「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ
No.8 【 ホリーさんの症状は何なのか？ 】
【第2版】 （旧版）
TG大の病院に入院していたホリーさん。作中での説明によると、彼女は「通常は普通の生活をしているが、人間が物に見える時がある」という症状を患っている様子。また、「物」ではないけど、直接会った康穂をエロ本の女の子と同一人物だと勘違いしていたので、要するに認識能力が狂ってしまっている状態なんでしょう。
さらに医師達の話では、「脳の一部、腎臓1つ、肺の一部、胆のうがなくなっている」「手術の痕はまったくない」「病気というより人為的な形で奪われている」らしい。そして、後に康穂がホリーさんの事を思い返した際には、「脳が固くスカスカになっている」「自分が途切れ途切れで分からなくなっている」という新情報も明らかに。
ホリーさんの身に起こっているこれらの症状や現象は一体、何なのでしょうか？
【第1版】では、「X」のスタンド能力を「奪う」能力と仮定していましたが、第50話で「X」＝「空条 仗世文」がほぼ確定。さらに、仗世文のスタンドが「吸い上げる」能力である事も判明しました。なので、その部分を修正しました。
もっとも、「奪う」能力と「吸い上げる」能力の違いはほとんど無いようにも思えるし、実質的にはあんま変わっていませんが。
読者としてはやはり、2つの可能性を連想させられます。仗世文の「スタンド能力」と、東方家に伝わる「石化病」。
定助のスタンド『ソフト＆ウェット』は、「しゃぼん玉」で触れた物から何かを奪う能力を持っています。この『ソフト＆ウェット』は、「定助」という存在を形作る「吉良 吉影」ともう1人の人物「X」＝「空条 仗世文」の精神が混ざり合って生まれたであろうスタンド。吉良のスタンド『キラークイーン』は触れたら爆発する「しゃぼん玉」の能力を持ち、仗世文のスタンドは触れたものから何かを吸い上げる「しゃぼん玉」の能力を持っています。つまり、ホリーさんは仗世文のスタンド能力によって、臓器の一部を吸い上げられてしまったという事です。
また一方で、ホリーさんも東方家の血を受け継いでいます。憲助さんが言うには、「石化病」は東方家のみならず、ジョースター家にも伝わっているとの事。東方家の長子でもないのに、ジョニィの妻：理那さんが「石化病」に罹ってしまったため、その後はジョースター家も東方家と同じ宿命を背負う事になっていたのです。家系図を見ると、どうやらホリーさんは1人っ子。この世代で「石化病」に罹るとすれば、彼女以外にいません。東方家でも、「長男」は10歳（どんなに遅くても11歳？）で発病すると言われていますが、「長女」の場合はまだ説明されていないのが現状。彼女は現在52歳。もしかすると「長女」には、この年齢の時に必ず発病するっていうタイミングは定まっておらず、いつか必ず発病するって程度のアバウトなものなのかもしれません。子孫繁栄こそが東方家の幸福なのであれば、子どもを出産した後って条件付きの可能性も。そういったワケで、ホリーさんにはこの年齢で「石化病」が発病してしまったのです。
……えっ？結局、スタンド能力と「石化病」のどっちが原因なのかって？どっちも、でイイじゃないですか（笑）。
ホリーさんは自身の「石化病」が進行してきている事を察知し、彼女のもとを訪れた仗世文に、そのスタンド能力で臓器を吸い上げてもらったのだと予想します。
それは何故なのかと言うと、恐らく、自分だけが知る「記憶」「秘密」を仗世文に託したかったからです。その「記憶」「秘密」を「石化病」で永遠に忘れ去ってしまう前に、脳ミソごと吸い上げてもらったのでしょう。しかし、脳だけではもしかすると、その「秘密」を狙う者に怪しまれてしまう危険もあるかもしれない。そのため、他の臓器までカモフラージュとして吸い上げさせました。 （2016/03/31：削除）
仗世文のスタンド能力は『ソフト＆ウェット』よりも便利な部分もあって、一時的ではなく永続的に吸い上げていられます。さらに、吸い上げた物の「情報」を読み取る事も出来るし、吸い上げた物を別の物質に閉じ込めて「保存」する事まで可能。（ただ、「しゃぼん玉」自体は脆くて割れやすく、射程が短い。） この能力で、仗世文はホリーさんから「秘密」を受け継いだのでした。
吉影や虹村さんでは、その「秘密」を託すに相応しくないとホリーさんは感じていたのでしょうね。2人とも家族想いではあっても、精神的に危うい部分がありますから。特に吉影なんて、かなりサイコな性格してるっぽいし。
ちなみに、ホリーさんが仗世文に託した「秘密」の内容については、別のページでまとめました。
しかし、そうなると今度は、どうして他人のはずの仗世文にホリーさんは「秘密」を託そうと思えたのか？……という疑問が出て来ます。
私は現在、仗世文は「1901年に杜王町に漂着した幼児」と「ジョセフ・ジョースターが浮気して出来た娘」の間に産まれた子どもである、と予想しています。だとすれば、仗世文はホリーさんの息子ではない。
ただ、同じジョースターの血を引く者ではあるし、何より母親から見殺しにされた孤独な仗世文を放ってはおけませんでした。仗世文の方も、自分を見捨てた母親よりも、命を救ってくれたホリーさんを尊敬し慕っています。ホリーさんはきっと、そんな仗世文も自分の「息子」と思う事にしたのでしょう。そして、性格も非常に誠実で正義感に厚く、信頼に足る男と確信できたので、「秘密」を託したのです。
（追記1）廃止
ホリーさんの腎臓1つ・肺の一部・胆のうは、仗世文が脳の一部と同時に吸い上げたものと思っていましたが、第52話を読んで考えを改めました。
仗世文達が愛唱から盗んだ枝に実った、2つの「ロカカカ」の実。そのうちの1つは瀕死の吉良が食べる事になったワケですが、残る1つをホリーさんが食べたと予想します。仗世文がホリーさんに会いに行くと、その時すでに、彼女の「石化病」は超悪化！今にも死んでしまいそうな状態だったのです。慌てて彼女に「ロカカカ」を食べさせると、症状はひとまず回復。一命を取り留めるのです。
ただし、「石化病」を完治させるだけのパワーは、この「ロカカカ」にはありませんでした。とりあえず落ち着きはしたものの、じきにまた悪化してしまうでしょう。しかも、当然の事ながら「等価交換」の代償もあります。それが腎臓1つ・肺の一部・胆のうだったのです。
つまり、脳の一部が失われているのは、仗世文の『ソフト＆ウェット』の能力ゆえ。腎臓1つ・肺の一部・胆のうを失っているのは、「ロカカカ」を食べた代償ゆえ。脳が固くなっていたり、記憶や認識能力が狂ってしまっているのは、主に「石化病」ゆえ。
ホリーさんの症状は、これら3つの理由が複合したものだったワケですね。
なお、最新版はこちらに置いときます。 ⇒ 最新版へ