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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




オゾン・ベイビー / 本体: プアー・トム
< 「気圧」を変化させる能力 >





<特徴>
本体:プアー・トムは「岩人間」である。「岩人間」の95%はスタンド使いであり、恐らく生まれついての能力と思われる。
この「岩人間」とは、「ヒト(ホモサピエンス)」のような炭素系生命とはまったく別種のケイ素系生命である。外見は「ヒト」と見分けが付かないが、生態や思想はまるで異なり、両者が理解し合う事は決してない。


レゴブロックで組み立てられた「ホワイトハウス」のミニチュアのヴィジョンを持つスタンド。
このスタンド・ヴィジョン自体は、それ単独で動く事が出来ない。まったく無力のスタンドである。だが、無力であるがゆえに、逆にこのヴィジョンがダメージを受ける事もまた無い。


ミニチュアハウスのヴィジョンの他に、後述する能力に襲われた者にだけ見える異形の人型ヴィジョンも存在する。
これは単なる「イメージ像」に過ぎず、このヴィジョンが直接、攻撃をしたり受けたりする事は決して無い。イメージでしかないため、同時に複数出現する事もあり得る。


「イメージ像」の下半身は赤ん坊や老人が使う歩行器のような形状になっており、4対の車輪が付いている。
頭部は『グーグー・ドールズ』『ヘイ・ヤー』にも似た円柱状で、数本の突起が生えている。また、額には「OZON BABY」と名が書かれているが、「オゾン」の正確なスペルは「OZONE」である。プアー・トムがスペルの認識を誤っているだけなのか、何かしらの意味があるのかは不明。




<能力>
「気圧」を変化させる能力



この能力は、「自動操縦」「直接操作」、2つのモード(操作法)を使い分ける事が可能である。
ただし、どちらのモードでも、能力射程は半径100mの範囲となっている。


「自動操縦モード」で発動する場合は、まず、『オゾン・ベイビー』を土の中に埋める必要がある。恐らく、「岩人間」であるがゆえに土との親和性が高いからであろう。スタンドを本体のコントロールから切り離しても、それなりに高い水準でパワーを安定させる事が出来るのだ。
埋められた『オゾン・ベイビー』は、この能力の中心となる。そして、本体:プアー・トムの任意のタイミングか、あらかじめ決めていた条件が満たされたタイミングで、能力は発動する。作中においては……、ターゲットに定めていた人物が全員、能力射程内に踏み込み、屋内(厳密にはで後述する「結界」内)に入ったタイミングで発動するよう、プアー・トムがセットしていたものと推測される。
なお、『オゾン・ベイビー』を土中に埋めるのは、必ずしも本体:プアー・トムでなくても良い。赤の他人が埋めても、同様に効果を発揮する。誰かを利用して埋めさせれば、プアー・トム自身は遠くの場所でのんびりくつろぎながら、敵を一掃する事が可能なのだ。しかし、『オゾン・ベイビー』を掘り返されると、能力は強制解除されると思われる。


スタンド・ヴィジョンが本体から離れて行動可能な範囲である「射程距離」、スタンド能力の効果が維持可能な範囲である「能力射程」。これらは本体の心身のコンディションによって僅かな増減をする事はあっても、劇的な変化が起こる事は極めて稀であり、おおよその範囲は定まっている。また、これらの射程内において……、スタンドは通常、本体やヴィジョンをスタンドパワーの「中心」とし、その「中心」から離れれば離れるほど発揮できるスタンドパワーが弱まっていく。ただし、この基本的ルールを逸脱する事が出来るスタンドも存在する。それは、自らの「結界」を持つスタンドである。
「結界」とは、特定の条件を満たした状況・環境を意味し、その条件はスタンドによって異なる。多くの場合、本体とは別のもう1つのエネルギー源とするか、空間そのものを自らの能力で汚染・支配する事が必要である。どうあれ、「結界」内に入る事が出来たスタンドは、本来の「射程距離」「能力射程」を超えてスタンドパワーを持続する事が可能となるのだ。
『オゾン・ベイビー』も自らの「結界」を持つスタンドであり、その「結界」とは「閉鎖」された空間である。「密閉」された空気、と言い換えても良い。このスタンドは、壁・天井・窓・扉・膜などで四方を囲まれた閉鎖空間(=「結界」)内の「気圧」を高める能力を持つ。「結界」内の空気が、徐々に「加圧」されていくのだ。閉ざされた部屋のほんの一部分でも能力射程内に入ってさえいれば、その部屋の広さも無関係で、部屋全体が「結界」として機能する。


