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その「包み」を彼女に渡せ!
…それだけだ……


#019 trouble with the curveA





●2ヶ月ぶりの「ジョジョリオン」。待ちに待ちました。TVアニメ「ジョジョ」を毎週のお楽しみにしていたおかげで、何とか乗り切れたぜッ!
トビラ絵は定助&常秀コンビ。同じポーズを取ってて、これだけ見ればいいコンビっぽい。そういやこのポーズ、最近、荒木先生がよくやってますね。一緒にお食事をした方のブログとかで、このポーズをした荒木先生の写メが見られました。
2人の体そのものは、地図と一体化しています。25周年記念画集「JOJOVELLER(ジョジョベラー)」の描き下ろしイラストの別バージョンですね。#017のトビラ絵でも康穂の体が地図になっていましたし、最近の荒木先生の流行?「ジョジョベラー」のコンセプトである「25年の歴史を巡る旅」ってところから、地図がモチーフになっているんでしょうか。不思議な視覚効果が楽しい絵です。しかし、これはどうやら「Lucky Land」の地図みたいだけど、常秀側には上陸したくねえな〜(笑)。絶対ロクな事なさそう。


●さて、本編。支倉高校へと続く「カツアゲロード」。どういう事か……、道路上の落ち葉を踏むと、気付かぬ程の一瞬で滑って移動し、何かをやらかしてしまう。そこに付け込まれて、結果的にカネを巻き上げられてしまう。そんな不気味な現象に囚われた定助と常秀。ただでさえデンジャーな状況なのに、常秀まで定助を陥れようと画策中!孤立無援の定助、大ピンチ!
ペットショップのジジイにタカられ、33万もの大金を要求される定助。何らかのトリックだと主張するも、証明できるものは何もありません。そもそもジジイが言う通り、事実だけを見れば、定助がやった事には間違いないのです。トリックの証拠など存在するはずもなし。スタンド攻撃の可能性を考え、定助は『ソフト&ウェット』でジジイの首根っこを鷲掴みッ!ところが、ジジイはまったくのノー・リアクション。どうやらジジイはスタンド使いではない様子。ちなみに常秀は、ずっとケータイ画面を見ていたため、『ソフト&ウェット』には気付かず。少なくともケータイには、スタンドは映らないようです。
結局、定助には為す術なし。カツアゲマスターのジジイは、カネの在り処を感知する力に長けているらしく、定助のポケットに2万円発見!杖で叩いた感触だけで金額を見抜いてやがります。もともとこの2万は、定助のバス通学のために憲助から預かったおカネ。しかし、歩いて通学し、毎月2万ずつ収めるんなら、今はこの2万だけで許してやる……とジジイ。抵抗も言い返す事も出来ず、定助はあっさりカネを取られちゃいました。完璧にジジイのペース!どんどん追い詰めていく話術といい、全身から発するいやらしい威圧感といい、潔い引き際といい……、まさにプロフェッショナルだな。


●意味が分からないが、これはきっと誰かの何かの攻撃に違いない。この道路には裏があるはず。謎を解けば、逆にそれを利用してカネを稼げる。そう直感した定助は、「カツアゲロード」に立ち向かう決意を固めました。常秀も調子のいい事言ってますけど、内心、自分だけが得する気満々。イヤなヤツだなあ(笑)。でも、主人公と簡単には相容れない常秀がまた魅力的。鬼太郎に対するねずみ男みたいな。
そんな常秀、ただのお調子者のマヌケではありません。大震災以降、杜王町で何かが動き出している事を感じ取っていました。東方家近くの「壁の目」で定助が発見され、常秀自身も高熱で倒れ、妹の大弥ちゃんも前以上に様子が変。……この落ち葉も、きっと何か関係がある。見れば、ペットショップのジジイも落ち葉を踏んでいない。踏んではいけない事を知っている。そう推察します。
もちろん定助も、やられてばかりじゃいられない。今度は自分で常秀を撮影しようと試みます。常秀的にはいい気はしないものの、ヘタに断って定助に怪しまれても困る。常秀は仕方なく、ケータイを定助に渡します。


