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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
ゲームでの設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




ザ・ワールド・オーバーヘブン / 本体: 「並行世界」のDIO
< 「真実」を「上書き」する能力 >




「ジョジョの奇妙な冒険」原作で描かれた世界とよく似た、とある別の世界。その「パラレル・ワールド」で繰り広げられる、時代と世界を超えた戦いが語られたのが、ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 Eyes of Heaven」(以下「EoH」)である。
「EoH」の舞台となる「パラレル・ワールド」にも「聖なる遺体」は存在し、この「遺体」が存在する唯一の世界こそが全ての基本となる。つまり、原作の「基本世界」とは別の、「パラレル・ワールドの基本世界」と言える。(異なる「基本世界」同士は、互いに影響し合う事なく存在しているようだ。)そして、「パラレル・ワールドの基本世界」には、無数の「並行世界」が存在する。それら「並行世界」の在り様は、「基本世界」と極めて近い歴史を辿った世界、まったく違った歴史を歩んだ世界……と様々である。その中には、1988年にジョースター一行がDIOに敗北し、DIOに支配された世界も存在した。その世界のDIOは、自身が追究する『天国』へ行く方法を実行し、『ザ・ワールド』を超越した新たなスタンド能力を手に入れていた。それこそが、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』である。
「パラレル・ワールドの基本世界」にいるファニー・ヴァレンタイン大統領は、スタンド『D4C (Dirty Deeds Done Dirt Cheap)』の能力によって、無数の「並行世界」を自在に行き来する事が出来た。しかも、原作の『D4C』とは違い、「基本世界」にごく近い歴史を辿る「隣りの世界」のみならず、別の歴史と時間を刻む「遥か遠くの世界」へ行く事さえも可能であったらしい。ジョニィ・ジョースターから「騎兵の回転」を食らった大統領は、それから逃れるためにいくつもの「並行世界」を移動し続け、その果てに『ザ・ワールド・オーバーヘブン』を持つDIOが支配する世界へと辿り着く。そこで大統領はDIOと出逢い、捕らえられてしまうのだった。(まったく異なる世界の大統領を引き寄せるほどに、DIOが持つ引力は異常に強かった、とも言える。)
「遺体」の所有者だった大統領から「脊椎部」を奪い取ったDIOは、さらなる力と支配を求める。「パラレル・ワールドの基本世界」の各時代に散らばった、「遺体」の部位を全て揃える事を決意。「遺体」同士の共鳴・引力を利用し、「パラレル・ワールドの基本世界」への侵攻を開始するのであった。




<特徴>
@本体:DIOが『天国』へ行く方法を実行する事で進化したスタンド能力。
恐らく、その実行の過程で、DIOは同じ世界のエンリコ・プッチと融合したのだろう。つまり、DIOの知るプッチは、もはやどこにも存在しない。しかし、後述する能力によって、「パラレル・ワールドの基本世界」で出逢ったプッチを「上書き」し、自分の世界のプッチとほぼ同一人物に変えてしまったのだ。
(なお、「並行世界」の1988年では、DIOとプッチが手を組んでジョースター一行を返り討ちにしたと推測される。この時、プッチは空条承太郎と対峙した。だから、「パラレル・ワールドの基本世界」で「上書き」された2012年のプッチにとっては、1988年の承太郎と出逢うのは2度目という事になる。)


A人型ヴィジョンを持つ近距離パワー型スタンド。10mもの射程距離も健在と思われる。


B筋骨隆々で逞しい体躯に、プロテクターや三角柱型のマスクを纏ったヴィジョン。元々の『ザ・ワールド』とほとんど変化はない。
両の手の甲や膝には「D」の文字がデザインされている。また、両肘やベルト部分、股間にはハートマークがちりばめられている。ダイバーが使用する酸素ボンベのような、2本の円柱を背負っている。瞳はより冷たく無機質で凶悪なものになった。


C得意技は、両拳から放たれる、世界を破壊し尽くすかの如きパンチのラッシュ。その掛け声は「無駄無駄」


D『天国』へ行く方法の実行により、DIO自身の肉体にも変化が生じている。髪は長く伸び、肌は薄紫色になり、両頬には「DIO」の名が刻まれ、神々しさと禍々しさを併せ持った姿となった。また、前述の通り、プッチと融合したものと思われるが、それでも「吸血鬼」の体質はそのまま残っているようだ。
そして、「吸血鬼」であるDIO同様、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』も太陽光「波紋」が弱点と推測される。




<能力>
「真実」を「上書き」する能力



@本体:DIOが『天国』へ行く方法を実行し、手に入れた力。それは「オーバーヘブン」と呼ばれる力である。
「オーバーヘブン」とは、「真実」を「上書き」する力。ジョルノ・ジョバァーナの『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』は、あらゆる行動や意志をゼロにする能力であり、どんな「真実」にも決して辿り着けなくする能力とも言える。それとは逆に、この「オーバーヘブン」は、望む「真実」に必ず辿り着ける能力と言えるだろう。
この世のあらゆる事象を、自らの思うがままに書き換えてしまえる能力。「運命」をも支配できる、「神」にも等しい力。まさしく、この世の全てを導く「星」、「天国の眼(アイズ・オブ・ヘブン)」なのだ。


