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本名が知りたい…
本名を言わせなくては…


#044 What is my name?





●今回のトビラ絵は、カレラの超ドアップ!凛々しい顔付きの美人さんですが、性格は少々……いや、かなり難アリ!
な〜んかまた悪巧みを思い付いたかのような表情だけに、今回も定助が彼女にメチャメチャ振り回されそうで心配です(笑)。


●杜王町にもストリート・パフォーマーはいるようで、ユニフォーム姿の双子っぽい男性2人がサッカーボールを器用に操って、見物してる人々に拍手を送られています。この2人、なかなか個性的な顔立ちとファッションしてるなあ。スタンド使いでもおかしくない出で立ちだよ(笑)。
そんな杜王町の日常風景を眺めながら、定助が追うのは「サクナミ カレラ」。今度はカフェに入ったかと思うと、スティックシュガーやらガムシロップやらをごっそり奪って、フラフラと席に座り込みました。そして、これまたあちこちで頂戴してきたであろうパンの耳や牛脂、金魚型の容器に入った醤油をテーブルの上に並べます。パンの耳に牛脂を乗せてシュガーを振り掛け、そこに醤油を数滴掛けりゃあ……、ほ〜ら!スキ焼きパンのでっきあがりでいっ!コ○ブ君も真っ青なリトルグルメに舌つづみを打つカレラさん。
それにしても、お年頃の女の子だってのに、カレラの所持品はこれだけみたいです。スーパーの買い物袋を1つ持ち歩いているだけ。着替えや下着もないっぽいぞ(汗)。財布も空っぽらしく、定助が恵んであげたカネもパチンコでスッちゃった模様。挙げ句、コップの水に浸した紙ナプキンで、足の指の間をゴシゴシ洗い始める始末。うわ〜、リアルにヤバいな。いくら美人でも、実に関わり合いになりたくないタイプです。さすがに定助もドン引き(笑)。
ちなみに、何故か定助の中では、「サクナミ」が「作並」という漢字になったようです。まぁ、仙台の地名的に考えても、「作並カレラ」でファイナル・アンサーでしょう。


●定助がカレラについてゴチャゴチャ思案に暮れていたら、いつの間にやら彼女の姿が消えていました。周囲を見回すと、カレラはハゲ頭のおっさんと手を繋いでいて、なんと一緒に男子トイレに入っちゃった!こ、これわ……、まさか……!?焦った定助、トイレに突入ッ!
トイレには、仁王立ちのカレラと、しゃがみ込んでるおっさんの姿。おっさんの両手は自分の頭を押さえ、カレラの両手がそれを覆っています。しかもおっさんの顔は、カレラの股間の位置。……どう見ても、いかがわしい行為に及んでいるようにしか見えません。あらぬ姿を目撃されたせいか、おっさんは慌てて逃げていきました。ところが、よくよく見てみると、おっさんのハゲ頭には黒々とした髪の毛が生えているじゃありませんか。それも、おっさんの指の形にッ!
そう、これはカレラのスタンド能力。一言で言うと、「毛を生やす能力」です。その人が触れた場所に、触れた本人の「毛」を生やす能力。なるほど〜。前回は、つくねから焼き鳥屋のオヤジの「毛」が生えたってワケか。さっきのおっさんも、だから自分のハゲ頭を自分で触れ、指の形に髪が生えてきたのです。フサフサ頭にしてやったらカネを貰うつもりが、定助が邪魔したせいでパーになっちゃったらしい。ただし、能力射程は80m程度で、射程外に出ると「毛」もすぐ抜け落ちるとの事。結局は騙して儲ける作戦だったので、おっさん的には逆にラッキーか。
セックス・サービスをしていると定助が勘違いしていた事に気付き、「その場合 形はあたしがこーでしょ」と、定助の股間の位置にしゃがんでみせるカレラ(笑)。手もなんか「それ」っぽい。定助も思わず赤面して困ってます。


●自分のこの能力で稼ぐってのは難しく、うまくやらなきゃヒドイ目に遭う。カレラはそうつぶやきますが、実際、ヒドイ目に遭った事があるんでしょうね。今はだいぶ巧みに騙せるようになったとは言っても、こんだけ貧窮した暮らしぶりですから、儲けなんて大した額にはならないと思われます。スタンド使いも楽じゃありません。……つーか、普通に働けって話ですが。
ともあれ、彼女のそんなスタンド能力も使い道も、本来はちゃんと知っていなければならないはずの定助=「セッちゃん」。このままではボロが出かねないと踏んだのか、カレラへの質問タイムに切り替えます。彼女が杜王町に来た理由、その本当の目的は?……しかし、彼女は核心に迫る発言はせず、「セッちゃん」への想いを口にします。「セッちゃん」に逢いたくて来た。ずっと「セッちゃん」が大好きで、片想いだけど、一緒にいると癒やされる……と。定助にキッパリ断られた時の寂しげな表情も相まって、なんかだんだんカレラが可愛く見えてきました。ビッチっぽく見えて、実はけっこう純情可憐乙女です。
彼女はとにかく、「今」が大切で、「今」にしか興味がない性格らしい。過去にも家族にももはや興味はなく、楽しく素敵な気持ちで「今」を生きられれば幸せ。刹那的な生き方ですけど、それもそれでアリです。もっとも、「過去」を知るために奔走する定助とは真逆の考え。やはり定助とは相容れぬ者同士なのかもしれませんね。


