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通リ過ギマシタ
Uターンシテクダサイ


#012 杜王町Navigation





●トビラ絵は、無数の「しゃぼん玉」が舞う中で佇む定助&康穂。丸顔でクリクリお目々な康穂がなんとも愛らしい。絵全体に白線のトーンが貼られて薄く見えるので、しゃぼん玉らしい儚さと美しさも感じさせます。果たして定助達は、このしゃぼん玉のように、目の前に無数に散らばる謎を全て消し去っていく事が出来るのでしょうか?
そして、恐らく荒木先生直々のデザインと思われるタイトルロゴも追加ッ!定助のシルエットに、町や「壁の目」、「しゃぼん玉」なんかをイメージしたポップな「JOJOLION」の文字。いっそこっちを正式なロゴにしてほしいくらいなんだけど、すでにコミックスも出ている今、もはや手遅れ?


●前回に続いて、東方家の朝の日常再び。ただし、あとで分かる事ですが、前回とは別の日です。定助が東方家に来て4日後の朝。つまり、前回の3日後って事になりそうです。
例の2階の書斎に掃除機をかける虹村さん。彼女も得体の知れない人間ですが、形兆みたく几帳面で神経質そうなイメージがあります。ほんの僅かな変化も敏感に察知しそうっていうか、定助が侵入した事にもすでに気付いていそうで不気味ですね。
さてさて、当の定助はというと、のんきに洗濯物を取り込んでます。その中には何故か、常秀の服が紛れ込んでいました。しかも、ポケットから千円札を発見。間の悪いことに、ちょうどそこに常秀がやって来たから大変。定助が自分のカネを盗もうとしている、と勘違いした常秀はブチ切れて、定助にビンタを食らわします。険悪なムードで睨み合う2人……。常秀の手には、こっそりとナイフが握られています。しかし、そこに親父さんが現れ、2人を叱り付けると、常秀はそっとナイフを隠しました。う〜む、どっかで見た事のある光景(笑)。親父さんは千円札がシワシワになっている事から、間違って洗ってしまい、それが乾いた跡であると見抜きます。定助が悪意を持って盗もうとしたワケではない、と。常秀は不満タラタラで去って行きます。目的は謎ですが、表面上は至ってフェアな親父さん。
親父さんは、定助をぼちぼち学校に通わせようと考えている模様。それを聞いた大弥ちゃん、「あたしと同じ学校がいいなあ」とハイテンション。親父さんと仲良くジャレ合ってます。これだけ見ると、まるでジョセフとホリィさんみたいですね。常秀と鳩さんもお出掛け。鳩さんは珍しく(?)スカート履いててカワイイ。そして、親父さんは大弥ちゃんと一緒に出掛けて行くのでした。大弥ちゃんを学校に送ったあと、店に向かうって事かな。


●さっきまで賑やかだった東方家も、今は虹村さんのかける掃除機の音しか聞こえません。定助、行動開始ッ!いつバレるとも知れないので、1秒も無駄には出来ません。門には監視カメラが設置されており、「しゃぼん玉」で攻略。近くの塀で寝ていたネコの毛を奪い、それをカメラのレンズ前で解放。すると、あたかもネコが近付いて来て、画面を覆ってしまったとしか見えなくなっちゃいました。毛を奪われたネコはお気の毒ですが、まあ、能力が解除されれば元に戻るでしょう。つーか、また額に「肉」やってるし(笑)。定助は「キン肉マン」ファンだったんでしょうか?あるいは「マサルさん」?仗助は「パーマン」も知らずにバカにされてましたけど、定助はけっこうマンガ好きなのかも?
ネコの毛でカメラを覆い、その隙に門を脱出!すぐさま康穂と連絡を取ります。この数日の間、康穂も色々と調べてくれていたらしく、ホリーさんTG大にいる事は確かな様子。ところが、どうしても連絡は取れないとの事。件のTG大の位置は、杜王駅の北側。4部の杜王町では、ぶどうヶ丘高があった辺り。そのすぐ近くにある六壁神社で、2人は落ち合う事に。妖怪が祭られていそうな神社ですな。ニヤリとさせられました。
――もうすぐ定助に会える。何故か康穂の鼓動は高鳴るのでした。たった4日会ってないだけなのに、彼女にとってはとてつもなく長い時間だったのでしょう。彼女の想いが、徐々に恋心へと移ろいつつあるようです。定助にとっても、彼女だけが心から信じられる人。2人の恋の行方、気になりますねえ。1部や6部を超えるラブ・ストーリーが描かれる事を期待しちゃいます。
そんな康穂ですが、すぐに気持ちを切り替え、頭をCOOLに働かせてくれました。吉良が船医であったように、ホリーさんも元・医者。TG大にも大学病院がある。大学ではなく、病院の方にいるのでは?速攻で病院に電話を掛け、ホリーさんがいるか確認。この行動力、さすがです。ホントに頼りになるなあ。そして、康穂の活躍により、なんとホリーさんは医者としてではなく、患者として入院している事が判明ッ!病気で入院していたからこそ、誰も吉良の身元確認が出来なかったみたい。とすると、ホリーさんはよっぽどの重病っぽいですね。やはり病に倒れる宿命なのか(汗)。下手すりゃ、息子・吉影に心身を追い詰められたのかもしれんね。


