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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ホワイトスネイク / 本体: エンリコ・プッチ
< 生物の「情報」をDISC化する能力 >





<特徴>
1988年、本体:エンリコ・プッチがDIOから贈られた『矢』に貫かれて発現したスタンド。


人型のヴィジョンを持つ、遠隔操作型スタンドである。射程距離は20m。
しかし、本体からごく近い距離なら、近距離パワー型にも迫る「基本スペック」を発揮できる。その意味では、遠距離・近距離両用のスタンドと言える。


『ホワイトスネイク』は独自の意志を持っており、本体の命令に従って動く。ただし、プッチ自身の意志で直接操作する事も可能である。


全身には、DNAを構成する4種類の「塩基」の記号「G (グアニン)」「A (アデニン)」「C (シトシン)」「T (チミン)」が描かれている。
頭部には、王冠状のアイマスクを付けている。また、その瞳は、ドロドロとした何かが伝い落ちているかのように濁っている。




<能力>
生物の「情報」をDISC化する能力



本体:エンリコ・プッチには、若くして死んでしまった愛する妹:ペルラがいた。ペルラの死に直面した時、せめて彼女の記憶と心をこの世に遺したいというプッチの強い「祈り」から発現したスタンドが、この『ホワイトスネイク』である。
魂や心などといった、実体を持たない「情報」を物質に変える。それが『ホワイトスネイク』の能力だ。魂をチップに変える『オシリス神』に似た能力とも言えるだろう。


「ジョジョ世界」はある超越的・絶対的な力で満たされており、ありとあらゆる存在がこの力を共通して保有している。『フー・ファイターズ』(が引用した天文物理学者フレッド・ホイル)の言葉を借りるなら、その力とは「知性」である。全ての物質や生物はこの「知性」に導かれて生まれ、物質や生物に宿る「知性」は自身の「情報」を絶えず記憶し続けているのだ。
そして、この「知性」は大なり小なり互いに反応し合い、影響し合い、「物質世界」において1つの巨大な流れを形作る。何者にも抗えぬ「因果の流れ」、なるべくしてなる「必然の連続」。人はそれを「運命」と呼び、「運命」を決定付ける「知性」そのもの(が持つ意志のようなもの)を「神」と呼ぶのである。
スタンド使いとはこの「知性」「運命」に選ばれた存在であり、それゆえ、スタンド能力は多かれ少なかれ「知性」に働き掛ける力を有しているという事になる。『ホワイトスネイク』もまた、生物に宿る「知性」に強く働き掛ける事で、そこに記憶されている「情報」を獲得できる。


生物が持つ様々な「情報」を、「DISC」という円盤状の物質に変えて頭部から抜き取る事が出来る。プッチ自身もその対象に含まれる。
「DISC」の精製方法は2種類ある。それは、『ホワイトスネイク』の人型ヴィジョンがターゲットに直接触れるか、触れないか、である。


ターゲットに直接触れる場合、「DISC」は瞬時に精製できる。これは自動的なもので、「DISC」を作るというプッチ自身の意志の有無は関係ない。ウェザー・リポートは『ホワイトスネイク』に肉体を貫かれながら、能力を逆に利用し、精製された自分のスタンドの「DISC」を徐倫に託していた。
もしターゲットに長時間触れる事が出来れば、「DISC」が頭部からはみ出てユルユルになり、ほんの少しの力でも楽に取り出せるようになる。はみ出た「DISC」を目隠しに利用したりも出来る。
この精製方法のデメリットは、ターゲットに触れ合うほど接近しなければならず、反撃を受ける危険が高い点である。


ターゲットに直接触れない場合、「DISC」はじわじわ時間を掛けて精製される。
この際、『ホワイトスネイク』の人型ヴィジョンはドロドロに溶け、ついには霧状・煙状になる。そして、その霧・煙を吸わせる事によってターゲットの内面にまんまと入り込み、無防備な心を徐々に溶かして「DISC」に変えていくのだ。詳細については、下記で述べる事とする。
この精製方法のデメリットは、手口が回りくどいために事前の準備が必要な点と、「DISC」を手に入れる前に逃げられる可能性がある点である。