●質問タイムの途中、カレラは次なるターゲットを見付けた様子。唐突に、男達に因縁付けてカラんで、とうとうお店から追い出されてしまいました。妙に素直に出て行ったけど、これも全て計画通りなのです。
それはさておき……、さっきから質問ばかりしてくる「セッちゃん」。最初、自分が「セッちゃん」を本人かどうか疑ったように、「セッちゃん」も自分を本当に「作並カレラ」かどうか疑っているのかもしれない。……とでも彼女は解釈してくれたみたいで、カレラは自分から積極的に色々教えてくれました。そして、ここからが驚愕怒涛の展開なのですッ!
カレラはなんと、ケータイに保存している昔の写真を見せてくれたのです。写真に写っていたのは、今と変わらぬ姿のカレラ自身と、水兵ファッションの吉良吉影と、そして謎の青年。その青年は、我々がよく知る第4部の「東方 仗助」そっくり!常秀のように両サイドがハゲだけど、頭のてっぺんにはハンバーグ・ヘアーが乗っかっています。また、首の付け根部分には「星のアザ」もあり、ジョースターの血統である事を示しています。さらに、学ランこそ着ていませんが、両胸には「ピースマーク」と「ハート」のアクセサリーも。ただ、3重の丸で描かれている瞳は、感情が読み取れず、どこか不気味さも宿していますね。
この「仗助」そっくりな青年の名前も、カレラはサラリと口に出しました。その名こそ「空条 仗世文 (くうじょう じょせふみ)」!!空条キタ――――――――ッ!!!なんと言うか……、「ジョセフ」と「承太郎」と「仗助」を合わせたような奇妙なネーミングですが、これはマジ衝撃的ッ!!つまり、「ジョセフミちゃん」⇒「ジョセッちゃん」⇒「セッちゃん」ってワケね。


●ずっと謎だらけだった、定助の半身「X」の正体。まだ100%確定ではないにせよ、「X」=「セッちゃん」の名前は「空条 仗世文」でほぼ確実となりました。
カレラは言います。もし誰かから隠れているのなら、今の変装は成功している、と。別人にしか見えないし、「セッちゃん」の事が大好きな自分しか気付いていない、と。……正直、仗世文本人には見えなくたって、吉良と見間違えられるような変装じゃマズイ気もしますけど(汗)。まあ、その辺は「融合」の目的次第ですよね。
仗世文が隠れているのは、一体「誰」からなのでしょう?「岩人間」?「東方家」?それとも「記憶の男」?……そして、何のために隠れなければいけないのでしょう?
ついでに言えば、写真の場所はどこなんでしょう?林のような場所に金網フェンスがあるけど、フェンスの向こうに何がある?そもそも、この写真は誰が撮ったものなんでしょう?カレラの自画撮りって感じでもないので、写真に写る3人プラス撮影者の4人組でこの場所にいたのかも。いや、普通にセルフタイマーなのかもしれませんが。
何より、仗世文の存在はジョースター家系図のどこにいる存在なんでしょう?「空条」という姓からすれば、やっぱホリーさんの隠し子なのかな?でも「仗世文」って名前だと、むしろジョセフの隠し子のようにも思えますし。――本名は明かされたものの、やっぱしまだまだまだまだ謎だらけです。


●定助が自分の本名に驚いている間に、カレラはさっきのターゲットからキャッシュカードを奪い取る事に成功!キャッシュカードからは1本の「毛」が長〜〜〜く伸び、それを引き寄せてゲットしたって寸法です。恐らく、さっきカラんだ時に能力を使い、男のキャッシュカードから「毛」を生やし、それをグングン成長させて伸ばしていたのでしょう。
カレラはそのままATMに向かい、今度は男が触れた順番に「毛」を伸ばし始めます。男達がATMから出て来たところを、彼女は抜け目なく目撃していたらしい。生えてきた「毛」の位置と、伸びた順番から、暗証番号もあっさり判明。こうして、難なく3万円ほど手に入れちゃったのでした。使い方次第でなかなか便利な能力ですね。面白いな。
彼女の背後には、スタンドのヴィジョンも現れていました。全身あちこちに毛がモッコモコ生えた、セクシーな女性型です。この正統派タイプなデザインに、応用が効きそうな地味目の能力。カレラが「セッちゃん」に好意を抱いているのも確かだろうし、うまく行けば仲間になってくれるかも。康穂との三角関係も見ものでっせ!


