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ようこそ 杜王町へ 2
~ 黄金の街 ~





その④


<2017年 8月12日(土)>の続き
物販で荷物が増えた事もあり、一旦、ホテルに戻って置いて行きました。ついでに、ホテルからも近い物販会場に寄ってみようかと思ったんですが……、ウワサに聞いていた通りの長蛇の列!しかも、スタッフの方に訊ねてみたところ、本日分の「ジョジョ展」チケットを持っている優先入場対象者も普通に列の最後尾から待ち続けないといけないらしい。何がどう優先なんだか分からんけど、物販は後回しにする事に。
昼1時、事前に予約していた勝山館へ。5年前と同様に、イタリアンリストランテ「パドリーノ・デル・ショーザン」と「ジョジョ展」がコラボし、今だけトニオさん風コース料理をいただけてしまうのです!前回も1人だったんで、もう手慣れたもの。相変わらずのオシャレなお店ですが、あまり気後れする事もありませんでした。店員さん達もやっぱり親切で、しかもたまにジョジョネタをかまして来たりもして、ホントに楽しく美味しいランチタイムを過ごせました。感謝いたします。



勝山館



オシャレな店内



ドリンク


アンティパスト



パン


プリモピアット



セコンドピアット



ドルチェ



カプチーノ


JOJOマカロン



まずはお約束のミネラルウォーター。キリマンジャロの5万年前の雪解け水かどうかはさておき、雑味のまったく無い爽やかな味わいが疲労し切った肉体に染み渡ります。一緒にノンアルのスパークリングワインも注文しまして、こちらの冷たさと甘酸っぱさも堪らない。気分もすっかりお食事モードです。
アンティパストは、モッツァレッラブッファラとオーガニックトマトのカプレーゼ オーガニックバジルの香り。さっぱりしたチーズとフルーティーなトマトが渾然一体となり、味覚と食欲を刺激してきます。店員さん曰く、今回のコースは「器」にもこだわっているらしい。確かに、真っ白なお皿の中心に、トマトの鮮烈な赤がよく映えますね。
自家製のパンもやっぱり美味しい。外はパリパリ、中はもっちり。その香ばしさもクセになりそう。
プリモピアットは、海の幸のプッタネスカ ” 娼婦風 ” トマトソース オーガニックスパゲッティーニ。新鮮な海の幸の旨味が凝縮されており、食べれば食べるほど、美味しさの海へと呑み込まれていきます。渋く趣深い焼き物のお皿も、スパゲッティの存在感を増してくれています。
セコンドピアットは、骨付き仔羊のソテー 有機リンゴヴィネガーソース。若々しくも瑞々しい仔羊肉の、ジューシーな柔らかさ。付け合わせのリンゴやズッキーニ(?)、仗助のリーゼントをイメージしたと言う紫芋のソースと一緒に口に運べば、そこはもう無限の領域。いっくらでも食べられます。もっともっと食べたかった……ッ!器の上はまるで、仔羊達が広い広い大草原を元気いっぱいに駆け回っているかのよう。
ドルチェは、かぼちゃのプリン マダガスカル産バニラのジェラート。鮮やかなブルーのお皿に彩られたプリンとアイス。満天の星空か、はたまた絶海の島々か。目でもつくづく料理を楽しませてくれます。カボチャ本来の自然な甘みが引き出され、ほろ苦いカラメルソースとの相性もバッチリ。バニラアイスの冷たさと濃厚な甘さが、この素晴らしきランチタイムの終焉を静かに告げてくれました。
食後のカプチーノには、なんと『パール・ジャム』のラテアート!遊び心に満ちた趣向に、思わずニヤリ。このカプチーノの熱さがまた、胃袋をホッと落ち着かせてくれます。
そしてラストは、今回も出ました!サプライズのJOJOマカロン!これがあると、「ジョジョ展」って気分になります。ピンクはベリー、グリーンはピスタチオ。その小ぶりな姿も、ほのかな甘さも、実に愛らしい。食器はまさしく、広がる波紋。このコース料理を締めくくるに相応しいものでした。


もし「ジョジョ展」に行くにも関わらず、「でも1人だしな~」とか「ちょっと敷居高そうだしな~」なんて理由でショーザンを諦めかけている方がいらっしゃるのであれば、あえて言い切りましょう。


心配無用!迷わず行って来いッ!!




