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管理人 熊野へ行く     弐
〜 ワノオマモリ - 世界はひとつ 〜




その@


今年2016年の4月、荒木ファンの元にあるニュースが飛び込んできました。なんと、熊野本宮大社で頒布される「お守り」のデザインを、荒木先生が描かれる事になったと言うのです!熊野本宮と言えば……、今を去ること4年前。2012年9月に、荒木先生が和田裕美さん・茂木健一郎さんとトークイベントを行った場所。あの時は、熊野本宮が現在の境内に遷って120年目の節目で、その記念の大祭の一環としてのイベントでした。(レポートはこちら) どうやらその時の縁もあり、荒木先生に依頼されたらしい。
ただ、お守りの頒布開始は2016年秋との事ですが、それ以降、情報はパッタリと途絶えてしまいました。……そうして、8月も末になった頃、真偽不明の新情報をTwitter上でゲット。9月22日に、荒木先生が熊野本宮に来られる予定だと言うのです。念のため、公式からの続報を何日も待ってみたものの、まるで動きは無し。業を煮やし、熊野本宮に直接電話してみました。すると、お守りの頒布は9月22日からと教えていただけたのです。おおっ、そうなれば荒木先生がガチで来られる可能性も高そう。仮に来られなかったとしても、お守りだけは手に入れられるし。そう判断し、速攻で旅行の日程を決め、飛行機のチケット等も即購入!

さらに、この機会に「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」にも行く事に決定!これはフランス・パリのルーヴル美術館による、漫画やバンドデシネの企画展。国内外のマンガ・アーティスト達の作品が結集し、厳選された原画等を鑑賞できるのです。我らが荒木先生は無論、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の原画で参戦ッ!東京を皮切りに、大阪、福岡、名古屋……と日本各地で巡回展示されるらしい。東京展は今年の7月22日(金)〜9月25日(日)の期間、六本木ヒルズ52階の森アーツセンターギャラリーにて開催です。
とっくにチケットは購入済みなんですが、なかなか予定が取れずにいました。しかし、時は来た!荒木先生のお守りをゲットして、その後、荒木先生の原画まで堪能。最高に贅沢な旅じゃあないか。期待に胸膨らみます。


なお、イベントの詳細については、例によって「@JOJO」さんをご覧になってください。(お守りはこちら、「No.9」はこちら




そのA


<2016年 9月21日(水)>
いよいよ出発の日。今回もやっぱり1人旅です。早起きして、空港へ。和歌山の南紀白浜空港への直通便がないため、まずは羽田空港へと飛びます。ちょうどこの頃、台風16号が日本を直撃するルートに入りやがり、毎日気が気じゃなかったんですが、幸いにも前日に温帯低気圧に変わってくれました。最悪の事態も考慮し、陸路で向かう計画も立ててはいたものの、どうにか飛行機は通常運航です。
羽田空港に到着。南紀白浜空港行きの便を待ちます。4年前は、ここで荒木先生ご夫妻と奇跡の邂逅を果たせた事もあり、密かにソワソワしながら奇跡の再来を期待してました。……が、さすがにそこまで好都合な事は起こらず(笑)。普通に飛行機に乗り込み、普通に出発したのでした。

お昼頃、南紀白浜空港に到着。今日は完全に移動日に当てていたので、あとはもう特に予定も無し。まあ、4年前を懐かしみながら、白浜をブラブラしようかな。そう思いつつ、まずはタクシーを捕まえます。ところが、こういう観光地のタクシーではたまにある「あちこち案内してあげるよ」系のお誘いを、運ちゃんから受けました。具体的な予定も無いし、せっかくなんで案内してもらう事に。
運ちゃんに連れられるがままに、展望台やら三段壁やら千畳敷やらを回り、コナン君や毛利父娘も来たという食堂で円月島を眺めてランチを取ります。うん……、疲れる……。運ちゃんがいなければ行かなかったような場所にも行けたし、いろんなお話も聞かせてもらいました。ごはんも美味い。でもやっぱ自分は、1人で気ままな方が合ってるわ。そう痛感し、とっととホテルへGO!部屋で休んで、疲れを癒やすのでした。
夕方には、明日のためにレンタカーも借りに行きました。明日は必ずやお守りを手に入れ、そして、あわよくば荒木先生にお会いしたいなぁ。



