TOP  戻る



完結記念!!
● 「ジョジョリオン」公式完全読本 ●

基本設定編





Q01. 「ジョジョリオン」のストーリーを教えてくれる?

A. 定助(ジョジョ)が祝福(リオン)を受けるまでの物語

( 解 説 )
「ジョジョリオン」のストーリーがよく分からないという感想は、あちこちで目にする。確かにややこしい部分や理解しにくい部分もあるが、実際はそこまで難しい構成ではない。様々な謎や疑問に答える前に、まずは基本のキから押さえていこう。
「ジョジョリオン」とは、主人公:東方定助の視点においては、記憶も名前も何も持たなかった孤独な彼が大切なものを手に入れていく物語……と言えるだろう。文字通り、「定助 (ジョジョ)」が「祝福 (リオン)」を受けるまでの物語なのだ。ここからは、荒木先生も重要視しているストーリーの基本「起承転結」の4パートに分けて、より詳しく説明していく。


目覚め ~ 半分は吉良吉影 (第1話~第17話)
2011年、震災後の杜王町。1人の少年が「壁の目」の土の中から目を覚まし、広瀬康穂と出逢う。少年は過去の記憶がまったく無く、自分が何者かを知るために行動する。康穂も彼の手助けをする。やがて東方家に引き取られた彼は、「定助」と名付けられた。
東方家で家系図を発見した定助は、過去の手掛かりとなる吉良ホリーさんに会いに、TG大学病院へと向かう。しかし、東方家の家政婦であり、ホリーさんの娘であった虹村さんの心を尊重し、諦める。虹村さんは「壁の目」のパワーを定助に教える。定助は、吉良吉影ともう1人の誰かが「融合」した存在だった。自分は本来なら存在しない人間であるという事実に、定助はショックを受け涙を流した。

先祖の因縁 ~ もう半分は空条仗世文 (第18話~第55話)
自分のもう半分が誰なのかを突き止めるため、自分の心がどんな事に興味を示すのかを確かめるため、定助は学校に行きたがる。ところが、学校へと続く道「カツアゲロード」でトラブルが起こる。その結果、吉良吉影の先祖:ジョニィ・ジョースターと杜王町との因縁を知った。
一方、ジョースター家と親戚関係にある東方家を調べようとしていた康穂は、謎の生物「岩人間」に襲われる。定助は東方家の長:憲助さんの協力により、「岩人間」を撃破し、康穂を救出した。「岩人間」は、定助の過去と深く関わりがある事が判明。そして、「岩人間」が持っていた未知のフルーツ「ロカカカ」を巡り、皆が争うようになる。定助は過去へのヒントを掴むため、東方家は先祖から伝わる奇病を治すため、「岩人間」は密売によって得られる利益のため、「ロカカカ」を求めるのだ。
その戦いの末、定助は自分のもう半分が空条仗世文である事を知った。吉良と仗世文はかつて、「岩人間」から「ロカカカ」の枝を盗み出し、接ぎ木して育てていたのだった。

「新ロカカカ」争奪戦 (第56話~第82話)
定助の記憶は戻らないが、病に苦しむホリーさんの姿を見て、彼女を救いたいという想いが溢れる。それは紛れもなく、吉良と仗世文の想いであった。かつて2人が育てた「ロカカカ」は、従来の「ロカカカ」には無いパワーを秘めていた。この「新ロカカカ」を手にするため、定助達と「岩人間」との争いは激化。定助は憲助さんの助言を得、彼専属の果樹栽培師であり植物鑑定人である豆銑礼さんに会いに行く。「新ロカカカ」の枝を見分け、果実を育てて収穫できるのは、この男しかいない。
豆銑さんと共に東方家の果樹園にやって来たが、さらなる戦いによって果樹園は焼失。せっかく見付けた枝も「岩人間」に奪われてしまう。真の敵は、「ロカカカ」の密売で金儲けするだけの連中ではない。TG大学病院の医者だった。「ロカカカ」を科学データ化し、「不死産業」によって人間社会を牛耳ろうと画策する「岩人間」の医者チームである。
だが、「新ロカカカ」の枝を奪ったのは「岩人間」ではなかった。スタンド能力でそう見せかけ、実は、東方家の長男:常敏と息子:つるぎちゃんが手に入れていたのだ。

