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ここに書いているのは、スタンドの個人的な解釈に過ぎません。
原作の設定・描写をベースに、
勝手に考察・妄想しただけのものです。
正確な公式データが欲しいという方には何の役にも立ちませんので悪しからず。




エコーズ / 本体: 広瀬 康一
< 進化の「可能性」を切り拓く能力 >





<特徴>
@1999年、本体:広瀬 康一(ひろせ こういち)が、虹村形兆の持つ『矢』に射抜かれた事によって発現したスタンド。
スタンド使いとしての「素質」と「器」を持ち併せた者ならば、『矢』で貫かれた傷はすぐに塞がる事となる。自分の能力に必要であれば、傷が「穴」として残るケースも稀にあるものの、傷自体は癒えるのが通常である。
ところが康一は、スタンドの「素質」は持っていたが、『矢』に射抜かれた時点ではまだ、スタンドを自在に発現・操作できるだけの「器」ではなかった。そのため、スタンド能力を無理矢理引き出されながらも、『矢』による傷が塞がる事はなかった。本来ならば、そのまま意識も戻らず息絶えてしまったのだろうが、東方仗助のスタンド『クレイジー・ダイヤモンド』によって傷を治療され、ギリギリで一命を取り留めたのである。


A上記の通り、非常に特殊な経緯で発現したという事もあり、スタンドそのものも他に例を見ないものとなっている。
本体:康一の「心」と「器」の成長に伴って、スタンドが度々「進化」を遂げるのだ。見た目も能力もまったく異なるものへと変容していく。


B最初、虹村形兆から強引にスタンドを発現させられた際には、「卵」のヴィジョンとして顕れた。「卵」としてはかなり大きく、その表面には斑模様が描かれている。
「卵」の内部では、明確な形と力を持てない「素」のスタンドパワーがたゆたっている。これを覆って包み込んでいる殻は、体外に放出された大量のスタンドパワーが四方八方へと霧散して、康一が死んでしまう事を防ぐためだけのものである。康一の防衛本能・生存本能そのものがスタンドパワーと結び付いて、辛うじて作り上げたヴィジョンと言えよう。
よって、「卵」が自ら行動する事は出来ない。スタンドパワーの漏洩・流出を留めておける、必要最低限の硬さと極限にシンプルな形状。それがこの「卵」なのだ。パワーがまったく無い反面、射程距離は数十〜数百mはあるだろう。


C逆に言えば、康一の体内に留まっているスタンドパワーの状態は、「卵」に包まれている状態にほぼ等しい。
「卵」とは即ち、擬似的な康一体内なのである。




<能力>
進化の「可能性」を切り拓く能力



@本体:広瀬 康一は、自らのスタンドパワーに明確な形と力を与えるだけの「器」を持たぬまま、スタンド使いになってしまった。
しかしそれゆえ、康一の体内(あるいは「卵」の内部)にたゆたう、この「素」のスタンドパワーは、これからどんな形にも力にも成り得る。無限の「可能性」が内包された、「可能性」の荒野なのだ。
康一は、自分自身や大切な人の危機と対峙した時、勇気と覚悟を持ってこの暗闇の荒野を切り拓く。その切り拓いた「道」は、己の新たな「可能性」へと通じる。そして、辿り着いた「可能性」に見合う新しい「形」と「力」をスタンドに与え、進化させるのである。漠然とした能力ではあるが、これこそが『エコーズ』の真の能力とも言えるだろう。


A作中では、後述する『ACT1』から『ACT3』までの3段階の進化を遂げた。
自力でこれほどに大きく変化したスタンドは、『エコーズ』の他には、せいぜいジョニィ・ジョースターのスタンド『タスク』ぐらいであろう。しかし、その『タスク』の変化も、あくまで「1つの能力」がどんどん発展・深化していったものである。また、『タスク』は『エコーズ』をも超える4段階の変化を果たしてはいるが、ベースとなる形態は『ACT2』であった。『ACT1』に戻る事はもう出来ないし、『ACT3』以降も条件付きの「一時的な生長」に過ぎない。
これに対し、『エコーズ』は進化する度に「異なる能力」を獲得していった。しかも、康一自身の意志で、自由に『ACT1』から『ACT3』までの切り替えが可能。一度に発現できるのは1体のみで、切り替える際には一旦スタンドを解除する必要があるものの、これは明らかに『エコーズ』だけが持つ特異性である。『エコーズ』は解除する都度、康一の体内で「素」のスタンドパワーに解体され(=「卵」へと還元し)……、発現し直す都度、新たに生まれ直し、かつて「可能性」の荒野に開拓した「道」を改めて辿り直しているという事なのだ。


