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やったぜ……
バッグから抜き取って…やった


#020 trouble with the curveB





トビラ絵は定助&常秀。銀杏の葉が舞い落ちる中、歩道の鉄柵に寄っ掛かり、同じ方向を見つめる2人。前回もそうだったけど、トビラ絵だけ見れば、けっこういいコンビっぽいんだよなあ(笑)。ゆくゆくは本当にそうなるのか、トビラ絵だけの幻想で終わるのか、気になるところ。つーかこの絵、個人的にかなり好きです。カラーでも見てみたいね。


「カツアゲロード」にて、チンピラ3人組に絡まれ、謎の包みを爆乳の女の子に渡すよう命じられた定助&常秀!定助は「しゃぼん玉」を包みの中に入れ、中身を確認しようとしています。包みの中身から「匂い」や「音」を奪った「しゃぼん玉」。それが定助の目の前で割れる。しかし、「匂い」は無臭。「音」は微かなサラサラ音のみ。開封せずに中身を判別する事は出来ませんでした。
3人組は、このミッションについて詳細を説明してきます。どうやら爆乳ちゃんに近付くと、彼女が自分の刺青を見せてくるとの事。それを見たらうなずいて、包みを渡す。ただそれだけをすれば良いらしい。でも、簡単なだけにますます不気味。そして、爆乳ちゃんのそばに佇む2人の青年。常秀の想像通り、彼らは警官のようです。3人組は「警官はどこにでもいる。みんな無関係。誰も警官に追われてない。」と、そっけなく答えるだけ。
ここまでの話で、常秀は大筋が読めた様子。これは絶対にヤバい取り引き。こいつらは安全に取り引きするため、銀杏の葉や定助達を利用している。つまり、爆乳ちゃんが持つバッグの中にはカネが入っているに違いない。……このまま利用されてたまるかと、逆にこいつらのさらに上を行こうと企んでいます。ロクでもない性格ですが、このへこたれない根性は見上げたもの。


●一方、定助も思案中です。この道路の「何か」が原因で、見えない「移動」が起こっている。ここの連中はその原因とルールを知り、利用している。スタンドの現象のはずだが、スタンド使いはどこにいる?まさか……、「どこにもいない」なんて事があるのだろうか?
――すると、不意にこちらを振り向く爆乳ちゃん。突然見られた2人はビックリ。こうして見ると、爆乳ちゃんマジ爆乳。尋常ではないレベルの凄まじきおっぱいです。おっぱいのみならず、その厚くプリプリした唇、射抜くような誘うような眼差し……、全てがエロい。彼女は自分のスカートをそっとたくし上げ、太ももの内側に彫られた刺青を見せてきました。ハートとピストルのタトゥー。その絵柄が示す通り、定助達は彼女のあまりのエロさに心を撃ち抜かれちゃいました(笑)。2人仲良く鼻血噴出。同じ反応とは、なんだかんだで似た者同士?巨大なエロの前では、どんな男も為す術なく、ただのスケベと成り果てるのみ。その共通するスケベ心が、熱き男の友情を育んでくれる事もありましょう。エロという大いなる目的のために、定助と常秀が手を取り合う可能性だってあるのです。エロは偉大なり。
とは言えども、スケベ心はひとまず抑え、ここはミッション遂行が最優先。刺青を見たので、うなずく定助。爆乳ちゃんはそれを確認すると、その場にしゃがみ込み、地面に落ちた銀杏の葉を集め始めます。彼女が何をしようとしているのか、すぐにピンと来た常秀。彼もこっそり、自分の足元や靴の上に葉っぱを集め出します。悪巧みに関しては、定助よりも常秀の方が優れているみたい。