展望台

三段壁

三段壁の洞窟

千畳敷




そのB


<9月22日(木)>
朝7時には、熊野本宮へと出発しました。レンタカーを走らせます。4年前も書いた通り、熊野は交通の便がえらい悪いのです。電車は通っていない。白浜から車で1時間以上の距離であるため、タクシーではカネが掛かり過ぎる。バスは1日に3本程しか走っておらず、乗り遅れたら致命的。……そうなると、ある程度の自由が利く移動手段はレンタカーのみ。
山道を延々と走り続け、8時過ぎに熊野に到着ッ!久しぶりにやって来たぜ。前回はまったく初めての道のりだった上、雨も降っていたので、気持ちの余裕もナッシング。しかし、今回はけっこう天気も良いし(途中から小雨になったけど)、2回目って事で、景色を楽しみながらドライブする余裕がありました。山々のこの雄大さ・幽玄さ、昔の人々が神を感じたのも頷けます。



和歌山での愛車2

いい眺め

小雨になった



車を停め、兎にも角にも熊野本宮大社へ。こんな時間なので、人はほとんどいません。大鳥居をくぐり、長い階段を登り、境内に着きました。授与所(売店)のラインナップを見てみると、荒木先生デザインのお守りはまだ売っていない模様。そこで巫女さんに訊いてみると、驚くべき情報をゲット。なんと10時から、報道陣も招いて、お守りの奉告祭を行うんだとか。お守りの授与はそれが終わってから、だそう。うおおっ、こりゃ思ってた以上に大事だぞ。この時点で、荒木先生が来られる事は確信に変わりました。
10時まではしばらくあるけど、うかつに離れて、先生の到着を見逃したくはない。おとなしく敷地内で待機。徐々に報道陣も増え、荒木ファンと思しき人も何人か確認できます。宮司の九鬼家隆氏の姿も発見。……そして10時も近くなった頃、いよいよその時は訪れました。正面の大鳥居からではなく、裏手から車での登場!荒木先生ご夫妻と、編集部らしき方々が車から降り、社務所に入って行かれたのです。場の空気は俄然ヒートアップ!



熊野到着

熊野本宮大社


158段の石段


神域へ



やがて白装束を羽織った荒木先生ご夫妻が現れ、報道陣と何やら打ち合わせ。その後、社務所の向かいに建つ拝殿へと上がり、奉告祭が厳かに始まりました。関係者と見られる方々も10人くらい参加されています。それが終わると、報道陣が荒木先生を囲んでインタビュー。一旦、社務所に戻られてから、今度はご夫妻だけで拝殿に行かれ、ご祈祷を受けられていました。そして、神々を祭る御社殿にてお参り。そんな様子を、やや離れた所からじっと見守り続ける荒木ファン達(笑)。
――で、結果を言いますと、荒木先生とバッチリ接する事が出来ました!簡単な挨拶も交わせたし、握手も2回させていただけましたよ。前回は舞い上がり過ぎて記憶も曖昧だったけど、今回は先生の手がフワフワで達人の手をしている事も実感できました。サインやイラストなんかはやっぱり無理でしたが……。しかしッ!なんと荒木先生と一緒に写真に映る事も出来たのです。2ショットではないものの、ここで出逢えた同志達とも一緒に映れた事はむしろ、より良き想い出になったかもしれません。(さすがにここで写真をアップしたりは出来ませんけど。)
お約束的に言っておくと……、荒木先生は間近でお会いしても、ツルツルのお肌でめっちゃお若い。イメケンでいらっしゃいます。何年経ってもお変わりないですね(笑)。それに、荒木先生も奥様のチャミ様も、本当に穏やかで優しい!やっぱプロ根性とサービス精神の塊のようなご夫妻ですよ。もはや崇拝しかないな。お忙しい中、本当に本当にありがとうございました!!


お守りの方ももちろんゲット!その名も「和の守り(おまもり)」!!非常に珍しい「道」の世界遺産である、日本の「熊野古道」と、スペインの「サンディアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」。この2つの「道」を通じ……、日本とスペイン、そして世界中の人々が「和合」できるようにという、「平和」への祈りが込められたお守りです。また、荒木先生曰く、人生という「道」を歩む中で苦難と出遭った時、「勇気」が出るようにと願ってデザインされたそう。「平和」と「勇気」のお守り、それが「和の守り」なのです。
実物を見ると、まず、想像していた以上に大きかった。そして何より、すんごい色鮮やか!しかもキメ細やか!こんなに荒木先生の原画がそのまま再現できているとは驚きです。シンプルだけど存在感が強烈で、パッと見、お守りっぽくないかも?そんなところも含め、荒木チックです。特に、八咫烏がポップでカラフルなのが好き。「地面がピンクでもいいじゃない」「葉っぱは緑じゃないといけないの?」という荒木イズムは、「カラスは黒い」という常識さえもあっさり覆してくれました。
ちなみに、「和の守り」は1人3体まで授与していただく事が可能らしく、私は3体ゲットしました。(お守りの単位は「体」なんですね。) 郵送での授与はやっていないので、欲しい方はどうにか頑張って現地へ足を運んでみてください。 (※2016年12月1日より郵送授与も行う事となりました。)