その⑤


たっぷり1時間半ほど掛けたランチのおかげで、すっかり満腹満足。体力も回復しました。さすがはトニオさんの料理だぜ。
次に向かう先は、「せんだいメディアテーク」!言わずもがな2回目の「ジョジョ展」です。……と、その道すがら、仙台市役所前を通ったんですが、市役所の壁に「ジョジョ展」の広告が掲げられていました。スゲーなぁ~。いかに仙台が本気なのかが伝わります。


S市役所



拡大



メディアテークに到着。さすがに朝イチに比べると、列に並ぶ人も少ない。割とすんなり入場できました。しかし、いざ入ってみると意外にお客さんは多く、結局「立ち止まらないで」の連呼。何とかならないもんかねえ。ただ、2回目って事もあって、初回よりも落ち着いた気持ちで鑑賞できました。色々と気付く点もあり、むしろ2回目の方が楽しめたかも。


カラー原画(表紙・トビラ絵)は「静」の美しさ。モノクロ原稿(本編)は「動」の美しさ。その両方を一度に堪能できるとは、つくづくこの原画展は贅沢です。
カラー原画は、それ自体がもはや1つの作品となっており、下描きなどもほとんど消されています。一方、モノクロ原稿は、青鉛筆のアタリががっつり残ってました。また、ポージングや表情をバッチリ決めているカラー原画ではほとんど見る事の出来ない、激しい動きのある線血しぶきなどが、モノクロ原稿ではどのページにも溢れ返っています。そのスピード感・臨場感がちょっと新鮮。
コミックス46巻の表紙イラストは特に人気が高そうですが、それは、「静」と「動」の両方の魅力があの1枚に込められているからなのかも。逆に、「ジョジョリオン」は本編さえも原稿がキレイで、「動」よりも「静」の美しさが強い印象。荒木先生が年齢を重ねるごとに、徐々に変化していっている事が伺えます。

やはり数々の名シーンを「本物」で拝む事が出来るのは眼福です。特に、コミックス39巻の瀕死の康一くんが吉良に啖呵切るシーンなんて、中学生の頃から何度も何度も読み返し、その度に胸を熱くしていたので、思い入れもひとしお。この感動・感激、あの頃の自分に教えてやりたいぐらいですね。「おまえ、2●年後に本物観てっぞ!」って(笑)。

各部のエリアの壁面床面にも注目してみました。
プロローグエリアは、薄いグレーのダイヤ柄の壁面。床はそのまんまの木の床でした。1部エリアは、濃いグレーのダイヤ柄の壁面。黒とグレーの歪んだダイヤ柄の床面。2部エリアは、赤のダイヤ柄の壁面。床面は赤一色でした。3部エリアは、水色のダイヤ柄の壁面。水色一色の床面。4部エリアは、黄色のダイヤ柄の壁面。黄色一色の床面。5部エリアは、オレンジ色のダイヤ柄の壁面。オレンジ色一色の床面。6部エリアは、エメラルドグリーンのダイヤ柄の壁面。エメラルドグリーン一色の床面。7部エリアは、ワインレッドのダイヤ柄の壁面。ワインレッド一色の床面。そして8部エリアは、ピンクのダイヤ柄の壁面。床面は紫一色となっていました。

絵を飾る額縁は、どれもシンプルな真っ白ツルツルの物。余計な主張はせず、純粋に絵だけを引き立ててくれています。

やっぱり人の流れは多少無視してでも、4部エリアはコミックスの巻数に従って観ていく事をオススメします。心の赴くままに観ていくと、どっかで見落としが出る危険もありますよ。