ターゲットに直接触れずに「DISC」を精製するためには、まず、『ホワイトスネイク』の「結界」を作り出さなければならない。「結界」とは、『ホワイトスネイク』の能力によって支配・汚染された空間である。そのためには、霧状・煙状になった『ホワイトスネイク』が実際の霧・煙などと同化し、空間内を満たす必要がある。作中では、タバコの煙と同化し、面会室を「結界」としていた。
「結界」内で煙を吸い込ませてターゲットの体内へと侵入した『ホワイトスネイク』は、魂や心にまで浸食し始め、支配を強めていく。そして、ターゲット自身も気付かぬうちに、いつの間にか眠りに就かせ、まるで映画のように「幻覚」の夢を見せるのだ。複数人のターゲットに、同じような「幻覚」を見せる事も可能である。夢の内容はプッチが大筋を決めるが、細かな部分はターゲット本人の想像や思い込みなどによって補完されていく。
ただし、ターゲットが現実で痛みや衝撃などの刺激を感じると、眠りから覚める事がある。眠りが浅くなるほどに、夢の内容はつじつまが合わなくなっていき、ターゲット同士で同じような内容だったはずがそれぞれ展開も分岐していく。そして、夢である事を自覚した時点で目を覚ます。あまりに突拍子もない内容にしてしまうと夢だと気付かれやすくなるため、なるべく現実と地続きのリアリティある内容にせざるを得ない。
もっとも、目を覚ましても強烈な眠気に襲われ続ける事になり、どうにか「結界」内から脱出しない限りは、あっさり再び眠りに落ちてしまうだろう。


ターゲットは、目を覚ました後も夢の内容を明確に憶えている。それどころか、夢の中では違和感なく気にも留めていなかった事も、ハッキリと自覚・認識できるようになる。
作中では、本来なら聞けるはずもない『マンハッタン・トランスファー』というジョンガリ・Aのスタンド名を、空条徐倫と空条承太郎は知っていた。実は、夢の中で徐倫達は、ジョンガリ・Aが空条家への恨みや自らのスタンド名を語っているところも、映画のワンシーンのように(あるいは、我々読者が読んだ漫画のページのように)客観的に見ていたのだ。夢を見ている間は意識も混濁しており、それに対して何の疑問も抱けずにいたし、夢の中ではあくまで主観的なシーンの記憶しか無い。目を覚ました時点で、客観的なシーンの記憶も一気に鮮明に蘇るのである。


『ホワイトスネイク』の能力を把握していないターゲットは、プッチが映画のように意図的に見せた夢を、自分の想像だけで作り上げた夢だと思い込んでしまう。そのため、現実で夢と同じものを見た時に、ここが現実なのか夢なのか瞬時に判断できなくなってしまう。
作中では、『マンハッタン・トランスファー』の存在がそれに当たる。自分の想像が作り出したスタンドだと思い込んだせいで、いざ現実で『マンハッタン・トランスファー』を目にした時、徐倫達は戸惑い、迷ってしまった。その判断の遅れから、致命的な隙が生じてしまったのだ。


ターゲットが夢を見ているという事は、現実では『ホワイトスネイク』の能力がターゲットの体も心も支配・汚染している事を意味する。この時、「結界」内は大蛇の胃袋と化し、汚染した体も心もドロドロに溶かしていく。それどころか、「結界」内にある物質さえも全て溶かしていく。こうして、何もかもが溶かされ、「情報」だけが抽出・凝縮されて「DISC」が次第に精製されていくのだ。
眠らせ、夢を見せ、溶かして、「DISC」を抜き取る……というのは、一見すると、まったく別々の現象・能力に感じられる。だが、それらは『ホワイトスネイク』の能力が「DISC」を精製する過程として繋がっているのである。
ちなみに、すでに精製された「DISC」ならば、『ホワイトスネイク』がターゲットにほんの僅かにかする程度で抜き取る事が出来る。直接触れて精製する場合は、ターゲットにしっかり触れなければならない。作中で承太郎から「DISC」を抜き取った際も、触れたかどうかのギリギリの距離とタイミングであった。あれよりも少しでも踏み込んでいれば、あるいは遅ければ、『ホワイトスネイク』は逆にやられていたであろう。承太郎をあらかじめ眠らせ溶かして「DISC」が出来上がっていたからこそ、辛うじて奪い取る事が出来たのだ。


屋外などの広大な空間では、霧状・煙状となった『ホワイトスネイク』が散ってしまい、「結界」が作れない。当然、能力の効果も著しく弱まり、「DISC」を精製する以前に、ターゲットを眠らせる事すら出来ない。しかし、それでも霧・煙を吸い込んだ者の心に、簡易的な「幻覚」を見せる事だけは可能である。
作中では、霧と混じり合って、徐倫達に対し、『ホワイトスネイク』自身の姿を「ウェザー・リポートの姿」に見せていた。つまり、他人に化けられるのだ。