●そんな爆乳ちゃんや定助達に怪しい気配を感じ取ったのか、例の警官達が近付いて来ました。その時、いきなり背後に吹っ飛ぶ警官!そう……、またも見えない「移動」により、定助が警官にぶつかったのです。続け様に、もう1人の警官も、定助の見えないエルボーでノック・ダウン。そんな騒動の最中、爆乳ちゃんと3人組は取り引き完了!銀杏の葉のレールにブツを乗せて「移動」させ、まんまと交換したのです。
初めから定助達は、警官の囮でしかありませんでした。囮が警官の注意を引き付けている隙に、自分達の本当の取り引きを行なう。爆乳ちゃんはあらかじめ、囮の運び屋が踏むであろう位置に葉っぱを集めておいたのです。取り引きを終えた両者は、何事もなかったかように立ち去って行きます。
でも、それなら最初っから、わざわざこんな警官が見張ってる場所で取り引きする事もないだろうに……。とは思いますが、それが「カツアゲロード」に囚われた者のルール……なのかもしれないし。あるいは、取り引きの約束をした時間と場所に、たまたま警官が来ていたってだけかもしれない。普段は、ただ自分の足元にバッグを置くだけで、遠くの相手とブツの交換がし放題なポイントなんでしょうね。相手と直接関わる必要もないから、危険な取り引きにはうってつけ!


●いきなりブチのめされた警官達は、一番そばに突っ立っていた定助を犯人と決め付け(事実、犯人ではあるけど)、彼を取り押さえてしまいます。公務執行妨害と、なんと麻薬所持容疑まで掛けられてッ!やっぱ包みの中身は麻薬だったのでしょうか?でも、何も調べずに速攻で断言しているし、警官たちはもともと、ここが麻薬の取り引き場所って情報をGETして、ずっと張っていたのかもしれませんねえ。
ただ、ガチで中身が麻薬だとしたら、爆乳ちゃん達はわざわざ物的証拠を残して行った事になります。さすがにそんなヘマはしないでしょう。恐らく、麻薬に似た無害な粉が入っているだけなんじゃないかと思います。囮として利用したいだけなんだから、それで問題ありません。仮に万が一、麻薬であったとしても、『ソフト&ウェット』でアブない成分だけを奪ってしまえばセーフです。もしくは、「色」でも奪って見えなくしちゃうとか。
……さて、そんなワケで取り押さえられた定助ではありますが、そのおかげで地面と銀杏の葉の隙間にスタンドが潜んでいる事を発見ッ!それは、小さく平べったい群体タイプのスタンド。『ファン・ファン・ファン』のような吸盤的な4本の手足を持ち、「ニィッ」「ニィーッ」と鳴いています。見れば、ボディには「11」という数字が描かれていますね。何なんだろ?カナダのロック・バンドから取って、『フィンガー・イレヴン』とかって名前だったりして?理解して使いこなせば、誰にとっても「11本目の指」とでも言うような便利な存在になりそうですし。普通に『デッドマンズ・カーブ』がスタンド名で、本体が単にサッカー好きとか11月生まれとかかもしんないけど(汗)。


●3人組は爆乳ちゃんから受け取ったカネを確認。ところが、なんとバッグは空っぽ!一瞬、爆乳ちゃんが騙したのではと疑ったものの、地面の葉っぱの状況を見て、察しました。これは常秀が仕掛けた罠!常秀が自分の足元や靴の上に葉っぱを集めていたのは、このためだったのです。ブツが通るレールの細工。ブツが自分の足を経由するようにルートを作り変えたってワケです。素早くカネをくすね、バッグだけを3人組にくれてやったのです。あとは颯爽と猛ダッシュ!鮮やかなる犯行ッ!見事な手腕ッ!やってる事はただのコソ泥ですが、なかなかの策士と言いたいッ!
全力逃走の常秀、何故かその手には2本のネジがありました。何故か分からないけど、ネジは捨ててさらに逃げる!定助を取り押さえた警官達は、常秀も捕まえるべく応援を要請。その様子を見ていた3人組……。このままでは常秀も捕まり、自分達のカネまで押収されてしまう。カネを取り戻し、常秀をフルボッコにするべく、襲い掛かって来ました。今さっき「カツアゲロード」に来たばかりの常秀と違い、3人組は葉っぱを利用した「移動」を知り尽くしている。巧みな葉っぱさばきで、あっと言う間に常秀に追い付いちゃいました。
常秀、大ピンチ!3人組は「挨拶」と「口止め」のため、ナイフで常秀の目尻を切り裂こうとしています。これはヤバすぎる!杜王町、治安悪すぎるーッ!


