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〜 荒木飛呂彦先生の原画鑑賞ツアー 〜





そのC


<2009年 3月21日(土)>の続き
実にブラボーな荒木先生の原画を堪能し、7体の残像群を生み出せるほどにテンションが上がった後は、他の作品の鑑賞へ。せっかく世界に名高いルーヴル美術館まで来たんです。いろいろ観て回らなきゃね!「ジョジョ」と縁深い作品もありますしね。
そして、あまりにも広大な館内を、パンフの地図を見ながら歩き続けていくと……


ドジャァアァーン!!


荒木先生の自画像
モナリザ


ミロのヴィーナス


瀕死の奴隷



出たァァ――ッ!これで私も、DIOの言う「モナリザとミロのビーナスに引きつけられ この2つは必ず観て帰っていく」人になれました!!「モナリザ」のなめらかな手には… なんていうか…… その… 下品なんですが… フフ…… 勃起………せざるを得ませんね。『眠れる奴隷』を解き放つこともできました。
天使のお迎えが来た気さえしましたが、それを無視して、さらに館内探索。美術や歴史に詳しい人ならもっと深く味わえるんでしょうが、学の無い私から見ても、美の遺産があるわあるわ。教科書やTVでしか見た事がないような作品が今、数百年・数千年の時を経て、自分の目の前にあるなんて……。精巧かつ美麗な作品を目にし、「器用な人がいっぱいいたんだな〜」なんてマヌケな感想を抱いてしまいました。と同時に、こんなに多くの美術品が、年齢も性別も人種も超えて、こんなに多くの人達の心を動かしている事に感動を覚えます。「美」の表現と追求が人間だけの特権なのだとしたら、それを通じて人は1つになれるんじゃあないか。そんな平和な気持ちにもなりました。
じっくりと作品を眺める人々、彫刻のデッサンを描く人、ルーベンスの絵を模写する男性……。皆が思い思いに美術・芸術を楽しんでいて、これこそが美術館のあり方なんだなと納得。「本物」に触れられる貴重な場ですからね。良い経験になりましたよ〜。



サモトラケのニケ


ハンムラビ法典

エジプトの棺

ナポレオン3世の居室

あんた誰?



美術館を出る前に、もう一度、荒木先生の絵を観に行きました。すると、ちょうど日本人の若者数人がやって来て、荒木先生について話しているのが聞こえました。ちょっと話し掛けてみると、やはり彼らも荒木ファンらしい!自分以外にも引力に引き寄せられたジョジョヲタはいたんだ、と嬉しくなりました。


ランチは美術館内のカフェで済ませていましたが、もう昼3時近く。館内で軽くおやつを食べ、それから外に出ました。美術館の真ん前には公園が広がっていて、市民の憩いの場となっています。雲1つない晴天の下、緑の芝生に寝転がりながら談笑する人々。オープンテラスのカフェも満員。う〜ん、いいね!パリって、いいね!人生を楽しんでて、いいね!
私も芝生に座り込んで、休憩がてら今後の予定を考えました。そんで、凱旋門に向かう事に決定!
かつてルイ16世とマリー・アントワネットがギロチン処刑されたというコンコルド広場を抜け、かの有名なシャンゼリゼ大通りを歩きます。シャンゼリゼ大通りはすんごい人波。歩くのも一苦労。交通手段は他にもあるんですが、カネも掛かるし、ようわからんので不安。旅の基本は歩く事と自分に言い聞かせ、疲れた足を引きずって歩きまくりました。そして、ようやく凱旋門へ到着!堂々とそびえ立っています。



チュイルリー公園



コンコルド広場
オベリスク

オ〜
シャンゼリゼ〜



凱旋門



凱旋門の天井



地下道にてチケットを購入すると、凱旋門の内部へと侵入できます。2百数十段もの螺旋階段を上って行くと、ついに屋上の展望台へ。ここからパリの景色を360°一望できます。絶景かな。ちょっと肌寒いけど、新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーに爽やかな気分になりました。



黄金の回転へ!