A基本的には、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の手で直接触れたり殴ったりしたモノに対し、能力を発揮する事が出来る。
DIO自身の傷に触れる事で、負傷を消し去る「治療」「回復」の手段として利用していた。投げたナイフの軌道を「上書き」し、あり得ない方向から攻撃する事も可能。また、殴った相手を、DIOの望む形に「上書き」。その結果、自分に忠実な下僕として「支配」する事も、別の記憶を「付与」する事も、存在そのものを「消滅」させる事も容易である。それは、たとえ相手が生命のない死体であろうと「屍生人(ゾンビ)」であろうと関係ない。死者を「蘇生」させる事さえ可能である。
『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の能力も、ジョニィ・ジョースターの「騎兵の回転」のエネルギーさえも、その拳で殴り付けただけで消し去っていた。
普通の人間には耐えられないほどのエネルギーを与えて、次第に肉体を崩壊させ、塵のように消滅させる事も出来るようだ。


B上記Aは、すでに存在・実在しているモノに対して能力を行使するケースだが……、肉体すら消滅して死亡した者に対しても能力を発揮できる。そういった、手で触れようがないケース、「無」から「有」を創り出すケースは、手で直接触れる必要はないようだ。
恐らく、強大なスタンドパワーを世界全体に解放し、この世から消滅したという事実を別の「真実」で塗り潰してしまうのだろう。世界自体に働き掛け、「DIOがA地点にいる」という事実を「B地点にいる」という「真実」に「上書き」する事によって瞬間移動する事も、稲妻を生み出して自在に落雷を引き起こす事も可能である。この宇宙の歴史上、未だかつて存在し得ないものまで実在化する事も、決して不可能ではないはずだ。ペガサスやフェニックス、グリフォンのような空想上の生物を出現させる……、この世界を「天動説」に則った世界に創り変える……等々、「世界の構造」や「宇宙の摂理」すらも自由に歪められる能力なのである。


C上記Bで述べたスタンドパワーの解放。この応用・発展として、DIO自身を中心とする謎の異空間「オーバーヘブン空間」(以下「OH空間」)を創出する事が出来る。「OH空間」とは、天上には星々の煌めく宇宙が、地上には穏やかな海原のような大地だけがどこまでも広がる神秘的な空間である。
DIOは、解放したスタンドパワーを世界全体に展開。通常の空間とは異なる「真実」で構築された「OH空間」を創り出し、通常の空間に重ね合わせてしまうのだ。そして、この「OH空間」に許可したモノだけを強引に引き込み、閉じ込める事が可能なのである。これは、たとえターゲットが別の時代や「並行世界」に逃げていようと有効らしく、無数の「並行世界」を飛び回っていたファニー・ヴァレンタイン大統領も、この「OH空間」とDIOからは逃れる事は出来なかった。無論、DIO自身は「OH空間」と通常の空間を自由に行き来できるし、「OH空間」の創出・消滅も思いのまま。
「OH空間」そのものに殺傷性・危険性があるワケではないため、あくまで、逃亡者を捕える目的か、決闘の舞台とする目的くらいにしか使い道はなさそうだ。または、日中に太陽から身を守る目的で、シェルターとして利用する事もあるかもしれない。


DDIOの凄まじいスタンドパワーは、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』を形成しても、なお有り余っている。その余剰分のスタンドパワーは、オーラのような「黒いもや」となり、DIO自身の肉体を厚く覆っている。これにより、DIO自身がより強固に守られる事となるのだ。ただし、スタンドパワーを大量に消耗すると、この「もや」は一時的に消え去ってしまう。
また、この「もや」を切り離して、単独で動かせる。「もや」は『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の能力を帯びたスタンドパワーの塊であり、「もや」で覆われた者も「上書き」する事が可能なのである。『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の手で直接触れる必要なく、遠隔地でも能力を使うための便利な手段と言える。


EDIOのスタンドパワーは、彼が所有する「遺体」の力を多少なりとも宿している。そのため、「遺体」同士の共鳴・引力を利用して、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の能力で「上書き」した者を時空間・次元間移動させる事も可能である。もちろん本物の「遺体」ほどの精度はないだろうが、それでも「上書き」された者達は、様々な世界・時代・場所に散らばった「遺体」へとかなり接近する事が出来た。この移動能力は、「上書き」された者自身の意志でも使えるらしい。力の発生源であるDIO(の持つ「遺体」)の元へは、正確に移動・帰還できるようだ。
なお、少なくとも原作では、「遺体」による時間移動は一切描写されていない。しかし、この「パラレル・ワールド」に存在する「遺体」には、時間をも超える力が明確に備わっている。時間、空間、次元の移動が可能なのである。上記Cで述べた「OH空間」への行き来も容易い。


