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剣ちゃん あなた…
女の子じゃあないの?


#023 秘密の小部屋





トビラ絵は、前回の定助と対になった康穂図解ッ!胸はCカップである事、愛用の髪留めの構造、左腕のほくろの位置、ネイルにはストーンを付けている事、UVケアの日焼け止めを塗ってる事……などなど、康穂ファン垂涎の情報が記されています。
そんな彼女の心の内には、確かに定助の存在が。でも今のところ、彼女が定助をどう想っているのかは分かりません。好意は持っているでしょうが、それが恋愛感情なのかどうかは未知のヴェールに包まれております(笑)。乙女心はいつだって永遠の謎なのです。


●東方家近くの「壁の目」にて、「瞑想の松」を調査中だった康穂。そこに空いている穴から伸びた何者かの腕に引っ張られ、彼女は穴の中へ。
落ちた康穂が辺りを見回すと、そこはコンクリート造りの謎の小部屋。部屋の中には、明らかに不釣り合いな、時代を感じさせる家具や衣服も。ブリキのオモチャなんかもあります。どうやら昭和前期の物っぽい。そして当然、康穂を引きずり込んだもう1人の人物の姿もありました。それは我々も知る人物……、東方つるぎちゃん。こんな奇妙な場所で、つるぎちゃんはたった1人、黙々と折り紙を折っています。まるで座敷童……。なんとも不気味なシチュエーション。
つるぎちゃんは唐突に、康穂にドリンクを勧めてきました。豆乳とコーラ。「豆乳を投入」「氷らしたコーラ」などとサンタナのようなダジャレを繰り出すも、康穂はスルー。くだらんダジャレより、今の状況を把握する方が先決です。小部屋のドアを開けると、その向こうもコンクリート造りの通路。窓から見えるのは東方家。どうやらこの小部屋、東方家の敷地の地下に造られた部屋らしい。一体、誰がいつ何のために?
つるぎちゃんの言葉によれば……、震災のせいで地面が崩れ、松の木の根本の洞と小部屋の通気口とが繋がってしまったとの事。そして、この事実はつるぎちゃんしか知らないとの事。つまりこの小部屋は、つるぎちゃん以外の家族はめったに訪れない場所、なのでしょう。存在自体知らない者もいるかもしれないし、あるいは家族の中で立入禁止になっている場所なのかもしれません。


●さて、このつるぎちゃんですが、再登場したらやっぱりビジュアルが少々変更(お約束)。水玉模様のワンピースはそのままだし、申し訳程度にグラサンを掛けてみせたりもしましたが、イメージはけっこう変わってます。両肩にはそれぞれ「命」「姫」の文字が書かれ、ヘアバンドやワンピースには折り紙のモチーフ。つるぎちゃんという人物の「キャラクター」が、より反映されたビジュアルって事ですね。名前も「剣(つるぎ)」が本名みたい。
そんなつるぎちゃんに、康穂は詰め寄ります。「ここで何をしているのか?」「どうして自分を引っ張り込んだのか?」。しかし、つるぎちゃんも只者ではない。さっきから康穂が東方家を覗いていた事も知っており、「東方家を探っているのですか?」と逆に問い掛けてくる。そして、おもむろに取り出した折り紙でパクパク遊びを始め、康穂に好きなものを選ばせるのでした。彼女が選んだ「バナナ」の箇所を「そんなバナナああ〜〜〜〜」と広げると、そこには「新聞」の文字が書かれています。するとつるぎちゃん、康穂が持って来た「杜北新報」を彼女にプレゼント。つるぎちゃんはその新聞に書かれている「理那」という女性が、自分の家系の人間である事も知っている様子。子どもと言えど、こいつは侮れない相手です。
ヘタな言い訳をしても無駄と悟ったのか、康穂は素直な気持ちを話します。自分でも何がしたいのか分からないけれど、ただ定助の事が心配なのだ、と。つるぎちゃんが定助の名を出した時の、康穂の嬉しそうな表情といったら。かわいいですねえ。ところが、つるぎちゃんにはそんな可憐な乙女心など通用しなかったのです。


