管理人　金沢へ行く（前編）

「ジョジョ」連載30周年を記念する史上空前の祭典！その名も「荒木飛呂彦原画展　JOJO - 冒険の波紋 -」ッ！！この歴史的イベントは、2018年8月～10月に東京で、11月～2019年1月に大阪で、そして2020年1月～3月に長崎で開催されました。
それに続いて同年4月～5月、石川県金沢市でも開催される……はずだったんですが、そこに水を差しやがったのが憎き新型コロナウイルスの野郎。瞬く間に感染は世界中に広がり、原画展も延期が決定。そこから随分長いこと、我々は旅行もイベントも出来ぬ自粛生活を余儀なくされたのでした。私個人は超インドアな人間だから、引きこもる事自体はまったく苦じゃないけど、日常の「安心」と非日常の「楽しみ」を奪われたのはやっぱり痛いです。

しかし！それからおよそ2年後、とうとう時は動き出すッ！2021年8月19日、「ジョジョリオン」最終回と同じタイミングで、金沢での原画展の開催＆日程が発表されたのです。2022年4月30日（土）～5月28日（土）の期間、金沢21世紀美術館にて開催。北陸初上陸です！その上、なんと完結を迎えた「ジョジョリオン」の新たな原画も展示されるという事実が後に判明！うおお……、マジかよ……！ついに来たぜ～、ビッグ・ウェーブがよ～。
残念ながら開催前日4月29日のプレビューディには落選してしまいましたが、無事、初日・初回のチケットをゲット。コロナの状況次第では会期の短縮なんかもあり得そうなので、もう行けるうちにさっさと行っとくに限ります。軽井沢の熊野皇大神社に、荒木先生が2点の水墨画を奉納されたという情報も得ていたので、ついでにそっちも回ってみようかとも考えましたが、それはやめておきました。時間が限られている中であれこれ欲張ると、趣旨がボヤけますからね。今回は金沢を楽しむ事にだけ注力します。……ちなみに、今回も当たり前のように一人旅でした。

なお、この原画展（以下「ジョジョ展」と呼びます）の詳細についてはこちらをご覧になってください。

＜2022年 4月29日（金）＞
朝イチの飛行機で、まずは羽田空港へ。2年ぶりの飛行機にちょっぴり緊張。長崎展からこの2年、ガチでどこにも行ってないからなぁ。羽田で乗り継いで、小松空港に飛びました。到着したのは、もうお昼。
リムジンバスで40分、金沢駅に降り立ちます。念願だった初めての金沢の空は、あいにくの雨模様……。こちらは駅の西口。バスを降りると、すぐ「オーソン」があります。お、出入口の前に数人並んでる。何やら整理券をもらわないと入店できないっぽい気配。以前の「ジョジョ展」の時に欲しいグッズはあらかた買っているので、正直、わざわざ並んでまで入りたいワケでもありません。遠目から写真だけ記念に撮っときました。でも、だんだんと金沢に来たって実感が湧いてきたぞう。

金沢駅は ” 世界で最も美しい駅 ” の1つとして挙げられるほどの駅でして、特に東口にドドンとそびえる「鼓門（つづみもん）」のインパクトたるや絶大！この威風堂々たる佇まい、必見です。そして、駅全体を包み込むかのような、ガラス張りの「もてなしドーム」。
古代より伝わる和の美しさと、現代的な洋の美しさ、その両方が融合した素晴らしい光景が造り出されています。過去と未来、伝統と革新、それらを結ぶイカしたデザインに圧倒されました。

フォーラスを横目に、雨の中、まず向かうは予約したホテル。
今回の旅の居城となってくれたのが、金沢駅のすぐそばにあるホテル「チサンバジェット金沢駅前」さん。チェックインにはまだ少し早い時間だけど、重い荷物を預かってもらいました。これで動けるッ！

それにしても腹減った……。駅へ戻って、どこかで何か食べよう！
ところが、当然っちゃ当然ですが、どこもかしこも満員＆行列。みんな、この黄金週間を心待ちにしていたんでしょうからねぇ。私としてももちろん、いかにも金沢らしい物を味わいたい気持ちはありますし、それなりに調べても来たんですが、ぶっちゃけいちいち長時間待ちたくないってのが偽らざる本音。ここんとこ連続炎上中の吉牛がちょうど空いていたので、親子丼を食べました。うん、うまい。
結論を言っちゃうと、今回の旅……、いわゆる金沢グルメとは無縁なものとなりました（笑）。回転寿司、ノドグロ、ハントンライス、金沢カレー、金沢おでん、金沢ラーメン、加賀麩……、な～んにも食べてない。私はどうも、旅行をすると食がおざなりになりがちなんですよね。いや、正確には目的以外の物事がおざなりになっちゃうのか。「ジョジョ展」のために来たから、それしか考えてないっつーか。

