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ウェカピポ オレと組むのかッ!!?
どうするか 早く決めろッ!


#43 大統領が来る!





トビラ絵は堂々たるポージングを決めたディエゴ。麗しきお姿です。「全てを手にするのはこのDioだ。大統領?あんなのメじゃあないね!」とでも言わんばかりの、自信と野心に満ちた表情がカッコ良すぎですね。


●警備兵に変装し、庁舎内に侵入。大統領に接近するディエゴ。大統領はそんなディエゴの姿を横目でチラリ。緊張が走ります。そんな張り詰めた静寂を破ったのは、身重のルーシーがストレッチャーで運ばれる音でした。分娩室にでも運ぶんでしょうか?思わぬルーシーの状況に驚くディエゴに、他の警備兵達が声を掛けると、すでに大統領の姿は消えていました。どうやらジャイロ・ジョニィ・ディエゴの3人は大統領暗殺を目論んでいると見なされ、射殺許可まで出された様子。こんな大っぴらに指名手配されちゃって、レースの方は大丈夫?
ディエゴは匂いで、大統領がたった1人で外へ出た事を察知!ルーシーの正体もバレた。「遺体」も「左眼球」以外の全てが揃った。一体、何があったのか?大統領は何のために1人で外へ出たのか?……思案するディエゴ。すぐにでも大統領を暗殺しなくては、何か重大な事で先を越されるイヤな予感。得意の早着替えを済ませ、愛馬の元に戻ると、彼はすぐさま走り出しました。目指すはウェカピポ!未知の能力を持つ大統領に迂闊に攻撃するのは危険であるため、自分を尾行しているウェカピポを利用して、大統領の能力をまずは見定めようという魂胆です。強かなヤツ!
ところで、変装がバレちゃった時、警備兵達をまた恐竜化してましたけど、今回はスゴイですね……。まるで龍のデザインのランプのように変形させちゃってますよ。『スケアリー・モンスター』の能力はあくまで恐竜化ですから、本当にランプに変えたワケではないでしょう。保護色擬態の組み合わせ技であろうと思われますが、しばらく見ないうちにディエゴも随分と生長したもんです。この鮮やかな手口、見事です。いたずらに命を奪わない点も、DIOとは違う人間性が垣間見えますね。殺すと騒ぎがデカくなるから、ってだけかもしんないけど。


●町を駆けるディエゴ。自分の馬の手綱を結んでいるディスコさんとすれ違ってました。すでに倒されてるのに毎回出演のディスコ、さりげにおいしいキャラです。つーか、ジョニィが言っていたディエゴを追跡している者って、もしやディスコだったりするんでしょうか?ジョニィが目撃した謎の馬もディスコの馬?気になるぜ……。
そんなディスコさんの事など知る由もないディエゴは、大統領が潜む地点を匂いで感知。追跡するウェカピポをおびき寄せ、愛馬と仲良く恐竜になって屋根まで瞬時にジャンプ!ハチ合わせとなる2人の様子を高みの見物です。しかし、大統領がいるはずのポイントを見下ろすと……、そこにいたのはウェカピポ。不思議に思ったその時、ウェカピポはなんとディエゴに発砲してきたのです!かろうじて銃撃を交わし、そのまま飛び降りると、ウェカピポに攻撃を仕掛けるディエゴ!ところが、衛星弾のせいで左半身失調に!ウェカピポが落とした銃をどうにか拾い上げ、すかさず発砲!
弾丸は4発、ウェカピポに命中しました。……が、角から歩いて姿を現したのは、またもやウェカピポ?そうです。大方の予想通り、弾丸が命中していたのはジョニィだったのです。それを目撃したのは、例の証言通り3人の少年でした。慌てて姿を隠すディエゴ。先程の庁舎内で、ディエゴの変装はやはり見破られており、逆に大統領に誘い込まれていたのです。とは言え、転んでもただでは起きないのがディエゴ・ブランドー。大統領の能力の正体を、おぼろげながらも掴みかけているじゃありませんか。
そして、ディエゴは背後からウェカピポに声を掛けます。――これで時計の針は再び8分後の「今」を指し示す事になりました。ジャイロ&ジョニィ、ウェカピポ、ディエゴ……、この3つの視点から描かれた8分間。ある程度は「点」が「線」に繋がったものの、決定的な矛盾が、不可解な事柄があるのも事実。それこそが大統領の能力を解くカギです。