……「ジョジョ展」はサイコーなんですが、いかんせん、今日も歩き通しで足腰がもはや限界。さっさとホテルに戻り、ゆっくり休んだのでありました。



いざ2回目


ごま蜜だんご屋


夜の「ジョジョ展」


夜のオーソン





<8月13日(日)>
今日は物販から攻める事にしました。駅のコインロッカーに荷物を預け、すでに成長しつつある行列に参加。私の前には、中国人親子のように見える男女3人が並んでいました。楽しそうに会話する3人。言葉は分からずとも、彼らも「ジョジョ」を心から愛している事は伝わります。はるばるここまで来てくれて有り難い限り。
そして、行列はどんどん長く伸びていきます。ひたすら待ち続け、ようやっと列が動き始めました。「E BeanS」9階が物販会場です。一応、本日分チケットのおかげで優先入場させてもらったけど、ホントにギリギリまで一緒だから、あんまりお得感は感じなかったですね(汗)。
今回の物販は、前回のオーダーシート方式ではなく、スーパーのような陳列方式。これでは余計に混雑するだけな気がしますが、そんな事を言ってても始まらない。とにかく、唯一の目的である複製原画の注文コーナーへ。「七夕の仗助」「七夕の定助」、そして露伴のラフ画の3点のキー・ビジュアルが複製原画として販売されています。露伴だけ19,000円で、あとの2点は42,000円。前回の35,000円より7,000円もアップしてるのは、質が上がったからなのか、単に物価が上がっただけなのか。疑問は残るものの、迷わず3点全部購入。 他のグッズにはそんなに執着もないので、ある物をテキトーに買っときました。ポストカードセットに、大人気の玉虫塗ポストカード、グラス、アートギャラリー煌、定助・仗世文・吉良のミニ・フィギュアなど。うん、充分だな!



行列


行列成長




カメユー




戦果



さて、次に向かうは「せんだいメディアテーク」!言わずもがな3回目の「ジョジョ展」です。……と、その道すがら、東京エレクトロンホール宮城の前を通り、アニメイベント「Bizarre Summer 2017 in S市杜王町」の行列も目撃。こっちもこっちで盛り上がってますな。
メディアテークで整理券をもらい、ひとまずお昼休憩。昨日、荒木先生が麻婆焼きそばを食べてるとこを見たせいか、異様に麻婆が食いたい……!たまたま近くの「松屋」で麻婆カレー定食が売ってたので、それにしました。麻婆欲をとりあえず満たし、改めて「ジョジョ展」へ!



エレクトロンホール


アニメ勢の行列


たむろするファン達


いざ3回目



なんと、いきなりのサプライズ!トラウマ寸前の「立ち止まらないでくださーい」連呼が無く、「空いてる所からご自由にご覧くださーい」になったのです!キター!俺の時代キター!!俄然テンションもアガり、お言葉に甘えて自由に好きなだけ鑑賞させていただきました。2日目ともなると、時間帯によっては余裕も生まれるみたいです。


昔の「ジャンプ」ではお馴染みだった、作品中のCMスペース。荒木先生の場合、コミックスにする際にこのスペースに新たな絵を追加していたワケなんですが……、どうやら描き足した新しいコマを原稿に直接貼り付けている模様。

露伴の「だが断る」のシーン、写植では「だが断わる」になっています。しかも、よく見てみると、下描きの露伴の顔はもっと整った表情になっていました。恐らく、ペン入れの時点であえて歪ませたんだろうと思います。その方が、露伴のひねくれた信念がより表現できると判断したのかも。
あと、「美那子さん」のルビが「みなこ」ではなく「みやこ」になってたのが気になりました。先生の中ではホントは「美耶子」だったのか、それとも印刷会社の人の読み間違いだったのか。

「ジョジョ展 in TOKYO」以来、実に5年振りにやってみました。部門別「家に持って帰るならこの1枚」ッ!
1部部門は、コミックス4巻の表紙イラスト!2部部門は、コミックス9巻の表紙イラスト!3部部門は、コミックス27巻「DIOの世界 その⑦」のトビラ絵!5年前と変わらぬメンツ。この辺はもう、たぶん不動のトップ陣ですよ。何回観ても見惚れてしまいます。
4部部門は、1995年のキャッチフレーズグランプリ用イラスト!荒木先生がいつも描かれるカラフルなイラストとは対照的な、黒の濃淡だけで塗られた珍しい1枚。まるでモデルのような、仗助のセクシーさと渋さに心奪われます。
5部部門は、1997年のキャッチフレーズグランプリ用イラスト!これもやっぱ5年前と変わらず。ジョルノの眼差しが好きすぎる。
6部部門は、2003年の「ウルトラジャンプ」1月号の付録ポスター用イラスト!徐倫の健康的な色気が眩しい1枚です。青空も清々しく、見てて気持ちの良い絵。
7部部門は、コミックス3巻「#12 1st.STAGE 優勝失格」のトビラ絵!これまた青空の絵ですね。仙台がずっと雨だったから、深層心理で青空を欲していたのか?……それはともかく、どこまでも広がる大空と大地が果てしない旅路を予感させ、しなやかで勇ましいジャイロの姿が冒険心を刺激してくれます。心躍り、ワクワクさせられる1枚。しかも、コミックス23巻表紙でジョニィが同じポーズを取っている事を思うと、また違った意味合いを持つ絵にもなります。
8部部門は、2015年の「ウルトラジャンプ」1月号の表紙用イラスト!これはですね、定助のポーズがすんごい好きなんです。力強くて、エッジが効いてて、ビシッと決まってる。セーラー服の紫もエレガント。初めて見た時から、私の感覚にグッと来た1枚なのです。