●すると、またまた来ました。次なるカツアゲ野郎が!不良っぽい3人組の男達が、定助達に因縁つけてきます。今度は、定助のせいでケータイを水たまりに落として壊した、と言うのです。身に覚えのない定助、ケータイの録画を再生して確認。……なんと、定助自身が高速で移動し、男の腕にぶつかってケータイが落ちる場面がキッチリ録画されていたのです。驚きを隠せない定助。一方、事実を知られたくない常秀は、「そおかな〜?滑ってるようにも見えるかなあ〜?」などと、あくまでスットボケ(笑)。
こうなると、今度はいくら要求されるのかと思いきや……、3人組は奇妙な命令をしてきました。そこの塀にある植木鉢を持ち上げろ、と。植木鉢の底には、紐で縛られた「包み」が1つ。この「包み」を、用水路の橋に立つ女の子に渡せ。それが3人組の要求でした。
その女の子、ワンピースがはち切れんばかりの爆乳。こ……、これは、大弥ちゃんをも超える逸品ッ!顔も普通にカワイイ。……しかし、タバコをふかす立ち姿からは、何故か無言の迫力が漂います。指も短いようだし、背も低い。まだ幼さを残すボディ。まだ中学生か高校生くらいなのかな?もしかすると、支倉高校の生徒?さらに、彼女が持つサイフの高級感と、彼女のそばに佇む2人のハンサム青年が、どこか金持ちのご令嬢的な雰囲気も匂わせます。
彼女に渡すべき「包み」とは一体?定助が持つと、サラッサラッと音がしています。とても軽くて小さな物が入っているような感じ。中身も謎ですが、それを彼女に渡す事にどんな意味があるのか?ケータイの弁償として成立するくらいの、意味のある行動のはず。単純で簡単そうなミッションだけに、謎が謎を呼びます。
さっそくミッションを果たそうとする定助。唐突に、常秀に「オレたちは仲間だよな?」と声を掛けます。常秀はポカンとしつつも、「もちろんさぁ。おまえは家族じゃあないかア」と白々しい答え(笑)。お互いをいちいち仲間だ何だと確認し合う事は、「ジョジョ」においては極めて稀有。常秀も信用ならないし、敵に回られては厄介。一応「仲間」って事にして、このミッションに巻き込んでしまえば、ヘタな事も出来ないだろう。定助としては、そんな思惑があるのかもしれません。まったく、常秀って野郎はめんどくさい男です。


●あの爆乳ちゃんは何者なのでしょうか?このエピソードの重要人物っぽいので、「小林 珠美(こばやし たまみ)」とかって名前だったりして。
この「カツアゲロード」がスタンド能力であるなら、彼女が本体?もともと貧しい家に生まれ、周りの人々を妬んでいたから、こういう能力が発現。他人を捕え、カネを巻き上げまくって豪遊している……的な。あの「包み」も、実は騙しなんです。中身はただの石ころや砂。あの3人組の男達は、現在、彼女のターゲットに設定されちゃっているのです。それから解放されるには、別のターゲットを生贄に捧げるしかない。落ち葉だらけの道をやっとの思いで辿り着き、「包み」を彼女に渡すと……、定助達は彼女に触れられる事になるでしょう。それがターゲット化のスイッチ。同時に、3人組はようやくターゲットから解放。彼女とその取り巻きからカツアゲされまくった分、これからは逆に、誰かをカツアゲして取り返していく番って事です。「SBR」でシュガーちゃんが囚われていた、泉の試練に近いイメージ。
あるいは、やっぱりスタンド能力ではないという可能性もあります。この「カツアゲロード」、何年も前から存在するスポットのようですし。例えば、あの銀杏の木々は、もともと「壁の目」周辺に生えていたものを植樹した……とも考えられます。銀杏は「壁の目」の栄養やエネルギーをたっぷり吸って生長し、不思議な力を宿し始めます。それがあの「カツアゲロード」、『デッドマンズ・カーブ』。爆乳ちゃんはあの辺一帯の地主の娘か何かで、あの木の能力を利用し、カツアゲのシステムを独自に構築。より良いカツアゲ生活をエンジョイできるように、住民達も巻き込んだってワケです。だとすれば、木だけじゃ収まらないかもしれません。「壁の目」周辺に昔からあった岩や土、水、虫……。それらが杜王町のあちこちで利用されたりしていたら、そこでも奇妙な現象が発生しているかも。それが新たな杜王町の名所として紹介されれば面白そう。
または、もう1つ別の可能性も考えられます。ジジイが言ってた2人の警官と3人組は実はグルで、「包み」の中には白い粉が入っているんです。実際はただの小麦粉か何かだけど、警官が「麻薬」だとか難癖つけてきて、定助達を追い込むワケです。賄賂を渡さないと警察沙汰になっちまうという状況。ここまで来ると、33万が可愛く思えるレベルです。爆乳ちゃんは、その全ての元締め的存在か、それともたまたまそこに立ってただけの他人なのか。いずれにせよ、金銭的にも社会的にも超ピンチ!


