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「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ


No.32 【 「サクナミ カレラ」は何者なのか? 】





【第1版】 (旧版)
大年寺山愛唱を撃破し、ついに再会を果たした定助と康穂。ところが、再会の喜びも束の間、定助の前に現れたのが「サクナミ カレラ」という若い女性でした。
このカレラ、なんと定助の半身「X」の事を知っているらしく、定助を「セッちゃん」と親しげに呼んできます。しかも、吉良吉影の事まで知っており、「大っ嫌い」と評していました。彼女はどうやら、震災後札幌に行っていて、久しぶりに杜王町に戻って来た模様。
性格は一癖も二癖もあるようですが、彼女が物語の鍵を握る重要人物の1人である事は間違いないでしょう。ここでは、そんな彼女の謎について考えてみたいと思います。
……まあ、まだ登場したばっかりなので、妄想も多分に含まれていますが(汗)。


まず、彼女はスタンド使いであり、「岩人間」でもあると予想しておきましょう。初の女性「岩人間」です。増水した川沿いで眠りこけ、危うく溺れ死にそうだった愛唱を起こして助けてあげたのも、恐らくは彼女。
「岩人間」のキャラクターは「7つの大罪」がモチーフになっている、と私は考えているんですが……、夜露が「強欲」、愛唱が「嫉妬」であるならば、カレラはその性格や言動からして「怠惰」が似合いそう。「怠惰」を暗示する動物は「熊」と「ロバ」と言われています。彼女のモサッとしてボリューミィな(しかもコロネっぽい前髪で強調されてもいる)黒髪や太めの眉毛なんかが、黒くて大きな「熊」の象徴なのです。熱帯魚をデザインしたバンダナも、ちょいと強引ではありますが、熊が鮭などの魚を獲りにやって来る「川」を表しているんです。

さらに、「熊」と「札幌(=北海道)」という繋がりから、彼女はアイヌ民族の末裔であると予想します。アイヌにとって「熊」は、最も偉大な動物であり、山の神の象徴。「イヨマンテ(熊送り)」と呼ばれる祭祀も行なわれていたくらいですし。……で、実は彼女の祖先は、今から1000年以上も大昔、蝦夷征伐の時代に東方家の先祖から酷い裏切りを受けた者達の数少ない生き残りだったのです。そして長い年月の間に、(現在で言うところの)杜王町から北海道へと移り住むようになり、彼らはやがてアイヌとなったワケです。
つまり、その血を遡れば、カレラは「記憶の男」の同胞という事。もちろん東方家への恨みも受け継いでいます。それゆえ「記憶の男」とも手を組み、「岩人間」にもなっちゃった次第。そんな彼女が、東方家の子孫である吉良を嫌悪しているのは当然と言えましょう。もっとも、吉良の異父兄弟である「セッちゃん」こと「X」に対しては、それなりに好意を抱いているっぽい。「X」の素性までは知らないようですね。ただし、もしも「X」の過去や、定助の正体、定助が東方家に居候している事実なんかがバレたら、カレラは一気に定助を憎悪するかもしれません。


震災の後、カレラが札幌に行っていた理由は……、「壁の目」「知恵の実」「生命の実」について調べるため。
震災の日の夜、「壁の目」は隆起し、その巨大な姿を現しました。しかし、「壁の目」自体はずっと以前から存在しており、「等価交換」の土地として利用されていた。そして、その地には2000年もの遥か昔から、神聖なる2本の樹「知恵の樹」「生命の樹」が生えていた。……突如として隆起した「壁の目」を見て、カレラはふと思い出したのです。かつて両親や祖父母が聞かせてくれた、先祖代々伝わる奇妙な「昔話」や「歌」を。おぼろげな記憶しかないものの、それらが「壁の目」や「聖樹」の重大な秘密にまつわる内容であると直感した彼女は、すぐさま故郷・札幌へと帰り、徹底的な調査を開始したのです。
もともとアイヌも蝦夷(えみし)も「文字」を持たない文化であったため、形として遺る資料や文献は非常に少ない。増してや、長い長い年月の中で、その「昔話」や「歌」に込められた本当の意味は忘れ去られてしまった。だからこそ、家族に直接会いに行って、改めてじっくり伝承を聞く必要があったのです。そして、それらをまとめ終わり、彼女はようやく杜王町へと戻って来れたのでした。その伝承は、きっと定助にとっても、自分の正体への大きなヒントとなるはず。



カレラの動機・目的はと言うと、「記憶の男」に協力して先祖からの恨みを晴らす事にあります。けど、その割に彼女は、肝心な事をあまり知らされていない様子。「岩人間」も各々ケータイは所持しているのだから、連絡を取り合うくらいは可能だったのに。
とは言え、話す事が事だけに、万が一の盗聴・盗視を警戒していたってのはあり得そうです。今のところ「岩人間」は、人間社会から目立つ行動はせず、存在自体にも気付かれないように注意している風ですからね。カレラが定助を呼び込んだ際、妙にオドオドしていたのも、そういった都合があったからなんでしょう。
それに加えて、彼女の性格も災いしたのかもしれません。彼女は根は悪い子じゃないけど、基本的にだらしなく品もない、ズル賢くってしたたかな性格。しかも、カネに汚い。要するに、色々とめんどくさい女なのです(笑)。仲間の「岩人間」達もタジタジで、あまり積極的に彼女と関わろうとはしなかったのでしょう。また、彼女も彼女で、自分から必要以上に他人とコンタクトを取ろうとはしない人なのでしょう。自分から接するのは、好意を持っている相手か、カモる相手のみ。「セッちゃん」(=「X」)は、なんだかんだで面倒見が良く優しいヤツで、カレラとしては「甘えてもOKな男」といった認識だったんだろうと想像します。

定助の事を「セッちゃん」ではないと勘付いた時、「やばい」「失敗した」「焦りすぎた」と意味深な言葉を吐いて逃げ出したのも、考えてみれば当然。知り合いそっくりな外見で、さも本人のように振る舞っている別人なのです。そりゃ驚くし怖い。変身の能力でも持った敵スタンド使いと判断しても、何ら不思議はありません。
だとすると、自分達と敵対する者がいる事を分かっている、という事。「岩人間」達にとっての敵対勢力、それはやはり東方家なのでしょう。たとえ契約を結ぼうが何をしようが、「岩人間」と東方家には決して相容れぬ宿命があるのです。「セッちゃん」だと思い込んでいた相手は、東方家か、それに与する人間だった!?だからカレラも、安易に接触し、自分の情報を語ってしまった不用心を悔いたってワケですね。結局、定助がうまくごまかし、自分を「セッちゃん」だと信じさせたけど、果たしてどうなる事か?




なお、最新版はこちらに置いときます。 最新版




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