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来い!! ジョニィ・ジョースターッ
結着は 止まる時よりも 『早く』着くだろうッ!


#68 新たな世界C





●トビラ絵は、スロー・ダンサーの上に座るジョニィ。傷だらけでも穏やかな表情を浮かべる彼の姿は、まさしく「男」そのものです。確固たる自信と誇りと勇気を秘めた、「男」の顔付きです。最高にカッコイイ。車椅子に乗って周囲に文句ばっかタレてたかつての彼を思い返すと、実に感慨深いですよ。よくぞここまで生長したなあ。
そして、そんなジョニィの生長譚もいよいよフィナーレ近しッ!「SBR」最終回まで残り3回ッ!とうとうこの時がやって来ました。2004年からスタートし、足掛け7年も連載し続けてきたこの物語も、とうとう大団円へのカウントダウン開始です。果たして、この物語がどんな終着点に辿り着くのか!最後の最後まで見届けたいと思います。


●『ACT4』によって道路を空間ごとこじ開け、下水へと逃げ込むジョニィ!でも、思ってたより水の量少ないな。ガソリンくらって全身火だるまだった割に、意外とあっさり消えちゃった。とりあえず危機を脱したジョニィは、そのまま下水管の中を走行。すると、上方の地面よりディエゴの馬の足音が響いてきます。地上のディエゴも、ジョニィの姿が消えた事に気付きました。ジョニィは地下からディエゴを撃ち抜く気らしく、狙撃のタイミングを計っている様子。
レースの先頭グループは、ブルックリン橋へ!この橋を渡り終えれば、コースは市庁舎前を左折。直線のブロードウェイを南に突き抜けた先はウォール街。そこに、最後のゴール地点「トリニティ教会」があるのです。泣いても笑っても、残るはあと3km!
この土壇場でなんと、スループ・ジョン・Bの姿も描かれております。ヘンテコな帽子に、グラサンっぽいゴーグルに、アバッキオみたいな唇。怪しさ全開のビジュアルです。ノリスケさんの顔も久々に見た気がするけど、随分と印象が変わったな。スゴい渋いです。スティールのもっと老けたバージョンみたいな?季節も冬なので、帽子を被ってますね。ポコロコは相変わらず。でも、最初は全レースを通しての名ライバルキャラになりそうだったのに、今となってはすっかりモブになっちゃって……。残り3回じゃあ、大した活躍も期待できなそうですねえ。現在のトップ3が彼らですが、結局はジョニィとディエゴのバトルの背景という現実。


●先頭グループに追い付くディエゴ。ジョージー・ポージーネリビルも後に続きます。ところが、5番手を走っていたはずのジョニィの姿が見えない。実況さんも不思議に思っています。……と、ここでやっとディエゴが気付きました。ジョニィが地下を走り、そこから自分を狙っている事に!これでは、時を止めるタイミングが分からない!てっきり、それすらもディエゴの計算だと思ってたんですが、どうやら素で予想外だったようです。じゃあ、ディエゴの「計画」とは一体?
ディエゴの足音を見事に捉え、地下のジョニィは『ACT4』爪弾を発射!ところが、地上のディエゴは驚くべき奇策に出ました。わざわざ馬を止め、自分に駆け寄ってくる女性ファン達に囲まれて、彼女達を抱きかかえたのです!傍から見れば、意味不明のパフォーマンス。勝負よりもマスコミへの話題優先か、はたまた勝利を確信した余裕かと誤解されちゃってますが、当のディエゴは焦りまくりの必死な表情です。これぞ対『ACT4』の防御策。
時を止めても、『ACT4』は構わず殴りかかってきます。どうやら『ACT4』自体に視覚はない(少なくとも、ジョニィの視覚とリンクはしていない)ようで、群がる女の子達にも気付かぬまま。『ACT4』の拳に触れたのはディエゴではなく、2人の女の子達だったのです。その瞬間、彼女達の肉体は破裂!絶好調の『ACT4』は、触れた者の肉体を保っていた「重力」を打ち消し、バラバラに崩壊させてしまった模様。散らばる肉片もスライス回転しながら、どこかの異次元まで消え去ってしまったようです。これはまさに、21巻冒頭の説明を実現させちゃった形。エグいなあ。主人公の能力なのに恐ろしすぎる……。
「オレの罪じゃあないからな」「殺ったのはおまえだ」「こんなに可愛い女の子達がもったいない」……などと、ディエゴはぬけぬけと言ってくれちゃってます。自分が彼女達を肉のシールドにしてたクセに。ただ、こういう発言が出て来る事自体、ディエゴがまだ人間である事を示している気がします。心のどこかで罪を感じそうだからこその言葉なのではないか、と。DIOなら犠牲者の事なんて、そもそも気にも止めないでしょうから。しっかし、無関係の彼女達がかわいそうで後味悪いな〜。時が止まっていた上、一瞬の、しかも理解不能な出来事であったため、誰も何が起こったのか分かってないし。つーか、ジョニィ自身も分かってない。哀れな女の子達の犠牲もスルーし、何事もなかったかのように走り続ける2人。せめて我々読者だけでも、彼女達の死を悼んであげましょう。