●つるぎちゃんはマイペースに、パクパク遊びを続けます。「ケーキ屋は好景気やッ!」と、またもやサンタナモード(汗)。自分が選んだ「ケーキ」の箇所を広げると、「髪の毛」の文字。なんとつるぎちゃんは、新聞を拾って返してあげた代わりに康穂の髪の毛を要求してきました。ちょっとでいいし、大切にするから……なんて言われても、不気味なものは不気味。
さすがに意味不明すぎてイラッと来た康穂、パクパクを奪って勝手に広げる。そこには「新聞」「髪の毛」の他に、「海岸 松の木の洞」「つば」「携帯」「パンティ」「おやつ」「スニーカー」の文字が……。意味深なキーワードも、変態的なワードも、無邪気なワードも混在している。自分の行為を「ルール違反」と注意するつるぎちゃんを無視し、脱げたスニーカーを履き直して、早々にここを出ようとする康穂。しかし、ふとケータイが無い事に気付きます。
康穂は「返して」とつるぎちゃんに迫るものの、つるぎちゃんはあくまでスットボケ。業を煮やし、つるぎちゃんの体をまさぐって探し始めます。その時、康穂はもっと衝撃的な事実に気付くのでした。なんと、つるぎちゃんは男の子だったのです!OH MY GOD!長い「ジョジョ」の歴史の中でも、女と思ったら実は男ってのは前例がありません。テキーラ娘のジョセフ……は問題外として。逆なら、家出少女やホット・パンツがいますけどね。
掲示板でのご指摘で気付いたんですが、女と思ったら実は男って前例、アナスイがいましたね。何故、こんな重要キャラをド忘れしちゃってたのかッ!一生の不覚でありました。アナスイが「ASB」に参戦した暁には、たまに使ってあげよう。)


●僅かに紐解かれる東方家の因習。東方家は代々「魔除け」を信じており、長男が産まれると12歳まで女の子の格好で育てられるのです。そうする事で、病気の魔物を騙せるのだそう。つるぎちゃんの父親である常敏も、そのまた父親である常助(憲助)も、そのまた父親も……、つるぎちゃんと同じように12歳まで女の子として教育されたとの事。
異常なしきたり・ならわしではありますが、気になるのは「病気」の魔物という言葉。「病気」といえば……、理那さんを襲い、ジョニィの死の引き金ともなった謎の「病」。何か関係がありそうです。もし本当に「病魔」が必ず長男を襲うものとして、この因習によって「病魔」を退ける事が出来ていたとしたなら……、その「病魔」はどこへ行くのでしょうか?きっとやがて、その近くにいる誰かの元を訪れるはず。この「魔除け」は東方家という「家」を護るためだけのもので、長男以外はまるっきりシカトされています。長男を襲えなかった「病魔」は、いつかその兄弟姉妹を襲う事になるのでしょう。つまりあの「病」は……、2代目憲助である常平さんが「魔除け」を行なった事により、妹の理那さんが発病したものだったのです。
そう考えると、東方家がやけに子沢山なのも納得できます。「家」を護るため、長男が産まれるまで子どもを作る。その長男以外の子どもは、長男から逸れていった「病魔」の受け皿であり、「家」の繁栄のための人柱。まあ、私の勝手な推測ですが、東方家の闇はなかなかに深そうですね。ジョニィが犯した「罪」を、東方家は先祖代々、家の中で繰り返してきているって事ですからね。これもまた「呪い」か。
そもそも、この「病魔」が東方家を襲うようになったキッカケや、「魔除け」の方法が確立された経緯も気になるところですね。初代・憲助さんも「魔除け」をしていたっぽいので、マジに大昔からの因習なんでしょう。東方家への怨念じみたものを感じます。一体、東方家の先祖に何があったのか?その昔話が語られる時を待ちましょう。


