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いいか…
宣言するぞ 八木山夜露…


#031 LOVE OF GRAVITY





●今月もウルジャンの表紙を飾るは「ジョジョリオン」!セーラー服っぽいワンピースに身を包み、水兵帽を被った康穂です。定助のシンボルとも言うべきセーラー服を、クールに可憐に着こなしています。
なんというか……、この絵を一目見て衝撃が走りましたよ。この康穂が最高にキレイでセクシーでカワイイんスよ。こりゃあ、定助や常秀じゃなくてもマジ惚れるわ〜。それこそファッション誌の表紙みたい。この絵の原画もいつの日にか観てみたいものです。
康穂の着るセーラーワンピがまた凝ってまして、スカート部分には歴代ジョジョのエンブレムが彫られたメダル(バッヂ?)がくっ付いていて、さらに全身には定助のエンブレムがびっしり描かれています。荒木先生曰く「ファッションはキャラクターの心」との事なので、康穂は歴代ジョジョの誇りを受け継ぎ、定助と一心同体・一蓮托生って感じ?


●今回のトビラ絵は、夜露とそのスタンド。岩場でカッコ付けてやがりますよ。スタンドの全身像も描かれ、足のデザインも判明。こうやって改めて見ると、それなりに真っ当な人型してるな〜、という印象です。夜露もスタンドもスタイリッシュかつパンキッシュで、なかなかに絵になるヤツだな。(まあ、康穂には遠く及ばんがね!)
さて、本編。再び憲助さんの回想から幕を開けます。時は1963年の冬。「病気」によって全身が石と化した常助少年(若き日の憲助さん)を抱き、母:伴子さんが二本松の洞の中へと入って行きます。しんしんと雪が降り積もり、やがて常助少年は目を覚まします。彼の肉体は元に戻っていましたが……、そんな彼を抱く母はすでに、身代わりとして石になっていたのでした。変わり果てた母の姿に涙する常助少年。東方家の悲しい宿命です。
前回、憲助さんが発病したのは1971年と言ってましたが、1963年に訂正されたようですね。発病する年齢が10歳なのか11歳なのかはまだ微妙だけど、大きな設定ミスにはならなそうで一安心(笑)。


●かつて目の当たりにした、石と化した母の姿。しかし今、憲助さんを襲う夜露の肉体もまた、岩石だったのです。しかも直接触れた定助が言うには、「岩のような体質」なんかじゃなく「岩そのもの」だったと。この事実に戸惑う憲助さんに対し、素直に事実をそのまま受け入れる定助がカッコイイ。いくら信じ難くても、事実は事実。「レモンとみかん」の時に比べたら、どうという事もないでしょう!
この期に及んで、未だ目を覚まさない康穂。どうやら定助をおびき出す罠として利用するため、ずいぶん前から夜露に眠らされていたみたい。夜露が康穂の前に現れて、いきなり翌日になっちゃって今に至るので、その空白の時間がようやく朧げながら見えてきましたね。
ただ……、康穂の無事を確認もせずに爆睡ブッこいてた定助は何なんだろう?康穂が眠らされたせいで『ペイズリー・パーク』の能力が解除され、定助の危機感が薄れてしまったのか?逆に、『ペイズリー・パーク』自身の導きによって、あえて何事もなかったかのように定助を家に帰したのか?その辺も知りたいところです。


●憲助さんは再度『キング・ナッシング』を発動ッ!バラバラになるコマが超カッコイイな。『キング・ナッシング』は康穂にくっ付き、かすかに残る夜露の「匂い」をキャッチ!今度は夜露を直接追跡です。すると、夜露らしき岩を発見ッ!瞳に炎を燃やす定助が、すかさずオラオララッシュを叩き込む!
しかし、さすがは岩石。『スタープラチナ』級ならともかく、『ソフト&ウェット』のパワーでは砕けない模様です。むしろ定助の手の方が傷付いてるし。それならば……、「目には目を、岩には岩を」とばかりに、近くの岩を拾って夜露をガンガンとメッタ打ち!夜露が動かないでいるのをいい事に、やりたい放題です(笑)。夜露の一部がちょっぴり欠け、そこからが流れてきました。肉体は岩だが、体内には血液が流れている。一体、どんな人間なんでしょうか?憲助さんも「いつからこの世にいるんだ!?」と、まるで妖怪でも見るかのよう。まあ、確かに「生物」ではあるんでしょうけど、「人間」かどうかは疑っても良いのかも。