F何でもありと言っても過言ではない、強力無比・絶対無敵・荒唐無稽な能力。しかし、そんなスタンド能力にも弱点は存在する。
1つ目は、「真実」を「上書き」するために膨大な「魂」のエネルギーが必要となり、そのエネルギーをチャージする時間も必要となる点である。つまり、あまり能力の連発は出来ないという事。ちなみに、今ある「現実」と「上書き」する「真実」との差異が大きいほど、より多くのエネルギーを消耗するものと思われる。
2つ目は、(これは両手で能力を発動させるタイプのスタンドの共通点なのかもしれないが、)スタンドの両手が失われると、能力を使う事が出来なくなる点である。DIOの場合は「吸血鬼」でもあるため、たとえ両手を失っても回復は可能だが、治るまでの間はやはり能力が封じられる事となる。恐らく、両手は能力の「核」とも呼べる箇所であり、両手が失われると、他の手段(「スタンドパワーの解放」や「黒いもや」)でも能力は使えなくなってしまうだろう。ただし、両手を失ってからは新たに能力を使用できないというだけであって、すでに使っていた能力まで解除されてしまうワケではない。(逆に、能力の「核」である両手さえ健在ならば、拳での接触・殴打に限らず、肘打ちやキック等の「末端部での接触・攻撃」でも能力は使用可能と思われる。)
3つ目は、敵対する者が所有する「遺体」によって、能力の効果を弱体化させられてしまう点である。「遺体」が持つ聖なる力は、DIOのスタンドパワーを不安定にし、掻き消してしまえるのだ。もっとも、それはDIOや『ザ・ワールド・オーバーヘブン』に対してはほとんど効果がなく、DIOから切り離されたスタンドパワーである「黒いもや」を薄れさせる程度に過ぎない。「上書き」された者のDIOに支配された意識を、本人に取り戻してやるくらいが限界のようだ。その場合、支配されていた間の記憶は残らないらしい。


G『ザ・ワールド・オーバーヘブン』に進化した事で、『ザ・ワールド』の時間停止能力は失われたようだ。自ら時を止める事も、空条承太郎が止めた時の中で肉体を動かす事も、すでに出来なくなっている。時間停止能力が、「能力」を持たないスタンドだからこそ持てる能力なのだとすれば、「真実」の「上書き」というとてつもない能力を得た以上、失われて当然と言えよう。
ただ、かつての能力の残滓は残っており、「止まった時を認識する力」だけは若干働くらしい。その高密度・高純度のスタンドパワーゆえ、承太郎が止めた時の中でも精神・感覚は完全には停止せずに、「魂」のエネルギーをチャージし続ける事が出来る。
もっとも、必要となったら『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の能力で、自分自身に「時間を停止できる」という「真実」を「上書き」してしまえば良いだけなのかもしれないが……。


H「EoH」の物語中では、DIOは最終的に、承太郎が持つ部位「胴体部」以外の「遺体」を全て手に入れた。また、『天国』に逆らう「罪人」36名以上の「魂」のエネルギーを、極限にまで高めた後に集めて吸収した。
これにより、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』はさらなるパワーアップを果たしている。その比肩なきスタンドパワーは、ありとあらゆる「不可能」を「可能」に塗り替え、『「天国」を超えた世界』をも創り上げてしまう事だろう。


IDIOの首から下は、かつての宿敵:ジョナサン・ジョースターの肉体である。そのため、ジョナサンの子孫達に対して強い「引力」が働いており、彼らのスタンド発現のキッカケともなった。この血統と「引力」による繋がりが、結果として『ザ・ワールド』と『スタープラチナ』同じタイプのスタンドにしてしまったのだが、その影響は互いの属する世界が違っても働いてしまった。
「並行世界」のDIOと相まみえ、『ザ・ワールド・オーバーヘブン』の能力を直に体験した事での血と力の「共鳴」と、仲間達を殺された「怒り」によって、なんと承太郎も「オーバーヘブン」の領域へと引き上げられたのだ。承太郎は『天国』へ行く方法を実行してはいないが、所有していた「遺体」の力の加護もあったのだろう。目醒めたばかりの「オーバーヘブン」を使い、承太郎はDIOを倒す事に成功したのであった。
――DIO死亡後、「パラレル・ワールドの基本世界」は新たな「真実」を「上書き」されたようだ。その世界では、「EoH」での戦いを(朧げだったとしても)記憶しているのは、もはや承太郎のみ。他の者達は、せいぜい魂の奥底にごく微かな印象が残っている程度となった。そして、各時代での因縁の戦いで命を落としたはずの者達が「生きている」のである。承太郎自身も環境や心境が変化し、家族への愛情表現がより豊かなものとなっている。
とは言え、承太郎が本当の「真実」から目を逸らし、安易に歴史を歪めてしまうとは考えにくい。加えて、承太郎の「オーバーヘブン」は、極めて限定的・例外的に発動した奇跡の産物であり、「共鳴」の相手であったDIOの死後は恐らく消滅してしまったものと思われる。だとすれば、DIOが宿していた莫大なエネルギーが一気に解放され逆流し、とうとう全ての部位が揃った「遺体」からの祝福も受け、DIOが望まない「真実」へと世界が「上書き」された……という事なのかもしれない。それは「運命」からの贈り物、とも言えるだろう。




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