●町の地理に疎い定助は、康穂に言われた通りにケータイのナビを使用。大弥ちゃんのケータイだからか、親切にも音声で案内してくれるようです。コンビニ「オーソン」の前では、和やかに会話する親子やアイスクリーム屋に並ぶ人々の姿。路面に『クレイジー・D』の絵を描くストリート・アーティストもいます(笑)。
ナビに従って歩く定助。でも、そのまま順調に進めるワケがないのが「ジョジョ」というマンガです。どういう事か、ナビは神社とは逆方向へと定助を誘導し続けるのでした。不気味ではありますが、定助はそんなナビをのんきにおちょくってます。ナビに振り回される定助のリアクションが、なんとも人間味たっぷりで面白い。この調子なら、仗助並みに親しみの持てるジョジョになってくれるかも。
しきりにUターンを指示するナビ。しかし、それを無視し続け、神社の方向へと進んで行ったところで異変発生ッ!突然、定助の後方からゴツいバイクに乗ったライダーが登場したのです。このライダー、ヘルメットで顔は見えません。……というより、本当に人間かどうかすら疑わしい。スタンドっぽくも見えるんですよ。しかも、首部分にはネコの髑髏とおぼしきデザインまで。謎のライダーは、高速で定助の前を走り去って行きました。そして次の瞬間、バイクが巻き起こした風により、電柱に掛けられていた看板が落ち、定助に迫って来たのです!尖った金属部分が刺さる寸前、『ソフト&ウェット』で辛くも防御。
異変はまだまだ続きます。ついさっき消したはずのナビが、何故かまだUターンを指示してくるのです。違和感を覚えながらも、やはりナビは無視。神社へ向かいます。すると、そこに再びライダー現るッ!よく見れば、ライダーの跨るバイク、ホイール部分にキュートなデザインが描かれているではありませんか。大弥ちゃんの『カリフォルニア・キング・ベッド』ちゃんの手足に描かれているような可愛らしい顔。それは、ハート型のスマイルマーク。
ライダーは定助に襲い掛かるでもなく、また走り去って行きました。尾けているのに去って行く。一体、何者?……しかし、疑問に思う間もなく、さらなる異変が。バイクの起こす風に舞った落ち葉が定助の目を塞ぎ、足を滑らせてしまったのです。コケたその先には、階段の手摺り。ブッ壊れて尖っている金具が、なんと定助の後頭部に突き刺さってしまいました!死にはしなかったものの、まさしくギアッチョ状態!そしてライダーは、階段の下から再び姿を現すのでした。