さて、これからどうしよう？プレビューディには参戦できない身分なので、今日はもうほぼほぼフリーなのです。ただ、しとしと降る程度の雨なら、むしろ風流ってぐらいに茶屋街あたりをブラブラ歩き回っても良いのですが……、そんなレベルの雨じゃないんですよコレが。なかなかの勢いで雨風が襲い掛かり、かなり冷え込む。参ったな～。
迷った挙句、タクシーで「箔一」本店・箔巧館へと足を伸ばしてみる事にしました。外がダメなら屋内を攻めるしかない！この「箔一」さんは金箔の有名企業。アニメ「ジョジョ」とコラボを展開し、箔巧館でもいろんなイベントを実施しているのです。もっとも、原作至上主義・荒木原理主義の私にとって、本来ならアニメイベントの優先度は低い。余裕があれば行ってもいいかな～と考えていただけだったのに、まさかいの一番に行く事になろうとは。まぁ、これも縁というヤツでしょう。
箔巧館は駅からだいぶ離れた所にポツンとあって、何かのついでに行けるような場所じゃありません。車か自転車でもないとキッツい。タクシーでも20分ほど、料金も片道3,000円近く掛かりました。

箔巧館

艶やか

煌びやか

金沢と言えば金箔。金箔と言えば黄金。黄金と言えば「ジョジョ」です。
まず、入館して真っ先に出迎えてくれたのが、「金箔のかがやきソフトクリーム」でした。文字通り、金箔を纏った光り輝くソフトクリームです。しかも、今はアニメ「ジョジョ」とのコラボで、歴代ジョジョ6人の「キャラクターもなか」がランダムでトッピングされます。こりゃあ買うっきゃないでしょ。店員さんが繊細な手さばきで金箔を乗せる一瞬はハラハラ。もなかはジョセフ、さらにランダムでもらえる歴代ジョジョのシールは承太郎でした。金箔そのものは味も栄養もないとは言え、見た目がめっちゃ映えますし、ソフトクリーム自体も濃厚ミルキーで超おいしい。

はくいちカフェ

ヤバイ「MONACA」が
ON！！

承太郎

歴代ジョジョ6人のスタンディも、館内のあちこちに設置されています。それを探し当てるのも楽しみの1つ。金箔で作られた数々の商品・美術品に混じって、堂々たる立ち姿を披露するジョジョ達。その黄金の精神を表したかの如き、まばゆい輝きに包まれています。特に、地下の ” 金箔の間 ” に鎮座する黄金の甲冑の両サイドに並び立った承太郎・徐倫の空条父娘は一際美しい。しかし、ここのプロジェクション・マッピングの存在を完璧忘れてしまってたので、それはディ・モールト悔しい！せっかく行ったのにィ――ッ！
ちなみに、スタンディの配置はその日によって変わっているっぽいですね。どのジョジョとどこで出逢えるのか、それは貴方とジョジョの「引力」次第です。

ジョナサン

ジョルノ

仗助

ジョセフ

承太郎＆徐倫

そして、これまた歴代ジョジョをあしらった黄金のコンパクトミラーも限定販売ッ！私は買いはしませんでしたが、Webでの販売も早々にほとんど売り切れちゃうほどの盛況っぷり。店頭に並んだ分も、すぐに買われてしまう事でしょうね。
さらに、ここでは金箔貼り体験も出来ちゃうようなんですが、残念ながら今日はすでに予約でいっぱいでした。行き当たりばったりの旅はこんなもんです。

ショップ

「ジョジョ展」チラシも

コンパクト

金沢駅に戻るべく、タクシーを呼ぶ。ところが、ここに来る時に乗ったタクシーの運ちゃんに、会社の電話番号を教えてもらっていたんですけど……、何度掛けても繋がらない。まさか、激混みでタクシーが全部出払ってしまったのか？雨はまったく収まる気配も無く、強く降り続いています。う～ん、どうしたもんか……。
でも、なんとかしようとすれば大概なんとかなるもので。何気なく周囲の景色を見渡していると、不意に「タクシー」という文字が目に飛び込んできました。あれっ？交差点の向こう側に「金沢タクシー」って書いてるビルがあるじゃん！試しにそこまで行ってみると、あっさりタクシーに乗れたのでした。良かった良かった。