エッフェル塔を望む


近未来エリア
ラ・デファンス


シャンゼリゼ大通り



そんなこんなで、もう夕方過ぎ。小腹が空き、シャンゼリゼ大通りにあるハンバーガー屋に入りました。しかし、ハンバーガーを2個注文しただけのつもりが……



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



こんな有様に……ッ!どうやらハンバーガー2個ではなく、セットを2つ注文してしまったらしい。どんだけ食うんだよ!?言葉の壁の厚さに翻弄されっぱなし。……などと言いつつも、20分後にはしっかり完食している私がいました。ごちそうさま。でも、ちょっぴり胸焼けするよ。
思いがけずガチで満腹になってしまったので、おとなしくホテルに帰り、のんびり休んでました。荒木先生の原画を観る事が叶って、大満足の1日でした。




そのD


<3月22日(日)>
昨日の快晴とは打って変わって、今日はどんよりウェザー。この日の予定は、まずオルセー美術館!ルーヴル美術館のすぐ近くにあり、橋を渡って行きます。この時、初めてセーヌ川を目にしました。澄み切った美しい川じゃなく、なんか緑色っぽく濁ってましたけど。
予想外にも、オルセー美術館にはすでに行列が出来ていて、けっこう待たされました。荷物チェックとチケット購入の後、いよいよ作品鑑賞タイムの始まり。ここでも日本語のパンフをもらいました。ちなみに、このオルセー美術館はかつての駅舎を改築して造られたらしく、無数の彫刻が並ぶ1階の中央通路も元はプラットホームだったとの事。



セーヌ川と
オルセー美術館



美術館前の行列



オルセー美術館のシンボル
大時計



オルセーはルーヴルよりも規模は小さいものの、有名な名画がたくさん展示されていて飽きません。ここもルーヴルと同じく、フラッシュは禁止だけど撮影はOKだったので、ガンガン撮りまくりんぐ。ルノアールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』の前には、とりわけスゴイ人だかり。私も超好きな絵なんで、本物に出逢えて感動でしたッ!



『落穂拾い』
ミレー



『笛を吹く少年』
マネ

『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』
ルノアール




2007年2月、東京都美術館で開催された「オルセー美術館展」。その時、荒木先生と展覧会コミッショナーの方とのスペシャル対談があったのを御存知のジョジョファンも多い事でしょう。そこで話題になった絵画にも出逢えました。これらの絵を観ながら荒木先生が熱く語っていたのか、と思うと感慨深いぜ。



『サント=ヴィクトワール山』
セザンヌ



『アルルのゴッホの寝室』
ゴッホ



わたしの名前は
ゴッホです

『ゴッホの自画像』です

『すみれのブーケをつけた
ベルト・モリゾ』

マネ

『黄色いキリストのある自画像』
ゴーギャン


『黄色い積みわら』
ゴーギャン




荒木先生が敬愛してやまないゴーギャンの絵も、じっくりと鑑賞。うん、ホントに地面をピンクに塗ってるッ!
このように午前中はひたすら芸術を楽しんでいました。美しいものを見るのは刺激的ですね。偉大なる先人達に感謝いたします。




そのE


もうお昼。お腹も空いたので、美術館を出て、再びパリの街を歩きます。パリはカフェやレストランならいくらでも目に入ってくるのですが、ジョジョファンとしてどうしても行かねばならぬ場所がある!それは……


カフェ・ドゥ・マゴ!!



人通りの少ない路地を抜け、開けた場所に出ると、左手に厳かな雰囲気の教会が建ち、右手の角に『ドゥ・マゴ』はありました。サンジェルマン通り沿いです。残念ながら、リーゼントの学生や恋に悩む髪の長い女の子、影の薄いサラリーマンの姿は今日は確認できず。
エスプレッソ・ダブルと、なんかの料理を注文。言葉もよく分からないんでテキトーにね!結果として、フレンチっぽい感じの料理が出て来たので良かったです。ちょっと酸っぱいけど、なかなかのお味。


『ドゥ・マゴ』で飲むエスプレッソ・コーヒーは こんな孤独な旅において格別の楽しみだ
コールタールほどまっ黒でドロドロってわけじゃあなく スティックシュガー2本とチョコレートを入れて飲む
これをダブルで飲むといままでの疲れが全部吹っ飛んで
驚くほどの元気が体の芯からわいてくる
信じられないくらいいい香りで(鼻炎だけど) さらに新しい旅に出向いて行こうという気持ちになる
まさに大地の恵みだ