授与所

熊野面(表)

サンディアゴ面(裏)

「和の守り」



いやぁ〜、ホントに来て良かったです。自分にとっては、マジで熊野は「神に逢える地」ですよ(笑)。
清々しい疲労感・達成感に包まれながら、ここで出会った荒木ファンの同志達としばらく語り合ってました。……9月17日発売のウルジャンでも、荒木先生ご自身のコメントで、今日からお守りが頒布される告知がされていました。でも、それにしたって随分とギリギリのお知らせです。にも関わらず、この時・この場所にわざわざ狙ってやって来るような人達なのですから、話が合うのも当然っちゃ当然。生涯忘れ得ぬ素晴らしき想い出を共有する事が出来ました。ありがとう、熊野……!またいつか来るよ。





<9月23日(金)>
お昼の飛行機で東京へ。私はデリケートな性分なもんで、旅先だとどうも眠りが浅い。なかなか疲れが抜けない。なので、早々にホテルにチェック・インし、ちょっと一休み。
そして夕方6時頃、改めて外に出て、六本木ヒルズに向かいました。そう、目的は「ルーヴルNo.9」!ここに来るのは「ジョジョ展」以来だな〜。お客さんもそこそこ来てるけど、まぁ、あの時に比べれば全然少ない。すぐに入場できました。
この「ルーヴルNo.9」とは……、これまでフランスにおいて「芸術」と位置付けられていた「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」に続く「第9の芸術」として、「漫画(バンドデシネ)」が認められた事を証明する企画展です。思い返せば、私がルーヴル美術館まで行って、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の原画を鑑賞したのは2009年。あれから7年経っているけど、プロジェクトが終了したり消滅したりする事なく継続し、今もますます進行・発展している事が感慨深い。ルーヴルの本気が伝わります。



入り口横

入り口


撮影OKゾーン

ここもOK

シンボルのニケ像



あいにくと閉館は8時。そんなに悠長に観ていられる時間も無さそうです。もう、他のあらゆる展示はすっ飛ばして、いきなり荒木先生のコーナーに直行!
ここは他のコーナーにも増して、存在感たっぷりです。ひときわ目を引くのが、壁一面に描かれた、ルーヴル美術館に到着したシーンの露伴の見開きページ。しかも、そのページの「ドオオオォオオォ」って擬音が、立体となって天井からぶら下がっています。さらに、見る角度によって露伴と「瀕死の奴隷」が入れ替わるパネル。このような空間構築のおかげで、気持ちも盛り上がってきました。
そして、ここに設置されているTVからは、荒木先生が今作を執筆した際のキッカケや取材の様子がVTRとして流されています。ルーヴルから依頼を受けた事、ルーヴルの地下も訪れて「地下への行き方」とか「壁やホコリの材質」とかを調べた事などが語られていました。「バンドデシネにはいろんな種類があって、哲学的だったり文学的だったりもする。でも、日本の漫画はやはりエンターテイメント。そこにはこだわりたい。」といった荒木先生のコメントも紹介されています。漫画を最強の「総合芸術」と語っている先生ではありますが、それでもなお、読んでくれる人を楽しませてナンボってスタンスを貫いているのがカッコイイ。



展示されている原画は合計20ページ。16・17、28・29、38〜40、45、48・49、58、60・61、64〜68、124・125ページ目のトータル20ページです。123ページの作品なのに125ページ目ってのも変(単行本のページ数と考えても変)なんですが、一応、掲示されていた通りのページ数を書いておきます。
2010年11月に京都へ観に行った「マンガ・ミーツ・ルーヴル」の時と、かなり近い展示内容でした。ただ、あの時はマヌケにもメモを取らずにいたせいで、結局、詳細なレポートを書き上げる事が出来ず(汗)。ようやくあの時のリベンジも果たせそうです。
(スキャナーとか持ってないため、めっさ見にくい画像で申し訳ありませんが、どのページかだけでも分かるように単行本の画像も貼っておきます。)