精製される「DISC」は、基本的に「記憶DISC」「スタンドDISC」の2枚1組である。2枚で1つの精神なのだ。
ただし、これは当然、ターゲットがスタンド使いである場合に限る。スタンドを持たない一般人であれば、「記憶DISC」のみとなる。


2枚の「DISC」に共通する特徴・性質は、次の通りである。
  ・「DISC」を抜き取られた者は、「DISC」化された「情報」を失う。
   つまり、「記憶DISC」を抜かれるとその記憶が無くなる。「スタンドDISC」を抜かれるとスタンドが使えなくなる。
  ・「DISC」を2枚とも抜かれると仮死状態になる。延命技術がなければ、そのまま本当に死んでいく。
   ただし、どちらか1枚でも入れ直せば、肉体はとりあえず復活する。
  ・他者の「DISC」であっても、誰でも自由に頭部に挿し込む事が可能。「DISC」内の「情報」を得る事が出来る。
  ・CDのような形と光り方をしている。ただ、CDと比べると厚みがある。
  ・グニャグニャして弾力があり、物理的に破壊する事は不可能。
   プッチの意志で「DISC」化そのものを解除しない限りは、外に取り出したまま永久に保存できる。たとえプッチが死んだとしても遺り続ける。
  ・例外として、死にゆく者の肉体に挿し込めば、「DISC」もその者の死に引っ張られる。「DISC」は崩壊していき、この世から消滅する。
   つまり、「DISC」は挿し込まれた者の魂と同化するという事である。
  ・プッチ本体だけは、「DISC」を挿し込まずにただ見るだけでも、その「情報」をある程度は読み取る事が出来る。
  ・「DISC」を挿し込まれた者は、頭部に強い衝撃を受けると、その「DISC」が体外に出て来てしまう。
   与えられた他者の「DISC」だと出て来やすい。本人の「DISC」であれば、馴染んでいるため、そう簡単には出て来ないようだ。
  ・「DISC」を挿し込める対象は人間に限らない。生物であれば、カエルやミジンコにさえも挿し込める。
   「DISC」の大きさは相対的なものに過ぎず、本質はあくまで「情報」にあるのだ。


「記憶DISC」の特徴・性質は、次の通りである。
  ・抜き取る記憶の内容や量は、プッチの意志によって決定される。
   また、プッチにとって都合の悪い内容の記憶は、意図的に「DISC」内から消去する事も出来る。
  ・本人が思い出せないような曖昧な記憶であっても、その「情報」自体は脳や魂にしっかり刻まれている。問題なく「DISC」化できる。
  ・ターゲットに直接触れずに精製する場合、より深層の記憶、より大量の記憶を「DISC」化しようとすると、より長い時間が必要になるのかもしれない。
  ・「記憶DISC」を抜き取られた者は、その記憶を失い、思い出す事も出来ない。
   ただ、作中の承太郎は、抜き取られた後も僅かな時間だけ記憶が残っていた。余熱のようなものか、娘への愛ゆえなのか。
  ・「記憶DISC」の表面には、その記憶の内容が映り込む。
   さらに、他者の「記憶DISC」を頭部に挿し込めば、映像や音声となってその記憶が流れ込んでくる。
  ・「記憶DISC」では、その記憶を映画のように見聞きするだけである。心理や感情の様相・変化までは分からない。
   そのため、もしその記憶にまつわる「感想」や「思考」が知りたいのならば、それは本人から直接聞き出さなければならない。
  ・他人の「記憶DISC」を読む際は、内容が一通り終わると勝手に出て来る。
  ・全ての記憶を抜き取られた者は、生きる目的も理由も失ってしまう。能動的に生きる事が出来ず、筋肉はみるみる衰え、呼吸さえ困難になり、結局は死んでいく。