●そんな時、いよいよ迫って来た夜露の能力。今度集まってきたのは、植木鉢でもイガ栗でもない、プラスチックの容器。その正体は、憲助さんが知っていました。それは倉庫に置いてあったはずの農薬だったのですッ!体内に入ったら猛毒の農薬がゴロゴロと集まっている。しかも、どんだけ買い込んでんだよってくらい大量に。
農薬に気を取られていた僅かな隙に、夜露は移動していました。気付けば、定助の背後にまで近付いている!ところが、彼は攻撃を加えるでもなく、定助に静かに語り掛けるのでした。「手に入れるのはわたしだ」「『吉良吉影』ではない…… おまえに言っているんだぞ!」「生きのびていたようだが、東方家に入り込んだところがおまえの敗北への道だったな」……と。再びオラオララッシュを仕掛けるも、またもや姿を消してしまった夜露。
それにしても、めっちゃ意味深な言葉ですね〜。吉良ではなく、もう1人の「X」に対する言葉なんでしょうか。だとしたら、「X」は「何か」を所有していて、あるいは「何か」を探し求めていて……、それを巡って夜露に目を付けられちゃったんですかね。私は以前から、「X」は1901年に杜王町に漂着した「男の子」の子孫であると予想しております。「男の子」はたまたま「聖なる遺体」の一部と「融合」してしまい、子孫である「X」もその力を受け継いでいる、と。定助の中には、今も「遺体」のパワーが眠っている、と考えています。もし、夜露が手に入れたい「何か」が「遺体」のパワーならば、けっこうしっくり来るセリフかも?
そう仮定した場合、「遺体」のパワーで、果たして夜露は何がしたいのか?彼の岩石の体も、東方家の「病気」と同様の「呪い」であり、それを解きたいと思っている?はたまた、社会的名声を得るため、自分の「家」を繁栄させたいと思っている?


●どんどん近付いて来る大量の農薬。憲助さんは、康穂を置いて逃げようと提案します。夜露の標的は定助だけ。それなら、定助と一緒にいれば彼女も危険になる。さっさと射程外に逃げて、農薬の危機を脱しよう。そういう事です。理に適った提案ですが、定助はそれを拒否。
定助には、なぜか夜露の性格がなんとなく分かるらしい。「記憶」はなくても、「感覚」がそれを憶えているのでしょう。夜露は目的のためなら、利用できるものは何でも利用する。関係のない康穂であろうと、構わず襲う。自分の力を見せつけ、定助から確実に全てを奪い取る。そんなクズ野郎が夜露なのです。
どこかに潜んでいるであろう夜露に対し、定助は高らかに堂々と宣言ッ!「オレはこれから必ずおまえをやっつける…」「康穂ちゃんを巻き込んだことを心の底から後悔させてやるッ!」「おまえとオレが過去でどんな関係であろうとだッ!絶対に倒すッ!!」――おお、まさにヒーロー!すげーカッチョイイぜ!大好きな女の子を守るために本気で怒って、命を懸けて戦う。男らしくって好感が持てるよ〜。


●怒れる定助に、もはやガードなど必要なし。「しゃぼん玉」で防御するのではなく、攻撃するッ!
血が滲んだ岩(=夜露)を発見した定助、『ソフト&ウェット』でブン殴る!すると、殴った部分から「しゃぼん液」が広がっていき、やがて夜露を完全に包み込む巨大な「しゃぼん玉」になっちゃいました。コミックス6巻やウルジャン先月号の表紙イラストのように、夜露を包んだ「しゃぼん玉」はフワフワと宙に浮き始めるのでした。強い意志で作った「しゃぼん玉」だからか、強度も浮力もハンパないですね。これは地味にスゴいな(笑)。
そのまま夜露の方を移動させ、能力射程外に出すという算段。ところが、黙っておとなしく待ってる夜露ではありません。唐突に「オレはひとつの岩だ」「そしてひとつの島だ」とつぶやくと……、地面に転がっていたいくつもの岩が夜露に集まって来て、「しゃぼん玉」を割ってしまったのです!地上に舞い戻る夜露。とうとう農薬の容器が、定助に襲い掛かるッ!……で、以下次号。
気になるのは、夜露のつぶやきです。初登場時にも、「柔らかくはないし、濡れてもいない」「辛いのより楽しい方がいいだろう?」などとつぶやいていましたよね。まるで暗示でも掛けるかのよう。強い思い込みでカタツムリにもなれるマンガだし、夜露のスタンドは実は、彼の暗示・思い込み・言葉を少しだけ実現できる程に増幅させるような能力だったりして。う〜ん、さすがにないかー?未だに正確な能力が謎すぎですね。いろんな意味で、底知れぬ人物だなあ。


★今月は45ページ!いや〜、面白かったです。別に多くの謎が解けたとか、ストーリーが急展開したとかじゃないんだけど、今回はグッと来るシーンやセリフが多かった印象。もう表紙イラストからしてそうですが、荒木先生の絵のパワーも凄まじいぜ。
なんとなく、次回で夜露とのバトルは決着しそうな予感がします。ピンチの割に定助は動じてないし、すでに何かを仕掛けてそう。とどめを刺される直前、夜露が何故か苦しんでブッ倒れ、定助は余裕顔!「さっき「詰み」って言ったろ?『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」は、触れたものから何かを奪う……。おまえが割った「しゃぼん玉」は、おまえの血液から『酸素』を奪った……。これで「詰み」だッ!」みたいな感じで(笑)。
作者コメントは「薬で溶かしちゃったけど腎臓に結石ができた。」との事。なんと。サラッと書いてますが、これは一大事です。やはり健康こそが宝。荒木先生には今後も元気であっていただきたいものです。再発しない事を切に願っております。




(2014年4月19日)




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