●さて、定助とカレラがどこかへと歩き去っていく中、物語の視点はなんと、冒頭のストリート・パフォーマーへ。双子らしき男達に、2人の警官が話し掛けます。どうやら、この場所でパフォーマンスするのは危ないから、他の安全な場所でやるように注意しに来たみたい。
ところが、2人は構わずにサッカーボールを蹴り続けています。この2人、パッと見はまったく同じ外見ですが、微妙な違いがありました。ピアスしてる耳が、常にボールをリフティングしてる方は右耳、もう1人の方は左耳。右ピアスは「弟」であり、子供の頃からボールを片時も離した事がなく一心同体との事。また、左ピアスの「兄」は、右手が岩っぽい質感をしているようです。まさか、コイツらも「岩人間」?その上、ボールには何故かジッパーが付いています。う〜む、怪しすぎるだろ……。ジッパー開けたら、中から「ロカカカ」でも出て来るのかな?
おとなしく従わないもんだから、交番で取り調べをする事に決定。それを聞き、「兄」は「どうやら この町にも長くは滞在できないな」と漏らします。こんな具合でトラブル起こして、各地を転々としてるんでしょうか?迷惑な兄弟です。なお、この通りの名前は「牝鹿(めじか)通り」というようですが、宮城県の「牡鹿(おしか)半島」からのネーミングと思われます。
そして、「兄」の右手が謎の攻撃をスタート!おお〜!コイツら、マジでスタンド使いだったかッ!「兄」の左手が警官の手錠に触れると、手錠はボロボロと崩れ、右手の岩っぽい部分から出て来ました。その手錠を、警官の口からアゴへと貫き繋げる!さらに、もう1人の警官の手を左手で触れると、その手は「兄」の右手から出現。手錠のもう片方に繋げてしまい、警官2人をあっさり撃退してしまったのでした。
「兄」のスタンドは、見たまんま「左手で触れたモノを右手から出す能力」ってトコでしょう。固定されている物や、わずかにしか見えない・触れられない物を一気に手元に引き寄せられるって意味では、なかなか重宝しそう。「弟」のスタンドは未知ですが、あのボールに関係する能力でしょうかね。例えば、ボールを地面に落としてしまった者の肉体の一部を(あのジッパーの内部に)吸い込む能力……とか?


●このサッカー兄弟はカレラの事を知っているようです。と言うより、どういう理由なのか、カレラを追っている風です。しかも、意味深なセリフまで語っていました。「あの女… よく半年間ももちこたえていたな……」「限界だから この町に現れたのだ」
半年もの間、追跡から逃れ続けていたが、誰かに助けを求めて杜王町に来た……という意味なのか?はたまた、(カレラも「ロカカカ」を食べていたと仮定し、)実は「ロカカカ」には強い依存性・中毒性があって、どこへ行こうと、禁断症状ゆえに杜王町に戻って来ざるを得なくなる……的な意味なのか?
カレラにせよ、サッカー兄弟にせよ、「岩人間」なのかどうかも謎です。「岩人間」だったとして、もしも「7つの大罪」をモチーフにしているとしたら、サッカー兄弟は「色欲」でしょうか?彼らの髪型が、なんとなく「サソリ」っぽくも見えるんで(汗)。「サソリ」は「色欲」を暗示する動物なのです。


★今月は45ページ!いやぁ〜〜、超面白い!今回は一気にストーリーが動きましたね。「ロカカカ」の謎を一旦保留して、まさかこんな展開になるとは。ショッキングな内容で、すんごい盛り上がりました。新キャラも次々登場し、人間関係はより複雑になってきてます。考察・予想・妄想も改めて練り直す必要があるなあ。じっくり考える事にします。
作者コメントは「さくらんぼの皮をむいて食べるんだけど、ちょっとびっくりされる。いちいちむくよ。」との事。へぇ〜、珍しい食べ方ですね。そんな人、今まで見た事ないです(笑)。
来月号は特別仕様表紙&描き下ろしイラスト使用の「ジョジョリオン」ブックカバー!こりゃ楽しみッ!



