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懐かしい子供の頃の
夏休みの気分だッ!


#036 第2局





●2ヶ月振りの「ジョジョリオン」!待ってましたッ!今回のトビラ絵は、東方ファミリー(ほぼ)勢揃いの図です。なんかのスポーツの審判みたいに、両手にフラッグを持って、高い場所(船の上?)からみんなを見下ろす定助。そんな彼の下には、憲助さんに常敏、常秀、大弥ちゃん、鳩ねーちゃん、そしてつるぎちゃんの姿が。果たして、定助の目には彼らはどのような選手に映り、彼らをどうジャッジしていくのでしょうか?
ここには描かれていない密葉さんの動向も気になるところです。ぼちぼちセリフの1つでもあれば良いんですけどね。


●クワガタ相撲の続きと思いきや、いきなりイタリア・アマルフィの美しい街並み。海岸沿いの道路をランボルギーニらしきスーパーカーが走行しています。これは、康穂がスマホで見てる画像でした。いつか行ってみたい憧れの場所。しかし、そんな気持ちとは裏腹に、彼女の身には異常な事態が起こっています。スマホに触れる指がスマホの中に入っちゃうような、指とスマホに映る画像とが徐々に一体化していくような、奇妙な現象!アマルフィの地図が指にまで広がっていき、ランボルギーニは彼女の指に持ち上げられちゃってる。
彼女の背後には『ペイズリー・パーク』が佇んでいますが、康穂はまだ気付いていない模様。なんとランボルギーニの画像はスマホから半分飛び出し、彼女の家のテレビにも軽やかに走るランボルギーニが映り出しました。恐らく、画像のランボルギーニの現在の様子をテレビに映していたんでしょう。『ハーミット・パープル』にも近い能力まで発動させてます。
ふと背後を振り向くと、この能力も解除されてしまいました。自分のスタンドを自覚できずに翻弄され、未だに「幻覚」と思っているみたいです。ひとりぼっち過ぎるせいでおかしな幻覚を見てると、なんか勝手に納得してます。……自分はなぜ、この家にいるのだろう?どこへ向かって行くのだろう?康穂もまた、定助と同じ孤独を抱えた人間なのです。


●そんな時、家に鳴り響くチャイム音。誰かが康穂の家にやって来たらしい。インターホンのカメラを見ると、来訪者はなんとつるぎちゃん
何しに来たのかと思ったら、つるぎちゃんは彼女の力を借りに来たとの事。定助が常敏との勝負に勝ち、目的のブツを手に入れたら、康穂のスタンド能力が必要になるのです。常敏に気付かれるより前に、彼女の能力で謎の「果実(フルーツ)」までの道案内をしてもらう。夜露から康穂のスタンドの情報でも聞いていたのか、つるぎちゃんは『ペイズリー・パーク』の能力まで計算に入れて、ちゃっかり先回りしていたのでした。この抜け目のなさ、父親譲りだぜ。いい6代目になれそう。
それにしても、自分がどこへ行くのかも分からない彼女こそが道標になる、ってのも皮肉なもんですね。まあ、定助は彼女の境遇も想いも知らないんでしょうけど、彼女の存在が定助にとっての道標(あるいは道そのもの)である事は確かです。それぞれに「何か」が欠落した2人。進むべき道に迷う2人。そんな2人が再会し、お互いがお互いを導いていく関係になるのかな?


●さて、場面は東方家へ。約束通り、片マユを剃り落とした常敏。この展開のために、彼のマユゲは独特なデザインになってたのかも。……でも、剃っても意外と違和感ないな!(笑)
勝負に勝った定助は、パラワンをビンに戻し、そそくさと退場しようとします。無論、それも作戦のうちの演技なワケですが、そんな事知らない常秀はプンプンに怒り出しました。なんか分からんけどイカサマをしたに違いないと決め付け、定助を家から追い出そうと提案。でも、無茶苦茶言う割に、定助のイカサマの内容をズバリ当てちゃってるのはスゴイ(笑)。一瞬、定助もドキッとしてるし。「カツアゲロード」でもそうでしたが、常秀ってバカだけどカンは鋭いとこありますね〜。
しかし……、そんな剣幕の常秀に対し、常敏は至ってクール。というか、むしろ無邪気に楽しんでます。さすがは「毎日が夏休み」男ッ!イカサマとかドーピングも込みで、勝負そのものを楽しんでる感じ。つまらない事ばっか言ってる常秀には、これからは逆に定助の応援をしろと命令(笑)。いや〜、面白いヤツだな。常敏の言動がいちいち面白いわ。
ノリノリな常敏の誘いに、気乗りしないフリをしつつも、いよいよ定助は目的のブツに迫ろうとしていました。定助の不敵で生意気な態度も、常敏には楽しくてしょうがないらしく、定助の事がけっこう気に入ってきたみたいです。そんな定助の欲しいモノとは、常敏の愛車!黄金色のランボルギーニ・ガヤルド