無事に駅まで戻り、そのままホテルにチェックイン。少し休憩した後、再び外へ繰り出します。次なる目的は、「ジョジョワ」こと「JOJO WORLD （ジョジョワールド）」！「ジョジョ」にちなんだミニゲームで遊んだりグッズを購入したりできる、という楽しげなアニメイベントです。駅前のフォーラス6Fで催されています。私も「ジョジョ展」の前夜祭とばかりに、夕方6時半から予約を入れておいたのでした。
時間通りに行ってみると、すでに行列。少し並んで会場入りすると、そこはまさに夢のアミューズメント・パーク！客層は老若男女様々ですが、やはりアニメ効果の大きさか、お若いレディーの姿が多いですね。新しいファンが増え続けてくれる事は、「ジョジョ」や荒木先生の魅力が世代を超えて伝わっている事の証左ですし、コンテンツの活性化にも繋がるので有り難い限り。

私が「ジョジョワ」で楽しんだミニゲームは2つ。第５部「パッショーネ配属チーム適性診断テスト」と、第４部「漫画家のうちへ遊びに行こう」です。
前者は、パソコンでテストを受けるミッション進行型アトラクション。いろんな質問に答える事によって性格を診断され、自分にふさわしい配属チームと教育係になってくれる人物が決められるというものです。「パッショーネ」の新入り気分が味わえるってワケですね。ブチャラティチームか暗殺チームのどちらかに配属されるのですが、私はブチャラティチーム！アバッキオに似て警戒心が強いらしく、ブチャラティがコンビを組んでくれる事になりました。ランダムでもらえるシールはフーゴでした。

後者は、自分が康一くんの友人設定で、最近やたらと奇妙な体験をしてるから露伴に取材してもらうという対話型アトラクション。露伴の家に招かれ、彼と実際に会話しているシチュエーションで展開していきます。タッチパネルで質問に回答していくだけなので、本音で答えるも良し、露伴のご機嫌を取っても良し。私は正直に挑みました。ウソは彼の作品のためになりませんからね。
結果、私は露伴先生の作品に「敵」として登場させたいキャラ、との評価をいただきました。光栄です。「ピンクダークの少年」のコミックス風ノートももらえました。実はこれ、密かに欲しかったんです。

他にも多種多様なゲームがあるけど、この2つでタイムアップ。並ぶのもゲームで遊ぶのも、けっこうな時間を要するので、もう閉店の夜8時になっちゃいました。グッズを物色する時間も無かったな。
取り急ぎ、写真に収めるべき物だけ撮っておきました。歴代ジョジョ達と一緒にイスに座れるパネルと、６部キャラ達のスタンディです。徐倫のスタンディには、担当声優の「ファイちゃん」ことファイルーズあいさんの黄金のサインも書かれています。あと、ファイちゃんとゆーぽん氏のサイン色紙も。「ジョジョワ」、想像以上に面白かったし盛り上がれました。明日へのイイ景気付けになったぜッ！

もうすっかり夜も更け、お腹も空いています。せっかくと言うか、今さら歩き回るのもめんどいので、ここフォーラス6Fにある店で食べて行く事に。とんかつ屋「富金豚（とみきんとん）」で、ブ厚いとんかつをいただきました。やっぱ肉だね！うまかった！
ホテルに帰る前に、「オーソン」の様子もちょっくらチェック。すると、昼の比じゃない行列が出来てる！でも、この行列はあくまで「オーソン」グッズを買うための列らしく、普通の商品を買う分にはすぐに入店できる模様。お茶だけ買いました。店内には「ジョジョ展」のポスターもズラリと貼られており、「オーソン」ならではのワクワク感があります。

こうして、金沢の初日は終了。いよいよ明日、「ジョジョ展」の開幕です。スゴい楽しみな反面、会場に行くまでの交通手段に不安があるんだよな～。自転車をレンタルできたらいいんだけど、どうなるだろう？いろんな意味のドキドキに包まれ、眠りに就くのでした。