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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ブラック・サバス / 本体: ポルポ
< 自分の「影」を創り出す能力 >





<特徴>
スタンドが発現した経緯は不明。
だが、本体:ポルポは、イタリアのギャング組織「パッショーネ」の幹部である。組織のボス:ディアボロが発掘した『矢』の1本を預かっており、この『矢』に貫かれて発現した可能性が高い。


全身を真っ黒なマントと大きな帽子に覆われた、ゴシック調の人型ヴィジョンを持つ。
両手の甲やマントの襟には『矢』がデザインされている。また、目や口の端、側頭部、手首などは、紐で縫い止められている。


詳細は後述するが、このスタンド『ブラック・サバス』には「実体」「影」が存在する。どちらも見た目はまったく同じである。ただ、「実体」の方は、巨体の本体:ポルポに匹敵するほど大きい。(作中で、ポルポが自殺に見せかけて暗殺されたコマに描かれているものがそれである。)
「実体」は恐らく、射程1~2m程の近距離パワー型スタンドと思われる。だが、ポルポは「実体」を直接動かす事はほとんど無く、もっぱら「影」の方を使っているようだ。




<能力>
自分の「影」を創り出す能力



『ブラック・サバス』の「実体」は、ごく普通の近距離パワー型スタンドである。この「実体」が、能力によって、自分自身のコピーとも呼べる「影」を創り出すのだ。
「影」は「実体」とまったく同じ見た目だが、大きさは常人サイズとなる。そして、本体:ポルポにあらかじめ設定された条件によって発動し、あらかじめ設定された命令に従い、ただひたすらロボットのように行動する。即ち、「影」は自動操縦タイプのスタンドと言えるだろう。「影」のダメージはポルポにはフィードバックせず、その代わり、「影」の現況をポルポが知る事も出来ない。
そして、命令を遂行すると解除され、「影」は消滅する。ただし、発動条件さえ満たせば、「影」は何度でも現れる。


『ブラック・サバス』は、本体:ポルポの肉体の一部を依り代とし、「影」を生み出す発動スイッチを作る事が出来る。
生み出される「影」にとって必要なものは、「エネルギー源」「光源」である。「影」とは言え、1つのスタンドとして存在を維持するためには、「精神(魂)」のエネルギーが不可欠だからだ。さらに、文字通り「影」が出来るところには必ず、物質を照らす「光」がある。ポルポは自分の肉体の一部を噛み切って咀嚼し、「影」の発動スイッチとなる「発光体」に作り変える事によって、その2つを同時にクリアしているのだ。
作中では、ライターがそれに当たる。ポルポは自分の指を食いちぎって、ライターに変化させた。ライターにはポルポの生命エネルギーがたっぷりと宿っており、「炎」となって熱と光を放つ。発動条件を満たした者(=ライターを再点火した者+目撃者)がその光を浴びた時、そこに照らし出された影と一体化して『ブラック・サバス』の「影」が生まれる。つまり『ブラック・サバス』の「影」とは、「ポルポの生命エネルギー」と「ターゲットの影」が合わさって生まれるスタンドなのである。

余談だが……、そもそも「スタンド」という存在自体も一種の「影」である。
生物の精神・魂という「光源」から発せられた、スタンドパワーという「光」。その「光」に、何らかの物質という「実体」が照らされて創り出された「影」がスタンドなのだ。多くの場合、「光」で照らされる「実体」は本体の肉体となる。だから、そうやって生まれたスタンドは、本体と一心同体になるのである。(それ以外の「実体」を照らして生まれるスタンドは、本体へのダメージのフィードバックがほとんど起こらない物質同化型スタンド等になる。)


「影」の発動スイッチを作り出す際に自ら食いちぎった肉体の部位は、ほんの数秒程度ですぐさま再生する。ダメージはまったく無い。これら一連の流れを全てひっくるめての、「影」を創り出す能力だからだ。
ジョニィ・ジョースターのスタンド『タスク』が、「爪弾」を発射しても指には何の負傷も無く、爪もすぐに再生するのと同じようなものである。


前述の通り、「影」の発動スイッチは「エネルギー源」にもなっている。つまり、もしライターを破壊されてしまえば、「影」も完全に消滅してしまうという事なのだ。
ポルポは「パッショーネ」への入団試験に「影」を利用しているのだが……、現実問題として、入団希望者が幹部:ポルポから渡されたライターを破壊できるはずもない。そんなターゲットの心理的な盲点、無意識的な行動制限さえも利用している。


