TOP  <<#2 戻る #4>>



あなたならどうする…?
最高だった…


#3 サンディエゴビーチ 1890年9月23日スタート2日前 その3





●今回は第3話恒例のセンターカラー。ジャイロとジョニーのカラー扉絵が、いかにも男の世界って感じでシブイです。
この色使いは荒木先生には珍しいのではないでしょうか?いつものカラフルな色使いも素晴らしいですが、こういうのも雰囲気が出てて、私は大好きです。


●本編は、ジョニー君の回想から。彼は乗馬の天才なのですが、それ故に周囲からちやほやされ、いい気になってしまったようです。何一つ不自由なく、甘やかされて育ったボンボンってとこですか。富豪の娘さん達と3Pはしちゃうわ、劇場の行列に平気で割り込むわ、もうやりたい放題です。そんな悪行が災いして、彼は銃で撃たれ、下半身不随の身に。ちょっとかわいそうではありますが、まあ自業自得ですね。
入院中の彼は自分で用も足せず、看護人には勝手に足の血を取られるわ、罵声を浴びせられるわ、ブン殴られるわ、もうやられ放題です。家族や世間、彼女にまで見放されました。さすがは荒木先生、ジョースター家の人間と言えど容赦ありません。まさに天国から地獄です。
しかし、こんなジョニーがジョースターってのもスゴイですね。パラレル・ワールドになったせいか、「ジョジョ」でのジョースター家とは程遠くなっちゃってます。見た感じは、年相応になったジョルノってビジュアルでしたけど。彼はアメリカ育ちっぽいので、ディエゴを育てたイギリス貴族はジョースター家ではなさそうです。かつてのジョースターとDIOの因縁が消滅している証拠ですかね?同じ天才ジョッキーである彼らが、どう出会い、どう関わっていくのかも見ものです。


●現在のジョニーとジャイロに場面は変わります。どうやらジョニーの足は治った訳ではなく、肉体の反応による偶然に過ぎなかったとの事。それでも、2年間も動かなかった脚で立ち上がれた事は事実。ジョニーはジャイロに、そしてジャイロの持つ鉄球に強い興味を抱きます。鉄球について問いただそうとするジョニーでしたが、ジャイロはまったく相手にせず。馬にまたがり、太陽を背にジョニーに語り掛けるジャイロが、これまた最高にカッコイイ。セリフも思いっきり荒木節炸裂です。
納得いかないジョニーは、絡んできたオッサンの足を利用して、5部ポルナレフさながらに車椅子でジャンプ。さりげなくとんでもない事をやってのけてます。強引にジャイロの鉄球に触れようとしたその時、彼の手にジャイロの手が触れました。次の瞬間、ジョニーの手や指はスリと同じように回転し、ねじれていきます。そんなジョニーを適当にあしらって去って行くジャイロなのですが……。
これはもしや…、ジャイロもスタンド使いなんでしょうか?触れた物体を回転させる能力。あの鉄球は、その能力を最大限に生かしつつ、回転エネルギーを遠距離まで伝えるための武器なのかもしれませんね。第1話でスリを押さえ付けたのは、鉄球の内部に(ジャイロ・グリップのように)もう1つ球が入ってて、それを回転させる事で生じた負荷によるものだったのかな。


●こうしてジョニーも、ジャイロの「回転」の秘密を暴くべく、レースの参加を決意します。このただならぬ執念と根性は大したものです。でも参加料はともかく、あの脚で本当に馬に乗れるものなのか疑問ですね。とは言え、参加しない事には彼の成長もなく、物語も始まらないので、何とかなるのでしょう。馬に乗るなら、馬の名前はダニーがいいです。
歪んで荒んだ彼の心は、きっと旅の中で癒され、やがてはジョースターの名に相応しい輝きを宿すようになるはずです。語り部をやってる時のジョニー(レースが終わってから数年後くらいの彼?)は、穏やかで優雅な印象がありますからね。「ぼく」とか言ってるし。今のジョニーがドン底から這い上がっていく姿は、さぞや大きな感動を呼ぶ事でしょう。


●とりあえず、これで役者は一通り揃ったのかな?メインはジャイロ、ジョニー、サンドマン、ポコロコ。クールな変人、生意気な小僧、真面目な熱血漢、陽気なお調子者。実に多彩な顔触れです。あとはジャイロ以外の3人が、いかにしてレースの参加を確定させるかですね。ポコロコは心配ないにしても、ジョニーは乗馬の問題、サンドマンには資金の問題がありそうですし。
身体障害者にインディアンに黒人と、何かと不当な差別を被る歴史を持つ人達ばかりってのも興味深い点です。そんな彼らの運命が、ジャイロを中心に回り始めていくのでしょうか?互いに良きライバルとなり、人種や立場などを超えた絆が芽生える事を期待しちゃいます。


★話は変わって、2月26日発売の「青マルジャンプ」(微妙な名だ…)に、なんと荒木先生のロング・インタビューが掲載されるとの事。これだけのために買う価値はあります。つーか、無論買いますよ。
脅威の31P連載にも関わらず、それでも短く感じられてしまう程に面白い「SBR」。そんな今作を荒木先生がどう語られるのか、今から楽しみですね。




(2004年2月10日)




TOP  <<#2 戻る #4>>

inserted by FC2 system