「スタンドDISC」の特徴・性質は、次の通りである。
  ・「スタンドDISC」を抜き取られた者は、そのスタンドを失い、スタンド使いですらなくなる。(スタンドを見る事も出来ない。)
  ・「スタンドDISC」の表面には、そのスタンドのヴィジョンか、本来の本体の顔が映り込む。
  ・プッチは、「スタンドDISC」の表面を見るだけで、そのスタンド能力の詳細が読み取れる。
  ・「スタンドDISC」にも、僅かな記憶の断片が焼き付いている事がある。
   そのスタンドにまつわる、最も印象的な記憶なのかもしれない。
  ・他者の「スタンドDISC」を挿し込むと、そのスタンドを獲得する事が可能。
   ただし、そのスタンド能力を操れるだけの素質・才能・適性が無ければ、扱う事は出来ない。
   適性が無い場合、気分が悪くなったり、そのエネルギーに体が吹っ飛ばされたりする。スタンドが暴走してしまう事もある。
  ・スタンド使いにも、別の「スタンドDISC」を挿し込む事が出来る。その場合、2つのスタンドを同時に持つ事となる。
   「スタンドは1人1能力」というルールを逸脱できる稀有な例である。
  ・2つのスタンドを得た場合、新たに挿し込んだ方のスタンドは、コントロールし切れずに暴走するケースが多いようだ。
   F・F(『フー・ファイターズ』)にとっての「熱湯」のスタンド、エンポリオ・アルニーニョにとっての『ウェザー・リポート』がそれに当たる。
   さすがに3つ以上は個人の許容量オーバーで、そもそも「スタンドDISC」が入らないものと思われる。
  ・「スタンドDISC」を挿し込まれた者の素質・才能・適性に応じて、そのスタンド能力が微妙に変化する場合もある。
  ・プッチは、「DISC」化したスタンドの詳細設定についての優先的な決定権を有している。
   作中では、『フー・ファイターズ』の「頭脳」「司令塔」の場所を、F・F自身の意志すら無視して変更していた。


『ホワイトスネイク』のヴィジョンから、何も記録されていない空っぽの「DISC」を取り出せる。
それに命令という「情報」を書き込み、他者に挿し込む事で、その命令に従わせる事が出来る。プッチはこれを利用して囚人達を部下とし、徐倫達に対する無意識の攻撃をさせていた。「記憶DISC」や「スタンドDISC」とも異なる、「命令DISC」とでも呼ぶべきものである。それぞれの命令には、従わせる相手も含めて定められている。それ以外の者に「命令DISC」が挿し込まれても、命令に従う事はない。
なお、「命令DISC」には、『ホワイトスネイク』からの命令を受けた際の記憶も、一緒に焼き付いて記録されている。そのため、作中では「記憶DISC」の一種と見なされているようだ。「命令DISC」を抜き取れば、そこに焼き付いた記憶も失われる。この「命令DISC」と「スタンドDISC」を植え付けられた者が、2枚とも強引に抜き取られると、(サンダー・マックイイーンのように)ショックで仮死状態になってしまう。植え付けられた「DISC」とは言え、肉体や魂とある程度馴染んでおり、『ホワイトスネイク』以外の者が抜き取ると強い負荷が掛かってしまうのだろう。どちらか1枚でも挿し込み直せば、停止した肉体は再び動き出す。


「命令DISC」を乱暴に突き刺すと、物理的・肉体的にダメージも与えてしまう。
つまり、命令を与える事自体は可能だが、頭部や脳へのダメージとなり、命令遂行後には死んでしまうだろう。


『ホワイトスネイク』の手を他者の頭部に突き刺せば、「命令DISC」すら不要で、命令を直接与える事が出来る。
その場合、あくまで「能力」として突き刺しているだけなので、物理的・肉体的なダメージは無い。


空っぽの「DISC」を他者に挿し込み、直近の記憶を焼き付けて記録する事も出来る。
作中では、空飛ぶ鳥にこれを使い、上空からの視点の記憶からF・Fの位置を探ろうとしていた。


記憶とスタンド以外の「情報」も「DISC」化できる。
プッチは、自身の「視覚」そのものを「DISC」にして取り出し、あえて盲目になったりもしていた。


音楽のCDを他者に挿し込む事も出来る。
挿し込まれた者は、CDに記録された音楽の「情報」を、オーディオ機器の代わりに自ら再生する事となる。歌が入っていれば歌い出す。


プッチは若かりし頃にDIOと出逢い、親友になった。
「時間」を止める能力を持ち、停止した世界で唯一「因果」や「運命」を直接動かせる資格を持つ、DIOのスタンド『ザ・ワールド』。そして、その身に宿す「世界」のタロット・カードの暗示。だからこそ『ザ・ワールド』には、さらなる力を生み出す可能性が秘められている。それは「時間」を加速させる能力であり、「運命」を超越する力
DIOはその力を『天国』と呼称し、『天国』へ行く方法の研究を密かに続けていた。道半ばにしてDIO本人は命を落としてしまったが、プッチが彼の遺志を継ぎ、それを実現させるために第6部の物語が始まるのである。その果てに、『ホワイトスネイク』は『C-MOON』、そして『メイド・イン・ヘブン』へと進化を遂げていく。
(なお、『天国』へ行く方法の詳細については、コラム「『天国』へ行く方法の研究」にて述べる事とする。)




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