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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ウェザー・リポート / 本体: ウェザー・リポート
                       (本名: ウェス・ブルーマリン、 ドメニコ・プッチ)
< 「大気」を操作する能力 >





<特徴>
本体:ウェザー・リポートは、エンリコ・プッチの双子の弟である。だが、産まれて間もなく彼は、同じ日に死産した赤ん坊とすり替えられ、ウェス・ブルーマリンと名付けられ育てられた。一方で、彼の本当の両親も、死んだ息子にドメニコ・プッチという名を贈って弔った。3つの名を持つ彼は、あまりにも数奇な「運命」に翻弄された男なのだ。
そして1988年、兄:エンリコがDIOから贈られた『矢』に貫かれ、スタンドに目醒める。この時、双子の奇妙な繋がりにより、弟のウェザーにもスタンドが発現したのだった。
なお、この双子の繋がりは、2012年にも強く働いた。エンリコが「緑色の赤ん坊」と融合し、左肩に「星のアザ」が刻まれた時、やはりウェザーにも同じアザが浮かんだのである。


大気そのものや大気中の水分(水蒸気)と一体化した、雲のようなヴィジョンを持つスタンド。
数本の角が生えた人型の基本デザインはあるものの、実際は不定形で、形を自在に変化させられる。そのため、スタンドがダメージを受ける事は無い。


大規模な能力を持っている事と連動して、射程距離も非常に広大で数十km以上にも及ぶ。


2012年、ウェザーは兄の手で殺されてしまう。だが、兄のスタンド『ホワイトスネイク』の能力を逆利用し、自分のスタンドを「DISC」にして遺した。
その「スタンドDISC」をエンポリオ・アルニーニョが使った事で、一時、彼が新たな本体となった。


完全に余談ではあるが……、本体:ウェザー・リポートの頭のモコモコは帽子である。ただし、16歳の時の頭は髪の毛である。




<能力>
「大気」を操作する能力



地球上の「大気」の流れ、成分やその濃度、量などを自在に操作する事により、天気・気象を変化させる事が出来る。
能力射程はスタンド・ヴィジョンの射程距離と等しく、数十km以上にも及ぶ。本体:ウェザー・リポートから1~2mほどの至近距離なら、極めて正確・精密に操作できる。


作中で操作した天気・気象は、以下の通りである。
  晴れ
   雲っていても、雲を取り除いて晴らせる事が出来る。
  
   雨を降らせる。車の走行すら困難になるほどの、滝のような集中豪雨を起こす事も可能。
   また、他人の体内に雲を入れて豪雨を降らせ、溺死させたりもしていた。その死体はタプタプに膨張した。
  
   雷を起こせる。その電気ショックで他人の体を多少操れる。しかも、ウェザー本人には感電しないようにも出来るようだ。
   作中ではやらなかったが、普通に雷を落として攻撃する事も可能と思われる。
  
   風を起こせる。凄まじい風圧を集中させれば、敵の肉体をも貫けるほどに強烈になる。
   流れ落ちた血を風で吹き上げて乾燥させ、凝固させ、「槍」を作れる。この「血槍」はかなり強固で鋭利である。
  
   霧を発生させる。霧によって、敵の視界を塞いだりできる。
   また、まるで鏡のように、霧の幕に敵の姿や影を映し出すという、「ブロッケン現象」にも似た現象を起こせる。
  怪雨
   「怪雨」「ファフロツキーズ」等と呼ばれる現象を起こす事が出来る。動物や魚など、常識ではあり得ない物が空から降って来る現象である。
   作中では、ヤドクカエルの雨を降らせた。天候とは非常に複雑な現象であり、この「怪雨」現象の原理も未だ明らかにはなっていない。
   だが、ウェザー本人さえも理屈を知らなくても、実際に起こり得る気象現象ならば実現可能・再現可能なスタンドなのだ。
  ハリケーン
   作中で実際に起こしたワケではないが、ウェザーの発言からも可能だと分かる。
   ただし、一個人が持つスタンドパワーには限界があり、過去に観測された以上の威力を出す事は難しい。


空気の層を作り出せる。
その空気抵抗によって、敵の攻撃を防いだり、摩擦を生じさせて敵の体を燃やしたりしていた。また、エアバッグを作って、衝撃を和らげる事も出来る。