●場面は再び康穂の家。つるぎちゃんを家に入れ、話を聞く事に。康穂としては、地下室に監禁された経緯があるだけに警戒心バリバリですが。
つるぎちゃんは「静かでもガヤルド!」などと相変わらずのダジャレをブッコみながらも、自分達の目的を語ります。……定助が常敏のランボルギーニをゲットしたら、車内にあるドライブ・レコーダーを康穂に見てもらう。常敏と夜露は、きっと「果実」を通じて、何か関わりがあるはず。常敏が旅行から帰国してから行った場所のどこかに、「果実」の樹があるかもしれない。だが、常敏に狙いが気付かれたら全てを隠されてしまう。そうなる前に、康穂にドライブ・レコーダーを見てさえもらえれば、スタンド能力で樹に辿り着ける。
あまりに唐突な話で、康穂も理解が追い付きません。でも、定助が今、自分を必要としてくれている。康穂が助けに向かわない道理などないでしょう。2人の再会の時は、近い!?


●またまた場面は変わり、東方家。さっきのバトルで折れたパラワンのアゴをボンドでくっ付ける定助。常敏が「定助の応援」を常秀に命じたのをいい事に、使ったボンドを渡して「君が引き出しに片付けてくれたまえ」なんてパシらせてるし(笑)。常秀、屈辱!
常敏はあっさりランボルギーニの賭けに乗り、キーを持って来ました。定助はキーを手に取り、のんきにデザインや運転の話をして、本当の狙いから目を逸らさせようとする。何か1つでも怪しまれれば即アウトです。一挙手一投足が全て駆け引き。
さて、第2局では常敏のクワガタも交代です。ジャワ島産の「ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ」!その名の通りに黄金色で、外側に開くような形状のアゴが特徴的。体長こそ短いものの、常敏がこの局面で使うくらいだから油断禁物。一方、定助のクワガタは継続です。常敏曰く、定助のパラワンは「勝ちぐせ」がついた、との事。「勝つこと」を覚えたクワガタに成長したのです。生命とはそれが重要。どんどん強くなる素晴らしい戦士ッ!かの勇次郎さんも、「勝利とは蚊トンボを獅子に変化(かえ)る」なんて言ってましたしね。


●定助に厳しい言葉をぶつける常秀に、常敏は「定助の味方をしろ」「定助を勇気づける言葉だよ」と無茶ブリ(笑)。困った挙げ句、感情のまったくこもってない顔で「ガンバレェ〜 エイ!」と一言。当然、常敏のダメ出しが飛びます。結局、ヤケクソ気味に定助へ声援を送るハメになるのでした。この3人のやりとり、スゲー楽しいな!
そして、第2局スタート間際で、定助が負けた時の「賭け」も決定。常敏が定助の目玉を片方舐める。ただそれだけです。3,000万円もするランボルギーニと釣り合うようには思えないけど、常敏にとってはそうでもないらしい。定助を屈服させ、支配する方法が、彼にとっては目玉舐めなのです。相手にただ気持ち悪い思いをさせる。負かしたヤツをイヤな気分にさせる。それこそが勝利の実感であり、勝者の特権。真剣に勝負を楽しみ、勝利を味わう。それだけが常敏の望みなのでしょう。確かにある意味、純粋で子どもっぽいですね。
ただ、自分が負ければ、ちゃんと代償を支払う事も忘れない。この勝負に敗れたら、ランボルギーニだって素直に手放すに違いありません。そんな潔さも公平さも兼ね備えた男。常敏、不思議な魅力に溢れるキャラです。


●さて、ついに第2局の幕開け!やはり定助のパラワンに「勝ちぐせ」がついた事は事実で、さっきよりも堂々とした風格でローゼンベルグを土俵に追い詰めていきます。しかし、もちろん黙ってやられている常敏ではない。常秀に「定助を応援しろ」と言ったのも、常秀がうっかり余計なクワガタ情報を定助に教えてしまわないようにするための歯止めでもあった模様。面白さ優先の裏にも、したたかな作戦があったのです。そして土俵の上でも、思わぬ変化が起きつつありました。
土俵際にまで追い込まれたローゼンベルグは、不意にパラワンの体の下に潜り込んでアタック!すると、なんとパラワンは動きを止め、ゴロンとひっくり返ってしまったのです。その隙にローゼンベルグはパラワンを馬乗りで襲い、その脚を1本ヘシ折ってしまいました。またも響き渡る、常秀の「グロ注意ッ!」の声(笑)。どうにか動き出したパラワンですが、またも同じ攻撃を受け、うずくまってしまう。脚1本でかろうじて土俵に引っ掛かってる状態にまで追い詰められてしまいました。一体、何が起きているのか?
何かに気付いた定助。すぐに手下の常秀に「昆虫図鑑」を持って来させ、ローゼンベルグの攻撃の謎を解きます。甲虫類は脚の関節部分に強い衝撃を受けると、本能的に仮死状態(死んだふり)になる習性があるらしいのです。動く物を狙う鳥類などから身を守るための防御反応。この習性を利用してやろうと、パラワンの体の下へ潜り込めるローゼンベルグを選択したってワケですね。なんてハイレベルな戦いなんだ。