16ページ


17ページ


28ページ


29ページ


38ページ


39ページ


40ページ


45ページ


48ページ


49ページ


58ページ


60ページ


61ページ


64ページ


65ページ


66ページ

67ページ

68ページ

124ページ

125ページ



荒木先生の原画はやっぱり、何度観たって良い物です。印刷には出ない枠外の部分まで観られるし、青鉛筆での下書きもしっかり確認できるし、ベタ・ホワイト・切り貼り等によって立体的に迫って来るものがあるし……、先生の筆使い・息使いが感じられるような気さえしてきます。印刷されたものとは圧倒的に違う。いつまででも観ていられそう。
以下、感じた事・思った事・発見した事を箇条書きしていきましょう。


@洗濯物を干す奈々瀬さんの艶めかしいボディライン汗ばんだしっとりとした肌が、実に色っぽかったです。首のラインなんてスゴイ。
この辺は特に下書きやホワイトが多く見られ、先生としても相当こだわったポイントなんだろうと思われます。そりゃあ露伴も見惚れるよ。(というか、露伴が見惚れるだけの説得力ある絵にしなければならなかった……という方が正確か。)
ちなみにこの絵、ルーヴル美術館所蔵の名画「民衆を導く自由の女神」がモチーフになっているそう。「えっ、そうか?」と戸惑ったものの、改めてじっくり観てみると、確かにそうかも。露伴と「瀕死の奴隷」ほど露骨じゃないから、気付きにくいポイントでした。

A奈々瀬さんが汗をかくシーンにしても、彼女が泣くシーンにしても、やはり濡れる女性の姿ってのは色気があります。
セピア色を基本色として使ったカラーリングもまた、淡く儚い日本的な情感・情緒をうまく表現していました。日本編のこういう雰囲気、私は非常に好みです。そしてそれを、フランスでも発売する今作に含めたところに意味があるってもんです。

B露伴がルーヴル美術館を訪れてからは、背景に写真の切り貼りが多用されます。実際にルーヴルに展示されている美術品は、基本、写真を貼っています。露伴がルーヴルにいるっていうリアリティが出るし、ルーヴルへのリスペクトでもあるのでしょう。
ちなみに、この手法は最近の「ジョジョリオン」にも繋がっていく事になります。(良し悪し、好き嫌いはあるでしょうけど。)

C露伴がルーヴルに降り立つ見開きページの枠外を見ると、先生の指示らしきメモ書きが確認できます。
「NCB、CBブレ」とか「ハチマキ ベスト ベルト 水色」とか。見た感じ、どうやら色の指示っぽい。「CB」は「コバルトブルー」って事なのかな?もう一言、何か書かれていましたが、そこは額縁に半分隠れていて解読できず。

D今作は主に「日本編」「ルーヴル編」「地下倉庫編」の3つで構成され、それぞれに「セピア」「ピンク」「ブルー」のテーマ・カラーが決められています。……で、展示されている20ページを流れで観ていって思ったんですが、このテーマ・カラーは徐々に「黒」に近い色へと変わっていっているのかもしれません。
「黒」という色は、今作のキモともなる重要な色。つまり、物語が核心に迫っていく事を、テーマ・カラーでも暗示していたって事です。まあ、考え過ぎかもしれませんが(笑)。

E原画と単行本を見比べてみると、原画に塗られた色は意外と控えめな印象を受けます。単行本になると、色がえらくハッキリしてる。むしろドギツイくらいかも。
経年劣化か何かで色が薄くなったとかじゃないのなら、先生は印刷による発色も計算に入れて色を塗られているのでしょうね。

F日本と海外では、漫画を読み進める方向が違います。日本は右⇒左と進んでいきますが、海外は逆。
この企画展は、どうもそこら辺の意識が薄かったようで。少なくとも荒木先生の原画に関しては、順路的に左⇒右の順で原画を観ていく形になっていました。どうしても読む順番がチグハグになってしまう。そういうお客さんの動線は、もっとうまく調整してほしかったな〜と思いました。


……売店では、この企画展のグッズが販売されていました。しかし、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」のグッズは1つも無し。グッズ関係にはそんなに興味ない私でも、少し寂しい気がする(笑)。唯一、企画展のカタログには載っていたので、それだけ購入しました。