雲そのものを操り、様々な形に変化させる事が出来る。
作中では、雲を集めて固め、宇宙服のように身に纏い、「真空」中で行動していた。雲で水分を吸い取って、さらに雲を増やしたりも出来る。


大気・空気の動きだけで、どこに何があるのかを感じ取れる。物体の動きや、生物の呼吸などを感知できる。


本体を守るため、無意識的・本能的に能力が発動してしまう。
そのため、ウェザーは自殺が出来ない。拳銃自殺しようとしても弾丸が水に浸ってしまうし、湖に飛び降りても突風や波が起こってしまい、どうやっても死ねない。


エンポリオが『ウェザー・リポート』の新たな本体となった時、潜在意識の中に眠っていた能力が暴走した。それが「純粋酸素」である。
大気中の酸素だけを集め、100%の濃度で周辺を覆ってしまうのだ。これは、鉄をあっと言う間に腐食させ、炎なら爆発させ、生物にとっては猛毒となって死に至らしめる危険な物質である。



< ヘビー・ウェザー >

ウェザーには、愛する女性:ペルラを死なせてしまった過去が存在する。彼女を奪ったこの世の全てへの「呪い」の念が、『ウェザー・リポート』を通じ、忌まわしい能力を生み出した。
そして、兄:エンリコ・プッチが『ホワイトスネイク』によって、その記憶と共に奪い取り、長年封印した
その能力こそ、悪魔の虹『ヘビー・ウェザー』である。ウェザー以外の生物を「カタツムリ」化させる、美しくも悍ましき「虹」の能力なのだ。


無意識下で発動し、能力はオゾン層にまで達する。オゾン層が歪められ、光の屈折率が変化。それによって、地上に降り注ぐ日光の中に「カタツムリ」の映像が混ざり込む。
この映像自体は、誰の意識にもハッキリ捉えられないほどの一瞬の映像に過ぎない。だが、日光を見た者は知らず知らずのうち、何度も何度もこの映像を目から受け取っている事になる。無防備な心の奥底・無意識の中に、「カタツムリ」の映像が刷り込まれていくのだ。
それはもはや、天候レベルのサブリミナル映像と言って良い。「催眠」「暗示」を掛けられたかのように、あるいは、生物が持つ「原始の本能」「太古の記憶」が刺激されたかのように……、日光を見た者達は深層意識の中で「自分はカタツムリである」と強く思い込んでしまうのである。本能に直接訴え掛けられているため、表層的な意識や感情、理性でどうにか出来るものではない。


日光が降り注ぐ地上には、「カタツムリ」のサブリミナル映像と同時に、あちこちに無数の小さな「虹」が架かる。
日光を見て「カタツムリ」と思い込んだ者がその「虹」に触れると、それがスイッチとなる。あまりに強烈な自己暗示によって、肉体までもが本当に「カタツムリ」に変化していくのだ。肉体そのものが「カタツムリ人間」のような姿になったり、あるいは、肉体から「カタツムリ」の卵が産まれたりする。


「カタツムリ」化した者は、肉体もスタンドさえもグニョグニョに柔らかくなり、普通に立つ事さえ出来なくなる。その反面、捻挫や腰痛などは治るし、狭い所にも入り込めるようになる。
粘液を出しながら移動し、壁や天井などにも張り付く事が出来る。
塩が苦手で、触れた部分は溶けてしまう。
肉体も意識も動きが鈍くなる。スタンドの出し入れもゆっくりになってしまう。ただし、スタンド能力の効果が現れるのは通常のスピードのようだ。例えば、『キッス』の「シール」を解除して消すスピードは遅かったが、「シール」を貼ったガラスが増えるスピードは普通だった。


肉体から産み出された卵からは、次々と「カタツムリ」が孵化してくる。「カタツムリ」同士が触れ合うと、子どもを産み合ってますます増殖していく。
しかも、その「カタツムリ」に触れる事もまた、「虹」と同様に「カタツムリ」化のスイッチになってしまう。
つまり、時間の経過とともに、「カタツムリ」化はどんどん悪化していくという事である。この世は「カタツムリ」がウジャウジャと蠢く地獄絵図と化す。


