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SOUL'd OUT
「VOODOO KINGDOM」





2007年2月21日に発売された、劇場アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ファントム ブラッド」のテーマ・ソングです。
SOUL'd OUTの3人と荒木先生は、TV番組の企画で出会い、そこから交友関係がスタート。とりわけShinnosuke氏は「ジョジョ」の大ファンであるらしく、「Magenta Magenta」という曲のPVでは「エイジャの赤石」をフィーチャーしていた程。「STEEL BALL RUN」の1コマのスクリーン・トーンを張る仕事までさせてもらったり、荒木先生に「Catwalk」という曲のジャケット・イラストを描いてもらったりと、徐々に親交も深まり(?)、ついに劇場版のテーマ曲という大役をGET!
それが、この「VOODOO KINGDOM」です。さて、さっそく感想を書きましょう。


まずはジャケット「白」「黒」がハッキリ分けられ、中心のDiggy-MO'氏が被るキャップには「星のマーク」が!しかも「星」の横には「D」の文字も。これは別の英単語の頭文字ではあるんですが、ついついDIOの「D」でもあるのではと勘繰ってしまいます。「ジョジョ」の絵も文字も一切ありませんが、それらのファクターだけで「ジョジョ」1部を確かに感じ取る事が出来ました。
では、肝心のの方はと言うと……、私個人の感想としては「素晴らしい」の一言。圧倒されました。「ゾンビ王国」とでも訳すべきタイトルからも分かるように、この曲はディオの視点で作られた曲となっています。それが効を奏したのか、スタイリッシュなカッコ良さだけではなく、ダークな妖しさ狂気を孕んだ荒々しさも醸し出されていて、1部の雰囲気が実によく表現されていると思いました。イントロの部分では時計が時を刻む音、犬の鳴き声や馬車の音などのニクい演出もあり、1部の世界へとグンと引き込まれます。
曲を聴いていってのイメージとしては……、霧に煙る真夜中のロンドン→不気味な墓場にディオ現る→ゾンビとして蘇った死者達がディオを讃える→ジョジョとの激しいバトル!「支配してやるぞ!人間ども!」……といった感じ。ディオの放つ禍々しい大気のうねりが、ジョジョとディオのほとばしる魂が、耳から脳へと伝わって来ました。どんどん盛り上がっていって、聴いててテンションも上昇の一途。そして、歌が終わったラストの勇ましくもどこか物悲しいメロディーたるや、もう目頭が熱くなる勢い。何故か歴代のジョジョ達の気高い姿が脳裏に浮かんでは消え、ジョースターの血統と精神が受け継がれていく壮大な時の流れを勝手に感じ、最高にハイになりました。
歌詞にしても、「ジョジョ」や荒木先生への敬意と愛情に溢れています。それを実感できる言葉が、至る所に散りばめられていて、「ジョジョ」を愛する者としてはニヤリとさせられますね。「Tha world」とか「血統の妙 血統の業」とか「賢者さえも下僕」とか。「したたる PEN に見る 吸い込まれるしなやかなタッチ BLACK AND WHITE」なんて、モロに荒木先生の事だし。特にグッと来たのが「時の狭間で 今 お前を待つ」と「刻まれた STAR ON THA NECK」。サビに突入する直前には、なんか「ウリウリウリウリ」言ってるようにも聞こえる部分もあります。


思えば、「ジョジョ」をテーマにした曲を聴くのは初めての事。そんな記念すべき1曲。見事にハートを震わせてくれました。よくぞ音と声だけで、ここまで「ジョジョ」を形に出来たもんだと感心。エンドレス・リピートで聴きまくっております。ラジオ番組で荒木先生も「15分くらいの組曲にして聴きたい」と話していましたが、オーケストラ・ヴァージョンなんてのも違った魅力が引き出されそうで聴いてみたい所。
この曲が生まれただけでも、SOUL'd OUTと荒木先生の出会いの「引力」に感謝いたします。「褒めすぎ?」って感じですけど、これが本音。




(2007年2月21日)




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