●ジョニィを撃った犯人は大統領。それは確実のようです。しかし、ディエゴの持つ「左眼球」を奪うため、敵対する者を皆殺しにして決着を付けるため、大統領が近付いて来る!必要なのはヤツの能力の正体!ウェカピポが何を見たのか聞き出し、2人で戦わねばヤバイ!ウェカピポももはや、中立だの大統領とは戦わないだの言ってる場合じゃありません。殺らなきゃ殺られる!
危険が迫るこの場から愛馬を放し、手下恐竜達を使って大統領の居場所を探ります。ところが、大統領の姿は見えないにも関わらず、恐竜達は次々と殺されていく!糸を繋げた恐竜も捕えられ、引っ張られ、正確な位置が分からない!この切羽詰った状況、ウェカピポはディエゴと手を組むのか?
不意に、上方から恐竜の死骸が降ってきました。大統領のスタンドが殺ったのです。大統領はすでに上へ移動していたのです。ディエゴが見上げると、そこには……舞い降りてくる大統領とスタンド!このシーンが今回の最大の見所かもしれません。カッコイイにも程がありますよ、大統領。人型スタンドがバリバリ攻撃してくるなんて「SBR」では無かった事なので、特に目を奪われてしまいます。ラスボスの風格たっぷり!
大統領のスタンドの拳がディエゴを貫く直前、ウェカピポは鉄球を放っていました。ここまで追い詰められて、やっと大統領と戦う覚悟が出来たようです。いつの間にか「ヤツ」呼ばわりしてるし。大統領に恩義はあるが、生きて祖国に帰る事の方がもっと大切なのです。ウェカピポと大統領の会話も見てみたい。かくして、ディエゴ+ウェカピポの急造最強コンビ爆誕ッ!これは燃える展開ですね。ウェカピポ的にもディエゴは、利害さえ一致すればマジェントよりよっぽど頼もしいパートナーでしょう。


●大統領が出て来たのは良いのですが、なんとウェカピポの鉄球がまるで効いていません。と言うより、命中したはずの顔面にズブズブめり込んでいき、ポッカリ穴が開いて、グニュウンと後頭部へ貫通しちゃいましたよ。なんじゃ、こりゃ?大統領の正体はブラックホール?(by.キン肉マン)
前回の追記で書いた能力予想をそのまま継続するなら、あの大統領も「過去のヴィジョン」だったってトコでしょうか。大体、恐竜を殺して上からバラ撒く行為自体、ちょっと不可解。自分の位置を教えているようなものですからね。あれは上方へ注意を引き付けるためのオトリなのでは?本物の大統領は別の方向に潜んでいて、ディエゴ達が「過去の大統領」の相手をしている隙を狙うつもりなのかも。
上記の予想は「複数の時間軸が重なり合っている」というものですが、では、3者の視点で描かれた出来事が「まったく同一の時間軸」であったならばどう考えるべきなのか?私の少なめの脳ミソでは、やっぱパラレル・ワールド説くらいしか思い浮かびません。
大統領が能力を発動させると、この世界の他に、微妙に運命がズレた「もう1つの世界」が現れます。この「別世界」は、能力の影響下にある者の数だけ存在し、自分だけが「自分の別世界」を感じる事が出来ます。この世界と、個人個人の「別世界」、2つの世界に同時に存在している状態なのです。「ウェカピポの世界」ではウェカピポがジョニィを撃ち、「ディエゴの世界」ではディエゴがジョニィを撃ち、それぞれの役割がこの世界とは異なっています。そのせいで、この世界が不可解と混乱に満ちてしまっているのです。そして、大統領だけが全ての「別世界」を自在に行き来できる、と。鉄球を貫通させた大統領も、パラレル・ワールドにいる大統領です。そこにいるけどいないいないけどいる。そういう奇妙な存在になっているのでしょう。
……自分でもよく分かんないけど、こんな感じの予想もしてみました。


★今月も47ページ!これで17巻分のページ数もたまりましたね。17巻は恐らく来年1月(遅くて2月?)の発売かと思います。早く読みたいです。
それにしても、今回も面白かった!ディエゴは本当にいいキャラですね。DIOのように完全悪でもなければ、圧倒的な強さを誇っているワケでもない。限られた能力を駆使し、策謀を巡らせ、野心に燃える1人の人間に過ぎません。時には敵に出し抜かれ、時には焦って冷や汗かきまくり。でも、だからこそ人間臭くて、なんか好感さえ抱いてしまいますよ。DIOみたいに調子こいたり遊んだりせず、常にクールでクレバーな所もまたカッコイイ。ディエゴが動いているだけでワクワクさせられます。
さて、ディエゴとウェカピポの共闘は、大統領をどこまで追い詰めていくのでしょうか?大統領の能力とスタンド名は、次号でこそ明かされるのでしょうか?そして、瀕死のジョニィの運命は?1人取り残されたジャイロは?……気になる事だらけの最終決戦!