B本来ならば、ある1つの「可能性」が実現するという事は、それ以外の「可能性」を閉ざしてしまうという事と同義である。しかし『エコーズ』は、上記Aで述べたように、自分の「可能性」を辿り直す事が出来る。この能力ゆえに、『エコーズ』の成長性は常にズバ抜けているのだ。
もしかしたら、『ACT4』、『ACT5』……と、さらなる進化を遂げるかもしれない。もしかしたら、『ACT2』の「Type B」、「Type C」……等と、別の進化系へと枝分かれするかもしれない。もちろん、全ては本体:康一の成長次第ではあるが……、「可能性」は常に、そこに在る。


C「ジョジョ世界」には、「運命」という絶対的な力が実際に存在している。「運命」で決定されている事は、どうあれ必ず起こるし、誰もそれに抗う事は出来ない。その「運命」の中において、「可能性」という概念は完全に否定される。確定的な「運命」と不確定的な「可能性」は、そもそも相反するものなのだ。
だが「運命」は、康一に「可能性」の能力を授けた。厳密に言えば、この能力さえも結局「運命」の一部に過ぎず、全てが筋書き通りである事に変わりはない。しかし、たとえ擬似的であろうと、康一が己の「可能性」を自ら切り拓いていく事に意味がある、と「運命」は判断したのであろう。自分の中に眠る勇気を奮い起こし、未熟な「器」を少しずつ育て鍛え上げていく事にこそ価値がある、と。
事実、康一によって救われた者は数多く、その行動の影響は計り知れない。そこには、「康一の成長」という要素が不可欠であった。この能力は、自分の成長をこれ以上ないくらいハッキリと教えてくれる。段階的に一歩ずつ成長していく自分を認識する事で、完成に至るまでの「過程」の大切さと喜びを学ばせてくれる。「運命」の視点から見れば、この能力は、彼の成長を促すための能力と言えよう。


Dこの『エコーズ』の真の能力は、本体:康一自身もまったく自覚していない。むしろ、自覚していないからこその能力とも言える。
康一に限らず、ほとんどの人間には、これほど荒唐無稽な能力を意識的に使いこなす事は難しいだろう。その自覚は、自分の力・才能への過信や恐怖に繋がり、康一の精神は成長への歩みを止めてしまうかもしれない。当然、もしそうなってしまえば、せっかくの無限の「可能性」を閉ざすキッカケになってしまいかねない。
『ACT1』から『ACT3』までの進化にしても……、康一が無意識的・無自覚的に、無限の「可能性」の中から「自身(人間)の成長過程」になぞらえた「可能性」を選び出し、『エコーズ』へと反映・投影させた結果である。自覚がなくても、このような「道標」「拠り所」が必要なのだ。もし自覚してしまっては、却ってどこに向かって行けば良いのかも分からなくなり、無限に広がる荒野の中で「迷子」になってしまう危険があるだろう。


E以下、『ACT1』から『ACT3』について解説する。






エコーズ ACT1
「音」を操る能力



<特徴>
@1999年、本体:広瀬 康一が小林玉美の策略によって、家族の危機に直面した際に進化したスタンド。


A「卵」から孵化しただけあって、まるで幼虫のような姿をしている。
両腕はあるが、両脚部はタイヤの形状になっている。その小さな体格の割に、長く大きなしっぽが特徴的。しっぽには、「卵」にもあった斑模様が描かれている。
「ギャース」と鳴き声を上げる事もある。


B射程距離50mの遠隔操作型スタンド。動作も素早くはなく、物理的なパワーも無いに等しい。
視聴覚は本体:康一とリンクしている。




<能力>
「音」を操る能力



@産まれたばかりで満足に動く事も出来ない赤ん坊にとって、外界を知覚するための刺激は、「音」が大きなウェイトを占めている。また、赤ん坊がこの世に産まれて最初に取る行動は、「産声」を上げる事である。そして赤ん坊は、「音」や「声」を使って自己を表現する事を少しずつ覚えていくのだ。
そんな「自身(人間)の成長過程」に近似した「可能性」へと辿り着いた事により、『エコーズ』もまた「卵」から孵り、ついに具体的な能力を獲得した。それがこの、「音」を操る能力である。


