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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




タワー・オブ・グレー (灰の塔) / 本体: グレー・フライ
< 「リスク」を背負うほど強くなる能力 >




16番目のタロット「塔 (THE TOWER)」のカードの暗示を持つ。
カードには、稲妻に撃たれる塔が描かれている。この塔は「バベルの塔」とも言われている。神の世界を目指そうとした人間達が、天上にまで届く高い塔を築き上げていったが、神の怒りに触れ、崩されてしまった……という塔である。身の程を弁えず、「野心」や「驕り」に満ちた行動ばかりを取っていると、いずれ必ず、予期せぬ事態によって転落し破滅してしまうのだ。
このように、「破壊」「災害」「事故」「旅の中止」「不幸」「失敗」などを象徴するカードなのである。




<特徴>
@事故に見せかけて、大量殺戮するスタンドとして知られる。飛行機事故や列車事故、ビル火災などはお手のものである。


Aスタンドが発現した経緯は不明。
しかし、裏社会では名が知れているようなので、ずっと以前から存在していたスタンドと思われる。生まれついてのスタンド能力である可能性が高い。


B巨大なクワガタムシのヴィジョンを持つ遠隔操作型スタンド
スタンドではあるが、クワガタらしく翅(はね)を広げて飛ぶ。その上翅には、禍々しく歪んだ紋様が描かれている。飛行時は、ブーンブーンと翅音がうるさい。


C立派な大アゴがあるものの、攻撃にはあまり使用しないようだ。攻撃の際は、主に「塔針(タワーニードル)」を用いる。
なお、この「タワーニードル」の詳細については後述する。


D人間の「舌」を好む性質がある。「タワーニードル」で標的の舌を刺し貫き、引き千切って味わう。(ちなみに、本体:グレー・フライの舌は、人一倍長い。)
人が長年掛けて積み上げてきた全てを、ほんの一瞬で壊してしまう事こそ、グレー・フライにとって至上の悦楽なのだろう。そういう意味で、「舌」は狙いやすく傷付けやすい場所。そして、人体で唯一、自由に体内・体外の出し入れが出来、しかも命に直結する器官。人間を「塔」に見立てた時、「舌」は「塔」を容易く崩壊させられる「弱点」であり「急所」と言えよう。
「舌」から湧き出る唾液と血液は、『タワー・オブ・グレー』にとっては甘い甘い樹液に等しいのだ。まさに、他人の不幸は蜜の味。


E口癖は「ビンゴォ!」。




<能力>
「リスク」を背負うほど強くなる能力



@本体の「リスク」と引き換えに、スタンドを強化できる能力を持つ。
「塔」は、より高く積み重ねて築き上げていくほどに、より遠くまで見通せるし、神の世界にも近付ける。反面、それが崩れ去ってしまった時の被害とダメージもまた、より甚大なものとなる。「塔」の高さは、「リスク」の高さでもあるのだ。逆に言うと、「リスク」さえ覚悟すれば、より高い「塔」を築けるのである。
スタンド『タワー・オブ・グレー』も、本体があえて「リスク」を背負う事で、スタンドをパワーアップする事が出来る。


A「スタンド」とは基本的に、本体の「生命」や「精神(魂)」のエネルギーから生まれる「スタンドパワー」によって形作られ、強い「意志」や「感情」のエネルギーによってコントロールするものである。そのスタンドパワーは、本体の持つ才能・個性・欲望に最も適したバランスで、スタンドの「ヴィジョン」、「基本スペック」、「能力」にそれぞれ振り分けられる事になり、そうして1つのスタンドとして顕現する。
『タワー・オブ・グレー』は、「リスク」の高さに応じてスタンドパワーを高め、自身の「基本スペック」へ振り分けていく。つまり、本体:グレー・フライが不幸に陥る可能性が増すほどに、命の危険が増すほどに、スタンドのスピード・パワー・精密性などが増していくのだ。それこそが『タワー・オブ・グレー』の能力である。


B通常、スタンドが受けたダメージは、本体の全身に伝わっていくものである。しかし、『タワー・オブ・グレー』はその能力により、さらに「リスク」を高める事が出来る。
スタンドのダメージが伝達する部位を設定できるのだ。設定した部位には、クワガタの形のアザが出来る。このアザは、『タワー・オブ・グレー』のどの部位のダメージを受けるのかが示されている。
作中では、『タワー・オブ・グレー』の全てのダメージを「舌」と「頭部」のみに集中させていた。そのため、「舌」にもクワガタの全身像のアザが出来ていた。「舌」も「頭部」も、ちょっとした負傷であっても命に関わるほどのダメージを受ける「急所」と言える。つまり、スタンドそのものが本体の「急所」と化したのである。


Cスタンドそのものを「急所」とする絶大な「リスク」と引き換えに、『タワー・オブ・グレー』は稲妻の如きスピードを手に入れた。
能力を行使する前の「基本状態」の『タワー・オブ・グレー』は、本体の老化による衰えも加わり、スピードもパワーもまったく大した事ない弱小スタンドであった。しかし、能力によってパワーアップした状態では、そのスピードも、『スタープラチナ』のオラオララッシュや『ハイエロファント・グリーン』の「エメラルド・スプラッシュ」さえ軽々と交わし切ってしまうほどに無双である。
空条承太郎一行を襲撃する前に、パイロット達を殺し、飛行機の自動操縦装置を破壊したのは、本体の墜落死の「リスク」を高める目的もあった。また、グレー・フライが一般人を装って、あえて自ら目立つ行動を取ったのも、本体の発見の「リスク」を高めるためである。もちろん、これらの「リスク」も背負う事で初めて、あの驚異的なスピードが実現できたのだ。


D『タワー・オブ・グレー』には、無数の鋭い牙が並んだ大きな口がある。その口から「塔針(タワーニードル)」と呼ばれる技を繰り出してくる。
「タワーニードル」とは、『タワー・オブ・グレー』の舌を変化させたものである。「リスク」と共に高めたスタンドパワーを、「基本スペック」ではなく「ヴィジョン」の方に振り分けて作り出す武器なのだ。長い舌をすぼめて針状にし、スタンドパワーを舌の周囲に集中させ、硬い外殻を構築し、それを何段にも渡って積み重ねていく。その名の通り、「塔」のような「針」なのである。
そして、集中・凝縮していたスタンドパワーを一気に解放し、爆発させる。すると、「タワーニードル」は弾丸以上のスピードで飛び出て、標的の舌を狙って襲い掛かるのだ。
(余談だが……、承太郎はこの「タワーニードル」をヒントに、『スタープラチナ』の「流星指刺(スターフィンガー)」を編み出したものと思われる。)
外殻部分は非常に硬い上、一部を自ら切り離す事も再構築する事も可能。そのため、ダメージもほとんど受けない。ただし、その外殻内部に隠された針部分(=舌)が傷付けば大ダメージは必至。「タワーニードル」での攻撃自体、けっこうリスキーなのだ。


Eたとえ承太郎一行を始末できていたとしても、飛行機はあのまま墜落してしまっただろう。しかし、事故に見せかけて大量殺戮を楽しむのが『タワー・オブ・グレー』であり、グレー・フライだ。彼があのまま墜落死するつもりだったとは考えにくい。……という事は、飛行機からの脱出方法があるという事である。
墜落寸前という危機的状況は、すなわち「リスク」が最大限に高まった状況である。その状態の『タワー・オブ・グレー』ならば、機体壁をブチ破り、本体を背負って飛ぶ事が出来るくらいのパワーも充分に得られるはず。グレー・フライはそうやって、墜落する飛行機から生還する予定だったのだろう。




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