(追記)
「岩人間」やサッカー兄弟についての妄想・予想なんかをまとめてみたいと思います。


●まず、私は前述の通り、「岩人間」のキャラクターが「7つの大罪」をモチーフに作られていると考えてます。
……富も名声も愛も、何でも欲する八木山夜露。彼のモチーフは「強欲」です。様々な物質を集めて引き寄せる『アイ・アム・ア・ロック』も、まさしく強欲そのもの。全身トゲトゲなファッションは、「強欲」を暗示するとされる「ハリネズミ」にもなっています。
……大好きな彼女を寝取られ、こっぴどい裏切りにあった大年寺山愛唱。彼のモチーフは「嫉妬」です。「嫉妬」を暗示する動物は「ヘビ」であり、彼のファッションも2匹のヘビが絡まり合っているかのよう。「竜巻」を発生させる『ドゥービー・ワゥ』が彼のスタンドですが、「竜巻」とは文字通り、「竜がとぐろを巻いた姿」が語源となっています。ここで言う「竜」とは、西洋的な「ドラゴン」ではなく、「ヘビ」に近い姿の東洋的な「竜」。「竜神」と「蛇神」はほとんど同一視されてもいるそうです。また、このスタンド名に似た名を持つ怪人ドゥービーも頭部にヘビを飼ってましたし、『ドゥービー・ワゥ』は「ヘビ」にちなんだ能力と言って良いでしょう。

ここからは「岩人間」と確定してはいない人々ですが、とりあえずそう仮定して話を進めます。
……今が楽しければ良く、とにかくだらしない作並カレラ。彼女のモチーフは「怠惰」です。「怠惰」を暗示する動物は「熊」であり、彼女の黒くてフッサフサな髪の毛や太い眉は熊っぽいっちゃ熊っぽい。魚の絵が描かれたバンダナも、熊がよく出没する川辺・水辺を表しているのかも。「毛」を生やす彼女のスタンド能力も、全身を体毛で覆われた「熊」にちなんでいます。
……そして、今回登場したサッカー兄弟。彼らのモチーフは「色欲」です。「色欲」を暗示する動物は「サソリ」であり、彼らの特徴的なヘアースタイルは「サソリ」に似たデザインになっています。左手で触れたモノを右手から出す「兄」のスタンド能力は、「男」「男性器」の象徴。指が無く、1本の棒状になっている右腕がまたチンコっぽい(?)。また、「弟」のサッカーボールに付いているジッパーは、「女」「女性器」の象徴。そのジッパーの中に何かを入れるスタンド能力と推測します。玉を転がし弄ぶ姿も、ある意味、女性的と言えそう。つまり、この兄弟はそれぞれ男女を表しているワケです。下世話な想像ばかりで申し訳ありませんけど、私は一応、真剣ですよ(笑)。
そっくりな双子というキャラクターにしたのは、マジで男女として描いちゃうと、さすがに生々し過ぎるからかもしれません。あるいは、「男も女も大して違わねーよ。同じ同じ。」っていう荒木先生の認識・心情を反映したためかもしれません。


●続いて、サッカー兄弟のスタンド能力について、詳しく予想してみます。
「兄」のスタンドは、左手で触れたモノを右手から出す能力と考えて、ほぼ間違いないのではと思います。で、その特長として、右手から出したモノが右手と同化している間は、そのモノからの悪影響を受けないんです。どんなに重いモノだろうと、熱いモノだろうと、毒物だろうと、放電していようと……、「兄」には何の影響も支障もなく、普通に右手を動かせるワケです。つまり、自分自身の肉体として扱えるって事。もちろん、「兄」以外の者は、その重さや熱さ、毒、電気などの影響をモロに受けちゃう。デンジャラスなモノと同化した右手で攻撃されたら、即再起不能(リタイア)・即死の危険も充分あり得るでしょう。
「弟」のスタンドは、ボールを地面に落としてしまった者の肉体の一部(最後にボールに触れた部位?)をジッパー内に吸い込む能力。そう予想しました。ただし、それはあくまで対人間の条件。人間以外の生物や物質(スタンドやその生成物も含む)なら、無条件でジッパー内に吸引できるんです。しかも恐ろしい事に、その許容量は無限。何でもいくらでも入れられる、言わば「四次元ポケット」的なボールなのです。
そして、この兄弟の合体技も存在します。「兄」の右手を「弟」のボールのジッパーに突っ込んだ状態ならば、「兄」の左手で触れたモノがどんどんジッパー内に送り込まれ、吸い込まれていく事になるのです。それは、たとえ人間であろうと同様に……。「兄」の右手から出されている時点で、そのモノはスタンドとしての性質も宿しています。そのため、人間の肉体であっても、例外的に無条件で吸い込む事が可能。要するに、掃除機人間になる技です。「弟」のボールが掃除機なら、「兄」の右手がホース、左手がヘッド部分になるって事ですね。
――「色欲」の能力と予想した手前、強引に合体までさせてしまいました(汗)。そんなヤツらに挑むは、定助&カレラの男女コンビ?いろんな意味で見所たっぷりなバトルを予感させます。




(2015年6月19日)
(2015年6月23日:追記)




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