●情けない悲鳴を上げる常秀。しかし次の瞬間、チンピラのナイフを持つ手に「ネジ」が突き刺さったのです。当然、何が起こったのか理解できないチンピラ。分からないまま、ナットを取り外す……と、ボルトが刺さっている手が外れ、ボドンッと落ちてしまいました。そして、常秀の背後に見えるものは、全身にネジが突き刺さったかのようなヴィジョンの人型スタンド!ついに常秀のスタンドが発現ッ!
能力的には『スティッキィ・フィンガーズ』に近いイメージでしょうか。どんなモノでも「ネジ」を刺した部分から「分解」する事が出来、逆に、別の物質を「ネジ」で「接合」する事も出来る。また、「ネジ」を足場にすれば、壁とかも登って行けるはず。応用が効きそうな、面白い能力ですね〜。2人の人間が融合した存在である定助を、元の2人に「分解」する事も出来たりして……?あと、チンピラが「ネジ」を見たり触ったりしているので、実物の「ネジ」を作り出しているっぽい。
このスタンド、私的にはめっちゃ好みな能力になりそうです。さっき挙げた『スティッキィ・フィンガーズ』に、『ソフト・マシーン』や『クラフト・ワーク』、『スパイス・ガール』、『キッス』、『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』、『チューブラー・ベルズ』等々……、物質の状態や形状を変化させる系の能力が好きなんですよ。このスタンドの活躍を想像すると、今からもうワクワクしてきます。こいつはますます常秀推しにならざるを得ないッ!


★今月は49ページ!これだけ描いていただけるとディ・モールトありがたいです。ボリュームも内容も盛りだくさんで、すげー面白かった!定助の見えない所で常秀のスタンド発現って事は、しばらく定助は気付かないままって展開かな。今回の常秀のピンチを定助が救ったのなら、友情が芽生える展開もあったかもしれないけど、こりゃあ当分はなさそう。銀杏の葉のスタンドも、まだまだ謎が多い。どうすれば攻略した事になるんでしょうか?まあ、じっくり予想して待ちたいと思います。
作者コメントは「ヨガ教室に通っています。ヨガの先生がちょっとポッチャリ目。それで良いなら良いです。」との事。荒木先生がさらに若返りそうな予感。でもそのヨガの先生、ポルポ並みの巨体から、ヨガ効果でポッチャリ程度に激ヤセした可能性もありますよ(笑)。
そして次回のウルジャンは、「ジョジョリオン」が表紙&巻頭カラー!さらに「JOJO WORKS for UJ」なる小冊子も付録に付いてきます。絶対に見逃せませんッ!



(追記)
次回の展開について予想してみようと思います。とりあえず、「カツアゲロード」編は次回で終了かな、と予想しとります。


「ネジ」のスタンドが発現した常秀。チンピラ3人組も常秀自身も、突然の異常事態にパニック。ワケが分からないまま、3人組はまたも常秀に襲い掛かります。しかし、恐怖した常秀が身を守ろうとすると、これまた「ネジ」が3人組に突き刺さる。今度はナットがひとりでに回って外れ、3人組の体はバラバラに。常秀は戸惑いながらも、目醒めた自身の才能を理解し始め、喜びます。バラバラになった3人組の体を組み立て直し、トーテムポールみたいにして遊ぶのでした。惨めな姿で助けを乞う3人組。優越感に浸り、いやらしい笑みを浮かべる常秀。
一方、警官に取り押さえられた定助。どうしたものかと思案していると、そこに常秀が戻って来ました。後ろには3人組の姿も。3人組は渋々、「オレ達がこいつらを脅して利用したんだ。こいつらは無実ですよ、おまわりさん。」と告げ、おとなしく逮捕されるのでした。ポカ〜ンとする定助に、常秀は苦い顔で「別におまえを助けたわけじゃあないぜ。おまわりはオレもおまえの仲間だと思ってたみたいだからな。おまえが逮捕されると、オレも困るんだよ。」と答えます。
「ホレ、定助。とっとと済ませちまおうぜ。」と定助を促す常秀。どこに向かうのかと思えば、さっき絡まれたペットショップへ。ジジイは「また性懲りもなくやって来たか、マヌケなガキどもめ。ククッ。」と内心ほくそ笑みます。そしてジジイの目は、地面の落ち葉を踏み付ける常秀の足を、確かに捉えるのでした。「今度は33万なんてはした金じゃあ済まさんぞ!骨の髄まで吸い尽くして破産させてやるわッ!」と企みます。……ところが、常秀は普通に歩いて近付いて来る。落ち葉の上をゆっくりと歩いて来る。そんなバカな、と焦りまくるジジイ。不思議に思った定助は、常秀の足に「ネジ」が刺さっているのを発見。常秀は「ネジ」によって、自分の足と地面をガッチリ固定しながら歩いていたのです!銀杏の葉ごと、その下に潜むスタンドごと、「ネジ」で固定していたのです!
常秀は何事もなかったかのように、悠々とジジイの元に辿り着きます。「なあ、じいさん。ひとつ確認しときたいんだけどさあ……、さっきこいつが亀を死なせちまったとかって話は、じいさんの勘違いだよなあ?そうだよなあ〜〜?」と、白々しい口を聞く常秀。焦りつつも、ナメられた事で怒りMAXのジジイ!しかし、怒鳴ろうとしたら、アゴが外れちゃいました。本当に文字通りアゴが顔から外れ、地面に落っこちちゃったのです。もちろん、これも常秀の「ネジ」!ジジイはあまりの出来事にすっかり怯えまくり、自分の勘違いと認め、定助からカツアゲした2万円を返すのでした。常秀はついでに、「おいおい、じいさん。こんなはした金で済まされると思ってるのかい?無関係のオレ達に濡れ衣を着せて、なけなしのカネまで無理矢理奪っといてさあ〜〜。……迷惑料・慰謝料として50万持って来い。」と脅し、キッチリ大儲け!