(追記)
●またまた恒例の大統領の能力予想。今度は、前述のパラレル・ワールド説をもうちょっと煮詰めてみます。
より正確に言うなら、世界を枝分かれさせる能力。これまでの「ジョジョ」シリーズを読んできた方なら御存知の通り、荒木ワールドにおいて、「運命」というものはすでに決定されており、「過程」はどうあれ「結果」は変える事が出来ません。しかし、逆に言えば、「過程」は変える事が出来るはず。大統領のスタンドは、この「過程」が変化した「別世界」を発生させるのです。そしてその「別世界」は、「本来の世界」で起こる「結果」へと、リアルタイムで引っ張られていきます。
作中では、大統領は世界を3つに枝分かれさせました。自分のいる「本来の世界」と、2つの「別世界」に。大統領自身がジョニィを銃撃しようとすると、2つの「別世界」にもそれに似た流れが生じます。もちろん、「別世界」に存在するパラレル大統領も、その流れを作ろうとしてきます。そうして、その流れに乗せられたウェカピポとディエゴが、ジョニィを撃つ役を演じさせられる事となりました。「本来の世界」で大統領がジョニィを銃撃した時点で、「結果」は確定。2つの「別世界」にも、その「結果」が反映されます。たとえディエゴが撃ったのがパラレルウェカピポだったとしても、「過程」を無視して、ジョニィが撃たれた事に変えられてしまいます。だからこそ、必ずジョニィが誰かに撃たれてしまうのです。
なお、枝分かれした3つの世界は、1つに重なり合って同時に存在しています。能力発動時、この世の人々は、そのどれか1つの世界に属する事となります。(属していない残り2つの世界にも、その人物のパラレルな存在がいます。)大統領や絵描きのじいさんは「本来の世界」に、ウェカピポと双子の女の子、ディエゴと3人の少年達は、それぞれ同じ「別世界」に属していたってワケですね。誰がどの世界に属するかは、大統領の任意で決定できるし、それ以外はランダムかと思われます。能力が解除されると、パラレル・ワールドは消滅し、世界は1つに収束。全員が「本来の世界」に帰って来ます。しかし当然、属していた世界での出来事しか知る由もありません。目撃証言のズレはこのため。
「影」がパラレル・ワールドへの出入口になっており、大統領は「影」に潜って「別世界」へ行き来する事も可能です。逆に、「別世界」のものを引っ張り出す事も出来ます。ディスコと一緒に登場したのは、その「別世界」から呼び出したパラレル大統領。ジョニィ達の注意を引き付けておいて、本物はすでにジョニィの背後に迫っていたのです。今回、ディエゴ達の前に現れたのもパラレル大統領。自分の属していない世界では気配も存在も希薄になっており、「いるけどいない、いないけどいる」という状態。だから、鉄球などの物理的な攻撃も通用しないし、こちらからも出来ません。大統領からすれば、いくら自信があるとは言え、触れただけでも恐竜にされかねない強敵:ディエゴに接近するのは避けたいはず。距離を保ちつつ、背後から銃で始末するのがベスト。そのために、パラレル大統領がオトリになっているのです。ジョニィを撃った時と同じ戦法ですね。
……以上が、ここ最近の不可解の正体。以下は、ルーシーに欲情した時の考察です。
ルーシーのブーツの件は、「影」からパラレルルーシーの脚だけを呼び出し、自分の逃げた方向へと走らせたんでしょう。首を刺された傷が無くなった件については、刺された瀕死の自分とパラレルな無傷の自分を入れ替えました。「結果」は変えられないのなら、自分が傷を負った事実も変わらないはず。しかし、利己的な性格を反映してか、この能力は大統領本人だけは例外的に扱われる部分があるのでしょう。自身に関してのみ、「結果」を覆したパラレル・ワールドをも発生させる事が出来るのです。無傷な自分のいる「別世界」を創り、肉体を入れ替えちゃったのです。つまり、自分の負傷だけは無かった事に出来るってワケですね。ある意味、大統領は「運命」を超えた存在!まあ、この辺はちょいと強引な解釈になりましたが……。


●あるいは、もっともっと強引に反則的に考え、「影」を支配する能力なんてどうでしょか?
「影」に潜る事も、「影」から「影」へと瞬間移動する事も出来る。それだけでなく、「影」の世界という事で、パラレル・ワールドも創れる。「未来」や「今」という時間の「影」、即ち「過去」も操れる。幻影も生み出せる。……とか、「拡大解釈にも程があらぁ!」って勢いの、もはや何でもアリの能力(笑)。
つーか、多くのファン達が色々と考えて、結局、時間も空間もまったく関係ない能力だったりしたらスゲーなあと思います。ホント、早く能力の正体を知りたい!ここまでラスボス級のスタンド能力の謎で引っ張るのは『ザ・ワールド』以来でしょうから、こうやってあれこれ予想で盛り上がれるのも楽しいもんですよね。




(2008年11月18日)
(2008年11月22日:追記)




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