A様々な「音」を再現する事が出来る。ただしこれは、本体:広瀬 康一が聞いて知っている「音」でなければならない。
作中では……、友人:東方仗助の声、踏切警報機の警報音、公衆電話のプッシュ音などを再現・発生させていた。


B「音」に形を与える事が出来る。ただしこれは、『ACT1』か康一が発生源となった「音」に限られる。(『ACT1』の能力で再現した「音」、『ACT1』か康一の動作によって生じた「音」、康一が発した「声」)
この時、『ACT1』はその「音」を漫画の「オノマトペ」のような立体的な形にして封じ込め、直に掴み取る。そして、その「オノマトペ」を投げ付け、別の物質や生物に貼り付けてしまうのだ。張り付いた時点で、その「オノマトペ」は平面化して染み込む。
「オノマトペ」からは、封じ込められた「音」を何度でも再生する事が可能。同時に複数の「オノマトペ」を染み込ませる事も出来る。


C「オノマトペ」の能力射程は、数十〜数百m程度はありそうだ。


D生物に染み込ませた「オノマトペ」からは、その生物の肉体や魂の内側へと「音」を発し続ける事が出来る。よって、耳を塞ごうが何をしようが、この「音」から逃れる事は叶わない。(この能力ならば、耳が不自由な人に「音」を聞かせる事も不可能ではなさそうだ。)
「オノマトペ」の数が増えるごとに、音量もどんどん増幅する。康一が解除しない限り、決して鳴り止まぬ「騒音」「不協和音」の大洪水を喰らった者は、もはや正気を保つ事など出来なくなるだろう。


E「オノマトペ」から発せられる「音」は、それを聞く者の魂にまで伝わって鳴り響く。そのため、相手の性格・心根によって、「オノマトペ」の効果には大きな差が生じてしまう。
康一の必死な訴えの「声」を染み込ませたとして……、康一を好意的に想う者が相手ならば、その訴えを信じたいという気持ちがだんだんと強まっていく事だろう。しかし逆に、他人の言葉に聞く耳も持たない者が相手ならば、そんな訴えなど届かず、「オノマトペ」自体が剥がれ落ちてしまうのだ。






エコーズ ACT2
< 「文字」を実感させる能力 >



<特徴>
@1999年、本体:広瀬 康一が山岸由花子に極限まで追い詰められた事で進化したスタンド。
『ACT1』が「蛹(サナギ)」になり、そこから脱皮して生まれた。


A『ACT1』よりやや小型化してはいるが、両足も備わり、より人間に近いヴィジョンとなった。
甲羅のようなプロテクターには、「S」「2」と描かれている。『エコーズ』シリーズ(Series)の第2形態……といった意味合いなのだろうか?
また、相変わらず長く大きなしっぽも特徴的。「ビィッ」と鳴き声を上げる事もある。


B射程距離50mの遠隔操作型スタンド。パワーはまだ弱いが、スピードは飛躍的にアップした。
視聴覚は本体:康一とリンクしている。




<能力>
「文字」を実感させる能力



@赤ん坊は成長し、やがてその子は「文字」や「言葉」を学習するだろう。そして、「文字」自体のと、「文字」が持つ意味を理解していくのだ。
そんな「自身(人間)の成長過程」に近似した「可能性」へと辿り着いた事により、『エコーズ』も新たな能力を獲得した。それがこの、「文字」を実感させる能力である。


A『ACT2』は、自分のしっぽの先端部を切り離し、その手でグニグニと粘土のように捏ねて「形」を変化させていく。それは漫画の「オノマトペ」のような、擬音語・擬態語の「文字」の形となる。本体:広瀬 康一は、この「文字」を「しっぽ文字」と名付けて呼んでいた。(元に戻す際も捏ねて戻す。)
「しっぽ文字」に触れた者は、その擬音語・擬態語が表す状態・現象を体感してしまう。例えば……、「ドヒュウウウ」という「文字」に触れたなら、強風に吹き飛ばされてしまう。「ドジュウウ」という文字なら、火傷してしまう。「ドッグオンン」という文字なら、爆発の衝撃を受ける。「ボヨヨオン」という文字なら、トランポリンのように跳ね飛ばされる。……等々、その効果は多種多様である。