●遠距離からの狙撃ではディエゴを倒せないと判断したジョニィ。地下からコース上に戻り、やっぱしギリギリまで接近してディエゴを撃つ作戦に変更。橋を渡り終えてしまえば、また沿道に観客が増える。その前に、橋の上にいる今のうちに、ディエゴを撃たなければッ!
ジョニィは猛スピードで追い上げる!ディエゴも負けじと加速!とうとう先頭グループをも抜き、彼らがトップ2に躍り出た!しかし、誰が見ても、この地点での加速MAXは異常です。自殺行為としか思えぬ他の騎手達は、この2人の誘いには決して乗りません。それもそのはず。ジョニィもディエゴも、レースをしているワケではないのだから。彼らのしている行為は戦いであり、殺し合いなのです。スポーツの常識や定石などでは計り切れぬのも当然でしょう。
そして2人は、1ページずつ思考を巡らせます。この2ページ、絵も内容もなんか対照的。1部での「搾り取ってやる!きさまの生命を!」「清めてやるッ!その穢れたる野望!」のシーンを思い出しました。ジョニィは『ザ・ワールド』の射程や限界停止時間を予想。ディエゴは、ジョニィの予想すらも予想し、なおも計画通りに進行していると断言。ジョニィを串刺しにしてやるつもりらしい。それにしても、やたらとしつこい「ジョニィ ⇒」とか「Dio ⇒」とかって何だったんだ?(笑) いやいや、もう分かってっから!
迫り来るジョニィと、迎え撃つディエゴ!ジョニィの爪弾が発射され、次の瞬間、時は止まる!いよいよディエゴが動き出しました。2人の結着は、再び時が動き始めるより早く着いてしまうのかッ!?


★今月も33ページ!面白かったし燃えたし、とにかくスピード感がたまりません。でも正直、残念なページ数。あと2話しかないのに、うまく全てにケリは付けられるのでしょうか?ディエゴとのバトルの決着と、レースの決着の他にも、「遺体」の全貌や地下シェルターの描写、ジャイロの遺体の行方、各キャラクター達の顛末……などなど、色々と解決すべき要素は残されています。まあ、エピローグ的にちょろっと説明するだけで事足りそうな気もしますが、個人的には全てが終わった後のジョニィを丁寧に描いてほしいなと思ってます。そういう意味で、ディエゴとのバトルは次号のうちに終決してもらいたいところです。
あと、コミックスもどうする予定なのか疑問ですね。最終回まで30ページそこらで、極厚の23巻完結?あり得そうなのは、前回までが23巻収録分で、24巻は今月分+50ページ程のラスト2話+「六壁坂」とかかな?23巻と24巻は、お懐かしの同時発売だったりするのかも。どうなるにせよ、「SBR」は4月でついにフィナーレですッ!
作者コメントは「NYへ行って来ました。死ぬかって寒さで「ジョニィ」は偉いなと思いました。」との事。取材のおかげで、ニューヨークの街もリアリティを持って描かれていますね。この取材旅行は減ページの理由の1つでもあるんでしょうし、その分、ラストはやはり大増ページを期待しちゃいます。
次号は未公開イラスト使用のステッカーが付録です。ラストに向け、怒涛の付録ラッシュ。未公開イラストはめっさ嬉しいので、早く見たいっスなあ。



(追記)
「SBR」も残り2話という状況なので、せっかくだから予想でもして楽しみたいと思います。


●まずは、ディエゴの「計画」について。ディエゴ曰く、この「計画」を完遂するためには「それ相応の犠牲対価を払わなくてはならない」との事。そして、ディエゴの狙いは串刺し。やっぱ『ザ・ワールド』ですから、串刺し=土手っ腹ブチ抜きパンチと解釈したいところ。しかし、そこまで『ACT4』に近付くのは、あまりにデンジャラスすぎる。では一体、どうすれば良いのか?……答えはシンプルです。
止まった時の中で、ディエゴはジョニィに接近!ジョニィは停止時間中に動く事など不可能ですが、『ACT4』だけは例外。主の危機を救うべく、ディエゴに襲い掛かります。激しいオラ無駄合戦が繰り広げられ、わずかに上回った『ACT4』の拳がディエゴの腕に炸裂ッ!ところが、ニヤリと不敵に笑うディエゴ。隙を突いて、ジョニィに土手っ腹ブチ抜きパンチ!なんとディエゴは、自らの腕を切断し、その腕を囮&シールドとして利用したのです。ある意味、『ゴールド・E』の能力を防いだブチャラティみたいな。
そんな直球の真っ向勝負を予想しときます。んでも、ジョニィは爪弾の「弾痕」を利用し、腹の穴をディエゴへと移動。ディエゴを逆に追い詰めちゃう、とか?