『ブラック・サバス』の「影」は、影の中でしか行動できない。日光を浴びるとダメージを受け、10秒程も浴び続ければ蒸発するかの如く消滅してしまう。
ただし、影の中では恐るべきパワーとスピードと回復力を発揮できる。日光によるダメージさえも、影に入ってしまえばすぐに回復する。また、影そのものに潜るように溶け込み、誰にも気付かれずに移動する事も可能である。
ちなみに、発動スイッチが起動して出現した「影」が、近くにある影に移動するまでの間に限っては、日光を浴びても平気のようだ。その間は、言わば「影」の発動の準備段階のようなものなのだ。ちゃんと影の中に入った時点で、正式に「影」が創り出されてセットされたと見なされるのだろう。


「影」は、日なたをジャンプして別の影へと移動する事は出来ない。また、小石の影のような、あまりにも小さい影に移動する事も出来ない。
さらに、ターゲットとなった者の影の中に潜む事も不可能らしい。『ブラック・サバス』の「影」とは、ポルポの生命エネルギーという光に照らされて出来た「ターゲットの影」である。太陽の光によって出来た「ターゲットの影」とは厳密には別物ではあるが、かなり近い存在でもあり、それゆえに他の影と同様には扱えないのだろう。ただし、別の形で扱う事が出来、それについては後述する。


上記にも関連するが、『ブラック・サバス』の「影」にとって「ターゲットの影」とは極めて特別なものである。
「影」は、実体(=物質)に接触・干渉する事は一切出来ない。直接干渉できる対象は、ターゲットの影のみなのだ。ターゲットの影を掴むと、そこから「スタンド」を強引に引きずり出す事が可能である。相手がスタンド使いではない一般人ならば、「スタンド」ではなく、そのさらなる深奥にある「魂」を無理矢理引きずり出してしまう。同一人物から生まれた影同士であり、また、「精神(魂)」の領域に存在する「スタンド」でもあるために、初めて可能となった芸当と言えよう。


「ジョジョ世界」におけるというものには、その者の魂がごくごく僅かながら投影されているらしい。
とは言え……、それは通常、たとえ影に何をされようと、その者には何の影響も無い程に微弱でか細い繋がりに過ぎない。しかし、逆に言えば完全に無警戒・無防備な箇所であり、その隠れた急所を突ける能力を持つスタンドも稀に存在する。(例:『セト神』『マリリン・マンソン』『カリフォルニア・キング・ベッド』等)
『ブラック・サバス』の「影」も、そのか細い繋がりに侵入できるからこそ、その奥から「スタンド」や「魂」を引きずり出せるのだろう。


『ブラック・サバス』の「影」は、影であるがゆえに、「実体」の状態が投影される。
『ブラック・サバス』の「実体」は、『矢』を飲み込んで体内(の亜空間)に隠してしまっている状態にあった。そのため、「影」の方も同様に、『矢』の影と一体となって生まれた。『矢』の影は、実体の『矢』そのものではないが、その力はしっかりと投影されている。ポルポは、『ブラック・サバス』の「影」が口内から突き出す『矢』の影で、多くの人々の魂を貫いてきた。そして、素質ある者にスタンドを目醒めさせ、素質なき者は殺してきた。
なお、この『矢』の影でスタンドを刺せば、スタンドは粉々に崩壊してスタンド使いは死ぬ事になりそうだ。あるいは、スタンドだけが消滅し、一般人に戻ってしまう可能性もある。 いずれにせよ、スタンドは消え去る結果となるだろう。本物の『矢』ではなく、ましてやジャン・ピエール・ポルナレフが所有していたデザインの異なる『矢』でもなく、刺されたスタンドと一体となる事も出来ない以上、「レクイエム」に進化する事は絶対に起こり得ない。
ポルポが異常なまでの巨体となったのも恐らく、スタンドが『矢』を取り込んだ事が原因と思われる。スタンドを通して絶えず伝わる『矢』の膨大なエネルギーに、常人の肉体では耐え続ける事が出来ない。また、逆に『矢』のエネルギーによる影響も受けてしまったのだろう。ポルポの肉体は、そのエネルギーに耐え得る姿へと変異(ある意味では「進化」)し、あのような巨大さ・頑強さを獲得したのである。




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