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ジョジョの奇妙な冒険
ストーンオーシャン (TVアニメ)






Episode38  ホワット・ア・ワンダフル・ワールド



最高でした……。これはもう、何一つ文句も不満も無いですよ。最初から最後まで、全てが素晴らしかった……。
間違いなく、今までの「ジョジョ」アニメシリーズの総決算・集大成であり、今までの「ジョジョ」アニメシリーズの全話中最高オブ最高の回でした。鳥肌と涙が止まらんかった。「神回」とはこういうのを言うんだ。


まず、やっぱり来ました特殊OP
予想とは違って「時の加速」や「宇宙の一巡」をモチーフにしたものというより、「ジョジョ」の原点に還るものでしたね。まぁ、それも含めての「時の循環」「運命の円環」なのでしょうけど。ともかく、歴代ジョジョの集結ッ!そして、徐倫とプッチによる第1部OPの再演ですよッ!引力、即ち闘(バトル)!!
OP曲「Heaven's falling down」の方も一気にアップテンポっつーか、激しさを増して俄然ロックな感じになってましたね。今日まであえて購入を控えていたのは正解だったな。新鮮な驚きと興奮があったよ。よし、今こそ買おうじゃあないかッ!
他にも、スタッフさんの名前のテロップがザラザラしていたり、ウェザーの背景の雲が晴れてペルラが現れていたり、3兄弟の顔がハッキリ見えたりと、細かな変更点もニクいですねぇ。で、今になって気付いたんですが……、ウェザーの背景って元々、鉄格子の中に佇むウェザーの絵じゃなかったっけ?でも、シーズン3を見返して確認してみるとそれじゃなく、飛び落ちるペルラの絵を覆う雲の絵になってるんですよね。あれっ?いつの間にか置き換えられてたのかな?それとも俺、プッチに記憶を書き換えられた!?

さて、本編。原作あと2話ちょいだったのを心配していましたけども、間延びするでもなく、しっかりキッチリまとめられてた不思議(笑)。初見では理解に苦しむであろう宇宙一巡について、プッチとエンポリオにうまいこと解説させて、自然な流れで尺を稼いでましたね。前回、不満点として挙げたクジラもここで無事に登場!また、『天国』の設定も補完され、「運命」を見る力は一世代だけに留まらず、これから産まれてくる世代にも受け継がれていくらしい事も明言されていました。そうじゃなきゃ、あんまり意味ないもんね。
ただ、看守が転ぶ理由を「プッチに殴られたから」に改変しちゃうのはどうなのかな?プッチは唯一「運命」を変える力を持っており、それゆえエンポリオにウェザーの「DISC」を押し込んでしまうワケですから。「運命」の再現にプッチの存在を介入させるのは、視聴者の混乱を招きかねず、あまり良い手ではありませんよね。まっ、今回の大感動の前にはもはや瑣末な問題です。
「覚悟」ガンギマリのエンポリオのカッコ良さがヤバすぎでしたね!そして、徐倫とウェザーのみならず、F・Fやエルメェス、アナスイ、承太郎の想いをも受け継いだ事を、エンポリオ本人が語るのが泣ける。「運命」なんか知らなくても、みんな「覚悟」があった。「覚悟」が出来ていなかったのはプッチの方だった。そんな皮肉も痛快。結局のところ、プッチは「過去」に囚われ、まだ見ぬ「未来」を「絶望」と捉え、恐れていただけなんですよね。その自分の恐怖を晴らすため、全人類・全生物・全宇宙を巻き込んだ真の邪悪。もしプッチに本当の「覚悟」があったなら、エンポリオなど捨て置いて、とっとと「一巡」を完成させたはず。「人類」全体よりも、自分自身という「個人」を優先させてしまった弱さ。たとえ命潰えようとも、自分の意志をまだ見ぬ「未来」に託す「希望」を抱いて逝った徐倫達に敵うはずも無し。人間の強さを、生きる事の素晴らしさを、徐倫達は正しく信じていたのだから。

エピローグ。このシーンは是非とも、サブタイ通りルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」を流してほしいと願い続けてきました。あんなにも優しく、美しく、暖かでノスタルジックな曲はありません。このエピローグに最も合う曲は、この世でこれ以外にないでしょう。残念ながら、その希望は実現されませんでしたが……、代わりに流れたのは「Distant Dreamer」。自然と涙が溢れてきた。ああ、これでいいんだ。
ラストの絵も、F・Fが追加され、彼女らの進む先には青空と虹。F・Fはあの時「さよなら」を言えたから描かれなかったと思っているんで、蛇足っちゃ蛇足にも見えましたが、それ以上に嬉しいよね。青空と虹も、晴れやかな未来を予感させる清々しさ。全ての始まりとなった雨の日のドライブとの対比であるからには、エピローグも雨だけで良い気はします。でも、やっぱシンプルに希望を持てる絵なんだよね。徐倫達の過酷すぎる「運命」の終着点、そして新たな出発点として、相応しかった。
あ、ちなみに、エルメェスが新生した人物の名前は「エルディス」らしいです。荒木先生の命名だったらいいな。


そしてそして、全ての終わりを告げる特殊ED
なんと、ここで来ました!YESの「ROUNDABOUT」!!1~6部の象徴的なシルエット絵が流れ、6人のジョジョと仲間達の冒険譚は幕を下ろしたのであります。彼らが紡いだ「人間讃歌」の物語は、エンポリオと我々読者(視聴者)以外誰も知る由もない「神話」となりました。それでも、エンポリオはきっと、徐倫達から受け取った「正義」と「愛」を胸に、気高く生き抜いていく事でしょう。だから、我々もそうやって、一度きりの人生を生き抜いていきましょう!我々が「人間讃歌」を高らかに謳って生きましょう!それこそが、荒木先生から、ジョジョ達から託されたメッセージだと思うから。
最後の最後にこんな粋なものを見せてくれるとは……。嗚呼、なんて素晴らしい世界ッ!引力、即ち愛(ラブ)!!