謎のライダーは一体、何なのでしょうか?能力としては、遠くに行かせない能力ってトコですかね。東方家から一定の距離まで離れてしまうと発動し、ナビとか身近なツールを利用して、戻って来るように警告する。警告を無視しても、「運命」のような力がそれを阻止してしまう(通行止め等)。東方家から離れれば離れるほど能力は強くなり、やがてはケガをさせてでも殺してでも、遠くに行かせまいとする。また、本体(かスタンド)が相手に近付いても、同様に能力は強力になる。本体(かスタンド)による行動は巡り巡って、相手が遠くへ行く事を阻止する結果となる(バイクが巻き起こす風等)。――みたいな?
では、本体は誰なのか?直感的には、鳩さんなのではないかと思いました。やっぱあのハート型のスマイルマークが怪しい。バイクがスタンドって線も充分にあり得ますね。この数日でスタンドに目醒め、親父さんに協力するようになったとか。ただ、最も可能性が高いのは虹村さんかもしれません。親父さんから留守を、定助の監視を、任されているのでは?定助が書斎に入った事に気付き、東方家を脱走する事を先読みしていたってワケです。だとすれば、今はさすがに定助を殺そうとまではしていないと思いますけどね……。ファッションのロック可愛いテイストも、どことなく共通してる気がします。
また、ネコ髑髏のデザインをあまり気にし過ぎてもどうかと思いますが、吉良との関係性も深読みしてしまいますね。実は吉良家の血を引いていたとか、吉良を愛していたとか、ホリーさんに恩があって守ろうとしているとか、色々と想像できそう。


★今月は49ページ!家族や町がじっくり描かれ、自分も定助と同じ目線で世界が広がっていく感覚を味わえました。読んでて楽しかったです。次回も超楽しみ……なのに、なんと来月は休載。「ジョジョ展」に向けて新イラスト執筆もあるだろうし、3巻が秋発売って事からも、なんとなく予感はしていましたけど、やっぱ残念!2ヶ月は長いよなあ。のんびり予想とかして待ちますか。
作者コメントは「『テルマエ・ロマエ』を読んだ。あの時代に水道があったローマってすごいね。」との事。イタリア大好き野郎の荒木先生の事だから、とっくに読んでると思いきや、今回の映画化につられてようやく読んでみたってところでしょうか?「風呂」がテーマの作品だけど、まったく異なる部分に注目してそう。もっと感想を聞いてみたいものです。



(ちょっと追記)
謎のライダーについて、いくつか予想。「遠くに行かせない能力」を持つバイク型のスタンド(正確には、バイクと一体化したスタンド)、本体は虹村さん、という前提で考えてみましょう。
何が何でも絶対に遠くに行かせないという能力からは、本体の偏執的な愛情、強い独占欲・束縛願望、そして人付き合いの苦手な不器用さを感じます。由花子さんやグェスにも近い印象。また、理由も分からぬまま、愛する人が突然、自分の元を去って行ってしまったという過去があるからこそ、虹村さんはこんな能力を身に付けた……とも想像できます。その「愛する人」が、もし吉良であったら?吉良の住む杜王町で、吉良と血縁関係にある東方家で働いているのも、偶然なんかではなくなります。今度こそ、愛する人と結ばれたい。そんな確固たる目的と計画があって、彼女は東方家の家政婦となった……のかも。定助が吉良とほぼ同一人物である事も知っているのなら、虹村さんとのエロエロ展開も期待できそうな予感!
では、本体がどうであれ、定助はこの能力をどう攻略するのか?バイクの走行によって、先に進めない結果が引き起こされるのなら、バイクを止めてしまえば良い。バイクの「燃料」なり「速度」なりを奪ってしまえば、きっと止まるはずです。それがダメなら、桜二郎戦の時みたく、路面かバイクの「摩擦」を奪っちゃえば良さそう。マトモに走れないどころか、本体がバイクに乗る事すら出来なくなるかもしれません。あるいは、いっそ逆に考えて、バイクの「ブレーキ」を奪うとか。減速できずに事故って、本体ごと倒せる可能性もあるでしょう。最終手段としては、今いる場所の「座標」を奪うなんて荒技もアリかな?第1話冒頭で康穂も語っていたように、「場所」とはこの世で唯一無二を意味する座標。それを奪ってしまえば、その場所はこの世のどこでもなくなってしまうでしょう。右も左も、北も南も、遠くも近くもない。そうなれば、もはやライダーは能力を発動できなくなるに違いないッ!
――などと予想してみましたが、果たしてどうなるか?荒木先生と定助が導き出す驚愕の回答を心待ちにしています。




(2012年5月18日)
(2012年5月21日:ちょっと追記)




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