Bスタンド・ヴィジョンの一部を利用しての能力である事から、「しっぽ文字」の能力射程も『ACT2』自体と同様、本体:康一から50m程の距離と思われる。
また、「しっぽ文字」が破壊されてしまった場合、そのダメージは康一の背中にフィードバックする。「しっぽ文字」を再生するには、一旦スタンドを引っ込め、スタンドパワーを改めて練り直さなければならない。少なくとも数十秒以上の時間は要するため、一瞬の隙が生死を分ける戦闘時においては、致命的なタイムロスとなるだろう。


C何かに貼り付けた「しっぽ文字」は、平面化する事が出来る。これにより、「しっぽ文字」を思わぬ場所に設置でき、トラップを仕込みやすくなる。
この場合、「しっぽ文字」そのものでなく、「しっぽ文字」を貼り付けたモノに触れても能力は発動する。


Dしっぽの先端部を分割し、「しっぽ文字」を複数作る事も可能。
もっとも、分割した分だけ、「しっぽ文字」1個当たりの効果も弱まってしまうと思われる。


Eこの能力は、物理的な破壊力はまったく持っていない。あくまで、触れた者の「感覚」に訴え掛ける能力である。
言ってしまえば、「文字」から受ける「イメージ」を実感させているだけ。細胞レベル・魂レベルの強烈な「思い込み」を植え付け、それに伴って肉体にまで変化を与えているに過ぎない。天候レベルのサブリミナル効果によって、肉体をカタツムリ化させる『ヘビー・ウェザー』に近い能力と言える。
そのため、同じ擬音語・擬態語でも、人によって受け取る「イメージ」が異なる場合もある。康一が期待した効果が現れず、意外な結果が齎される事もあり得るだろう。(康一が「電気の衝撃」を期待して「バチバチッ」という「しっぽ文字」を作っても、それに触れた者が「連続平手打ち」をイメージすると、平手打ちされる痛みしか感じさせる事が出来ない。)


F上記Eで述べた性質により、この能力は、思い込みの強い性格の者ほど高い威力を発揮する。
とは言え……、多種多様な効果が得られる分、基本的・平均的な威力は決して高くはない。例えば、「メラメラ」という物を燃やす擬音語の「しっぽ文字」の威力は、炎や熱を操る専門能力を持ったスタンドには及ばないだろう。同様に、「ズシン」という重さが加わる擬音語の「しっぽ文字」も、後述する『ACT3』の能力ほどの「重さ」は与えられないだろう。


Gこの「しっぽ文字」に書かれた擬音語・擬態語を読んで理解できる者にしか効果は現れない。
「しっぽ文字」を実際に読む必要はなく、あくまでその擬音語・擬態語を「読める」「理解できる」という事自体が重要となる。(でなければ、スタンド使いにしか使えない能力になってしまう。)つまり、康一が日本語で「しっぽ文字」を作る以上は、日本語が分かる人間にしか通用しないのである。「人間以外の生物」や「(大部分の)外国人」、「擬音語・擬態語の概念を知らない者」、あるいは「生まれつき目の不自由な者」などに対しては、まったく力を発揮できないだろう。
パッと見の印象では『ACT1』に似た能力にも思えるが、その本質はまるで異なる能力なのだ。(「音」そのもののエネルギーを実体化させる『イン・ア・サイレント・ウェイ』は、『ACT1』と『ACT2』を合わせたような能力と言える。)


Hスタンドに対しても、「しっぽ文字」は有効である。
そのスタンドの本体が、上記Gで述べた条件さえ満たしていれば、たとえ「しっぽ文字」に触れたのが自動操縦タイプのスタンドだろうと効果は現れる。


I「無生物」に対しては、その力を発揮する事は出来ない。
「しっぽ文字」をぶつけてみたところで、その擬音語・擬態語に近い音を発するだけで終わってしまう。


J『ACT2』に聞こえる「音」を、立体的に「文字」化(「オノマトペ」化)する事も可能。
しかし、『ACT1』の能力とは違い、この「オノマトペ」自体には何の力も宿っていない。ただ単に「音」を視覚化しただけのものである。作中では、山岸由花子の心音を「文字」化する事で、彼女の生存をより詳しく確認していた。