―― 万感の想いでいっぱいでございます。このアニメ制作に携わった全ての方々に、荒木飛呂彦先生に、感謝でいっぱいでございます。
やっぱり6部も最高だぜ。6部って、とにかく不当な過小評価をされがちな部なので、これほどのアニメを作っていただけて安心しました。映像として観られた事がホントに嬉しいです。あのラストをバッド・エンドなどとはもう言わせませんよ。まぁ……、さんざん不満も語ってはきましたが(笑)、トータルで考えればオールOK!6部の面白さ・奥深さを改めて思い知り、今まで以上に愛せるようになりました。ありがとうございますッ!
ただ、出来ればネトフリ独占先行配信と、一挙配信はやめてほしい。せめて一挙配信だけでもガチでやめてほしい。1話ごとの盛り上がりをファンのみんなで一緒に楽しみたいもの。今のやり方は、作品が大きく広がっていくチャンスをみすみす棒に振ってるようにしか思えない。そこは苦言を呈させていただきます。でも、最終話で「次のエピソード」を押したら1部の第1話に飛ぶのはナイスだったよ。そんな風にファンが喜ぶ事をやってくれたら嬉しいですね。
……というワケで、次なる期待は当然、第7部「STEEL BALL RUN」!運命が「回転」し、新たな1890年へと導いてくれる時を、今から心待ちにしています。ボールがネットの向こう側に落ちる事を祈って……。

(2022年12月11日)






Episode37  メイド・イン・ヘブン その②



今回は「海(オーシャン)」での攻防、斃れていく仲間達、そして徐倫の散華。なんと、予想外にも「一巡後の世界」到達まで描いてしまいました。
えっ、マジで?てっきり徐倫の死までで終わりだと思ってた。原作あと2話ちょいしか残ってないのに、もう20分も持つの?……っていうか、まぁ、当然持たせるんでしょうけどね(笑)。だとすると、かな~りジックリと進むのか、4部みたいにアニオリを入れまくるのかってトコですね。いろんな意味で最後までドッキドキです。

それにしても、今回もやっぱし素晴らしいクオリティ!アナスイの自己犠牲といい、彼にプロポーズの許可を与える徐倫といい、圧倒的絶望の中で「希望」を手繰り寄せようともがく姿は儚くも力強い。死の直前、承太郎と徐倫が互いを呼び合うアニオリも挿入され、悲壮感が増したと同時に、今まで頑張ってきた徐倫へのせめてもの手向けのようにも感じました。加速し続ける時の中での戦いは、ただ黙ってても背景が爆速で動いていくので、臨場感と緊迫感が凄まじいな。
海に横たわる4人のうち、徐倫だけが消えている事にプッチが気付くシーンも良い。承太郎、アナスイ、エルメェス……と順番に映り、徐倫がいるはずの場所に誰もいない。血だけが残る。徐倫の不在がハッキリ示されています。これは原作よりも分かりやすく、丁寧な描写でした。
そして、今回のハイライトは何と言っても、エンポリオを守るために己が命を燃やし尽くす徐倫。泣けてくるね。徐倫は本当に強く優しく成長した。「ひとりで行くのよ エンポリオ」からの、「この先に続く道を……」「大丈夫、今のあんたならもう出来るはず」というオリジナルセリフも、これまたミューミュー戦でのオリジナルセリフに連なる流れでイイね。徐倫の「母」としての役割が鮮明になってて。だから、徐倫とエンポリオを結ぶ「糸」はヘソの緒なのです。ヘソの緒を断ち切り、子どもは新しい世界に生まれ落ちる。その子を未来へ旅立たせるために、母は全身全霊を懸けるのです。慈愛に満ちた徐倫の最期、心が打ち震えたね。
どこまでも無限に加速する時間。人々は大混乱。承太郎達の死体は腐り、気候も地形も変化。やがては生命だけが宇宙に放り出され、新たな宇宙へと。……このあまりにも壮大すぎる映像、感動しました。いやぁ~……、コレ、映画館で観てみたいな~。すんごいだろうな~。


ちょっとした不満点としますと、最高潮に加速する時の描写ですかね。もちろん、さっきも言いました通り、感動するレベルではあったんですが……、腕時計の時針も超高速で回って見えなくなる勢いにしてほしかったですよ。あと、太陽が帯状になるほどの加速なのに、雲の動きが意外とゆっくりだったんで、目にも止まらぬスピードで飛ばしてほしかった。
生命だけが存在する宇宙空間では、原作のクジラのインパクトがゴツかったので、クジラも描いてもらいたかったなぁ。でも反面、原作では何故かいなかった、エンポリオ以外の人間達の姿があったので、そこが良かったです。


ついに次が最終回ッ!アニメシリーズも10年掛けてここまで辿り着きました。100年以上にも及ぶジョースターの歴史が幕を下ろす様、しかとこの眼と魂に刻み込みましょう!

(2022年12月10日)







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