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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




チケット・ゥ・ライド (涙の乗車券) / 本体: ルーシー・スティールの胎内に宿る「遺体」
<「運命」を固定する能力>





<特徴>
@「聖なる遺体」は、「両眼部」以外の全ての部位がルーシー・スティールの胎内に宿った。それは「新たな存在」となって、再びこの世に産まれ出ようとしている。
そして同時に、自らの依り代となるルーシーを護るため、彼女の肉体を通じてスタンド能力を発現し始めた。それがこの『チケット・ゥ・ライド』である。


Aこのスタンドは、ルーシーの「涙」を媒体として発現。とめどなく流れる彼女の「涙」は、まるでガムテープのように剥がれると、カッターのように硬く鋭くなる。
この「涙のカッター」で切り付けたものに対し、能力が発動するのだ。切り付けた時点で、「涙」は元の液体に戻る。




<能力>
対象の「運命」を固定する能力



@第1部〜第6部で描かれた「旧世界」は、ある超越的・絶対的な力で満たされており、ありとあらゆる存在がこの力を共通して保有していた。『フー・ファイターズ』(が引用した天文物理学者フレッド・ホイル)の言葉を借りるなら、その力とは「知性」である。全ての物質や生物はこの「知性」に導かれて生まれ、物質や生物に宿る「知性」は自身の「情報」を絶えず記憶し続けている。そして、この「知性」は大なり小なり互いに反応し合い、影響し合い、「物質世界」において1つの巨大な流れを形作る。何者にも抗えぬ「因果の流れ」、なるべくしてなる「必然の連続」。人はそれを「運命」と呼び、「運命」を決定付ける「知性」そのもの(が持つ意志のようなもの)を「神」と呼ぶのである。
「旧世界」において、「予知」した結果は必ず実現されたし、多少なりと「運命」に干渉できる能力を持つスタンドは稀有な存在であった。それほどまでに、「運命」の力とは強固なものだった。ところが、第6部ラストで世界は新生する事となる。エンリコ・プッチが『メイド・イン・ヘブン』を発動し、宇宙を完全に一巡させる前に死んだ事で、プッチが存在しない歴史を歩む世界に根本から生まれ変わったのだ。この時、砕け散った『メイド・イン・ヘブン』から「運命」を変える力が宇宙中に拡散・伝播したのか……、あるいは、人類が「運命」の庇護から独り立ちして「次なるステージ」に突入する事を、「知性」=「神」の意志が認め祝福してくれたのか……、生まれ変わった「新世界」は、「旧世界」よりも「運命」の力が大きく弱まったのである。
第7部以降は、この「新世界」で紡がれる物語。「旧世界」に近い歴史を辿りやすくなる「流れ」こそあれど、絶対的な「運命」への隷属からは解き放たれた世界。「運命」ではなく……、個々の「縁」によって回り、「意志」によって「因果」が導かれる世界。「神」ではなく「人」が道を選べる世界。数多の可能性に満ちた、不安定だが自由な世界。この『チケット・ゥ・ライド』は(「聖なる遺体」が本体なだけあり)、「運命」が厳密に決定されてはいない世界において、「運命」を固定するという能力を有している。まさに、「神」が臨時に発行した「運命」への乗車券と言えよう。


A『チケット・ゥ・ライド』が創り出す「涙のカッター」は、物理的なダメージを相手に負わせる事は出来ない。物質そのものではなく、「運命」の流れを断ち切ってしまうのだ。切ったものの「運命」をルーシー・スティールの望む方向へと向けさせて固定し、それ以上、先に進めなくする能力である。そうする事で、曖昧なまま流れていた「運命」は、局地的ではあるが厳密に決定される事になる。
決められた「運命」に抗おうとすればするほど、より大きな反動となって、その「運命の固定点」へと強引に引き戻されてしまう。そのため、抵抗し続ける者は同じ事を何度も繰り返してしまい、その度に起きる出来事もエスカレートしていく。最悪の場合、死ぬ事さえあり得る。


Bこの能力は生物・無生物を問わず発動可能。同時に複数のものに発動する事も出来る。
その場合、対象の1人が死んでも、(能力が解除されない限り)「運命」は固定され続ける。その「運命の固定点」は、生き残っている者へと移動し、上乗せされるようだ。残った者は複数人分の「運命」を味わい続ける事となる。




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