★今月は35ページ!う〜む、まだまだ「ジョジョベラー」の影響があるのでしょうか?「ジョジョリオン」は荒木先生のペースでのんびりやってもらっていいかなって思ってはいますが、それでも正直、もっとページ数が増えてくれると嬉しいです。でも、「ビーティー」の「そばかすの不気味少年事件」を彷彿させる、生理的嫌悪感たっぷりの展開がたまりませんね(笑)。いやらしく、ねちっこく、ふてぶてしく、じわりじわりと絡んでくる連中のムカつくったらないね。ヘドが出るぜッ!こいつら全員まとめて撃退し、スカッと爽快に解決してほしいです。
作者コメントは「最近の洋楽CD、盛り上がっていいです。ゴティエとかTマッグロウとか。」との事。CDを聞く回数がめっきり減ってきてしまってる自分と比べ、荒木先生の若く瑞々しい感性には、いつもながら感心させられますね。
そして、ついに明かされた「ジョジョベラー」情報ッ!完全限定版は完全受注生産で、お値段は2万円ッ!今年の9月19日(木)発売予定との事。こりゃあイイ。欲しけりゃ確実に手に入るし、「ジョジョ展」でサンプルを見た印象からも妥当な値段だし。しかも、Blu-rayが2枚も付くとは。見た目も内容も期待以上のものになりそうですね!BOXのオビには、ジョースター一族だけでなくツェペリ一族の姿もあります。何より嬉しいのがシーザー!ジョナサンの隣りを歩いてるッ!日本八景「こけしとジョセフ・ジョースター」で超久々にシーザーが描かれましたが、こうして全身図が見られると、また感無量だなあ。とにかく「ジョジョベラー」完全限定版、何が何でも絶対100%GETいたします。
ちなみに、「ジョジョリオン」4巻は5月17日(金)発売!恐らく、#018までの5話収録ってトコでしょう。これまた楽しみッ!



(ちょっぴり追記)
●「SBR」ではイケメン推しだった私ですが、「ジョジョリオン」では常秀推しになりそうです。なんか、イイ感じに話をこじらせてくれそうだし、バカっぽいのに油断も隙もなかったりするし、とにかく面白い役回りをしてくれる期待感があります。小綺麗なのにキモイという絶妙なビジュアルに加え、善人にも悪人にもなり切れない半端者な性格も憎めません。「ジョジョリオン」という物語でこそ輝くキャラクターだと思います。
とりあえず、この「カツアゲロード」編で常秀にもスタンドが発現するものと予想。で、もちろん常秀も、定助の『ソフト&ウェット』を目にするワケですが……。「定助のスタンド、なかなか面白え能力だな。こいつはいろいろ使えそうだぜ。」と考え、表面上は協力的な態度を取り出すんじゃないかなと。「定助、おまえが記憶を取り戻せるようにオレも手伝ってやるよ。その代わり、オレが困った時はおまえも助けてくれよな。家族だろ?」みたいな。記憶さえ戻れば、定助は東方家から出て行ってくれるワケで、常秀にとっても得ですし。で、定助は意外とあっさり「常秀って、けっこういいヤツなんだな。家族っていいもんだなあ。」と信じちゃいます。そんな具合で、常秀は何かと定助を事件に巻き込むキャラになるんです。
定助と利害が合わない時は迷惑なトラブルメーカーに。逆に、利害が一致する時は頼れる相棒に。そして、康穂が絡む時は恋のライバルに。常秀の損得勘定&恋愛感情によって、その時々でコロコロ変化する関係。でも、なんだかんだで息が合う。そういう奇妙な間柄になってくれると楽しそう(笑)。




(2013年3月19日)
(2013年3月21日:ちょっと追記)




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