1部部門


2部部門




3部部門




4部部門


5部部門


6部部門



7部部門



8部部門




最後は総合部門。まず、今回のキー・ビジュアル「七夕の定助」はあまりに別格すぎるので、あえて除外して考えます。その上で全展示作品から選んだのは、コレです!
画集「JOJOVELLER」で描き下ろされた、歴代ジョジョ8人の集合イラスト!完全限定版では、この絵が完成するまでの執筆風景がBlu-rayとして収録されていましたね。この絵の原画が観られた事も本当に嬉しかった。想像を超える美しさでした。やはりジョジョ8人全員集合という結束感に加え、全体の爽やかな若草色が「生命力」と「優しさ」を感じさせます。何と言うか、主人公らしさ溢れる特別な1枚。



総合部門



ちなみに、会場のトイレのそばには、初日のオープニング・セレモニーでテープカットされたテープが置かれていました!この中のどれかが、荒木先生がカットしたテープに違いない。ある意味、原画にも匹敵する記念的お宝であります。



テープカット





「ジョジョ展」を思う存分にじっくり楽しんだ後は、その他の企画をちょっと覗き見。
まずは、江陽グランドホテルへ。その名に相応しいグランドさを誇っているホテルで、内装も気品が漂っています。そんな場所の2Fで、「アニメ原画展&TRATTORIAトラサルディー in 江陽グランドホテル」が催されているのです。TVアニメ「ジョジョ」4部の原画が展示され、その制作の裏側を垣間見る事が出来ました。



グランドホテル


豪華絢爛


アニメ原画展




物販もある





仙台フォーラスの8Fでは、「JOJO Fes CAFE in 仙台フォーラス」というカフェがオープンしています。えらい盛況のようで、本当は何か食べて行きたかったんですが、並ぶのもめんどくて見るだけにしときました。フォーラスが面するアーケード街は、「杜王町商店街 in ぶらんど~む一番町」と化しています。そこかしこにアニメ「ジョジョ」の絵も貼られていて、道行く多くの人達の目と心に留まる事でしょう。



フォーラス周辺




等身大仗助も


ジョジョカフェ




満員御礼




杜王町商店街


広告もあります





そして、仙台Loftでは「ロフトの奇妙な雑貨祭」なるイベントが行われていました。実写映画版「ジョジョ」で実際に使われた、仗助と承太郎の衣装も展示。興行収入的には苦戦を強いられている今作ですが、1人でも多くの人に観ていただけるよう願っています。



ロフト



この店、
何かがおかしい。



衣装展示





Wジョジョ




なんやかんやでまたもや歩きまくり。お腹も空いたので、最後の晩餐に牛タンを食べてこの旅を締めくくりました。離れるのは寂しいけど、もう帰りの時間です。さよなら、杜王町。



―― 「ジョジョ」好きとして、荒木ファンとして、今回の旅は心底素晴らしいものでした。本当に、「杜王町」がここにあったよ。歩き通しの旅でしたが、どこを歩いても「ジョジョ」関係の物を手に持っている人達を見掛ける事が出来、なんか感無量でした。老若男女様々で、国籍さえ違う人達もいるのに、ただ1つ「好き」という気持ちだけでみんな通じ合えている気がして。「ジョジョ展」を始めとするイベントの数々ももちろん最高なんですが、この一体感が、みんなで「杜王町」を作ってるって感覚が、何より最高でした。
しかし!この「杜王町」はまだまだ終わりませんッ!そうです、「ジョジョ展」には展示内容の入れ替えがあるんです!8月24日(木)は入れ替えのため、「ジョジョ展」も物販会場も休館。翌25日(金)より第2幕の開幕と相成ります。「ジョジョフェス」に新たな盛り上がりを齎してくれるでしょう。当然、こちらも観に行くので、続く後編はそのレポートです。




(2017年8月26日)




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