<9月24日(土)>
今日がとうとう最終日。ホテルをチェック・アウトし、東京駅のコインロッカーに荷物を預け、身軽になったところで……、向かった先は六本木ヒルズ!そう、目的は「ルーヴルNo.9」!1回じゃ物足りなくなるだろう事を見越し、実はチケットを2枚買っておいたのです。
昨日と違って時間にも余裕があるので、今回は展示を最初からじっくり楽しみました。何せ、参加しているアーティストは荒木先生だけではありません。総勢16名ものアーティスト達の作品が並んでいるのです。16人の個性を楽しまずして帰ってはもったいない。

……ちなみに、その16人と展示作品は以下の通りです。(原作と作画が分かれている作品もあるので、厳密に言えば18人になるんですが。)
ニコラ・ド・クレシー氏の「氷河期」マルク=アントワーヌ・マチュー氏の「レヴォリュ美術館の地下 ―ある専門家の日記より」エリック・リベルジュ氏の「奇数時間に」ベルナール・イスレール氏(画)とジャン=クロード・カリエール氏(作)の「ルーヴルの空の上」クリスティアン・デュリユー氏の「魔法」ダヴィッド・プリュドム氏の「ルーヴル横断」エンキ・ビラル氏の「ルーヴルの亡霊たち」エティエンヌ・ダヴォドー氏の「寄り目の犬」フィリップ・デュピュイ氏(画)とルー・ユイ・フォン氏(作)の「坑内掘りの芸術」谷口ジロー氏の「千年の翼、百年の夢」松本大洋氏の「ルーヴルの猫」五十嵐大介氏の「ニケのうた」坂本眞一氏の「王妃アントワネット、モナリザに逢う」寺田克也氏の「ルーヴル消失」ヤマザキマリ氏の「美術館のパルミラ」、そして荒木飛呂彦先生の「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
まさに錚々たるメンツです。かつては荒木先生が「日本人で唯一!」なんて騒がれていましたけど、こうして見ると、日本人の参加アーティストも随分増えたよなあ〜。



六本木ヒルズ

柱の広告

美術館へ

広告ポスター



やはり16人16様と言いますか、似たようなものなど1つもなく、それぞれが独自の感性と世界観でルーヴルを表現していました。さすがはルーヴルが選んだ人達。発想にしても、描写にしても、いちいち驚かされて面白い。「芸術」と認められて然るべきですよ。
また、この企画展のテーマ曲を米津玄師さんが作られています。その名も「ナンバーナイン」。入場する前に、企画展の解説映像を見る事になるのですが、そこでこの曲が流れていました。一発で気に入ったんで、この旅から帰ってから、発売日の9月28日に購入しました。「No.9」を鑑賞した時に受け取った、なんか漠然とした想いが、この曲には明確に込められていたように感じます。うん、スゴいグッと来る曲だよ。企画展に行った人には尚更でしょう。



撮影ポイント


菜々緒さん



様々な展示作品を観、「ナンバーナイン」を聴き、自分の中の「芸術」というものの捉え方が変わったように思います。まあ、私は芸術に関しちゃズブのド素人なんですが、感じた事を素直にここに書いときます。
「芸術」ってものは、自分が感じる「美」の追求と表現……みたいに今までは考えてました。ある意味、どこまでも「自己満足」の行為で、自分自身だけで完結するもの、だと。でも、それだけじゃなく、「美しい」と感じられる心を繋いでいこうとする、未来への「贈り物」でもあるのかな……とも思い始めてきたのです。時の繋がり、人の繋がり、心の繋がりを形にしたものが「芸術」なのかもしれないな、と。美しい心や美しい生き方を、遠い過去から受け継いできた事の「証」であり、それをまた遠い未来へと託していく「願い」「祈り」。すでに去って行った先人達や、まだ見ぬいつかのどこかの誰かとの「対話」でもあるのかも。「何言ってんの?」とか「そんなん当たり前だろ」とか言われちゃったらそれまでですが、自分的には大きな変化であり、収穫でした。
そう考えると、莫大な量の美術品を保管し、後世に遺そうとするルーヴル美術館の尊さがより実感できます。そして、そんな「遺産」を破壊してしまう行為は、殺人にも匹敵する卑劣な行いであるという事も。


――最近は世界中が何やらキナ臭く、どこでテロや戦争が起こっても不思議じゃないような状況です。しかしそれでも、美しく生きる事や平和を求める事を諦めずに、自分の「道」を歩んでいこう。そう「和の守り」に誓うぜ!




管理人 熊野へ行く     弐

完




(2016年10月2日)




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