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やっと…
みつけて…… ううう
くれた… のね…


#025 東方定助に会え!





トビラ絵は、虫か魚でも捕まえるようなを持った康穂。網には『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」が大漁です。そして、彼女に寄り添うように立つのは『ペイズリー・パーク』。誰も彼もが「同じ顔」に見えてしまう状況下で、自身のスタンドの助けを借りながら、定助を求めて奔走する……、そんな今の康穂を象徴している絵ですね。しかも、この絵の康穂も『ペイズリー・パーク』もやけに可愛い!


康穂は早くも目的地「ごま蜜カフェ」に到着。しかし、相も変わらず町中はどこもかしこも「同じ顔」!女子高生なんか、女装したウドちゃんみたくなってる始末。千円札の野口さんも、やっぱり顔が変形しちゃってます。こんなヤバい状況だっつーのに、当のつるぎちゃんは缶ジュースを飲んで、のんきこいてやがりました。とうとう康穂、涙ぐみつつもマジでブチギレッ!缶ジュースも叩き落として怒鳴ってます。
にも関わらず、つるぎちゃんは至ってマイペース。他人とのコミュニケーションが取れなくなったのは、薬を飲まされたとかじゃなく、康穂自身の心に原因があるのではないかと語り掛けてきました。定助の正体を知りたがったり、東方家を探り回ったりしているのも、実は定助に自分自身を投影しているからなんじゃないか、と。どうやらつるぎちゃん、康穂の家庭環境とかについても知っている様子。自分が何者なのか分からないからこそ、定助に親身になってあげたり、感情移入したりしてしまっている?
確かに的を射ているのかもしれないけれど……、自分の心を勝手に分析され、したり顔で語られた日にゃあ腹も立とうってもの。康穂の怒りはますますヒートアップ!しかし、つるぎちゃんはまるで動じず、「その辺にいるから、わたしが必要になったら呼んで」と言い残し、立ち去って行くのでした。


●とにかく、もうすぐ定助に会える。康穂は約束通り、「ごま蜜カフェ」に入ります。……すぐ隣りに定助がいるという事にも気付けずに。
一方、定助も康穂の存在には気付けませんでした。というより、そもそも自分が今、異常な能力に囚われているって事にさえ、まだ気付いていない模様。しかし、つるぎちゃんの存在には気付いたようで、「ここで何してるんだ?ひとりか?」と、なんかフランクな笑顔で声を掛けます。ところが、つるぎちゃんの態度は妙にそっけない。「別に」と一言。康穂の時とはあからさまに対応が違います。イヤなガキだな(笑)。
つるぎちゃんは冷たい視線を向けながらも、定助に「あんたこそ早く… 帰っておいでよ」「前いた… あのお部屋に…」と告げるのでした。定助には何の事やら意味不明ですが、我々には「あのお部屋」の心当たりがあります。そう……、東方家の離れの地下室。そこにあった、男性が閉じ込められていたかのような部屋です。定助を構成する2人の人物のうち、「吉良吉影」ではない「もう1人」が、あの部屋にいたのでしょうか?何気につるぎちゃん、重大な情報を色々と隠し持っていそうで侮れません。
ここで唐突に現れたのは常秀!「カツアゲロード」にて、定助に取られたケータイを取り返しにやって来たのです。勝手に康穂と通信していた事に、常秀は激怒ッ!ところが、定助にとっては常秀も他の人々も「同じ顔」。知らない誰かに常秀のケータイを盗られた程度の認識です。ここでやっと定助、自分の身に起きている異常事態に気付きました。つるぎちゃんは、そんな定助と常秀を尻目に去って行きます。常秀については「まぁ… あの人はどうでもいいけど」と、眼中にもない様子(笑)。常秀というヤツが、ホントに何も知らない、ただめんどくさいだけの男って事はほぼ確定ですな。


