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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




クラフト・ワーク / 本体: サーレー
< 物質の座標を「固定」する能力 >





<特徴>
スタンドが発現した経緯は不明。
だが、本体:サーレーは、イタリアのギャング組織「パッショーネ」の構成員である。組織の幹部:ポルポが所有していた『矢』に貫かれて発現した可能性が高い。


射程2m程の近距離パワー型スタンド。
パワーやスピードに優れており、至近距離から発射された弾丸を叩き落とすくらいは造作もない。ただし、精密な動きは苦手のようである。


凶悪な顔付きをした人型ヴィジョンを持つ。目付きは鋭く、剥き出しになった歯を常に食いしばっている。
両耳の部分には、角のような大きな突起が真横に伸びている。肩や首の周囲にも小さな突起が何個か生えている。また、体表に描かれた横線・縦線や、両肩に空いた大きな穴も特徴的である。




<能力>
物質の座標を「固定」する能力



『クラフト・ワーク』の手で触れた物質を、その場に「固定」「接着」する能力を持つ。
本体:サーレーが「触れた」と認識できる物であれば、固体でも液体でも気体でも「固定」できるだろう。そして、その場が空中であろうとも、同時に何個であろうとも関係ない。空中に小石を何個も「固定」すれば、小石をハシゴ代わりの足場とし、縦横無尽に移動する事が可能である。
能力射程は、恐らく数m程度と思われる。


触れた物質を「固定」するタイミングを選べる。触れた瞬間でも、触れた後の好きなタイミングでも、「固定」する事が出来る。


「固定」のパワーは伝導する。「『クラフト・ワーク』が触れている物質」に接触している別の物質を、その場に「固定」する事も出来るのだ。もしかすると、そうやって複数の物質をどんどんくっ付け、数珠繋ぎ的に「固定」しまくる事も不可能ではないのかもしれない。ただし、この間接的な「固定」は、直接的な「固定」よりも弱く、『クラフト・ワーク』が離れた途端に解除される。
作中においては……、サーレーとグイード・ミスタが同じトラックの上で戦っていたが、ミスタの左手がトラックのバールに「固定」されていた。さらに運転手も、手がハンドルに、足がアクセルに、それぞれ「固定」されていた。しかし、サーレーがトラックから落ちて離れると、すぐさま「固定」は解除された。


この能力をより厳密に表現するなら、物質の座標を「固定」する能力と言えるだろう。ここで言う「座標」とは、緯度・経度・高度から成る「地理座標系」における座標だけを意味するとは限らない。サーレーの意志によって、独自の「原点」(=ゼロ地点)を設定する事が出来、その「原点」を基準とした座標系に対しての位置・座標をも含んでいるのだ。(『クラフト・ワーク』の体表の横線・縦線は、X軸・Y軸であり、即ち「座標」を暗示しているのだろう。)
走行するトラック上で空中に「固定」した弾丸が、すぐに後方へと消えて行かず、ずっとサーレーの周囲に在り続けていたのも……、トラックを基準点とした位置・座標で「固定」したからである。それは、基準点が動くのと一緒に、「固定」された物質も座標ごと移動するという事だ。
また、前述のミスタとトラックの「固定」も、単純にミスタの左手とバールが接着されているワケではない。これもやはりトラックを基準点とした座標で、ミスタの全身が「固定」されているのだ。そして、『クラフト・ワーク』の「固定」は、物理的なパワーではなく「能力」で「固定」している状態である。そのため、たとえトラックの足場から飛び降りようとしても、「固定」された座標にミスタ自身が保護される結果となる。トラック以外の場所には降り立つ事さえ許されず、足は空中で浮かんだまま止まり、決して移動する事は叶わない。


上記で述べた「固定」は、「原点」という基準から見た相対的な位置の「固定」である。絶対的な位置の「固定」も可能なのかどうかは定かではない。
しかし、もし可能であったとしたら……、「固定」された物質は、地球の自転・公転や、太陽系・銀河系の移動すらも無視して、その場に「固定」される事になる。「固定」した直後、その物質は能力射程外に吹っ飛び、障害物を破壊しているであろう。つまり、「固定」した瞬間に解除される結果となるはずだ。しかも、どの方向に飛んで行くのかサーレー自身も予測困難であるため、仮に可能だとしても使うメリットは無いと思われる。


明確な形を持って生み出されたスタンド『クラフト・ワーク』との接触による「固定」は、極めて強固な「固定」である。そのため、「固定」された物質が外部から加えられた全てのエネルギーは、どこにも逃げる事なくその場所に蓄積され続ける。強い力で攻撃されようと、破壊する事はおろか、傷1つ付ける事も出来ない。「固定」されている限り、その物質は堅固に保護されているという事だ。きっとスタンド能力さえも効かないだろう。(もっとも、『クラフト・ワーク』のスタンドパワーの許容量を上回るエネルギーが加えられたら、破壊が起こる可能性はある。)
そして、蓄積された全エネルギーは、「固定」を解除した瞬間に解放される。作中でサーレーは、「固定」した弾丸を指でトントン叩き続けた後に解除。溜まっていたエネルギーが解放され、勢い良く発射された弾丸はミスタの腹部を貫通した。ただ、思いっ切り殴ると、狙いが余計に正確ではなくなるし、飛んで行く方向が相手にバレてしまうらしい。
なお、「固定」した時点で、その物質はそれまでに持っていた運動エネルギーを失う事になる。能力を解除しても、その場から地面にポトリと落下するのみだろう。即ち、「固定」した物質に蓄積されていくのは、あくまで「固定」されている間に加えられたエネルギーだけなのである。


サーレー自身の体内にも常時、「固定」のスタンドパワーが流れている。それゆえに、体内に侵入してきた物質を自動的に「固定」してガードしてしまう。たとえ弾丸を撃ち込まれたとしても、ピンピンしていられる程だ。
ただしこの「固定」のスタンドパワーは、『クラフト・ワーク』という明確な形を持たない、不安定な素の状態のエネルギーである。『クラフト・ワーク』の単なる原材料か残りカスみたいなものなのだ。そのため、サーレー本体との接触による「固定」は脆弱な「固定」に過ぎず、体表で物質の侵入を食い止める事までは出来ない。数cmは体内への侵入を許してしまう。したがって、どうしても痛みや出血は伴うし、同じ傷口を複数回攻撃されるとより奥へと食い込んでいく。決して無敵でも不死身でも無いのだ。


サーレーと、その相棒:ズッケェロ。この2人の名は、イタリア語で「塩」と「砂糖」を意味する。それらは言わば、細かな「粒」・1つの「点」の集まりである。その名の通り、2人のスタンドはどちらも「点」の能力になっている。『クラフト・ワーク』は、座標が指し示す1点に物質を縛り付ける能力。
どちらのスタンドも、他者を見下す本体の傲慢さが反映されているが、その能力の方向性は対極である。他者の存在する地点を下げる『ソフト・マシーン』に対し、『クラフト・ワーク』は自分の存在する地点を上げる方向に働いているのだ。サーレーが持つ、他人を踏み台にしてでも高みへとのし上がっていこうとする「俗悪な野心」は、あらゆる者をその場に留めておける能力を生み出した。その場から動けなくなった者達を踏み付け、サーレーは上へ上へと昇っていく。現に、サーレーは終始、心理的にも位置的にもミスタを見下ろし続けていた。




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