●とは言え、こんな頭脳プレイを昆虫が仕掛けて来れるものなのか?定助は、常敏が何らかの方法でローゼンベルグを操作している、と睨んでいます。まさか、それこそが常敏のスタンド能力!?例えば……、常敏の取る姿勢・ポーズに応じて、クワガタが動くとか?もっとシンプルに、「匂い」や「フェロモン」を自由に発する能力とか?この辺、予想のし甲斐がありそうなので、もっとじっくり練ってみても良さそうですね。
ギリギリ土俵に戻ったパラワンでしたが、なおもローゼンベルグが噛み付くッ!依然、大ピンチです。想像もしない苦戦を強いられる事となった定助。もはやこれは、単なるクワガタ相撲なんかじゃない。まるでこれは、定助と常敏のガチのスタンド・バトル!果たして、この死闘を制するのはどっち!?


★今月は47ページ!なかなかのボリュームで嬉しい!定助・常秀・常敏のジョジョジョトリオが楽しすぎました。こいつら見てるだけでも飽きないな。クワガタ相撲もド迫力で白熱しますし、スタンドを前面に押し出さなくても「ジョジョリオン」は面白いです。
作者コメントは「写真を撮るだけでワイン情報が分かるアプリ「Vivino」に一瞬はまった。」との事。一瞬か!(笑) いろんな個性的なアプリがあるから、探しまくれば、日常をより便利に出来るモノもいっぱいありそうですね〜。
そう言や、10/18(土)〜11/2(日)の期間、イタリアのルッカにて「文化庁メディア芸術祭」絡みの展示があるようです。発表が急すぎたし、展示内容も恐らく東京と同じ(「ジョジョリオン」第1話のモノクロ原稿)と推測されるし……、正直、行くかどうかかなり悩んでしまいました。で、よくよく確認したら、自分のパスポートが期限切れになっている事も発覚。もう時間がなさすぎ(汗)。このイベントのための描き下ろしイラストは超観たいけど、残念ながら今回は行けませんです。次なるイベントまで、静かに時を待ちます。



(追記)
●ルッカには行かないとキッパリ言ったばかりなのに……。スマン。ありゃウソだった。
というワケで、今年もまたイタリアへ行って来ます。なんか展示内容の画像をよく見たら、予想に反して第2話の原稿(婦警さんの「水分」を奪うシーン)らしき物が確認できたんで。そういう事なら話は別だと、まさに今日、パスポートの申請に行きました。週末には受け取れます。んで、ダメ元で旅行会社にも改めて相談に行ったら、意外となんとかなりそうな気配。勢いで来週旅立つ事に決めました。今回はフィレンツェを基点とし、ルッカやヴェネツィアを回って来る予定です。いつも通り1人旅ですが、無事に帰還できたらいいなあ。

――では、常敏のスタンド能力の予想をしてみたいと思います。
スタンドのヴィジョンは小人のチームみたいな感じ。『バッド・カンパニー』とか『ピストルズ』に近いイメージです。となれば、やっぱ遠隔操作タイプでしょうね。
肝心の能力はと言うと……、小人スタンドがどんな物質にでも潜り込んで操縦する能力。「ロボット」化する能力、とも言えます。今、小人スタンドはローゼンベルグの中に乗り込み、ロボットアニメや特撮ヒーロー物の巨大ロボットのように、ローゼンベルグを操縦しているのです。常敏はつるぎちゃんより気持ちが子どもで、昆虫やブリキのロボットで遊ぶのが好きで、「面白いかどうか?」を重要視する性格っぽい。そこで、こんな能力を考えてみました。戦隊物のように、このスタンドも5人で1つのチームを組んだりしてるのかも。
生物・無生物を問わず、「ロボット」化する事が可能。「ロボット」化した物質は、変形したり合体したりも出来る。ただし、あまりに大きい物質だとか、知能の高い生物だとかは、小人スタンドが何人も同時に乗り込まないと操縦し切れない。そんな風なルールもあります。
ちなみに、常敏はこの第2局で初めて、クワガタを「ロボット」化しました。あくまで、第1局はガチ勝負。ところが、定助が何かイカサマをしているらしい事に気付き、常敏もスタンドでイカサマをする事にしたってワケです。常敏は相手と同じ土俵で勝負を楽しみ、その上で勝利をもぎ取りたい。相手が正々堂々と勝負するなら、常敏も全力で正々堂々迎え撃つ。相手がイカサマを仕掛けて来るなら、常敏も全力でイカサマをする。そういう男なのです。定助のクワガタに乗り込んでしまえば楽勝だろと思うかもしれませんが、それでは勝負してもつまらない。互いのフルパワーでぶつかり合ってこそ、戦いは面白い。そんな子どもじみた純粋な熱さが、彼の良さでもあり弱点でもあるのでしょう。




(2014年10月18日)
(2014年10月20日:追記)




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