光の反射を利用すれば、ウェザー以外の者であっても、光と共に「カタツムリ」の映像を他者に対して飛ばす事が出来る。
そのようにして、より強い光が目に当たれば、サブリミナル効果による自己暗示もより強力になり、「カタツムリ」化はさらに進行する。


サブリミナル効果を受けた者の目には、実在しない大群の「カタツムリ」天敵の「マイマイカブリ」の姿までもが見えてしまう。
これらは映像に過ぎないが、強烈な思い込みによって、やはり肉体にも影響を与えてしまう。たとえ映像であっても、「カタツムリ」に触れれば「カタツムリ」化してしまうし、「マイマイカブリ」に喰われたと思い込めば本当に肉体も溶けて失ってしまうのだ。ちなみに、実在する「マイマイカブリ」(日本の固有種)とは違い、映像の「マイマイカブリ」は日本以外の場所にも出現し、羽を広げて飛ぶ。
この「マイマイカブリ」は、「カタツムリ」にとっての本能的な死への恐怖の現れであり、これに喰われ尽くす事で『ヘビー・ウェザー』の能力は完結する。人間を人間でなくしてしまい、勝手に死ぬようにプログラムする、まさしく破滅・滅亡を齎す「呪い」なのだ。


目からサブリミナル映像を受け取り、深層意識にまで植え付けられるという事は、「視覚」を持つ生物なら人間に限らず「カタツムリ」化するという事である。作中では、犬や鳥、蝶までもが「カタツムリ」化していた。逆に言えば、目の見えない者やまったく光の届かない暗闇の場所には、この能力は効果が無いという事になる。
ただし、サブリミナル効果に一度陥ってしまうと、目をつぶろうが夜になろうが関係なく能力は持続する。また、完全なる暗闇の場所などそうそう存在しない。この能力から逃れるためには、日光からサブリミナル映像を受け取ってしまう前に「視覚」を閉ざすほか無いだろう。


そもそも、なぜ「カタツムリ」なのかと言うと、その詳細はまったくもって謎である。
ただ単純に、ノロくて弱く、天敵もいる生き物だからなのかもしれない。または、カタツムリも虹も雨上がりに現れるものである事から……、「あたしの心の中にはもう…… 雨が降る事さえない」と言い残して自らこの世を去った恋人ペルラの言葉を無意識下で聞いていたのかもしれない。雨が降って、止み、空が晴れ、虹の橋が架かり、カタツムリがひょっこりと姿を現す。そんな光景のイメージ。守ってあげられなかった彼女に捧げる弔いと懺悔。彼女を死に追いやった者達に、せめてもの罪滅ぼしをさせるための「カタツムリ」だったワケである。
……もしくは、兄であり怨敵でもあるエンリコ・プッチが貝類アレルギーである事から、彼の弱点を増殖させるためだったのかもしれない。「カタツムリ」も貝の仲間だからである。あるいは、いわゆる三すくみの「ナメクジ」に準じている可能性もある。プッチが、『ホワイトスネイク』=「蛇」。三すくみで「蛇」に勝てるのが「ナメクジ」なのだ。そういった兄との運命的な関係性が働いた結果だったのかもしれない。なお、記憶を失っていた頃は、「蛇」に負ける「カエル」を降らせてもいた。
兄との運命という点を突き詰めるなら、やがてプッチが手に入れる事になる究極のスタンド『メイド・イン・ヘブン』対抗するための能力だったとも考えられる。『メイド・イン・ヘブン』は時を加速させる能力を持ち、プッチだけがその加速に付いて行ける。一方、『ヘビー・ウェザー』によって「カタツムリ」化した者は肉体も意識もノロノロになってしまう。即ち、この両者は逆の能力と言えるワケである。しかも、どんなに時を加速させようと、一旦始まってしまったサブリミナル効果には影響ない。むしろ、時の加速に乗っていれば、「カタツムリ」化の進行も早くなるだろう。『メイド・イン・ヘブン』を無効化する、唯一の手段になり得たのだ。残念ながら、実際はこの2つの能力がぶつかる事はなかったが、『メイド・イン・ヘブン』を打ち破る鍵となったのは『ウェザー・リポート』であった事もまた事実である。




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