●「ごま蜜カフェ」に入った康穂に、さらなる異常が待ち受けていました。カフェに入ったはずなのに、店内はまるでCDショップのよう。そして、なんと彼女の目に映る全ての文字が、「ごま蜜カフェ」という文字にしか見えなくなっていたのです!どのCDや看板や貼り紙を見ても、そこには「例の顔」と「ごま蜜カフェの文字」のみ。「ごま蜜カフェ」に入ったと思ったら、実はまったく違う店だったのです。
どこを見渡しても、ひたすら「同じ顔」「同じ文字」。リアルに襲われたら、こんなに怖い能力もそうはありませんね。康穂には、「ガラス注意」の文字も「ごま蜜カフェ」にしか見えておらず、思いっきり顔面をガラスに強打!心配して近寄って来る人達も、みんな「同じ顔」!もう完璧にパニックです。
その時、康穂のケータイに着信が。ケータイの文字も「ごま蜜カフェ」になっているので、誰からの着信なのかは分からない。それでも電話に出てみると、聞こえたのは定助の声。たぶん、つるぎちゃんの能力のせいで「声」の区別も付かなくなっているのでしょうが……、会話の文脈で判断できます。どうやら定助もすぐそこに来ているとの事で、急いで外に出ると……、康穂はついに定助を見付けたのです。「顔」は別人だけど、間違いなく定助。彼女は安心して泣き出し、定助に抱き付くのでした。
いや〜、ついに定助と再会できて良かった良かった〜〜〜……な〜んて事には、もちろんなりません。「ジョジョリオン」はそんな楽勝な漫画じゃないし、荒木飛呂彦という作者はそんな甘い男ではないのです。康穂には、まだまだまだまだ苦難が待っているのでした!


●康穂が抱き付いたのは、よりにもよって常秀ッ!「定助」という康穂の囁きすら、「常秀好き」に聞こえてしまうほどの盲目・難聴っぷり。感動のあまり、涙まで流して幸せに浸り、抱き締め合いながら康穂のお尻までなで回す!なっ!何をするだァ―――――ッ!ゆるさんッ!
しかし、常秀の暴走はとどまるところを知りません。「あたしもうダメ… 変になってる」「いっちゃいそう」との康穂の弱音も、見事に勘違い。さっきつるぎちゃんの缶ジュースを叩き落とした時、スカートにこぼれてしまっていて、「そこ触っちゃダメよ」「濡れてるの」注意しただけなのに、常秀はますます興奮!そして、「ここグッチョグッチョよ」「電話した時から…」との説明や、「この場所はダメ」「見られてる」「どこか二人きりになれる所に行きたい…」との怯えた言葉を聞いて、ついに勘違いは究極に達したッ!いや……、常秀の立場からすれば致し方ない……よねえ。期待しちゃうよねえ。
常秀は康穂を連れて近くの公衆トイレにそそくさと移動し、ちゃんと「清掃中」の掛け札も掛け、しっかりカギも掛けちゃいます。準備は万端!様子がおかしいと康穂が気付いた時には、常秀はズボンを下ろしてました。ネジ柄のブリーフ(笑)。そして、ブリーフまで脱いでフルチンにッ!恐らくはMAX状態と化しているであろう常秀の股間のBOYをモロに目撃してしまい、康穂は「ジョジョリオン」連載開始以来最大クラスの恐怖顔と絶叫を披露。
もはや理性など失った常秀は、かまわず康穂を個室に押し込め、スタンドの「ネジ」で彼女の服をバラバラに。便利だな、オイ!つーか、めんどくさい男が能力を身に付けたせいで、いよいよ手が付けられない変態に成長してしまったようです。定助だと固く信じていた男は、定助ではない「何者か」でした。絶望のあまり、トイレのタンクのフタで常秀の脳天をギャグマンガみたくド突く康穂。彼女の貞操が守られてホッとしましたが、常秀まで記憶喪失にならないか心配です。