厄災 ~ 祝福 (第83話~第110話)
定助達は、TG大学病院院長:明負悟の追跡を開始。院長が「新ロカカカ」の枝を持っていると、定助と豆銑さんは信じ込んでいる。そんな彼らに、次々と「厄災」が襲って来た。院長を追おうとすれば「厄災」が起きる。それが院長のスタンド能力であった。定助と康穂は離れ離れになってしまう。
「厄災」は次第に拡大し、東方家をも襲う。常敏は命を落とし、彼が育てた「新ロカカカ」も存在がバレた。一方、負傷して病院に運ばれた定助は、ホリーさんに助けられる。自分がホリーさんの子であると確信し、決意を新たにするのだった。そして、合流した豆銑さんと共に院長を迎え撃つ。院長の正体はスタンド『ワンダー・オブ・U』。康穂の元カレである「岩人間」透龍くんのスタンドだったのだ。定助は真の能力「ゴー・ビヨンド」を放つ。それは康穂のスタンド能力に乗って空間を超え、彼女の目の前に迫る透龍くんに直撃。
瀕死の透龍くんが「新ロカカカ」を食べて悪あがきをするが、常敏の母:花都さんがそれを逆利用。つるぎちゃんに発病した奇病を透龍くんに移し、東方家の「呪い」は解けた。しかし、引き換えに花都さんも命を落としてしまう。そして、透龍くんの死後も動く『ワンダー・オブ・U』を、最後に定助が打ち砕くのだった。
「新ロカカカ」は失われ、ホリーさんは治せぬまま。豆銑さんと虹村さんも失った。それでも、定助の隣りには康穂がいた。定助は東方家に本当の家族として迎えられ、吉良吉影でも空条仗世文でもない「東方定助」として生きていく。


―― こうして見ると、話の筋自体は至ってシンプルである事がお分かりいただけるはずだ。
(2021年11月3日)




Q02. 「ロカカカ」の正体は?

A. 「生命の実」の変異種

( 解 説 )
およそ2000年もの大昔、イエス・キリストと思われる聖人が東の果ての地に辿り着き、そこで船を造って海へ旅立った。(第7部「STEEL BALL RUN」第67話) その時、聖人の聖なるパワーの影響を強く受け、海岸の2本の松の木が変化。楽園「エデンの園」の中心にあると聖書にも謳われる、2本の聖なる樹「生命の樹」「知恵の樹」になった。この地こそが後の杜王町であり、2本の聖樹こそが「二本松」である。(「エデンの園」は聖書で「東の方」にあるとされ、「二本松」は「東方」家の傍らにある。)
「生命の実」を食べると、生命力が溢れ、あらゆる病気や怪我が治る。「知恵の実」を食べると、1つだけ叡智が得られるが、代わりにその一族は肉体が岩石化する「病気」(以後「石化病」と仮称)の宿命を背負う。そして、これらのフルーツがあれば、地球上の生命が歩む2つの道を行き来する事が出来るのだ。「ヒト」が属する炭素系生命と、「岩人間」が属するケイ素系生命、この2つの道。つまり、「ヒト」が「生命の実」を食べれば「岩人間」になり、「岩人間」が「知恵の実」を食べれば「ヒト」になる。
ちなみに、「生命の実」の存在の根拠は東方家編 Q13.岩人間・岩生物編 Q03.で、「知恵の実」の存在の根拠(?)は東方家編 Q09.で記している。

「ロカカカ」とは、この「生命の実」の亜種・変異種と言えるフルーツである。海に落ち、流され、ニューギニア島に漂着した「生命の実」が、島の環境で独自の進化を遂げたもの。原種「生命の実」よりもパワーが大きく劣り、食べた者の体内だけで「等価交換」が起こる。
これが杜王町の「二本松」の近くで育てられた事でさらなる変異を遂げたものが、上位種「新ロカカカ」である。土地に宿る聖なるパワーを受け、「等価交換」の効果が飛躍的に高まった。病気や怪我を他者に押し付ける事が出来る。「ヒト」の身のままで完璧に治癒できるという意味では、「生命の実」よりも有用である。この「新ロカカカ」を食べれば、「知恵の実」による「石化病」からさえも、その一族ごと解放される事となる。(つまり、「壁の目」よりもパワーが強い。)


―― 以上の回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、正体も何も、とにかくそういうフルーツがあるんだからある、という程度に受け取っておけば十分だろう。
(2021年9月17日)




Q03. 「壁の目」の正体は?

