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あたし
やっぱり逃げるのやめたわ


#046 コンビネーションプレイ





●今回のトビラ絵は、「進化の木」2015霊長類の進化の過程を、1本の木で示した図です。キツネザルやメガネザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー……と進化を遂げていった先に、ある1つの分岐点がありました。そこから我々「人類」と「岩人間」が分かれていったようなのです。万物の霊長は、果たして「人類」か?それとも……?
ちなみに、この「進化の木」はリンゴの木として描かれています。また、「人類」を示す絵が定助と康穂の2人だったり、木の根本にヘビがいたりと、「創世記」を彷彿とさせて象徴的!


●トビラ絵から続いて、冒頭4ページは「岩人間」の解説となっていました。なんか夏休みの自由研究みたい(笑)。「究極生命体(アルティミット・シイング)」や「猫草」、「ロッズ」なんかも図解があって楽しかったので、久々にこーゆーのが見られて嬉しいです。
唐突ではありますが、予想外にかなり詳しく書かれており、めちゃめちゃ興味深い。とりわけ3ページ目の内容は、個人的に注目すべきポイントが多かった。
人間と同じく「オス」と「メス」がいて、セックスで子どもを作る点。人間との間には子どもは出来ない点。……つまり、生まれついての「岩人間」はザラに存在してるって事ですね。定助の半身「X」(=たぶん仗世文)は、唯一の生来の「岩人間」と予想していましたが、どうやら違ったようです。愛唱も普通に生来の「岩人間」なんでしょうね。ならば「X」は、本来は絶対存在しないはずの「人間」と「岩人間」の間に出来た奇跡の子ども……という意味でのみ特別なのかもしれません。
ただ、進化の過程で「岩人間」が生まれた理由は不明。やっぱそれは「ロカカカ」が関わっているんだろうと思います。「石仮面」が吸血鬼を生むように、『矢』がスタンド使いを生むように、「ロカカカ」が「人間」を「岩人間」へと進化させるアイテムなのです。かつて「ロカカカ」で「岩人間」となった者達の子孫は、先天的な「岩人間」。愛唱がそれです。一方、現代においても、「ロカカカ」を食べて後天的に「岩人間」となる者はいる。夜露はこっちなのでしょう。それなら、定助に対する夜露の「岩に生まれたのは貴様の方だッ!」ってセリフも納得できます。
――いずれにせよ、今回の「岩人間」の情報を受けて、考察・予想をし直す必要がありそうです。(それについては、『「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ』の方で改めてまとめる事にします。)


●さて、本編です。サッカー兄弟から逃げるカレラ。彼女は定助を心配しつつも、「自分のせいじゃない」「ロカカカを知ってるのはセッちゃんだから」と、彼を見捨てて逃げる自分を正当化しようとしています。まあ、定助も彼女を逃がそうとして戦ってるワケだし、おとなしく逃げ切ってくれた方がいいんですけどね。
一方、サッカー兄弟は定助を襲撃中。「弟」は、定助の「しゃぼん玉」のスタンドが吉良のスタンドに似ていると指摘します。しかし、兄弟の「やるべき事」は、定助の正体を知る事ではない。あくまでカレラを殺す事であり、それを邪魔する定助を殺す事なのです。「感情」より「仕事」が最優先。やっぱこの兄弟、殺し屋としてのプロフェッショナルな姿勢がイカすぜ。「弟」はついに例のボールで仕掛けて来ました。ボールに付いたジッパーが開き、その中から彼のスタンドがチラ見え。『エボニー・デビル』や『トーキング・ヘッド』なんかにも似たデザインで、ヴィジョン全体が気体状・煙状っぽく描かれています。
どんな能力を持っているのか分かりませんが、うかつに触れられるのはマズイ。定助もすかさず対応!「兄」がスタンドに使った鉄柵から抜け落ちたナットやボルトを、『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」に閉じ込め、その「しゃぼん玉」が割れる衝撃で勢い良く射出ッ!あたかも弾丸のように兄弟を狙い撃ちます。破壊力・殺傷力は大した事ないみたいですが、それでも兄弟の虚を突き、鉄柵の束縛から逃れる事には成功。


●今度は、定助と「弟」の肉弾戦が開幕です。徐倫を思い出させる華麗な身のこなしで「弟」を攻撃する定助!見た目に違わず、運動神経イイねえ。
しかし、攻撃を喰らいながらも、「弟」はリフティングを続けていました。そして、巧みなボールさばきにより、いつの間にかボールは定助の真上へ!とっさに『ソフト&ウェット』のラッシュで「しゃぼん玉」の壁を作り、かろうじてボールをガード!ところが、ボールの内部から謎の「煙」が吐き出され、それは僅かに定助の右脚に掛かってしまっていたのです。なんと右脚が焼けただれ、その上、定助は激しく咳き込んでいます。地面には何匹もの蟻の死骸も転がっている。
直に喰らって、定助は「弟」のスタンド能力の正体が「毒ガス」と直感!なるほど、スタンドのヴィジョンも「ガス」で出来ているって事か〜。「どこまでやるんだ?」と訊いていたので、「毒」の強さを調節できるのかも。最強レベルの「毒」をマトモに浴びたら、恐らく即死なんでしょうね。で、「弟」のリフティングは、自分で自分の「毒ガス」に触れないための超絶テクニックであるらしい。『パープル・ヘイズ』的な能力とは、これまた身も蓋もないデンジャラス過ぎるスタンドです(汗)。