見事、「カツアゲロード」でのリベンジを果たした常秀達。でも、まだこれで終わりじゃありません。年季の入ったベテランカツアゲマスターであるジジイに、知ってる事を洗いざらい吐かせるのでした。
どうやらこの道で起きる高速滑走移動現象は、10数年前から始まったとの事。ある日、大急ぎで走る男が急に姿を消したと思ったら、通りの向こう側に一瞬で移動しているところを目撃。そんな事が度々起こり、いろいろ調べていくうち、この現象に気付いた模様。思い返せば、その大急ぎで走る男が、この通りに引っ越してきた頃から起こり始めた現象らしい。
その男は、この道の先にある支倉高校の教師。かなり時間にルーズな性格で、しょっちゅう寝坊しているらしく、いつも慌てて走って登校している様子。このスタンドは、彼の「早く学校に行かないと!遅刻したらヤバイ!でも、ギリギリまで寝ていたい!」という強い想いが能力として発現したものだったのです。この能力のおかげで、彼は遅刻だけは免れていたのです。
ただし、このスタンドは無意識の能力。彼自身、どうしていつも遅刻せずにいられるのか、よく理解していません。必死こいて走ってたら、なんか早く着いた……って程度の認識(笑)。そのためか、スタンドを自在にコントロールできてはおらず、常時発現している状態なのです。そして、誰でも利用する事が可能。で、この通りの連中にいいように悪用され、いつしか「カツアゲロード」として知られる事になったのでした。
ちなみに、「ジョジョリオン」の作中時間は、現在11月。このスタンドは、「高速移動」という能力こそ変わりはしないものの……、季節によって、月によって、そのヴィジョン能力の媒介が変化します。今は11月だから、ヴィジョンにも「11」の数字が描かれているし、落ち葉を介して能力を発動しています。しかし、例えば6月であれば、ヴィジョンに「6」と描かれ、雨水を介して発動したりするのです。
おおよその謎が解けたところで、改めて高校へと向かう定助&常秀。しかしッ!学力テストの結果、定助は高校レベルの知識は充分に持っている事が判明ッ!その夜の東方家の食卓にて、定助は「常秀と同じ学校に行きたい」と希望します。つまり、康穂とも同じ大学。常秀は思わず「ええ――ッ!?」とオッタマゲるのでした。かくして定助、大学に編入完了ッ!


――こんな予想でした。定助・康穂・常秀トリオの学校生活も見てみたいですからね。「カツアゲロード」のスタンドは、そのうち何かの役に立つ可能性も残しておきました。4部の「振り返ってはいけない小道」も『チープ・トリック』戦で使われましたし、そんな風な再利用を期待したいと思います。




(2013年4月18日)
(2013年4月22日:追記)




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