エコーズ ACT3
< 殴ったモノを「重く」する能力 >



<特徴>
@1999年、本体:広瀬 康一が吉良吉影のスタンド『シアーハートアタック』との戦いで、命の危機に瀕した際に進化したスタンド。
『ACT2』から脱皮して生まれた。


Aとうとう完全に人型のヴィジョンとなった。「3」と描かれた短パンのようなものを履いている。
長く大きなしっぽの名残りなのか、お尻の部分には大きなトゲのような突起物がある。


B射程距離5mの近距離パワー型スタンド。『ACT1』や『ACT2』とは全然比較にならない程に高い水準のパワーとスピードを有する。


C自分の意思を持つスタンドであり、人語を話し、本体:康一の命令に従って行動する。それゆえ、視聴覚は康一とリンクしていない。




<能力>
殴ったモノを「重く」する能力



@子はさらに成長し、やがて確固たる自我・自意識を得るだろう。そして、時には自らの意志で、時には誰かからの指示・命令で、多くの他者が共生する社会へと歩みを進めていく。しかし、社会の中で生きていくためには、これまでのように自分の感情や欲望を露わにする事は出来ない。それらを強い「理性」で押さえ付けながら、己を律していく事となる。
そんな「自身(人間)の成長過程」に近似した「可能性」へと辿り着いた事により、『エコーズ』もまた新たな能力を獲得した。それがこの、「重く」する能力である。


Aこの「重く」する能力には、「3 FREEZE (スリー・フリーズ)」という韻を踏んだ名前が付けられている。これを繰り出す際、『ACT3』は拳法にも似た動きを取る。
「3 FREEZE」で殴ったモノなら、生物・無生物・スタンド問わず、どんなモノでも「重く」する事が可能。


B「重さ」は、ターゲットと本体:広瀬 康一との距離が関係する。
近付く程にどんどん「重さ」も増していき、30cmくらいの距離ならば、ターゲットは地面に深くめり込んで身動きも取れなくなるだろう。ただし、それはフルパワーの時の話である。加える「重さ」を調節・加減する事も可能なのだ。
だが、どうあれ能力射程の5mを超えて離れてしまうと、「重さ」も解除されてしまう。


C「重く」できるのは、「1つのモノ」「1ヶ所(1つの範囲)」のみである。
自動車(のように大きなモノ)を「重く」したければ、自動車そのもの(=1つのモノ)を「重く」すれば良い。また、敵の両腕(2つ以上のモノ)を同時に「重く」したければ、両腕が含まれる範囲(=1ヶ所)を「重く」すれば良い。しかし、その範囲は、せいぜい直径30cmそこらの狭い範囲に限られる。


D『ACT3』は一見、冷静沈着で礼儀正しいが、実際は本体:康一よりも荒っぽい性格である。言葉遣いも少々乱暴で、英語のスラングを多用する。だが、これら『ACT3』の言動は、康一が普段「理性」と「知性」で抑制し隠し続けているはずの、彼自身の「本質」・「本性」の一端が表に顕れたものなのだ。
そして、この「本質」・「本性」を強く押さえ付けている「理性」と「知性」の力を、『ACT3』は、別の方向へと、別のモノへと向かわせる事が出来る。「3 FREEZE」発動前の拳法に似た動きは、そのために必要な準備動作なのだ。この動作により、『ACT3』自身を押さえ付ける「理性」と「知性」の力は、その矛先と様相を変え、『ACT3』の両拳へと集中。さらに、その両拳で殴ったモノへと移動し、強く押さえ付ける事になる。これが『ACT3』の能力の根源である。即ち、「3 FREEZE」の「重さ」とは、康一の「理性」と「知性」の強さが変換された力なのだ。「重く」する能力というよりも、見えない力で「押さえ付ける」能力という方がより正確であろう。
ただし、生物が持つ「意識」や「精神」は、この能力(=康一の「理性」と「知性」)に対する抵抗力ともなる。そのため、加える事が出来る「重さ」も、生物と無生物とで大きく異なってしまうようだ。生物(スタンドも含む)に対しては、せいぜい数十kg〜100kg程度の「重さ」しか加えられないが……、無生物に対しては、最大で数トン以上もの「重さ」を加えられる。




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