●「弟」に気を取られている隙に、「兄」が後方から定助を羽交い締め。「弟」はボールを蹴り、それを「兄」が左手でキャッチ!そのままジッパーの内部に手を突っ込みます。「兄」の右手は、定助の首元。ボール内部の「毒ガス」を定助の眼前へと移動させるという、見事なコンビネーション・プレイです。
定助、絶体絶命!……と思いきや、なんと逆にたっぷり勝利宣言ッ!意味不明の言葉でただのハッタリと思ったか、「兄」は構わず「毒ガス」を右手から放出!……すると、右手から出て来たのは「毒ガス」ではなく「しゃぼん玉」でした。さきほど「しゃぼん玉」の壁を作ってガードした時、定助はすでに、ボール内部へ「しゃぼん玉」をたっぷり入れていたのです。「毒ガス」を閉じ込めた「しゃぼん玉」は、「兄」の腕や体に纏わり付きました。これを割れば、定助の勝利です。
「兄」は『ソフト&ウェット』の「しゃぼん玉」を体感して……、この「奪って」「破裂させる」能力を見て……、ある事に思い至ります。吉良のスタンドだけでなく、「仗世文」のスタンドにも似ている、と。やはり仗世文は「奪う」能力の持ち主だったんでしょうか?つーか、この兄弟、吉良や仗世文と闘り合った事があるんですかね?なんで能力を知ってるんだろ?
そして、「兄」の「顔は違うが」って言葉も微妙に気になるところ。「仗世文と顔は違うけど能力は似てる」って意味の言葉です。カレラが見抜けた以上、そこまで別人の顔にはなっていないにせよ、元々の仗世文の顔からは変わっちゃっているっぽい。まあ、例の写真を見ても、今の定助と仗世文はそんな似てないですしね(汗)。「等価交換」の際、吉良と仗世文、両者の顔を混ぜ合わせたりしたんでしょうか?あるいは、「等価交換」したのはその2人だけではなかった?謎は深まります。


●ともあれ、「兄」のピンチに慌てる「弟」。ボールを自分に戻すよう叫ぶ「弟」ですが、その前に「兄」の体は炎に包まれました。「兄」の髪の毛が長〜〜〜く伸び、さっきカレラを燃やすために左手を突っ込んだ車の給油口に繋がっている!そこにはチャッカマンを持ったカレラの姿が。「戻ってきたよ… クソッたれ」と、笑みを浮かべる彼女。その背後でポーズを決めるスタンドがまたカッコイイ。
戻って来て、定助の窮地を救うんじゃなく、最後のダメ押しでちゃっかり復讐を果たすカレラが「らしい」な(笑)。敵に負けじと、定助&カレラのコンビネーション・プレイが炸裂!結局、サッカー兄弟はお互いに駆け寄り、炎と「毒ガス」にまみれて死亡!能力もシンプルだっただけに、非常にテンポ良く決着しちゃいました。兄弟のキャラはけっこう好きなので、もう1話くらいバトルが続いても良かったけど。
カレラは、もう逃げる事はやめ、この町にいると決意しました。その理由は、セッちゃんが好きだから。そして、「ロカカカ」はカネになるはずだから。う〜ん、逞しいヤツ!
仗世文が吉良と「等価交換」したから今の姿になったという事も気付いたらしく、「あたしもうまくやりたい」だの「あたしも抜け出せるわ……」「こんなクソッたれの世の中からね」だの意味深な発言も。もしや、彼女も誰かと「等価交換」して別人になろうとか考えてる?しかも、定助の都合もガン無視で、あっさりと1人でどこかへと去って行っちゃうし。次に彼女が現れるのは、いつの日か?


●カレラのスタンド名は、『ラブラブデラックス』でした。なんじゃ、そりゃ(笑)。『ラブ・デラックス』のもじりですし、「毛」の能力って事で、カレラが由花子さん的ポジションの人物である事は明確になりました。もし彼女が誰かと「等価交換」しようと考えていた場合、その相手として康穂を狙う可能性もありそうで怖いな。定助とラブラブなところを見られてる上、康一くん的ポジションの人物だしなあ。
サッカー兄弟の名は、エイフェックス兄弟でした。双児って事で、「Aphex Twin (エイフェックス・ツイン)」が元ネタのようです。そのスタンドの名は、「兄」が『ショットキー No.1』、「弟」が『ショットキー No.2』。「Aphex Twin」の曲「Schottkey 7th Path」が元ネタでしょうね。夜露や愛唱とは違って、社会的には「日本人」ではないのかな?こいつらの過去も見てみたかったです。


★今月は45ページ!これにてコミックス11巻収録分は終わりです。10巻同様、キリが良い!それにしても、カレラは本当に嵐のような女だったなあ。何の前触れもなく現れ、とんでもない波乱を巻き起こすだけ巻き起こしたら、さっさと消えちゃうという……。ハタ迷惑だけど、見てて面白いキャラでした。再登場した時も、さらなるトラブルを招いてくれそうで期待大!さてさて、次回はようやく杜王スタジアムに突入となるんでしょうか?それ以前に、康穂とすんなり再会できるのかも心配です。
作者コメントは「アニメの打ち上げに参加したらたくさんの人がいた。気軽に観ててすいません。」との事。おおっ、荒木先生もアニメは一応見てたんですね。どんな感想を抱いたのか、打ち上げではどんな話があったのか、どこかで語っていただけるといいんですが。




(2015年8月19日)




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