『ドゥ・マゴ』向かいの教会前では、数人のおっさん達がノリノリな音楽を演奏していました。陽気な曲にしばし耳を傾け、腹ごしらえも済んだところで、店を出ます。
次のターゲットは奇跡のメダイ!パリのとある教会で売られているという、お守り的な小さなメダルです。教会で洗礼を受けた聖なるアイテムらしく、ネックレスなどのアクセサリーとして使われる事が多い模様。嘘か誠か、芸能人の梨花さんや辺見えみりさんも愛用してるとか。おみやげに頼まれていたので、メダイ教会を目指して歩きます。
……が、当のメダイ教会は改装中だか何だかで開いてないし、代わりにメダイを売ってるという近くの教会へ行ってみても、何故かどこにもそれらしき物は見当たらず。何故だ!?……ハッ!不意に、1つの事実に思い当たりました。


『ドメニカ』 日曜日


答.日曜日
Domenica

(フランス語ではDimanche:ディマンシュ)



ゲェ―――!今日は日曜じゃん!そーいや、ここに来るまでも開いてない店が多かったっけな〜。やっぱ日本と違って、こっちの日曜は本当の意味で安息日なのかも。きっと平日なら売ってるはず!明日、また来てみよう!そう結論付けました。
事前に情報収集すべきだったと反省しつつも、こういうしょうもないトラブルも旅の良き思い出って事で(笑)。


予定を変更して、今度はエッフェル塔へ!そんなに離れてもいないみたいだし、のんびり歩いて行きました。フランス革命勃発の地とも言われているらしいアンヴァリッド(廃兵院)を横切り、エッフェル塔へ続く公園に出ます。ここも市民の憩いの場となっていて、家族連れの人々やジョギングで汗を流す人などなど、皆が穏やかな休日を楽しんでいました。この頃にはようやく青空も出て来て、日光を感じられるようになってきました。
エッフェル塔の間近まで来ると、そのデザインの精密さと美しさが実感できます。パリは建物も橋も電灯までも、いちいち美しいんですよ。塔のふもとでは大勢の観光客。すんごい行列に並ばないと塔に登れないようです。ぶっちゃけ、めんどいししんどい。凱旋門には登ったから別にいいや。ソフトクリームを買って、道行く人をぼんやり眺めながら食べてました。黒人青年達がエッフェル塔の小さい置物を大量にジャラジャラぶら下げて、観光客に売って回る姿が印象的でした。



シンボル・タワー

桜も咲いてた


エッフェル塔のふもと


エッフェル塔の真下から



そこからはセーヌ川に沿って、歩いて戻りました。観光客を乗せた船も多く行き交っています。やがてルーヴル美術館前の公園まで辿り着き、池のほとりのイスで一休み一休み。カップルが露骨にイチャイチャしてる。チクショウ!



セーヌ川と遊覧船

池のほとり



そろそろおカネが厳しくなってきたので両替屋に行ったり、みやげ屋でボラれてヘコんだりした後は、ディナーの時間です。私は基本、海外で日本食は食べない主義。言葉もマナーや常識もよく分かりませんが、それでもカフェに突入。でも、その店には日本語メニューもあったのです!助かった!
子羊肉の骨付きステーキに、インゲンとトマトとタマネギを炒めたようなヤツ。もちろんフランスパンも付いてきます。飲み物はリンゴジュースで。酒はあんま飲めないんで。これが本気でおいしかった!フランスにもトニオさんはいたッ!量も多くて、お腹いっぱいです。いや〜……、でも、慣れない土地では食事だけでも疲れますね。摂取分以上のエネルギーを消耗してそう(笑)。



絶品でした



満腹でホテルに帰還。まだ夜の7時過ぎってトコなんですが、あとはホテルに引き篭もりです。歩きっぱなしでクタクタだし、1人で飲みに繰り出す理由も度胸もないのです。パリは平和な街って印象で、身の危険を感じた事はまったく無いけど一応ね。
明日は実質、パリ最終日!英気を養うとしましょう。




(2009年4月11日)




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