「ジョジョリオン」の謎と考察・予想をまとめたよ
No.11 【 虹村さんが定助を敵視した理由は？ 】
【第1版】
虹村さんは当初、東方家に引き取られた定助をめっちゃ警戒していた様子。彼女も彼女なりに東方家を探り、「壁の目」の力などについても知っていました。定助の半分が、自分の兄「吉良吉影」である事実も認識していました。（たぶん家族なら直感的に理解できるのでしょう。） ……にも関わらず、定助に対しては大きな誤解を抱いていたのです。
虹村さんが定助を敵視していた理由は何だったんでしょうか？
虹村さんの行動の動機は基本、「母を守るため」です。そのためなら、孤独に東方家へ潜入する事も、他人を殺す事も、自分が死ぬ事さえも厭わない。そんな強い覚悟があるように見えました。であれば、定助を敵視したのも、定助が母にとって危険な存在と感じたからに他ならないでしょう。
母：ホリーさんは現在、脳や臓器の一部が欠如し、正しい認識能力を失っている状態にあります。その上、脳は何ヶ所も「人為的な形で奪われている」と医師が戸惑うほど。そんなあり得ない事を可能にする力を、彼女は知っています。そう、彼女が「何者かのスタンド能力による攻撃」と解釈するのは自然な事でしょう。そして、彼女がどこまで知っていたのかは謎ですが、もし定助の『ソフト＆ウェット』の奪う能力まで知っていたなら決定的。自ずと定助が容疑者として浮上してきます。
実は、ホリーさん自らが、定助の半身「X」に脳を奪わせていたとしても……、そんな事など知る由もありません。（⇒ No.8 【第2版】、 No.12
【第2版】参照） （2016/06/30：削除）
そもそも、虹村さんにとって定助は怪しすぎる人物なのです。自分が潜入する東方家にやって来たのに、ずっと記憶がないように振る舞っている。もし定助に兄の意識・記憶があるのなら、妹である自分には何かしら接触してくるはず。それがまったくない以上、兄ではなく「もう1人」の方の意識・記憶が残っている可能性が高い。
警戒を強めていたところに、定助が東方家の家系図を盗み見た痕跡を発見しました。そして定助は、すぐさま東方家を抜け出し、病院の方向へ近付こうと動き出したのです。仮に、本当に定助の記憶がなかったとしても、これで確実に「ホリー・ジョースター」の存在を知られた。それどころか、思い出したのかもしれない。記憶喪失なんてのはウソで、「吉良」の家の者を皆殺しにでもしようとしているのかもしれない。
定助の事情も動機も知らぬまま、彼女は警戒心と使命感の強さゆえに、「定助は今度こそ本気で母の命を奪おうとしている」と誤解してしまったのです。
（追記1）
ストーリーもだいぶ進行した今、改めて考えてみると、虹村さんが東方家の家政婦になったのがいつ頃なのか気になってきました。
まず、恐らく「石化病」で体調を崩していた母：ホリーさんが、さらに「ロカカカ」によって日常生活すら困難になってしまったのが2009年。（⇒ No.8 【第4版】参照） ちょうどその頃、兄：吉影は洋上の船の中で「岩人間」と遭遇。帰国後、母の入院を知った彼は、「岩人間」が取引している「ロカカカ」を奪い取る事を決意します。他人は平気で利用するけど、家族だけは大事にする吉影。妹を危険から遠ざけるため、「いいか。詳しくは言えないが、母さんを治せる可能性があるんだ。だから、全部オレに任せろ。治療費もオレが払ってるから心配するな。母さんに早く退院してほしいなら、それまでは母さんに会っちゃダメだぞ。」とでも告げたんでしょう。
兄の言いつけを守り、虹村さんは母に会う事はしなくなりました。しかし、ただ黙って待ち続ける事も出来ず、彼女は1人で秘かに「母を救う方法」を探し始めます。その当ては東方家。以前、母からチラリと聞いた、吉良家・ジョースター家の遠い親戚の一族。町の人達のウワサ等から推測するに、東方家も母と同じような「病気」に罹る血筋らしい。ならば、「病気」を治す方法も知っているのかもしれない。そうして、彼女は名を偽り、東方家の家政婦となって調査を開始したのでした。元々、吉影が彼女の存在を東方家から隠していたため、潜入は容易でした。（⇒ No.9 【第1版】、 No.29 【第5版】参照）
調査の結果、ついに突き止めたのが、埋めたモノ同士を「融合」させる「壁の目」のパワー。大震災の日に「壁の目」が町中で隆起し、東方家では憲助さんと常敏が大騒ぎ。その様子をこっそり窺っていると、「なんだ、これは！？まさか、土地の力は失われていないだろうな！？すぐ確認しなくては！」というような発言が聞こえ、そこから調べ上げたのです。
―― といった流れだったんじゃないかな、と想像。この場合、潜入開始時期は震災前。たぶん2010年だったんじゃないかと思われます。その後、兄に似た男：定助が東方家にやって来ます。「壁の目」で、兄ともう1人の誰かが「融合」したと直感したのでしょう。兄の身に何があったのか、兄がいつ自分に接触して来てくれるのか……、焦る気持ちを抑えて待っていましたが、いくら待っても定助は近付いて来ません。そして、数々の疑念・疑惑が彼女の中に生まれ、とうとう「兄」ではなく「敵」と見なされてしまったのでありました。
後日、虹村さんの誤解が解け、晴れて仲間になったと思われたのですが……、それ以降、彼女はすっかりおとなしくなっちゃってます（笑）。影が薄くなりすぎて、もはや普通の家政婦状態！
ジョースターの血を受け継ぐ重要人物のはずなんだから、このままではあまりにもったいない。定助やホリーさんの大ピンチに、『ボーン・ディス・ウェイ』のバイクを駆る虹村さんが颯爽と登場ッ！みたいな展開も妄想してしまいますよ。「吹雪」の能力もカッコイイんだし、活躍を期待してます。
その暁には、彼女の本名も明かしてほしいところ。「虹村 京」はあくまで偽名ですから。「吉良 京」ってのも、なんか合わないし。「吉乃 （よしの）」とか「吉果 （きっか）」とかそんな感じの、「吉」の字が入った名前だと思うんですけどね。
（2015年1月9日：【第1版】更新）
（2020年5月9日：【第1版】追記1）