●ジョニィはディエゴを殺さない、と予想。辛くもディエゴを追い詰めたジョニィは、いよいよとどめを刺す気満々に。漆黒の殺意がみなぎります。しかし、とどめの一撃を放つ直前、ふとジョニィの脳裏によぎる記憶。フィラデルフィアでの、ジャイロとの約束「ディエゴを殺さない」という約束。あの時のジョニィは、そんな約束など守るつもりもなさそうでしたが、今は違います。ディエゴへの殺意より、ジャイロへの義理の方が大切なのです。
発射された爪弾はディエゴではなく、なんと「遺体」を貫く!『ACT4』により、「遺体」は粉々に崩壊し、あらゆる次元へと飛び散ってしまいます。これがジョニィの、「遺体」への決着。「遺体」には奇跡の力が宿っているが、同時に「遺体」は争いと死をも招く。「遺体」を理解している唯一の人間だからこそ、ジョニィはあえて「遺体」を永久に手放す決断をするのです。すると、この行動が予期せぬ結果を生む事に。「遺体」があらゆる次元へと飛び散ったために、「基本の世界」という概念自体が無くなってしまったのです。それぞれの世界が「基本の世界」への従属から解き放たれ、唯一無二の独立した世界となります。実は「遺体」の真の目的こそが、これだったのです。
時はとっくに動いており、2人は観客達の目も気にせず、死闘を演じていました。そのため、両者ともレースは失格。それでも「遺体」を手に入れる事を最優先にしていたのに、その「遺体」も消滅。もはや何も残っていません。ディエゴはジョニィへの復讐と殺意に駆られるものの、もはや『ACT4』には勝てない。するとジョニィは、ディエゴを肉スプレーで治療し、2人だけのレースを要求してきます。「おまえが来た世界ではどうだったか知らないが、少なくともぼくは、レースでおまえに勝てた試しがなかった。おまえを殺す気はもうない。「SBR」レースも「遺体」もスタンドもいらない。……決着を付けよう、Dio。」と。そして、ジョニィとディエゴの2人は、勝とうが負けようが、得る物も失う物も何もないレースを走り出します。ただ、お互いのプライドとメンツを賭けて。


●数年後の後日談予想も。「SBR」レースはポコロコが優勝。ラッキーでハッピーな人生を楽しんでいます。2位はノリスケさん。その健闘を称えられ、仙台藩の英雄となりました。3位は、まさかのスループ・ジョン・B。まあ、それなりの賞金と賞賛を得ました。レースの大成功を機に、スティールは世界中の人々の支持を受けるようになり、やがてアメリカの大統領に就任。「ルーシーの死」は報道を制限していた事もあり、生きた彼女の存在を気に留める人も特にいなかった様子。
――そして、ジョニィは。見事に競馬界に復帰!ディエゴとはお互いに嫌い合いながらも、なんだかんだで良きライバルとなっています。なんと、奇跡的に生存していたホット・パンツとも婚約中。父親との関係も、ぎこちない時もあるけど良好。「SBR」レース終了後、ジョニィがいくら捜しても、ジャイロの遺体は見付けられぬまま。しかしジョニィは、ネアポリス王国へと渡り、ジャイロの生き様を家族に伝えていました。グレゴリオ父上は息子の遺志を汲み取り、生涯でただ一度だけ「感傷」で行動します。そして父上は、ツェペリ一族だからこそ見付けられるような、マルコ少年の無実の証拠を発見し、ついに彼を救ったのでした。
幸せな世界。でも、ジャイロがいない世界。ジョニィは、自分とジャイロが今もフザケ合って笑っている世界が存在している事を祈ります。無限に存在する次元の、どこかの世界に、きっとそんな自分達がいてくれるはず。そう信じます。そして今日も、いつものようにレースが始まろうとしていました。すると、いつだったかと同じように、不意に視界の隅に白いネズミが横切ります。その方向に目を向けると、そこには信じられない光景が……。なんと、大勢の観客達の中に、ジャイロがいるじゃありませんか。ジョニィを見て、「ニョホ」っと笑い掛けてくれているじゃありませんか。何が起こっているのか理解できないジョニィ。ただ1つ確かな事は、ジャイロが今、生きているという事!それは、自分の願いを叶えてくれたジョニィへの「遺体」からの贈り物だったのです。そして、レースはスタート!嬉し涙を流しながら、ジョニィは走り出す!



この『物語』は ぼくが歩き出す物語だ
肉体が……という意味ではなく 青春から大人という意味で……
ぼくの名前は『ジョニィ・ジョースター』
最初から最後まで本当に謎が多い男「ジャイロ・ツェペリ」と出会ったことで……



STEEL BALL RUN




……といった予想でした。ぜひともハッピー・エンドで清々しい感動を味わいたいッ!




(2011年2月19日)
(2011年2月22日:追記)




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