A. 「生命の実」や「知恵の実」を食べた者達の成れの果て

( 解 説 )
「生命の実」を食べた者は「岩人間」となる。「知恵の実」を食べた者の一族は、石化の「病気」になる。
彼らの肉体は生体活動が停止すると、岩石になって崩壊。その砂塵は、「二本松」(=「生命の樹」と「知恵の樹」)が並び立つ土地へと引き付けられ、土地そのものと化した。それが永い歳月の中で積み重なり、強いパワーを宿す「等価交換」の場所になった。これが「壁の目」である。


―― 以上の回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、あの世界には特別なパワーを持つ土地が存在し、「壁の目」もその1つ、とだけ考えておけば良いだろう。
(2021年9月17日)




Q04. 「壁の目」で付いた「歯形」の正体は?

A. 「壁の目」そのものと化した者が噛み付いた痕

( 解 説 )
「壁の目」とは、「生命の実」や「知恵の実」を食べた者達の成れの果てであり、言わば「生ける土地」である。彼らにはもはや個人の意思や感情など存在しないが、この土地を訪れた者に噛み付く事がある。「噛み付く」と言っても、傍からは、地面や岩に躓いて傷付けたかのように映るだけ。その時に出来るのが、噛み跡・歯形のような傷である。
噛まれた者は、そこから聖なるパワーが微量ながら注入され、心の奥底からスタンド能力が引き出される。恐らく「壁の目」は、スタンドの素質ある者や無意識下でしかスタンドを使えていない者に反応して噛み付くのだろう。そして、スタンド能力がハッキリと明確に目醒めるのだ。
ちなみに定助は、元々スタンド使いであった空条仗世文と吉良吉影が「壁の目」のパワーで「融合」して生まれた存在である。であれば、定助は噛まれる必要もなくスタンドを使えそうなものだが、実はそうではない。定助編 Q01.でも述べるが、彼は新しく生まれ変わった存在。まっさらな状態になっているため、「歯形」で改めてスタンドを引き出す必要があったのだろう。

なお、スタンドは聖なるパワーとの関連性が深い。「聖なる遺体」(イエス・キリストと思われる聖人の遺体)を身に宿らせた者はスタンドが発現するし、「遺体」が眠る土地「悪魔の手のひら」に踏み入った者も同じ。また、「岩人間」の95%がスタンド使いというデータもある。(第46話)


―― 以上の回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、「壁の目」でスタンドが目醒めた者に付く印のようなもの、とだけ考えておけば良いだろう。
(2021年9月17日)




Q05. 「壁の目」が隆起した理由は?

A. 「二本松」を護るため

( 解 説 )
「壁の目」は、震災当日の深夜に突然隆起して来たらしい。(第1話) つまり、震災による津波よりも後に隆起した事になる。
元々、杜王町の中心部は海抜標高15mの台地に位置しているため、他の地域よりも津波の被害が少なかったようだ。だが当然、被害ゼロなはずもなく、例えば杜王スタジアムは低い土地に建っているために被害を受けた。(第39話) ところが、東方家の土地は丘陵地帯になっており、津波も東方邸に到達する事なく止まっている。(第86話)
幸いにも壊滅的な被害こそ免れたものの、そうそう起こるはずもなかった大きな地震と津波に直面した事で、「壁の目」にはある変化が生まれた。この土地の全ての始まりとも言える「二本松」、即ち「生命の樹」と「知恵の樹」をもっと安全な場所で護らなければならない、と。恐らく、「二本松」が無くなってしまえば、「壁の目」のパワーも失われてしまうのだろう。そこで「壁の目」は隆起し、「二本松」をさらに何mも高い位置へと押し上げたのである。


―― 以上の回答は、あくまで私の想像・妄想に過ぎない。
それに納得できない場合は……、地殻変動によって局地的に地盤が上昇した、とでも考えておけば良いだろう。
(2021年9月17日)








TOP  戻る

inserted by FC2 system