●驚愕の事実を知り、ドン引き気味の康穂。とにかく、ケータイを見付けて、さっさとオサラバしたい。すると、彼女の影から『ペイズリー・パーク』発動ッ!相変わらず康穂自身は無自覚ですが、つるぎちゃんは完全に気付いている模様。やっぱしつるぎちゃんもスタンド使い?
『ペイズリー・パーク』は空間を超え、定助の元へ!定助の背後にある町の地図看板から現れ、彼にある閃きを与えるッ!康穂に着信拒否された常秀のケータイだけど、電話じゃなくメールなら送れるかもしれない。定助のメールは、「オレ常秀じゃあない。だ〜〜れだ?夕方「ゴマミツカフェ」でダンゴを食べよう。4玉。」という内容(笑)。いろいろツッコミ所が満載の面白メールです。でも、さすがは『ペイズリー・パーク』のお導き。メールは無事に送信されました!
定助からのメールが届き、康穂のケータイから着信音が鳴り響く!その音がする方を探すと……、ケータイがあった!しかし、それは明らかに異様な光景。ケータイがカエルの形に折られているのです。これがつるぎちゃんのスタンド能力?モノを「折り紙」化する能力、とか?さらに、カエルに折られたケータイは、本当のカエルのように動き出しました。主人の元に帰ろうとしているのか、康穂に飛び掛かります。どうやら、折られた「形」に見合った性質が付与されるよう。能力的には『チューブラー・ベルズ』に近いのかな。


●ケータイ折りガエルに触れられた途端、康穂にも異変がッ!なんと、康穂の顔にも折り目が付き始めたのです。これはどういう事なんでしょうか?「折り紙」化は伝染する、というだけの話なのか?それとも、これはまさか東方家を襲う謎の「病」?どちらにも取れるような描写です。
つーか、つるぎちゃんの目的は何なんでしょうかね?康穂を引きずり込んだり、「ここにいて」と引き止めたりしてるところから察するに……、単に遊んでほしいだけなんじゃないかって気もします。「魔除け」による女装のせいで友達も出来ず、誰も来ないこの小部屋で、ずっと1人ぼっちで折り紙遊びをしていたのかもしれません。「誰かと一緒に遊びたい」「友達が欲しい」という想いが、次第に大きく膨らみ歪んでいき、スタンド能力として開花したのかもしれません。
だとすると、あのパクパク遊びにも意味がある?あれ自体が能力の一部であり、パクパク遊びで選んで出て来たワードは絶対。それを相手に与えてあげなければいけないルール。「物」のワードであれば手渡して、「場所」や「概念」のワードであれば情報を教える。それが出来なければ「ルール違反」。違反するたびに、違反者の肉体も徐々に「折り紙」と化していく。元に戻るためには遊びを続けなくてはならないが、どんどん与えるのが困難なワードになっていく。……なんていう能力だったり?


★今月も33ページ!展開はすげー面白いけど、もっとボリュームたっぷりで読みたいものです。その上、ページ数もさる事ながら、なんと次回は休載!ショ、ショックだ……。「フィレンツェ展」の影響なのか、「ジョジョベラー」関連か、それとも別の何かがあるのか。まあ、おとなしく2ヶ月待つしかないか〜。謎は依然として深まる一方なので、あれこれ予想するのも一興。
作者コメントは「最近の大好物はルッコラだけのサラダ。」との事。グルメ&ヘルシー!私はルッコラだけのサラダって食べた事ないんですが、試してみたいなと思いました。
次回は休載ですが、いやらしい嬉しい事にまたもやDVDが付録となるようです。8月発売の「ASB」のムービー目白押し、収録時間100分超という濃厚な内容。本編が読めない分、せめてこちらに期待しときましょう。




(2013年7月18日)




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