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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ドラゴンズ・ドリーム (龍の夢) / 本体: ケンゾー
< 「方角」のパワーを読み取る能力 >





<特徴>
本体:ケンゾーが「風水」の叡智を極めた事によって発現したスタンド。
「風水」または「FENG SUI (フェン スゥイ)」とも呼ばれるが、これはエネルギーが流れる方向・方角を知る事により、様々な吉凶禍福を見る思想・学問である。例えば、城の「風水」を見て、どの方角から攻撃すれば陥落させられるかが分かるという。逆に、弱点となる方角に神社などを建て、凶のエネルギーを静めれば、城はより強固な守りになるという。このような方角理論もまた、人間が長い歴史の中で研鑽した「技術」の1つと言えよう。
そして、「技術」は究極にまで達すると、「能力」の域へと至る事さえあり得る。それこそが、この『ドラゴンズ・ドリーム』なのだ。


方角を表す輪の形の「風水盤」と、方角を指し示す龍(ドラゴン)の形の「針」から成るヴィジョン。ケンゾーの手元に現れる。
『ドラゴンズ・ドリーム』は、ただ方角を読み、指し示すだけのスタンドである。他の物質に干渉したり、他人を攻撃したりといった行動は一切できない。その反面、誰であろうと『ドラゴンズ・ドリーム』を傷付ける事も出来ない。本体:ケンゾーのダメージさえも、『ドラゴンズ・ドリーム』には何ら影響を及ぼさない。射程距離という概念すらも無いようだ。


独立した自らの意志を持ったスタンドである。それゆえ、必ずしもケンゾーに都合良く動くとは限らない。
また、たとえ『ドラゴンズ・ドリーム』と離れてしまっても、ケンゾーはその位置を感知する事が出来ない。あくまで自らの目で視認する他ないのだ。


「ジョジョ」作中においてはかなり珍しい、中華要素たっぷりのアジアン・テイストなスタンドである。




<能力>
「方角」のパワーを読み取る能力



「ジョジョ世界」はある超越的・絶対的な力で満たされており、ありとあらゆる存在がこの力を共通して保有している。『フー・ファイターズ』(が引用した天文物理学者フレッド・ホイル)の言葉を借りるなら、その力とは「知性」である。全ての物質や生物はこの「知性」に導かれて生まれ、物質や生物に宿る「知性」は自身の「情報」を絶えず記憶し続けているのだ。
「知性」が保有している「情報」とは、主に「形状」「材質」「座標」を意味し、自身を自身として存在たらしめる「設計図」とも言える。つまり、全ての物質・生物は、霊的な「最新の設計図(情報)」と、物質的な「今の様相」とが、常に等しい状態を保ち続ける事になる。それがこの世のルールなのだ。
そして、「知性」は自身の「情報」を一種の「信号」として、他の「知性」に送る。この「信号」のやりとりによって、「知性」は大なり小なり互いに反応し合い、影響し合い、「物質世界」において1つの巨大な流れを形作る。何者にも抗えぬ「因果の流れ」、なるべくしてなる「必然の連続」。人はそれを「運命」と呼び、「運命」を決定付ける「知性」そのもの(が持つ意志のようなもの)を「神」と呼ぶのである。
スタンド使いとはこの「知性」「運命」に選ばれた存在であり、それゆえ、スタンド能力は多かれ少なかれ「知性」に働き掛ける力を宿しているという事になる。


『ドラゴンズ・ドリーム』は、この「知性」が発する「座標」についての「信号」をキャッチするスタンドである。これにより、エネルギーが流れる方向や、エネルギーが滞って留まる位置をも知る事が出来るのだ。
裏を返せば、「方角」にはパワーがあるという事である。『ドラゴンズ・ドリーム』が正確に読み取ったその「方角」のパワーを、本体:ケンゾーは戦いのために利用している。


「風水」の方角理論を人体に適用した技術も存在し、それは「暗殺風水」と呼ばれている。『ドラゴンズ・ドリーム』は、ケンゾーが長年追求し続けた「暗殺風水」に特化した能力となった。
「暗殺風水」で読み取る「方角」とは、防御のための方角と攻撃のための方角の2つに大別できる。防御のための方角とは、誰にとっても完璧に安全な方角であり、「吉の方角」 「守りの方角」とも呼称される。攻撃のための方角とは、ケンゾーの敵にとっての非常に危険な方角であり、「凶の方角」 「殺しの方角」とも呼称される。


「守りの方角」に入る事が出来れば、ただそこにいるだけで、あらゆる攻撃や不運に襲われる事は無くなる。「方角」のパワーによって守られ、予測不能の「吉」なる偶然が重なり、「凶」なるものを回避できるのである。
前述の通り、これは誰にとっても安全な方角であるため、たとえ本体:ケンゾー以外の者でも守ってもらえる。作中では、『フー・ファイターズ』が感電によって全滅しかけていたが、たまたま「守りの方角」に入ったプランクトンが僅かに生き残っており、ギリギリで生還・復活できた。