●常秀のエロい魔の手から脱出した康穂は、慌ててパトカーに逃げ込みました。ところが、やっぱりそれはパトカーではなかったのです。警官に助けを求めたつもりが、「杜王連合」なるヤンキー共の車に乗ってしまっていたのです。貞操の危機、継続中!ヤンキー共のファッションやタトゥーの文字まで「ごま蜜カフェ」になってるし、車内に飾られたルフィやチョッパーの人形とかまで「同じ顔」になってるのが芸が細かい(笑)。
なんかヤバめな錠剤を無理矢理飲まされそうになったところで、『ペイズリー・パーク』発動ッ!どうせなら、もっと早めに登場してあげても良かったんじゃあ……。ある意味、本体:康穂の最大のピンチなので、『ペイズリー・パーク』もさすがに焦ったのか、今回のナビはめっちゃ直接的でした。「車を止めろ」との康穂の願いを叶えるため、『ペイズリー・パーク』が直にヤンキーの足を持って、強引に変な方向に捻ってやったのです。物質に干渉したのは、これが初めて。だんだんとスタンドパワーが強まってきたって事なのかな?
いきなりの激痛にハンドル操作を誤り、あわれ「杜王連合」の乗る車は電柱にクラッシュ!康穂だけが無傷で生還したのでした。しかし、つるぎちゃんの能力から逃れたワケではない。いつの間にか自宅近くまで戻っていたらしく、母親:鈴世さんが声を掛けてきました。出て行った康穂を心配して捜していたのでしょうか。さっきの自分の暴言を謝り、夕飯に優しく誘ってくれています。
でも、度重なるピンチの連続で、康穂はすっかり疑心暗鬼。知り合いだと思って安心したら、次の瞬間には裏切られてしまう。今の康穂が心から信じられる人は、たった1人。唯一、「顔」を識別できるつるぎちゃんなのです。つるぎちゃんはずっと康穂を尾けて来ていたのか、今も彼女をこっそり見ていました。それに気付いた康穂は、藁をも掴む想いで「助けて」と懇願するのでした。
――震災と「壁の目」のせいで大きく崩れて歪んだ杜王町。そんな風景の中、手を繋いで家に帰るつるぎちゃんと康穂。日常と非日常の交差。このコマの絵が、なんだか心に強烈に焼き付きました。


●まさかの康穂陥落ッ!これに伴い、定助に掛けられていたつるぎちゃんの能力は解除されました。人々の顔も、文字も、ちゃんと正常に見えるようになったのです。
しかし、それは同時に、「敵」のターゲットは自分(=定助)ではないという事を意味します。ターゲットは恐らく康穂。自分は、康穂に近付こうとしたから一緒に襲われただけ。今、能力が消えたのも、きっと「敵」の能力射程外に出たから。つまり、「敵」と康穂はどこか遠くへ離れた?……康穂の身に迫る危機を察し、彼女を探す定助!
そして、そんな康穂は、再び東方家の地下室に戻って来ました。つるぎちゃんに「髪の毛ちょっぴりちょうだい」などと言われても、普通にOKしちゃってるし。かなり精神的に弱ってるみたいですね。無理もなからぬ事。それとも、弱って従っているフリをして、打開策を探しているのでしょうか?つるぎちゃんも、やけに康穂の髪にご執心のようだけど、理由はあるのかな?本人は「いいニオイがする」とか「深い意味はない」とか言ってはいますが、果たして……?さらなる能力のためか、あるいは家のしきたりのためか……に、女性の毛髪が必要だとか?う〜む、謎だぜ。
で、謎ついでに、最後に特大の謎までブッこんできましたよ!なんと、例の「部屋」から何者かが、つるぎちゃんと康穂を覗き込んでいたのです。さっきは誰もいなかったはずなのに。もともとは、定助の「片割れ」が閉じ込められていたっぽいのに。一体、誰!?密葉さんに常敏、花都さん……あたりが怪しいかな。1901年に漂着した赤ん坊絡みの人物って線もあり得るか?まあ、この辺もじっくりと予想してみようと思います。


★今月は47ページ!これぞ杜王町って感じの、実にサスペンスフルな展開でした。常秀もどうしようもないアホっぷり&エロっぷりで天晴れでした。それでいて、安易につるぎちゃんを成敗したり、定助と康穂が再会できたりはしないところに、物語の脈動謎の胎動が感じられて最高です。来月は表紙&巻頭カラーらしく、ますますもって楽しみですよ。
作者コメントは「この夏は、暑くて2か月くらいポロシャツしか着なかったなぁ。」との事。でも、ここ数日で一気に冷え込んできましたねえ。最近まで夏だと思ってたのに、もう冬の足音が聞こえてきています。荒木先生もみなさんも、体調には十分注意してください。
そして、もうみなさんもご存知なんでしょうけど……、「ジョジョ」第3部TVアニメ化決定ッ!とうとう来ました、この時が!放送は来年2014年らしいですが、今からスゴい待ち遠しいです。ただ個人的に、「スタンド」の発音は荒木先生に合わせてほしいところ。OVAやゲームでの発音・アクセントは、とにかく違和感がヤバいっス。「スタンプ」と同じ発音じゃなく、「ブランド」と同じ発音でお願いしたいですね。




(2013年10月18日)




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