「加圧」は、「結界」が破られるまで延々と続く。訓練された人間でも21気圧が限界だが、ほんの数分程度でその「気圧」にまで到達してしまうだろう。
「加圧」される空間では、体内と体外の気圧差によってスクイーズが発生し、耳鳴りや頭痛、鼻などからの出血が起こる。


「結界」が破られると「加圧」は止まり、元の1気圧へとだんだんと「減圧」していく。「加圧」がストップして1気圧に戻るまでの時間は一定らしく、それゆえ、「加圧」されていればいるほど「減圧」のスピードも速くなるようだ。「減圧」される空間では、その気圧差により「減圧症」に罹ってしまう。身体血管内の空気が気泡となり、膨張し、血管を詰まらせてしまう危険がある。
また、これら「加圧」「減圧」といった「気圧」の変化は、「結界」があるからこそ、その内側でのみ生じる現象である。つまり、外の「気圧」は1気圧のまま、まったく変動しないのだ。そのため、「加圧」に気付いて慌てて「結界」の外に飛び出そうものなら、一瞬のうちに「1気圧」に晒されてしまう。このあまりに急激な気圧差に人体は耐え切れず、大きなダメージも免れないだろう。作中の描写では、目・鼻・口・耳から血が吹き出し、激しい頭痛に襲われ、まともに立ったり歩いたりする事すら出来なくなっていた。ただし、高濃度の酸素を吸入する事が出来れば、それらの症状はいくらか緩和していく。


「結界」の僅かな隙間から肉体の一部分を外に露出しても、「減圧」は起こらない。ドアや窓を開けるなりして「結界」が明確に破られれば「減圧」が起き、ちゃんと全身が「結界」(だった領域)の外に出たら「1気圧」に放り出される事となる。(無論、開けたドアや窓を閉じれば、その閉鎖空間は再び「結界」となり、「加圧」が再開される。)
そういう意味では判定が若干甘くも見えるが……、反面、「結界」から出した肉体の一部分(例えば腕)が別の「結界」に覆われてしまうと、その者は「結界」2つ分のダメージに同時に襲われてしまう。部屋のような広大な空間でなくても、袋や箱のような小さな物に包まれるだけで「結界」は作られるため、周囲の細かな動きにも警戒する必要があるだろう。もっとも、全身が1つの「結界」内に入ってさえいれば、そこでさらに別の「結界」に入ったとしても(地下室内でさらに「しゃぼん玉」に覆われる等)、「結界」1つ分の「加圧」しか起こらない。


「直接操作モード」で発動する場合は、プアー・トムの意志1つで自由に発動できる。基本的な能力効果は「自動操縦モード」と大差ない。しかしこの時、能力の中心は『オゾン・ベイビー』ではなく、プアー・トム本体となる。能力射程内における「加圧」の強さは、「自動操縦モード」ではどこでも一定なのだが、「直接操作モード」ではプアー・トムに近付けば近付くほどより強まっていく。
さらに、プアー・トムが直接触れたモノに対しては、一気に「加圧」を強める事が出来る。この「加圧」は、21気圧などという生半可なものではなく、体のあちこちがめり込んで潰れていくほど強烈で甚大なレベルに達している。即ち、『オゾン・ベイビー』の能力は、「直接操作モード」でこそフルパワーを発揮できるのだ。


「自動操縦」から「直接操作」への、「直接操作」から「自動操縦」への、モードの引き継ぎが可能である。土中に埋めた『オゾン・ベイビー』をプアー・トム自身が掘り返せば、あるいは逆に、プアー・トム自身が『オゾン・ベイビー』を埋めれば……、その時点までの能力効果を保ったまま、速やかに別モードに切り替える事が出来るのだ。つまり、モードを切り替える際に、いちいち解除・再発動する必要がないという事だ。
ちなみに、『オゾン・ベイビー』の位置は、(当然ではあるが)本体:プアー・トムが常に感じ取れているため、見失ったりする心配は不要である。


能力を解除すると、あるいは、プアー・トムが100mよりも離れて完全に能力射程外になると、その場の「結界」内の「気圧」は元に戻っていく。そのスピードは、人体の健康にほとんど悪影響を及ぼさない、ゆっくりとしたペースである。
生命に直結する恐ろしい能力ではあるが、ただひたすら敵を攻撃し殺戮するのではなく、生かして逃がしてやるだけの余裕や良識も併せ持った能力とも言えるかもしれない。




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