「守りの方角」を読み取れるケンゾーだが、それでも2つの弱点が存在する。
1つは、攻撃を命中させた瞬間にカウンターを受ける事である。全身を「守りの方角」に置きながら敵を攻撃する事は出来ない。何故なら、当然の大前提として、ケンゾーが攻撃すべき敵は「守りの方角」の外側にいるからである。防御と攻撃は同時に並び立つ事はない。攻撃を繰り出すからには、無敵のバリアの外に出なければいけない。最低でも、攻撃が命中した箇所だけは「守りの方角」から抜け出ている事になる。捨て身の相討ち超スピードの反撃を敵が仕掛けて来たならば、それをマトモに喰らってしまう危険があるのだ。作中では、F・Fを攻撃した手を噛まれたり、汗を奪われて「鏡」を作られたり、ナルシソ・アナスイに肉体を改造されたりしてしまった。
もう1つは、そもそも「守りの方角」に入る事を阻止される事である。もしケンゾーが「方角」を錯覚・誤認し、誤った場所に誘導されてしまったら、当然、攻撃も普通に受けてしまうだろう。あるいは、ケンゾーがドラゴンの位置から遠く離れてしまうと、「方角」を読む事自体が出来なくなる。


「殺しの方角」に入る事が出来れば、敵にまったく気付かれずに近付き、容易に暗殺する事が可能となる。
この「殺しの方角」を読み取る際、「針」であるドラゴンはサイズが大きくなり、言葉を発するようになる。ケンゾーの手元から離れ、フワフワと漂うと、敵の近くへと移動。そして、敵の「殺しの方角」を指し示し、中立の立場でラッキーカラーやラッキーアイテムなどを親切に忠告してくれる。忠告に従って努力し、ラッキーカラーやラッキーアイテムなどで凶のエネルギーを静めれば、不運やダメージを最小限に抑える事が出来るだろう。
『ドラゴンズ・ドリーム』はケンゾーのスタンドとして発現してはいるものの、その本質は「風水」の叡智そのものの具現である。「風水」とは本来、みんなが知るべき事。「方角」のパワーに、善も悪も敵も味方もない。在るのは「吉」か「凶」かだけであって、「風水」の叡智はみんなが「吉」に向かうために使うべきなのだ。ドラゴンの言葉は100%正しい上、中立ゆえに誰かが一方的に不利になる事を嫌う。だから、「風水」を知り尽くしたケンゾーに対するよりも、「風水」を知らない者に対する方が優しい。敵に情報を一切与えたくないケンゾーとは、口喧嘩が絶えないようだ。


「殺しの方角」を指し示すドラゴンに直接触れる事によって、「殺しの方角」に自動的に入る事が可能となる。ケンゾーがドラゴンに触れて重なると、その接触した肉体部位が空間的に切り離される。そのまま「方角」のパワーの流れに乗っかり、空間を超えて飛んでいく。そして、一瞬のうちに敵の「殺しの方角」へと流れ着き、正確に攻撃を加えるのだ。攻撃が完了すると、切り離された肉体部位も元通りに戻る。
これはガード不能の攻撃である。たとえ回避されたり、敵に命中しなかったりしても、そこから予測不能の「凶」なる偶然が重なり、どっちみち必ず「殺しの方角」へと確実にダメージを与える結果に収束する。即ち、ドラゴンに触れた時点で攻撃は決定されるという事だ。


敵が自らの意志でドラゴンに触れても、ただすり抜けるだけで何も起こらない。しかし、ケンゾーに追い詰められたがゆえにドラゴンに触れてしまうと、それもまた「ケンゾーの攻撃」と同義となる。ケンゾーがドラゴンに触れたものと見なされ、「殺しの方角」への攻撃が決定されるのだ。もっともこの場合は、ドラゴンと接触した敵自身の肉体部位が切り離され、飛ばされ、攻撃に利用される。
また、敵の肉体ではなくスタンドがドラゴンに触れたとしても、やはり攻撃は決定される。ただし、スタンドの接触部位が飛ばされるという事はないようだ。ケンゾーの次なる攻撃は必ず命中するようになるし、たとえ自ら攻撃しなくても、やはり凶なる偶然が起こってダメージを与える。


ケンゾーは、これら「守りの方角」と「殺しの方角」を巧みに使い分けている。
まず「守りの方角」を読み、刻むような足運びで着実にその方角へと移動する。そうやって安全を確保した上で、続いて「殺しの方角」を読み、敵への攻撃に移行する。人体構造を熟知し、カンフーや太極拳をルーツとする独自の拳法をも体得しており、とても老人とは思えぬ身のこなしで的確に敵を追い込んでいく。戦い自体はあくまで自分の肉体で行わなければならないからこそ、闘争本能や身体能力を限界まで引き出してくれる『サバイバー』とは相性抜群なのだ。




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