果が得られる。ウェカピポの場合は、「回転」の力より特殊な鉄球そのものを武器にしているため、他の物では意味がない。
「黄金の回転」「壊れゆく鉄球」。それぞれのネーミングからしても、「回転」と「鉄球」のどちらに重きを置いているのかが窺える。


「追憶の館」に現れた、「胴体部」の守護精霊かと思われるスタンド。「追憶の館」とはアル・スチュアートのアルバム名が元ネタなので、その原題である『モダン・タイムス』がスタンド名になるのかも。
なりませんでした。っていうか、そもそも「胴体部」の守護精霊ですらありませんでした。)


SOUL'd OUTのデビュー曲「ウェカピポ」の歌詞に、「アスファルトに網目状にひびが入るような地響き」という部分がある。そこから、ウェカピポの髪型が網目状になったのだろうか?


最後の晩餐にて、キリストは「このワインは私の血。このパンは私の肉。」と言って弟子達に与えたらしい。キリスト教のミサでも、ワインとパンを信者達が分け合って口にする。赤ワインは神聖な飲み物なのだ。
雪の中でジャイロとジョニィは、ワインを分け合って飲んだ。これは同じ血を分け合う聖なる儀式を意味しているのだろう。2人の結び付きがより強いものになった事を示しているのだ。やがては1つのパンを分け合って食べるようなシーンも描かれたりするかもしれない。


●吹雪の乾杯シーン。ジャイロとジョニィがお互いに思いやっている事が伝わって来る名場面である。
ジャイロが乾杯を捧げようとした「ネットにひっかかってはじかれたボール」とは、ここでは「遺体」かジャイロかの選択を委ねられたジョニィを意味するはず。それがジョニィに理解不能だったので、ジョニィが最も欲する次の「遺体」って事に。それを受けてジョニィも、ジャイロが最も欲するゴールを付け加える。2人がごく自然に尊重し合っている様子が見て取れて、実に粋であった。


●2007年3月8日現在、私はジョニィとジョルノは似ていると思っている。性格は全然違うけど、顔はそっくりだし、心の中に潜む「黒さ」なども近いものがある。成り行き上、否応無しに因縁に巻き込まれていくのではなく、避けようとすれば避けられるはずの危険な道をあえて選ぶ姿、自分自身の意志で困難の先にある「希望」に向かって行く姿も共通している。
そして何より、自分の血統から「誇り」を得られていないという点。ジョルノは母親や義父に虐待され、父親のDIOとも面識さえない。ジョニィは自分の行いのために兄を失い、父親からも見捨てられている。「家族」というものと縁遠い2人。歴代ジョジョの中では異質である。ジョルノにとっての謎のギャングが、ジョニィにとってのジャイロなのかもしれない。ジョルノは血統とは別の部分から「誇り」を手に入れたが、長い旅の果てにジョニィが得るであろう「誇り」とは、どこから生まれるものになるのだろうか?「SBR」という物語が終わった時も、この2人は似ていると思えるのだろうか?要注目である。


●「両耳」と「右腕」が課す試練である大樹の「木の実化」能力。もしこの能力に名前が付けられたら、『ソールド・アウト』(もしくは『ソウルド・アウト』)になったりするかも。全ての品物を売り切り、全てのカネを使い切らねばならないルールから連想。
普段は邦楽から名前を拝借する事はない荒木先生だが、『SOUL'd OUT』との親交や劇場版「ジョジョ」1部の上映時期などから考えて、これは意外とあり得るのではないだろうか?2007年1月30日、ふとそんな事が思い浮かんだ。
結局、名前は付けられませんでしたね。また画集とか出たら明らかにされるのかな?)


●ああ見えてジャイロは、歳相応のスケベ心を持っているようだ。かつては、患者の女性と病院内でイチャついたりもしていた。しかし、彼女は実は人妻。ジャイロはジャイロなりに真剣な付き合いのつもりだったっぽいが、結果的には不貞を犯してしまった。これが彼の女性への偏見に繋がったのか?
でも、カワイイ女のコの胸を凝視しつつ声を掛けている所から、別に女嫌いというワケでもないらしい。人妻不倫事件のトラウマで、警戒心が強くなっただけなのかもしれない。自分から近付く分には馴れ馴れしいが、向こうから近付いて来る者に対しては妙に冷たい性格だし。ルーシーへの「誓いを立てて結婚したなら夫のために守り続けろ」という言葉は、彼の哀しき心の叫びか。


●サウンドマンの独特な走法と、スタンド『イン・ア・サイレント・ウェイ』の能力には共通点がある。「衝撃のエネルギーを移動させる」という点だ。エネルギーを有効に利用する力に長けていた彼は、エネルギーの流れやうねりを肌で感じ取る事が出来ていたのかもしれない。また、彼の合理的な性格をも表しているかのようである。


「女」は「禍」を運ぶとして、妙に女性を疎ましがっている様子のジャイロ。その直後の戦いでは、ブラックモアが「蛇にそそのかされたイヴ」に例えてルーシーを貶している。もしかすると、ジャイロの女嫌いの理由はそれだろうか?
その愚かな行いのためにイヴは神の怒りを買い、アダムと共に楽園を追い出された。以後、2人の子孫である人間達は生まれながらにして罪を背負う事となった。「原罪」という思想・概念である。つまり、女のせいでロクでもない事になったとジャイロは考えており、それが女嫌いにまで発展しちゃったのかもしれない。まあ、理由がどうあれ、ジャイロがずいぶん偏見的なものの考え方している事には変わりない。


●リンゴォのモデルは、彼の風貌や『マンダム』というスタンド名からも分かる通り、「男の中の男」と呼ばれるチャールズ・ブロンソン
1970年、彼は「丹頂」の男性用化粧品「マンダム」のCMに起用される。CM撮影が難航し、ブロンソンを拘束できる時間がなくなってしまった際、彼は自分の腕時計の針を1時間戻して「まだ時間があるじゃあないか」と粋な事をしてくれたという(実は監督の作り話だったと後に判明したらしいが)。時計の針を戻す事がスイッチとなって、時間が6秒戻る能力もそこから来ている。
ちなみに、「マンダム」とは「男の領域」「男の世界」という意味の造語である。


●ジャイロ一行がロッキー山脈の村に到着したシーン。村人達に手を上げて挨拶するジャイロの次の2コマ。何故か家の窓がじっくりと描かれている。今になって思えば、この窓からフェルディナンド博士が彼らの様子を覗いていたのかもしれない。


●ジョニィの手首のサポーターが、3rd.STAGE時のみ肘サポーターになっている。これはチュミーちゃんが手首に書いた「movere crus」のメッセージを読者にも見やすくするためのようで、「眼球」を手に入れたら元のリストバンドに戻った。


●オエコモバ戦にて。オエコモバを狙ったと見せかけ、実は蜘蛛の巣に鉄球を投げていたジャイロ。この時の鉄球、いつもとは微妙に違う回転をしてる。右に重心が置かれた感じの回転の仕方。確かにカーブしそうだ。意外と芸が細かいね。


●ジャイロの金歯について。あれはごく最近、レース出場を誓った後に入れたものであるようだ。「GO!GO!ZEPPELI」の文字も、ジャイロのツェペリ一族への誇りそのものである。
旅立ちの前、父を激しく怒らせ失望させてしまったケジメとして、自分の顔面に鉄球でも喰らわせたら歯が折れてしまったのかもしれない。その後、自分が誇り高きツェペリ家の男である事の証明として、レースで必ず優勝するという決意の証明として、やたらと目立つ光輝く金歯を入れたのだろう。一族の名を背負ってレースに参加しているのだ。
父の教えや国王の命令に背く形になったとは言え、家族や国を愛する気持ちに変わりはない。あの金歯には、そんな彼の想いが込められている気がしてならない。
……と思いきや、14巻では回想の中ですでに金歯になっていますね。深い意味はなく、ただのジャイロの趣味?)


●ポコロコの元ネタは、バド・パウエルの「ウン・ポコ・ロコ」という曲と思われる。「運・ポコロコ」って事?


●ジャイロの帽子を上から見ると、鉄球に刻まれた模様と似てる。




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